結論

副業選びで失敗する人は、「いくら稼げるか」だけで副業を決め、自分の生活や経験に合うかどうかを確かめていないことが少なくありません。どんなに収入が高い副業でも、本業の合間に対応できなかったり、経験がまったく生かせなかったりすれば、続けることはできません。副業は「稼げるもの」ではなく「自分が続けられるもの」から選ぶ。使える時間、得意なこと、小さく試せるかどうか。この3つを確かめてから選ぶことが、副業で失敗しないための第一歩です。

1失敗ストーリー

「収入ランキング1位」の副業を選んだ結果

会議を終えた夕方の廊下で、スマートフォンに届いた大量の通知に気づき青ざめるまなぶのイラスト

まなぶが副業を始めようと思ったのは、去年の秋のことでした。給料はなかなか上がらず、将来のためにもう少し収入を増やしたい。そう考えて、ネットで「会社員におすすめの副業」を調べ始めました。

目にとまったのは、ある記事の「稼げる副業ランキング」でした。1位は「Web広告の運用代行」。お店や会社のネット広告を代わりに管理する仕事で、「月5万円以上も目指せる」と書かれています。「1位なら間違いないだろう」。広告の仕事をしたことはありませんでしたが、まなぶは3万円の教材を買い、1か月ほどで勉強を終えると、知り合いの紹介で地元の美容室の広告を任されることになりました。

最初の数週間は、順調に思えました。夜に教材を見返しながら広告の設定を整え、週末には結果をまとめてオーナーに報告する。「副業って、意外とできるものだな」。まなぶは少し自信をつけていました。

ところが、仕事に慣れてくるころに困ったことが起きました。美容室のオーナーから連絡が来るのは、決まって平日の昼間です。「今日のキャンペーン、すぐに広告を止めてほしい」「明日の予約が少ないから、広告を増やせる?」。会議や外回りの多いまなぶは、メッセージに気づくのが夕方になることも珍しくありませんでした。

そして3か月目のある日。会議を終えてスマートフォンを見ると、オーナーからのメッセージが何件も届いていました。設定を見直していなかったせいで、広告費が予定の2倍近くまで使われていたのです。「昼間に連絡がつかないと、正直困ります」。翌月、まなぶは契約を打ち切られました。

落ち込むまなぶに、同じ部署の先輩がこんな話をしてくれました。先輩は、仕事で何年も作ってきた営業資料の経験を生かして、週末に小さな会社のプレゼン資料を作る副業をしているそうです。「収入は月2〜3万円だけど、得意なことだし、週末に自分のペースでできるから続いてるんだよね」。

まなぶは気づきました。自分は「稼げるかどうか」だけを見て、自分に続けられるかどうかを一度も考えていなかったのです。

2原因分析

副業選びで失敗する人の特徴5選

1

収入の高さやランキングだけで選んでいる

「稼げる副業ランキング」や「月○万円」という言葉は、副業を選ぶときにとても魅力的に見えます。けれど、そこに書かれている金額は、経験や時間が十分にある人の例であることがほとんどです。ランキングの順位は、自分に向いているかどうかを教えてはくれません。収入の高さは、選ぶ理由の一つにすぎないと考えておくことが大切です。また、収入が高い副業ほど、求められる責任や対応の速さも大きくなりがちです。金額の裏にある「どんな働き方を求められるか」まで確かめておきましょう。

2

自分が使える時間帯と、仕事の性質を照らし合わせていない

会社員が副業に使えるのは、平日の夜や週末が中心です。一方で、お客さまとのやり取りが日中に集中する仕事や、すぐに対応しなければならない仕事もあります。まなぶの広告運用代行は、まさに平日の昼間に動く仕事でした。「いつ、どれくらいの時間を使えるか」と「その仕事がいつ動くか」を照らし合わせることで、無理のある副業を選ばずにすみます。

3

これまでの経験や得意なことを棚卸ししていない

先輩の副業がうまく続いているのは、本業で何年も積み重ねた資料作りの経験を生かしているからです。まったく経験のない分野を選ぶと、覚えることが多く、お客さまの期待に応えるまでに長い時間がかかります。自分がこれまでにどんな仕事をしてきたのか、人から何を頼まれることが多いのかを書き出してみると、意外な強みが見つかることがあります。経験を生かせる副業は、最初の一歩を踏み出しやすいだけでなく、お客さまからの信頼も得やすくなります。

