結論

仕事の目標設定で失敗する人の多くは、「〜を強化する」「〜に取り組む」のように、終わったかどうかを誰も判断できない目標を、いくつも並べてしまう人です。目標がふわっとしていると、毎日の仕事の優先順位も決められず、評価面談では「何がどこまでできたのか」を説明できません。目標は「頑張ることの宣言」ではなく、「上司と一緒に答え合わせをするための約束」です。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、仕事の目標設定で失敗する人の特徴と、評価につながる目標の立て方を解説します。

1失敗ストーリー

5つの目標が、半年で1つも「終わらなかった」話

9月の中間面談で、上司に目標の進み具合を聞かれて答えに詰まるまなぶのイラスト

今年の4月、まなぶの会社では、上期の目標シートを書く時期になりました。入社して1年半、仕事にも慣れてきたまなぶは、「今年は一気に成長したい」と意気込んでいました。目標の欄には、次の5つを書きました。「新しい販促施策の企画力を強化する」「資料のテンプレートを整備する」「取引先との関係を深める」「AIを使って業務を効率化する」「後輩の育成に取り組む」。

上司との面談では、「意欲があっていいね」と言われ、そのまま目標が決まりました。まなぶ自身も、目標の数が多いほど、やる気があるように見えると思っていました。ところが、5月、6月と過ぎるうちに、まなぶは毎日の仕事に追われ、どの目標にも少しずつしか手をつけられませんでした。どれから進めればよいか迷うたびに、「全部大事だから」と、目の前の急ぎの仕事を優先してしまったのです。気づけば、目標シートは4月に書いたきり、一度も開いていませんでした。

9月の中間面談で、上司はまなぶの目標シートを見ながら聞きました。「この5つ、それぞれ今どこまで進んでいる?」。まなぶは答えに詰まりました。テンプレートは途中まで、AIの活用は少し試しただけ、取引先との関係は「深まった気がする」としか言えません。何をもって「できた」とするのかを、最初から決めていなかったのです。

上司は、責めるでもなく言いました。「頑張っているのは知っている。でも、この書き方だと、僕もどう評価すればいいか分からないんだ。下期は、数を絞って、終わったかどうかが分かる形にしよう」。まなぶは、帰りのエレベーターで、自分の目標シートを思い返していました。「目標を書いたつもりで、願いごとを並べていただけだったのかもしれない」。

2原因分析

仕事の目標設定で失敗する人の特徴5選

1

「強化する」「取り組む」で終わる目標を書いている

「〜を強化する」「〜に取り組む」という書き方は、前向きに見えますが、どこまでやれば達成なのかが分かりません。上司も本人も、半年後に答え合わせができなくなります。目標は「何を」「どこまで」「いつまでに」の3つで書き、終わったかどうかを第三者が判断できる形にするのが基本です。「販促施策を3本企画し、うち1本を9月までに取引先に提案する」と書けば、進み具合がひと目で分かります。

2

目標の数が多すぎる

やりたいことが多いほど、目標の数も増えがちです。けれども、毎日の仕事の時間は限られています。5つも6つも並べると、どれも中途半端になりやすく、優先順位もつけにくくなります。半年の目標は2〜3つに絞り、「これだけは必ずやりきる」ものを決めるほうが、結果として多くのことを前に進められます。絞りきれないものは、「できればやりたいこと」として分けておきましょう。まなぶの5つの目標も、本当に下期の評価に関わるのは、販促施策とテンプレートの2つだけでした。

3

会社やチームが求めていることと、つながっていない

自分が成長したいことを目標にするのは大切です。けれども、それがチームや会社の目標とつながっていないと、どれだけ頑張っても評価されにくくなります。目標を書く前に、上司に「今期、チームとして一番大事なことは何ですか」と聞いておくと、自分の目標を、チームが求める方向に合わせやすくなります。評価は、本人の頑張りと、チームへの貢献の両方で決まるのです。上司にとっても、チームの目標と部下の目標がつながっていれば、仕事を任せやすくなります。

4

途中で、進み具合を確かめていない

目標を書いたら、次の評価面談まで見返さない人も少なくありません。けれども、半年のあいだには、仕事の状況も変わります。月に一度、目標シートを見返して「予定どおりか、遅れているか」を確かめるだけで、早めに手を打てます。状況が大きく変わったときは、上司と相談して目標そのものを見直すことも必要です。目標は、一度決めたら終わりではなく、途中で育てていくものです。

