副業スタートの失敗から学ぶ
副業のスタートでつまずく人は、勢いだけで飛び込んで失敗するか、失敗を恐れて準備ばかり重ね、いつまでも始められないかのどちらかに振れてしまうことが少なくありません。どちらも、「自分に合うかどうかを、小さく試して確かめる」という一歩が抜けている点では同じです。副業のスタートは、完璧な準備ではなく「小さく始めて、確かめながら直す」こと。失敗の経験はやめる理由ではなく、次の一歩を直す材料として使う。それが、副業を自分の力に変えるための始め方です。
「次こそ失敗しない」と準備を続けて、半年何も始められなかった話
この1年、まなぶは副業のスタートでいくつもの失敗を重ねてきました。収入ランキングだけで選んだ副業は、平日昼間の連絡に対応できず契約を打ち切られました。道具に30万円をかけた写真の副業は、半年で売上4,000円。「本日限り」の言葉に背中を押され、50万円の副業サポートを契約したこともありました。「月10万円」という目標を掲げて毎晩作業し、本業でミスをしたこともあります。
「次こそ、絶対に失敗しないようにしよう」。そう決めたまなぶは、徹底的に準備することにしました。副業に関する本を12冊読み、無料のオンラインセミナーにも5回参加しました。ノートには副業の候補を10個書き出し、収入の目安や必要な時間、向き不向きを比較する表を作りました。調べれば調べるほど、どの副業にも不安な点が見つかります。「もう少し調べてから決めよう」。そう考えているうちに、半年がたっていました。
ある日の昼休み、まなぶは同じ部署の後輩と話をしました。後輩は、まなぶの失敗談を聞いて「自分も何か始めてみたい」と言っていた一人です。「最近どう?」と聞くと、後輩はうれしそうに答えました。「社内の知り合いの紹介で、知人の会社の資料チェックを1件1,000円で受けてみたんです。半年で10件くらいになって、この前は別の会社を紹介してもらいました」。
後輩が始めたのは、まなぶの比較表にも載っていた、ごく小さな仕事でした。「完璧に準備してから」と考えていた半年の間に、後輩は小さく始めて、実績と信頼を積み上げていたのです。
その夜、まなぶは本棚に並んだ12冊の副業本を見つめていました。付箋だらけの本の間から、何度も書き直した比較表が出てきました。会社の先輩に話すと、先輩は笑いながらこう言いました。「失敗しないための準備が、始めないための言い訳になってない?」。
まなぶは気づきました。勢いだけで飛び込んでいたときも、準備ばかりで動けなかったときも、「小さく試して確かめる」ことをしていなかったのは同じだったのです。
副業のスタートでつまずく原因
失敗の怖さから、情報集めそのものが目的になった
過去の失敗が重なると、「次は絶対に失敗したくない」という気持ちが強くなるのは自然なことです。けれど、本やセミナーで集めた情報は、自分に合うかどうかまでは教えてくれません。情報を集めるのは、決めるための手段であって、ゴールではないと意識することが大切です。調べる期間をあらかじめ決めておけば、情報集めがいつまでも続くことを防げます。本を何冊読んでも、実際に1件の仕事を受けて分かることにはかないません。
すべての不安が消えるまで、始めようとしなかった
どの副業にも、不安な点やリスクはあります。それがすべて消えるのを待っていたら、いつまでたっても始めることはできません。まなぶは、調べるほど見つかる不安に足を止めてしまいました。不安を「なくす」のではなく、「小さく試して確かめる」という考え方に切り替えることで、不安は動けない理由から、確かめるべき項目に変わります。
比べるばかりで、決めるための基準を持っていなかった
10個の候補を比較する表を作っても、何を基準に選ぶのかが決まっていなければ、いつまでも比べ続けることになります。使える時間帯、これまでの経験、初期費用の上限など、自分にとって譲れない条件を3つほど決めておけば、候補は自然と絞り込めます。比較表は、決めるための道具として使ってこそ意味があります。
