適職診断の結果を信じすぎて失敗した話
適職診断の結果を信じすぎて失敗する人の多くは、「こうありたい自分」を思い浮かべながら質問に答え、出てきた結果の中から気に入った部分だけを選んで、そのまま応募する仕事を決めてしまう人です。適職診断は、自分では気づきにくい価値観や得意なことに気づかせてくれる便利な道具です。けれど、診断の結果は「答え」ではなく、自分について考えるための「ヒント」です。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、適職診断の結果を信じすぎて失敗した原因と、診断を上手に使うためのポイントを解説します。
5つの診断の中から、好きな結果だけを選んでいた
去年の夏、大学の同窓会の翌朝に5つの転職サイトに登録したまなぶは、その週末、ファミレスの席でノートパソコンを開き、それぞれのサイトにある適職診断を次々に受けました。「自分に本当に合う仕事が分かれば、迷わずに応募できるはず」。そう考えて、何十もの質問に答えていきました。ドリンクバーのグラスを何度もおかわりしながら、気づけば3時間がたっていました。
質問に答えるとき、まなぶは「こうありたい自分」を思い浮かべていました。「新しいアイデアを考えるのが好きだ」「人前で話すのは得意なほうだ」。本当は、決まった形の資料をていねいに仕上げるほうが落ち着くし、人前で話すのは苦手でした。それでも、理想の自分に近いほうの答えを、ついクリックしてしまったのです。同窓会で聞いた同級生たちの活躍が、頭のどこかに残っていたのかもしれません。
出てきた結果は、サイトによってばらばらでした。「企画・クリエイティブ向き」「人と関わる仕事向き」「コツコツ取り組む仕事向き」。まなぶは、その中でいちばん気に入った「企画・クリエイティブ向き」の結果だけを画面に残し、ほかの結果は閉じてしまいました。そして、診断が背中を押してくれたような気持ちで、有名企業の企画やマーケティングの求人に応募していきました。結果は、すべて書類で不採用でした。応募のときの失敗は、有名企業への転職で失敗しない方法でも紹介しています。
その後に受けた有料のキャリア相談で、担当者はまなぶの診断結果を見ながら、こう聞きました。「この診断のとき、質問にどんなふうに答えましたか」。まなぶは、理想の自分で答えていたことを正直に話しました。診断が間違っていたのではなく、自分が診断に「なりたい自分」を答えさせていた。閉じてしまった「コツコツ取り組む仕事向き」の結果のほうが、本当の自分に近かったのかもしれないと、まなぶは気づきました。診断を受けた3時間は、自分と向き合う時間ではなく、自分の願いを確かめる時間になっていたのです。
適職診断の結果を信じすぎて失敗した5つの原因
「なりたい自分」で答えた
適職診断は、答えた内容をもとに結果を出す仕組みです。「こうありたい自分」で答えれば、出てくるのは「理想の自分」に合う仕事になります。質問に答えるときは、「最近の仕事で、実際にどうしていたか」を思い浮かべながら答えるのがコツです。迷ったときは、理想ではなく、ふだんの自分に近いほうを選びましょう。正直に答えた結果ほど、役に立つヒントになります。少し時間をおいて同じ診断をもう一度受け、結果が大きく変わらないかを確かめるのもおすすめです。
気に入った結果だけを選んだ
いくつかの診断を受けると、結果がばらばらになることはよくあります。そのとき、気に入った結果だけを残すと、自分が見たい答えを、診断で確かめているだけになってしまいます。結果が違うときこそ、共通している部分と、違っている部分の両方を見比べてみましょう。複数の結果に共通する特徴は、あなたの本当の強みに近い可能性があります。違っている部分は、自分の中に複数の面があることを教えてくれていると考えましょう。
結果を、そのまま職種の名前に結びつけた