5

成果の記録を、残していない

評価面談で「何をしたか」を話そうとしても、半年前のことは意外と思い出せません。まなぶも、取引先との関係が「深まった気がする」としか言えませんでした。目標に関わることをしたら、日付と中身を短くメモしておくと、面談のときに具体的に説明できます。たとえば「6月に取引先の担当者と勉強会を開いた」と書いておけば、それがそのまま、関係を深めた根拠になります。メモは、スマートフォンのメモ帳でも、手帳の端でもかまいません。続けやすい場所を選ぶことがいちばん大切です。

3図解

願いごとを並べる人と、答え合わせできる目標を立てる人の違い

⚠ 仕事の目標設定で失敗する人のパターン
「強化する」「取り組む」で終わる目標を、5つ以上並べる
↓
どれが一番大事か決めず、目の前の仕事を優先する
↓
途中で見返さず、成果の記録も残さない
↓
評価面談で何ができたかを説明できず、頑張りが伝わらない
◎ 仕事の目標設定が上手な人のパターン
チームが今期一番大事にしていることを、先に上司に聞く
↓
目標を2〜3つに絞り、「何を・どこまで・いつまでに」で書く
↓
月に一度見返し、やったことを日付と一緒にメモする
↓
評価面談で具体的に説明でき、頑張りがきちんと伝わる
4解決策

仕事の目標設定で失敗しないためのチェックリスト

目標シートを書くときと、書いたあとに、次の項目を確かめてみてください。目標の立て方が変わると、毎日の仕事の選び方も変わっていきます。

  • 目標を書く前に、チームが今期一番大事にしていることを上司に聞いた
  • 目標を2〜3つに絞った
  • それぞれの目標に「何を・どこまで・いつまでに」が入っている
  • 終わったかどうかを、上司も自分も判断できる書き方になっている
  • 月に一度、目標シートを見返す時間を決めた
  • 目標に関わることをしたら、日付と中身をメモしている
  • 状況が大きく変わったら、上司と相談して目標を見直すことにした

下期、まなぶは目標を2つに絞りました。「販促施策を2本企画し、1本を12月までに取引先へ提案する」「チームで使う資料のテンプレートを3種類作り、11月までに共有する」。月末の金曜日には、目標シートを開いて、やったことを書き足す時間を15分だけ取るようにしています。10月の終わりには、テンプレートが2種類できあがり、チームの資料づくりの時間が少し短くなったと、上司から言われました。「数を減らしたら、むしろ前に進むようになった」。まなぶは、目標シートの余白に、次にやることを書き足しました。

※目標の立て方や評価のしくみは、会社によって異なります。目標の書き方に決まりがある場合は、その形式に合わせつつ、上司と「何ができたら達成か」をすり合わせておくと安心です。
5おすすめサービス

仕事の失敗を減らすために

目標を毎日の仕事につなげるには、やることを見える化する道具と、自分の強みを客観的に知ることが役立ちます。

A
時間管理を効率化したい人向け

タイムマネジメント・スケジュール管理ツール【todoist】

目標を、毎日のやることと期限に分けて一覧にできるタイプです。「月末に目標シートを見返す」といった予定も書き込んでおけば、目標が書きっぱなしになるのを防げます。やったことを記録しておくと、評価面談の準備にも役立ちます。

詳細を見てみる

C
自分の市場価値やキャリアの方向性を客観視したい人向け

市場価値から本当のキャリアパスを見出すサービス【ミイダス】

第三者視点で、自分の強みや適性を整理するのを手伝ってもらえるタイプです。自分の得意なことが分かると、どんな目標を立てれば力を発揮しやすいかも考えやすくなります。今の職場で何を伸ばすかを考えるきっかけになります。

診断してみる

まなぶまなぶ
意気込んで5つも目標を書いたのに、どれも「できた」と言えないまま半年がたってしまいました…。
みらいみらい
目標は、頑張ることの宣言ではなく、上司と答え合わせをするための約束です。数を2〜3つに絞って、「何を・どこまで・いつまでに」で書きましょう。月に一度見返すだけでも、ずいぶん変わりますよ。
まなぶまなぶ
数を減らしたほうが、かえって前に進むんですね。

仕事の目標設定で失敗する原因は、終わったかどうかを判断できない目標をいくつも並べ、チームの方向ともつなげず、途中で見返さないことです。目標を2〜3つに絞り、「何を・どこまで・いつまでに」で書き、月に一度見返して記録を残す。それだけで、目標は評価につながる道しるべになります。評価・昇進・管理職で失敗しないための考え方は、評価・昇進・管理職の失敗から学ぶでまとめています。

評価・昇進・管理職については、昇進を断って後悔する理由や後輩の指導役で失敗した話もあわせて読んでみてください。

ABOUT ME
アバター
みらい
みんなの失敗談を共有して、たくさんの学びや共感をお届けするメディア「https://SHIPPAI.JP」を運営しています