入社直後に上司が変わって後悔する理由
入社直後に上司が変わって後悔する人の多くは、面接で意気投合した一人の上司の言葉を信じて転職を決め、その約束や仕事の中身を、会社としての条件として確かめないまま入社してしまう人です。上司の異動や退職は、どの会社でも起こりうることです。「この人の下で働きたい」という気持ちは大切ですが、その人がいなくなっても納得して働けるかどうかまで考えておかないと、上司が変わった瞬間に、転職の理由そのものを失ってしまいます。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、入社直後に上司が変わって後悔する理由と、入社前に確かめたいことを解説します。
「一緒にやろう」と言ってくれた部長が、3か月でいなくなった
ある土曜日の夜、まなぶは週末に参加しているフットサルの仲間のAさん(30代男性)と、試合のあとにコート脇のベンチで話をしました。Aさんは、商社で8年働いたあと、去年、中堅メーカーの新規事業の部署に転職していました。「実はさ、入社して3か月で、僕を誘ってくれた部長が会社を辞めちゃったんだよ」。Aさんは、スポーツドリンクのボトルを握りながら、苦笑いして話し始めました。
Aさんが転職を決めた一番の理由は、面接で出会った部長の言葉でした。「新しい事業を、一緒にゼロから立ち上げてほしい。2年後には、チームのリーダーを任せたいと思っている」。熱く語る部長に、Aさんはすっかり心を動かされました。年収は少し下がりましたが、「この人の下でなら、きっと面白い仕事ができる」と考え、迷わず内定を受けました。ほかに選考が進んでいた会社も、その場で辞退したそうです。部長が語ってくれた仕事の内容や将来の役割について、内定のときの書類で確かめることはありませんでした。人事の担当者に伝わっているかも、聞かないままでした。
ところが、入社して3か月がたったころ、その部長がほかの会社に移ることが決まりました。新しくやって来た部長は、会社全体の方針に合わせて新規事業を小さくし、Aさんのチームは既存の商品の販売を手伝う仕事が中心になりました。「2年後にリーダーを」という話は、どこにも記録が残っていなかったのです。Aさんは、新しい部長に「前の部長は、こう言っていたんですが」と何度も伝えましたが、そのたびに二人の間の空気はぎこちなくなっていきました。新しい部長にしてみれば、自分の知らない約束を持ち出され続けていたのです。
今は、新しい部長と時間を取って話し合い、会社の方針の中で新規事業をどう続けていくかを一緒に考え始めたそうです。「部長の人柄にひかれて決めたこと自体は、悪くなかったと思う。でも、その人がいなくなったら、という想像を一度もしていなかった」。転職の理由を、一人の上司に全部預けていた。まなぶは、汗をぬぐうAさんの横顔を見ながら、その言葉の重さを感じていました。
入社直後に上司が変わって後悔する5つの理由
面接での約束を、書類で確かめなかった
面接で上司が語ってくれる将来の役割や仕事の内容は、とても魅力的に聞こえます。けれど、それが口頭だけの話であれば、上司が変わったときに引き継がれない可能性があります。大切な約束は、内定のときの書類に書かれているか、会社の人事の担当者にも確かめておくことが大切です。書類に書けない内容でも、人事の担当者が知っているかどうかで、入社後の扱いは変わってきます。
一人の上司との相性だけで会社を選んだ
「この人と働きたい」という気持ちは、転職を決める大きな理由になります。けれど、上司の異動や退職は、どの会社でも起こりうることです。上司がいなくなっても、この会社で、この仕事を続けたいと思えるかを、一度考えてみましょう。上司のほかにも、一緒に働く同僚やチームの人と話す機会を、選考の中でお願いしてみるのもおすすめです。
部署や事業の、会社の中での位置づけを確かめなかった
新しく始まったばかりの事業や部署は、会社の方針や、それを進める人によって、大きく変わることがあります。その事業が会社の計画の中でどう位置づけられているのか、どれくらいの期間、どれくらいの規模で進める予定なのかを確かめておけば、上司が変わったときの影響も想像しやすくなります。会社が公開している中期の計画や、社長の発言なども手がかりになります。新しい事業ほど、会社の方針の変化を受けやすいことを覚えておきましょう。
新しい上司と、早く関係を作らなかった
上司が変わったとき、前の上司との約束にこだわり続けると、新しい上司との関係がぎくしゃくしてしまいます。新しい上司にも、会社から任された役割や考えがあります。まずは新しい上司の考えを聞き、そのうえで自分のやりたいことを伝え直すほうが、結果的に希望に近づきやすくなります。「前の上司は」という言葉は、できるだけ使わないようにしましょう。
キャリアの見通しを、上司に頼っていた
「この上司が引き上げてくれる」という見通しは、上司がいなくなった瞬間に消えてしまいます。自分のキャリアの道筋は、会社の評価や昇進の仕組みの中で考えておくことが大切です。どんな成果を出せば、どんな役割を任されるのかを、会社の制度として確かめておけば、上司が変わっても目指す方向を見失わずに済みます。人に頼る見通しではなく、仕組みに沿った見通しを持っておきましょう。
上司が変わって後悔する人と、変化に振り回されない人の違い
上司が変わっても後悔しないためのチェックリスト
上司の異動や退職は、自分ではどうにもできないことです。だからこそ、入社前と入社後に、次の項目を確かめておきましょう。
- 面接で聞いた役割や約束が、内定のときの書類に書かれているかを確かめた
- 大切な約束を、人事の担当者も知っているかを確かめた
- 上司がいなくなっても、この仕事を続けたいかを考えた
- 部署や事業の、会社の中での位置づけを確かめた
- 上司のほかに、一緒に働く人と話す機会を持った
- 上司が変わったら、まず新しい上司の考えを聞くと決めている
ベンチを立つとき、Aさんは「新しい部長とも、だんだん話が合うようになってきたんだ」と笑いました。まなぶは、転職を決めるときは、人にひかれる気持ちを大切にしながらも、会社としての約束と仕組みを確かめておくことが大切なのだと感じました。
会社の実態と条件を、入社前に確かめるために
上司の言葉だけでなく、会社としての実態や条件を確かめておくことが、入社後の後悔を防ぐ一番の方法です。実際に働いた人の声や、条件の確認を手伝ってくれるサービスを活用するのがおすすめです。
企業口コミ・評判サービス【エン カイシャ】
実際に働いた人の声から、事業内容や社風、働き方の実態を確認できるタイプです。部署の異動の多さや、新しい事業がどう扱われているかなど、面接では見えにくい会社の実態を確かめる材料になります。
年収以外にもこだわるハイクラス転職【LHH転職エージェント】
これまでの専門性や実績を評価してくれる求人を紹介してくれるタイプです。面接で聞いた役割や条件を、内定のときの書類に反映してもらえるよう、担当者を通して確かめられる場合があります。年収以外の条件も含めて相談できるのも利点です。
まなぶ
みらい
まなぶ入社直後に上司が変わって後悔する原因は、一人の上司の言葉を信じて転職を決め、約束や役割、部署の位置づけを会社として確かめないまま入社してしまうことです。大切な約束を書類と人事の担当者に確かめ、上司がいなくても続けたい仕事かを考え、新しい上司とは考えを聞くところから関係を作る。それだけで、上司の変化に振り回されずに働けるようになります。転職後の職場になじむための考え方は、転職後の人間関係トラブルの失敗から学ぶでまとめています。
入社後のミスマッチについては、転職後、初めての評価面談で失敗した話や即戦力として期待されて失敗しない方法もあわせて読んでみてください。

