結論

転職エージェントとの初回面談で失敗する人の多くは、「プロに任せれば、自分に合う求人を探してくれる」と考え、希望や条件をあいまいなまま伝え、紹介された求人の理由も聞かずに応募を進めてしまう人です。転職エージェントは、求人の紹介から面接の準備、条件の交渉まで手伝ってくれる心強い存在です。けれど、担当者が紹介できるのは、あなたが面談で話した内容に合った求人だけです。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、転職エージェントとの初回面談で失敗する人の特徴と、面談の前に準備しておきたいことを解説します。

1失敗ストーリー

「企画の仕事なら、なんでも大丈夫です」と答えてしまった

転職エージェントとの初回面談の翌朝、通勤電車の中で、次々に届く30件近い求人の紹介にスマートフォンを見て戸惑うまなぶのイラスト

2年前の夏、まなぶは初めて転職エージェントに登録し、夜にオンラインで初回面談を受けました。画面の向こうの担当者は、明るい声でいろいろなことを聞いてくれました。「どんなお仕事を希望されていますか」「年収や働き方で、譲れない条件はありますか」。まなぶは少し考えてから、こう答えました。「企画やマーケティングの仕事なら、なんでも大丈夫です。条件も、特にこだわりはありません」。

本当は、年収をこれ以上下げたくないこと、毎月の厳しい売上の目標がある仕事は避けたいことなど、心の中には条件がありました。けれど、「こだわりが多いと、紹介してもらえる求人が減るかもしれない」と思い、口にしませんでした。面談は30分ほどで終わり、まなぶは「これで、あとはプロに任せればいい」とほっとしていました。前の会社での経験についても、「資料作りが中心でした」と短く話しただけで、どんな工夫をしてきたのかは伝えませんでした。担当者が知ることができたのは、あいまいな希望と、ほんの一部の経歴だけだったのです。

面談の翌日から、まなぶのもとには30件近い求人の紹介が届きました。マーケティング職のほかに、営業職や、仕事の中身がよく分からない求人も入っていました。まなぶは、なぜその求人が自分に合うと考えたのかを担当者に聞くこともなく、すすめられるままに応募を進めました。やがてマーケティング職の不採用が続くと、担当者からは人材紹介会社のキャリアアドバイザーの求人もすすめられ、まなぶは理由を確かめないまま応募しました。それが、内定のあとに目標の数字の話を聞いて辞退することになった求人でした。そのときのことは、人材業界への転職で後悔する理由で紹介しています。

あとから振り返ると、担当者はまなぶの話した内容に合わせて、できるかぎりの求人を探してくれていました。ずれていたのは担当者の紹介ではなく、自分が伝えた情報のほうだった。まなぶは、初回面談を「求人を受け取る場」だと思い込み、「自分を知ってもらう場」として準備していなかったことに気づきました。

2原因分析

転職エージェントとの初回面談で失敗する人の特徴5選

1

希望を「なんでも大丈夫」とあいまいに伝える

「なんでも大丈夫です」という答えは、柔軟に見えるかもしれません。けれど、担当者にとっては、どんな求人を探せばいいのかが分からない答えです。希望があいまいだと、紹介される求人もあいまいになります。「この仕事のこの部分がしたい」「こういう環境で働きたい」と、できるだけ具体的に伝えましょう。まだ迷っているなら、「AとBで迷っている」と、迷っていること自体を伝えれば十分です。

2

譲れない条件と、避けたい条件を伝えない

条件を伝えると紹介が減ると心配する人もいますが、実際は反対です。譲れない条件と避けたい条件がはっきりしているほど、担当者は合わない求人をあらかじめ外し、合う求人を探しやすくなります。年収の下限、働く場所、残業の多さ、評価のされ方など、自分にとって大切な条件を、優先順位をつけて伝えましょう。条件は、あとから見直してもかまいません。最初に伝えておくことで、担当者と同じ方向を向いて進められます。

3

経歴を短くまとめすぎる

「資料作りが中心でした」のように経歴を短くまとめすぎると、担当者はあなたの強みを見つけられません。どんな仕事で、何を工夫し、どんな結果につながったのかを、具体的な場面とともに話しましょう。自分では当たり前だと思っている経験が、担当者から見ると、ほかの業界や職種で生きる強みに見えることもあります。職務経歴書の下書きを用意して面談に臨むのもおすすめです。話す材料があるほど、担当者の提案も具体的になります。