「企画向き」という結果が出ても、企画の仕事にはさまざまな種類があり、求められる力も会社によって違います。診断の結果は、「どんな働き方が合いそうか」を示すヒントであって、応募する職種を決める答えではありません。結果に書かれている特徴を読み、それが仕事のどんな場面に当てはまるのかを考えてから、応募する仕事を選びましょう。同じ特徴が生きる仕事は、一つの職種だけとは限りません。
実際の経験と照らし合わせなかった
診断の結果がどれだけもっともらしく見えても、それだけで自分を判断するのは危険です。これまでの仕事で、どんな場面で力を発揮し、どんな場面で疲れを感じたのかを思い出し、結果と照らし合わせてみましょう。経験と結果が重なる部分は、自信を持って強みと言える部分です。重ならない部分は、本当にそうなのかを確かめる必要があります。仕事の中で印象に残っている場面を3つほど書き出してから結果を読むと、照らし合わせやすくなります。
人の意見で確かめなかった
自分のことは、自分がいちばん分かっているようで、意外と見えていないものです。診断の結果を、一緒に働いたことのある人や、転職の専門家に見せて意見を聞くと、自分では気づかなかった見方が得られます。「この結果、私に当てはまると思う?」と聞くだけで、診断の結果が自分に合っているのかどうかが、ずっと分かりやすくなります。人の意見と診断の結果が重なったところは、自信を持って伝えられる強みになります。
適職診断で失敗する人と、上手に生かせる人の違い
適職診断を受けるときのチェックリスト
適職診断は、使い方しだいで、自分を知るための心強い道具になります。診断を受けるときは、次の項目を確かめてみてください。
- 「最近の仕事でどうしていたか」を思い浮かべて答えた
- 迷ったときは、理想ではなく、ふだんの自分に近いほうを選んだ
- 複数の結果を見比べ、共通点を書き出した
- 結果の特徴を、実際の仕事の場面と照らし合わせた
- 結果を職種の名前に結びつける前に、働き方のヒントとして読んだ
- 結果を人に見せて、当てはまるかどうかを聞いた
まなぶは今、あのとき閉じてしまった「コツコツ取り組む仕事向き」という結果も、自分の一面として受け止めています。決まった形の資料をていねいに仕上げる力は、今の仕事でもたしかに役に立っているからです。診断は、自分を決めるものではなく、自分を考えるきっかけにするもの。去年の夏のファミレスでの数時間は、まなぶにとって、自分と正直に向き合う大切さを教えてくれる経験になりました。
診断を「考えるきっかけ」として使うなら
適職診断は、正直に答え、結果を自分の経験と照らし合わせて使えば、とても役に立ちます。診断と、第三者と一緒に経験を整理するサービスを組み合わせて使うのがおすすめです。
転職・求人情報ならリクルートの転職サイト【リクナビNEXT】
たった3分、合計22問の質問で仕事探しに役立つ3つのヒントが分かります!診断で分かったあなたの価値観をもとに求人が探せる!ふだんの自分を思い浮かべて正直に答えれば、自分について考えるきっかけになります。
年収1000万円以上の転職なら【プロフェッショナル転職サービス/ランスタッド】
これまでの経験や実績を、第三者と一緒に言語化していけるタイプです。診断の結果が本当に自分に当てはまるのかを、実際の経験と照らし合わせながら確かめる手助けになります。
まなぶ
みらい
まなぶ適職診断の結果を信じすぎて失敗する原因は、「なりたい自分」で答え、気に入った結果だけを選び、そのまま応募する仕事に結びつけてしまうことです。ふだんの自分で正直に答え、複数の結果を見比べ、経験と人の意見で確かめる。それだけで、適職診断は自分に合う仕事を考えるための心強い道具になります。転職サービスや転職の手段の選び方で失敗しないための考え方は、転職フェア・イベント参加の失敗から学ぶでまとめています。
転職サービス・転職手法については、転職エージェントとの初回面談で失敗する人の特徴5選や口コミサイトの評判だけで判断して後悔する理由もあわせて読んでみてください。

