結論

副業の初期投資で後悔する人は、道具をそろえることが「副業を始めること」になってしまい、売れるかどうかを確かめる前に大きなお金を使っていることが少なくありません。高い道具をそろえても、それだけで収入が生まれるわけではありません。副業の最初の一歩は、今あるもので「小さく試す」ことから。回収の見込みを計算し、毎月かかる費用まで含めて考え、続けられると分かってから少しずつ道具を足していく。それが、初期投資で後悔しないための基本です。

1失敗ストーリー

30万円かけたカメラの副業で、半年の売上が4,000円だった話

クローゼットの前でカメラを手に、スマートフォンを見て肩を落とすまなぶのイラスト

まなぶが写真の副業に興味を持ったのは、ある動画がきっかけでした。撮影した写真を素材サイトで販売し、「趣味のカメラで毎月5万円」と話す会社員の動画です。もともと旅行先で写真を撮るのが好きだったまなぶは、「これなら自分にもできるかもしれない」と胸が高鳴りました。

まなぶはさっそく、道具を調べ始めました。「どうせやるなら、ちゃんとした道具で」。家電量販店の店員に相談し、ミラーレス一眼カメラと明るいレンズ2本で約22万円。写真の色を正確に確かめるための外付けモニターに4万円。編集ソフトは年額のプランで約3万円。さらに、照明や三脚などの小物をそろえ、合計は30万円を超えました。ボーナスの大半が、1週間で消えていきました。

新しいカメラを手にしたまなぶは、週末ごとに近所の公園や街並みを撮影し、素材サイトに写真を登録していきました。けれど、半年たっても売れたのはわずか数枚。売上は合計で4,000円ほどでした。道具の使い方を覚えるだけでも時間がかかり、カメラの機能の半分も使いこなせていませんでした。

そんなとき、会社の同僚が、スマートフォンで撮った写真を素材サイトで販売していると聞きました。「最初は手持ちのスマホで、オフィスの小物とか、手元の作業風景とかを撮ってたんです。どんな写真が売れるのか分かってきたから、最近ようやくカメラを買おうか考えているところで」。同僚の売上は、まなぶの何倍もありました。使っている道具はずっと安いのに、売れている写真の数はまったく違う。まなぶは、自分が何か大事な順番を間違えていたような気がしてきました。

半年後の日曜日。まなぶはクローゼットの奥にしまっていたカメラを取り出し、フリマアプリで売却した場合の相場を調べました。表示された金額は、買ったときの半分ほど。さらに、毎年かかる編集ソフトの更新日が、来月に迫っていました。

まなぶは気づきました。自分は「売れるかどうか」を確かめる前に、「道具をそろえること」で満足してしまっていたのです。

2原因分析

副業の初期投資で後悔する理由

1

道具をそろえることが、「始めたこと」になってしまう

新しい道具を買うと、それだけで副業を始めた気持ちになります。けれど、道具はあくまで手段で、収入を生むのは「誰かに求められるものを届けること」です。まなぶは道具選びには熱心でしたが、どんな写真が求められているのかを調べることは後回しにしていました。道具を買う前に、「何を、誰に届けるのか」を決めておくことで、本当に必要な道具も見えてきます。

2

使ったお金を、いつ回収できるかを計算していない

30万円の初期投資を回収するには、どれくらい売れればよいのでしょうか。写真1枚の販売で受け取れる金額が数十円から数百円だとすると、必要な販売枚数は数千枚にもなります。まなぶは、この計算を一度もしていませんでした。「何か月で、いくら売れれば元が取れるか」を、買う前に紙に書き出してみるだけで、無理のある投資に気づくことができます。回収の見込みが立たない金額なら、まずは投資を小さくすることを考えましょう。

3

今あるもので試さずに、いきなり買いそろえている

同僚は、手持ちのスマートフォンで副業を始めました。そうして、どんな写真が売れるのかを確かめてから、カメラを買うかどうかを考えています。多くの副業は、最初から高価な道具がなくても試すことができます。今あるもので小さく始め、手応えを感じてから道具を足していく順番なら、合わなかったときの損失を小さく抑えられます。道具の不足を感じたときこそが、買い足すタイミングです。

4

毎月・毎年かかる費用を見落としている

副業の費用は、最初に払うお金だけではありません。編集ソフトやツールの月額・年額の利用料、販売サイトの手数料、通信費など、続けるかぎりかかる費用もあります。まなぶは、編集ソフトの年額プランが自動で更新されることを、すっかり忘れていました。収入がまだ少ない段階では、こうした毎月・毎年の費用が、じわじわと手元のお金を減らしていきます。始める前に、続けるためにかかる費用も一覧にしておくことが大切です。月にかかる費用が分かれば、「最低でも毎月これだけ売れないと赤字になる」という目安も見えてきます。