4

紹介された求人の理由を聞かない

担当者から紹介された求人には、それぞれ「なぜあなたに合うと考えたのか」という理由があるはずです。理由を聞かずに応募すると、自分の希望とずれた求人に時間を使ってしまうことがあります。「この求人を紹介してくださった理由を教えてください」と聞けば、担当者の見立てが分かり、自分の希望とのずれにも早く気づけます。合わないと感じたら、遠慮せずに理由を添えて伝えましょう。

5

面談のあとの進め方を決めない

初回面談のあと、求人の紹介がどのくらいの頻度で届くのか、応募は誰がどう進めるのか、連絡はどの方法で取るのかを決めておかないと、情報の多さに振り回されてしまいます。「週に何件くらい紹介してほしいか」「応募の前に一度相談したい」など、自分のペースを伝えておきましょう。進め方を最初に決めておけば、担当者とのやり取りもずっとスムーズになります。たくさんの紹介に追われて、一つひとつを確かめる時間がなくなることも防げます。

3図解

初回面談で失敗する人と、担当者を味方にできる人の違い

⚠ 転職エージェントとの初回面談で失敗する人のパターン
「なんでも大丈夫です」と、希望をあいまいに伝える
↓
条件も強みも、くわしく話さないまま面談を終える
↓
紹介された求人の理由を聞かずに、すすめられるまま応募する
↓
希望とずれた求人に時間を使い、内定のあとで迷うことになる
◎ 担当者を味方にできる人のパターン
希望と、譲れない条件・避けたい条件を整理して伝える
↓
経歴を具体的な場面とともに話し、強みを知ってもらう
↓
紹介の理由を聞き、ずれがあれば早めに伝える
↓
自分に合う求人が届き、納得して選考を進められる
4解決策

転職エージェントとの初回面談の前のチェックリスト

初回面談は、担当者にあなたのことを知ってもらう大切な場です。面談の前に、次の項目を準備してみてください。

  • やりたい仕事を、「この仕事のこの部分」まで具体的に書き出した
  • 譲れない条件と避けたい条件を、優先順位をつけて整理した
  • 経歴を、工夫したことと結果がわかる形でまとめた
  • 迷っていることがあれば、そのまま伝える準備をした
  • 紹介された求人の理由を聞くと決めた
  • 紹介の頻度や応募の進め方の希望を考えた

まなぶは今、知り合いに転職の相談をされると、「エージェントとの最初の面談の前に、希望と条件だけは紙に書いておくといいよ」と伝えています。担当者は、あなたが話したことの中からしか、あなたに合う求人を探せない。2年前の初回面談は、まなぶにとって、伝えることの大切さを知るきっかけになりました。

※転職エージェントの面談の進め方や、求人の紹介の仕方はサービスや担当者によって異なります。合わないと感じたときは、担当者の変更をお願いできるサービスもあります。
5おすすめサービス

初回面談の準備ができたら相談してみよう

希望と条件を整理できたら、転職エージェントに相談してみましょう。総合型と、特定の業界・職種にくわしいタイプを組み合わせると、紹介される求人の幅と深さの両方を確かめられます。

A
幅広い業界を見たい人向け

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求人数が多く、業界を横断して幅広い選択肢を比較できるタイプ。初回面談で希望と条件をしっかり伝えれば、その内容に合った求人を幅広い中から探してもらえます。まず全体像を把握したい人に向いています。

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特定の業界・職種に精通し、専門性の高い求人や業界特有の情報を持っているタイプ。目指す仕事がはっきりしている人ほど、具体的な求人や選考の情報を聞きやすくなります。総合型と併用することで視点を補い合えます。

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まなぶまなぶ
初回面談で「企画の仕事なら、なんでも大丈夫です」と答えたら、希望とずれた求人がたくさん届いてしまいました…。
みらいみらい
担当者は、面談で聞いた内容をもとに求人を探します。希望と条件を具体的に伝えて、紹介された求人の理由も聞いてみましょう。
まなぶまなぶ
初回面談は、求人を受け取る場じゃなく、自分を知ってもらう場なんですね。

転職エージェントとの初回面談で失敗する原因は、希望をあいまいに伝え、条件も強みもくわしく話さないまま、紹介された求人に理由を聞かずに応募してしまうことです。希望と条件を整理し、経歴を具体的に話し、紹介の理由を聞き、進め方を決めておく。それだけで、担当者はあなたの頼れる味方になります。転職サービスや転職の手段の選び方で失敗しないための考え方は、転職フェア・イベント参加の失敗から学ぶでまとめています。

転職サービス・転職手法については、出戻り転職で後悔する理由や適職診断の結果を信じすぎて失敗した話もあわせて読んでみてください。

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