結論

中途入社で放置されて失敗する人の多くは、「そのうち誰かが仕事を教えてくれるはず」と指示を待ち、分からないことを聞けないまま、最初の数週間を過ごしてしまう人です。中途入社の人は「経験者だから大丈夫」と思われやすく、新卒のような手厚い研修がない会社も少なくありません。だからこそ、自分から聞きに行き、仕事を取りに行く動き方を知っておくことが、新しい職場になじむ近道になります。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、中途入社で放置されて失敗する人の特徴と、最初の数週間にやっておきたいことを解説します。

1失敗ストーリー

パソコンと資料のフォルダを渡されて、2週間が過ぎた

入社して2週間後、出張から戻った上司に、たまっていた質問をびっしり書いたノートを差し出すまなぶのイラスト

2年前の12月1日、まなぶは今の会社に入社しました。初日に渡されたのは、ノートパソコンと、過去の資料が入った共有フォルダの場所だけでした。上司は年末の繁忙期で、お客さまのところへの出張が続いていました。「まずは資料に目を通しておいて」。そう言われたまま、ほかに何の説明もなく、まなぶは自分の席で、何百もある資料を一つずつ開いていきました。どの資料が大切なのか、どこから読めばいいのかも分からないままでした。

周りの人たちは、みんな忙しそうでした。チャットには知らない言葉が飛び交い、会議の予定が次々に入っています。声をかけるきっかけが、なかなか見つかりません。「忙しいところに質問したら、迷惑だろう」「経験者として入ったのに、こんなことも分からないと思われたくない」。まなぶは、分からないことをノートに書きためるだけで、誰にも聞けずにいました。忙しそうに見えるように資料を開いたり閉じたりしながら、時間だけが過ぎていったのです。夜は家に帰ってから、会議で出てきた言葉を一人で調べていました。

2週間がたったある日、出張から戻った上司が声をかけてきました。「ごめん、ほったらかしにしてたね。何か困ってない?」。まなぶは「大丈夫です」と答えかけて、ノートを見せました。そこには、2週間分の質問がびっしり書かれていました。上司は苦笑いしながら、「これ、初日に聞いてくれればよかったのに」と言い、30分ほどで半分以上の質問に答えてくれました。まなぶが一人で何日も悩んでいたことの多くは、聞けば5分で分かることだったのです。上司もまた、まなぶが困っていることに気づけずにいました。

あとから振り返ると、まなぶは「教えてもらうのを待つ」ことしかしていませんでした。放置されていたのは確かだけれど、自分から動けば変えられたことも多かった。誰に聞けばいいのか、最初の1か月で何を目指せばいいのか。それを自分から確かめに行かなかったことが、2週間を無駄にした一番の原因でした。経験者として入ったからこそ、聞くことをためらってしまったのです。

2原因分析

中途入社で放置されて失敗する人の特徴5選

1

指示が来るのを待っている

中途入社の人は、新卒のように一から順番に教えてもらえるとは限りません。受け入れる側も忙しく、「経験者だから自分で動けるだろう」と考えていることがよくあります。指示を待っているだけでは、いつまでも仕事が回ってこないこともあります。「今、自分にできることはありますか」「この資料を読んだら、次は何をすればいいですか」と、自分から仕事を取りに行く姿勢が大切です。動いている姿が見えれば、周りも声をかけやすくなります。

2

「迷惑をかけたくない」と質問をためらう

忙しそうな人に質問するのは、気が引けるものです。けれど、分からないまま一人で悩む時間のほうが、会社にとっても自分にとっても損失は大きいのです。質問は、ノートにためて1日1回まとめて聞く、「5分だけいいですか」と時間を区切って聞くなど、相手の負担が少ない形を工夫しましょう。入社直後は、質問すること自体が仕事の一つだと考えて大丈夫です。むしろ、何も聞かれないほうが、受け入れる側は不安になるものです。

3

誰に何を聞けばいいのかを把握していない

上司が忙しいときでも、仕事の流れにくわしい先輩や、同じ時期に入社した人、事務の担当者など、頼れる人はほかにもいます。「この分野ならこの人」という相談先の地図を作っておくと、困ったときにすぐ動けます。入社してすぐに、上司に「分からないことがあったら、誰に聞けばいいですか」と確かめておきましょう。席の近い人に、自分から短くあいさつをしておくだけでも、声をかけやすくなります。相談先が分かっていれば、一人で抱え込む時間もぐっと減ります。