4

小さく試さずに、いきなり本格的に始めている

まなぶは教材を買い、勉強を終えるとすぐにお客さまの広告をまるごと任されました。けれど、その仕事が自分に合うかどうかは、実際にやってみないと分かりません。まずは短い期間や小さな仕事で試してみて、続けられそうかどうかを確かめることで、大きな失敗を防ぐことができます。合わないと分かれば、早めに別の副業を考え直すこともできます。知り合いからの紹介の仕事は断りにくいものですが、「最初の1か月は試しにやらせてください」と伝えておくだけでも、お互いの負担はぐっと軽くなります。

5

他人の成功談を、そのまま自分に当てはめている

ネットやSNSには、「副業で月10万円稼げた」という体験談がたくさんあります。けれど、その人がどんな経験を持ち、どれくらいの時間を使えたのかまでは、なかなか書かれていません。同じ副業でも、成功するかどうかは人によって大きく変わります。他人の成功談は参考にしつつも、「自分の生活や経験に置き換えたらどうなるか」を考える習慣を持つことが大切です。体験談を読むときは、その人が副業を始める前に何をしていたのか、1週間に何時間使っていたのかに注目してみると、自分との違いが見えてきます。

3図解

副業選びで失敗する人と、続けられる人の違い

⚠ 失敗する人の選び方
ランキングや収入の高さを見て、副業を決める
↓
経験がなくても、教材を買えば何とかなると考える
↓
いきなり本格的に始め、本業との両立に苦しむ
↓
時間も信頼も足りず、続けられなくなる
◎ 続けられる人の選び方
使える時間帯と、これまでの経験を書き出す
↓
自分の生活と経験に合う副業を、いくつか候補にする
↓
小さな仕事で試してから、続けるかどうかを決める
↓
無理なく続けられ、少しずつ収入も伸びていく

2つの選び方の違いは、収入への意欲の強さではありません。「どの副業が稼げるか」から考えるか、「自分はどんな副業なら続けられるか」から考えるかの違いです。

副業で成果を出している人の多くは、最初から高い収入を目指していたわけではありません。自分の生活に合い、経験を生かせる副業を選び、小さく始めて続けてきた結果として、少しずつ収入が増えていったのです。副業選びは、ゴールではなくスタート地点を選ぶことだと考えると、見るべきポイントが変わってきます。

4解決策

副業を選ぶ前にチェックしたいこと

  • 平日・週末それぞれで、副業に使える時間帯と時間数を書き出す
  • 候補の副業で、お客さまとのやり取りがいつ発生するかを調べる
  • これまでの仕事で、人から頼まれることが多かった作業を書き出す
  • ランキングや体験談の収入額は、「経験と時間がある人の例」と考える
  • いきなり本格的に始めず、短期間や小さな仕事で試してみる
  • 会社の就業規則で、副業が認められているか、届け出が必要かを確認する

まずは「1週間のうち、副業に使える時間を書き出してみる」ことから始めてみてください。使える時間がはっきりすると、選ぶべき副業と、避けたほうがよい副業が自然と見えてきます。次に、これまでの仕事で褒められたことや頼まれたことを3つ書き出せば、候補はさらに絞り込めます。

副業選びに、誰にでも当てはまる正解はありません。ランキングや他人の成功談ではなく、自分の時間と経験を物差しにして選ぶ。それが、副業を長く続け、少しずつ育てていくための土台になります。

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まなぶまなぶ
ランキング1位だからって選んだけど、昼間の連絡に全然対応できなくて、契約を打ち切られちゃいました…。
みらいみらい
今回の経験で、まなぶさんに合う働き方がはっきりしたはずです。次は「いつ使える時間があるか」と「何が得意か」から選んでみましょう。自分に合った副業なら、きっと長く続けられますよ。

副業選びでつまずく人は、収入の高さやランキングに目を奪われ、自分の生活や経験に合うかどうかを確かめずに始めてしまいがちです。使える時間帯と仕事の性質を照らし合わせ、これまでの経験を棚卸しし、小さく試してから決める。その手順を踏むだけで、続けられる副業に出会える可能性はぐっと高まります。

副業を始める前に知っておきたい、失敗する人に共通するポイントについては、副業で失敗する人の共通点でもまとめています。あわせて読んでみてください。

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