「小さく試せる最初の一歩」を決めていなかった
後輩が最初に受けたのは、1件1,000円の資料チェックでした。お金も時間もほとんどかからない、小さな一歩です。けれど、その一歩があったからこそ、自分に合うかどうかを確かめ、実績を積み上げることができました。「1件だけ受けてみる」「1か月だけ試してみる」のように、失敗しても痛くない最初の一歩を決めることが、副業のスタートでいちばん大切な準備です。
過去の失敗を、「直す材料」ではなく「やめる理由」にしていた
まなぶのこれまでの失敗には、次に生かせるヒントがたくさん詰まっていました。使える時間に合わない副業は選ばない。道具は試してから買う。大きな契約はその場で決めない。目標は小さく決める。それなのに、まなぶは失敗を「自分には向いていない」という理由にしてしまっていました。失敗から学んだことを、次の一歩の選び方に生かす。その姿勢があれば、過去の失敗は確かな道しるべになります。
スタートでつまずく人と、小さく始めて育てる人の違い
2つのパターンの違いは、慎重さの度合いではありません。副業のスタートを「一度で正解を選ぶこと」と考えるか、「小さく試しながら自分に合う形を見つけること」と考えるかの違いです。
副業を続けている人の多くは、最初から正しい副業を選んだわけではありません。小さく始め、合わないところを直し、ときには別の副業に移りながら、少しずつ自分に合う形を見つけてきました。大切なのは、最初の選択の正しさではなく、試して確かめる回数なのです。
副業を小さく始めるためのチェックリスト
- 情報を集める期間を「2週間」などと先に決めておく
- 使える時間・生かせる経験・費用の上限など、譲れない条件を3つ決める
- 条件に合う候補を2〜3個に絞り、それ以上は比べない
- 「1件だけ」「1か月だけ」など、失敗しても痛くない最初の一歩を決める
- 大きなお金を使う前に、手持ちの道具や無料の方法で試す
- やってみた結果を振り返り、続けるか直すかを決める日を決めておく
まずは「今月中に、副業の仕事を1件だけ受けてみる」と決めてみてください。うまくいかなくても、それは失敗ではなく、自分に合うかどうかを確かめた大切な経験になります。その1件が、副業を育てていく最初の一歩です。
副業のスタートに、誰にでも当てはまる正解はありません。勢いで飛び込むことも、準備ばかりで止まることも、どちらも小さく試す一歩が欠けているという点では同じです。過去の失敗を直す材料にしながら、小さく始めて確かめる。その積み重ねが、副業を自分の力に変えていきます。
副業を小さく始めたい人へ
日本最大級のクラウドソーシング【ランサーズ】
さまざまな分野の案件を探せるタイプです。まずは小さな案件を1件受けてみて、自分に合うかどうかを確かめたい人に向いています。契約条件のテンプレートが用意されている場合もあり、初めての取引でも取り決めがしやすいのも安心材料です。
フリーランス・キャリア相談サービス【ポテパンフリーランス】
自分のスキルの適正な価格帯や、仕事の進め方について相談できるタイプです。一人で悩まず、客観的な視点を取り入れられます。たくさんの候補の中から、自分の経験を生かせる副業を絞り込みたい人にも役立ちます。
まなぶ
みらい副業のスタートでつまずくと、勢いで飛び込んで失敗するか、失敗を恐れて準備ばかり重ねるかのどちらかに振れてしまいがちです。けれど本当に大切なのは、自分の条件を決めて候補を絞り、失敗しても痛くない小さな一歩で試し、その結果をもとに続けるか直すかを決めることです。過去の失敗を直す材料にしながら、小さく始めて確かめる。その積み重ねが、副業を育てていく力になります。
副業を始めるときには、次のような失敗も起こりやすくなります。具体的なケースは、それぞれの記事で詳しく紹介しています。
副業を始める前に知っておきたい、失敗する人に共通するポイントについては、副業で失敗する人の共通点でもまとめています。あわせて読んでみてください。