4

最初の1か月の目標を確かめていない

目標が分からないまま過ごすと、何をすれば役に立っているのかが分からず、不安ばかりが大きくなります。「最初の1か月で、どんな状態になっていればいいですか」と上司に聞いておくだけで、資料を読む順番も、覚えるべきことも見えてきます。目標がはっきりすれば、放置されているように感じる時間も、自分で使い方を決められる時間に変わります。目標は、メモに書いて目に見えるところに置いておきましょう。

5

上司と話す機会を自分から作らない

上司が忙しいと、話す機会は自然には生まれません。そのままにしておくと、困っていることも、頑張っていることも伝わらないままになってしまいます。週に1回、15分だけでも上司と話す時間を、自分からお願いしておくのがおすすめです。予定が決まっていれば、質問も相談もまとめて伝えられ、上司も安心してあなたに仕事を任せられるようになります。話した内容は簡単にメモしておくと、次の話し合いにもつなげやすくなります。

3図解

中途入社で放置されて失敗する人と、早くなじめる人の違い

⚠ 中途入社で放置されて失敗する人のパターン
「そのうち教えてもらえる」と指示を待つ
↓
迷惑をかけたくないと、分からないことを一人で抱える
↓
目標も相談先も分からないまま、時間だけが過ぎる
↓
何週間もたってから、聞けば5分で分かったことに気づく
◎ 中途入社でも早くなじめる人のパターン
最初の1か月の目標を、上司に確かめる
↓
「この分野ならこの人」という相談先を把握する
↓
質問をまとめて聞き、上司と話す時間を自分から作る
↓
放置された時間も自分で使い方を決め、早く仕事を任される
4解決策

中途入社の最初の数週間にやっておきたいことチェックリスト

中途入社の最初の数週間は、その後の働きやすさを大きく左右します。入社したら、次の項目を確かめてみてください。

  • 最初の1か月で、どんな状態になっていればいいかを上司に確かめた
  • 分からないことがあったときの相談先を、分野ごとに把握した
  • 質問をノートにためて、まとめて聞く習慣をつけた
  • 上司と定期的に話す時間を、自分からお願いした
  • 「今、自分にできることはありますか」と、自分から仕事を取りに行った
  • 席の近い人や、同じ時期に入社した人にあいさつをした

まなぶは今、新しく入ってきた人がいると、「分からないことがあったら、いつでも聞いてくださいね」と声をかけるようにしています。放置されても、待つのではなく、自分から聞きに行く。2年前の最初の2週間は、まなぶにとって、新しい職場での動き方を教えてくれる苦い経験になりました。

※中途入社の人の受け入れ方や研修の有無は、会社や部署によって大きく異なります。入社前の面談で、入社後の研修や教わり方について聞いておくのもおすすめです。
5おすすめサービス

入社後の受け入れ体制を、入社前に確かめるために

中途入社の人をどう受け入れているかは、求人票だけでは分かりにくいものです。実際に働いた人の声や、自分の強みの整理に役立つサービスを活用するのがおすすめです。

B
社風や雰囲気まで調べたい人向け

企業口コミ・評判サービス【エン カイシャ】

実際に働いた人の声から、事業内容や社風、働き方の実態を確認できるタイプです。中途入社の人への研修や、入社直後のサポートの実態など、求人票だけでは分からない情報を確かめる材料になります。

口コミを見てみる

C
自分の市場価値やキャリアの方向性を客観視したい人向け

市場価値から本当のキャリアパスを見出すサービス【ミイダス】

第三者視点で自分の強みや適性、これまでのキャリアの棚卸しを手伝ってもらえるタイプです。自分の強みを言葉にしておくと、入社直後に「自分にできること」を上司に伝えやすくなります。

診断してみる

まなぶまなぶ
入社してすぐ、パソコンと資料だけ渡されて、誰にも聞けないまま2週間が過ぎてしまいました…。
みらいみらい
中途入社では、自分から聞きに行くことがとても大切です。最初の1か月の目標と相談先を確かめて、上司と話す時間を自分から作りましょう。
まなぶまなぶ
待つんじゃなく、自分から聞きに行くんですね。

中途入社で放置されて失敗する原因は、指示を待ち、質問をためらい、目標も相談先も分からないまま最初の数週間を過ごしてしまうことです。最初の1か月の目標を確かめ、相談先を把握し、質問をまとめて聞き、上司と話す時間を自分から作る。それだけで、放置された時間は新しい職場になじむための時間に変わります。転職後の職場になじむための考え方は、転職後の人間関係トラブルの失敗から学ぶでまとめています。

入社後のミスマッチについては、入社後の配属が希望と違って後悔する理由や転職後、初めての評価面談で失敗した話もあわせて読んでみてください。

ABOUT ME
アバター
みらい
みんなの失敗談を共有して、たくさんの学びや共感をお届けするメディア「https://SHIPPAI.JP」を運営しています