5

自分の腕前に合わない、高すぎる道具を選んでいる

プロ向けの高性能な道具は、使いこなせてこそ力を発揮します。まなぶは、カメラの機能の半分も使えないまま半年が過ぎてしまいました。初心者のうちは、高機能な道具よりも、扱いやすく、失敗しても惜しくない道具のほうが、練習に集中できることもあります。腕前が上がり、道具の限界を感じるようになってから、一段上のものに買い替えても遅くはありません。そのころには、自分にとって本当に必要な機能が何かも、はっきり分かっているはずです。

3図解

初期投資で後悔する人と、後悔しない人の違い

⚠ 後悔する人の始め方
やる気が高いうちに、高価な道具を一気にそろえる
↓
回収の見込みや、続けるための費用を計算しない
↓
道具の使い方を覚えるだけで時間がかかる
↓
売上が伸びないまま、費用だけが残る
◎ 後悔しない人の始め方
今あるもので、小さく試してみる
↓
何が求められているかを確かめ、回収の見込みを計算する
↓
必要だと分かった道具から、少しずつ買い足していく
↓
損失を小さく抑えながら、副業を育てていける

2つの始め方の違いは、使ったお金の額ではありません。道具を「始めるための条件」と考えるか、「続けるうちに必要になったら買うもの」と考えるかの違いです。

副業を長く続けている人の多くは、最初は驚くほど身軽に始めています。手持ちのパソコンやスマートフォン、無料のツールで試し、手応えを感じた分だけ道具に投資していく。そのやり方なら、たとえその副業が合わなかったとしても、大きな損を抱えずに次の挑戦に移ることができます。

4解決策

副業の初期投資で後悔しないためのチェックリスト

  • 道具を買う前に、何を誰に届ける副業なのかを一文で書く
  • 手持ちの道具や無料のツールで、まず1か月試してみる
  • 使うお金を回収するには、何か月でいくら売る必要があるかを計算する
  • 月額・年額の利用料や手数料など、続けるための費用を一覧にする
  • 自動更新のある契約は、更新日をカレンダーに登録しておく
  • 高価な道具は、手持ちの道具の限界を感じてから検討する

まずは「買いたい道具をリストにして、それがなくても今すぐ試せる方法を考えてみる」ことから始めてみてください。多くの場合、手元にあるもので最初の一歩は踏み出せます。道具を買うのは、その一歩で手応えを感じてからでも遅くありません。

副業に使うお金は、将来への投資です。けれど、投資である以上、回収の見込みを考えずに使うのは危険です。小さく試し、確かめ、必要な分だけ投資する。その順番を守ることが、副業を楽しく、長く続けるための土台になります。

5おすすめサービス

副業のお金を上手に管理したい人へ

A
支出を可視化したい人向け

サブスク管理・家計簿アプリ【マネーフォワードME (ミー)】

契約中のサブスクリプションを一覧で管理できるタイプです。見落としがちな支出を可視化する助けになります。更新日を通知してくれる機能があると、うっかり課金も防ぎやすくなります。副業のために契約したツールの月額・年額の費用を、まとめて把握したい人に向いています。

詳細を見てみる

B
経費の扱いが不安な人向け

副業向け確定申告・税務相談サービス【リベ大税理士法人】

利益が出た場合の確定申告や、経費計上について相談できるタイプです。副業を続ける上で避けて通れない部分をサポートしてもらえます。副業のために買った道具やツールの費用をどう扱えばよいのか、早めに確認しておきたい人に役立ちます。

相談してみる

まなぶまなぶ
ちゃんとした道具をそろえれば稼げると思って30万円も使ったのに、半年の売上は4,000円でした…。スマホで始めた同僚のほうが、ずっと売れてたんです。
みらいみらい
写真を撮るのが好きな気持ちは、副業の大きな力になりますよ。次は、どんな写真が求められているかを確かめながら、今ある道具で小さく試してみましょう。そのカメラが本当に活躍するのは、きっとそれからです。

副業の初期投資で後悔する人は、やる気が高いうちに道具を一気にそろえ、売れるかどうかを確かめる前に大きなお金を使ってしまいがちです。今あるもので小さく試し、回収の見込みと続けるための費用を計算し、必要だと分かった道具から少しずつ買い足していく。その順番が、お金の後悔を防ぎ、副業を育てていくための近道になります。

副業を始める前に知っておきたい、失敗する人に共通するポイントについては、副業で失敗する人の共通点でもまとめています。あわせて読んでみてください。

ABOUT ME
アバター
みらい
みんなの失敗談を共有して、たくさんの学びや共感をお届けするメディア「https://SHIPPAI.JP」を運営しています