紹介予定派遣で失敗しない方法
紹介予定派遣で失敗する人の多くは、「派遣の期間が終われば、そのまま正社員になれる」と思い込み、直接雇用になったあとの条件や、派遣の期間の使い方を確かめないまま働き始めてしまう人です。紹介予定派遣は、派遣社員として実際に働いてから、その会社に直接雇われるかどうかを決められる仕組みで、職場の雰囲気や仕事の中身を確かめてから入社できるのが大きな魅力です。けれど、直接雇用は約束ではなく、会社と働く人の両方が合意してはじめて決まるものです。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、紹介予定派遣で失敗しないためのポイントを解説します。
5か月後に知った、「直接雇用」の中身
ある日曜日の朝、まなぶは参加している市民マラソンの練習会で知り合ったAさん(20代後半の女性)と、練習のあとに公園のベンチで休んでいました。Aさんは、印刷会社で事務をしていましたが、去年、紹介予定派遣という仕組みを使って、物流会社の事務の仕事を始めたそうです。「最初は、すごくいい仕組みだと思ったんだけどね」。Aさんは、スポーツドリンクを飲みながら話し始めました。
前の会社を辞めたあと、Aさんは派遣会社に登録し、担当者から紹介予定派遣の仕事をすすめられました。「半年ほど派遣社員として働いて、お互いに問題がなければ、その会社に直接雇用されます」。実際の職場を見てから入社を決められるなら安心だと思い、Aさんはすぐに働き始めることにしました。そのとき、直接雇用になったあとが正社員なのか、給料はいくらになるのかは、くわしく聞きませんでした。「直接雇用」と聞いて、正社員になれるものだと思い込んでいたのです。派遣の期間中も、仕事を覚えることに精一杯で、担当者と話す機会はほとんどありませんでした。
働き始めて5か月がたったころ、派遣会社の担当者から、会社の意向が初めて伝えられました。会社は直接雇用を考えているものの、その形は1年ごとに契約を結ぶ契約社員で、給料も派遣のときとほとんど変わらない額でした。正社員になれると思っていたAさんにとって、それは思ってもみない条件だったのです。悩んだ末に、Aさんは直接雇用を断り、もう一度、転職活動を始めることになりました。半年近くの時間が、振り出しに戻ってしまいました。「最初に聞いていれば、別の道を選べたかもしれない」と、Aさんは何度も思ったそうです。
今は、別の会社で正社員の事務として、落ち着いて働いているそうです。「紹介予定派遣が悪かったんじゃなくて、最初に確かめるべきことを確かめていなかったんだよね」。「直接雇用」という言葉の中身を、自分に都合よく思い描いていた。まなぶは、Aさんの話を聞きながら、仕組みが良くても、使い方を知らなければ遠回りになることを感じていました。
紹介予定派遣で失敗しないための5つのポイント
直接雇用になったあとの条件を、最初に確かめる
紹介予定派遣で直接雇用になるとき、雇われ方は正社員とは限らず、契約社員などの場合もあります。働き始める前に、直接雇用になったあとの雇われ方、給料、休みなどの条件を、派遣会社の担当者を通して確かめておくことが大切です。求人の情報に書かれていることが多いので、まずはよく読み、分からない点は必ず聞いておきましょう。条件が分かっていれば、派遣の期間中も、目指すゴールをはっきり持って働けます。条件に納得できないなら、働き始める前に別の求人を選ぶこともできます。
直接雇用は「約束」ではないと知っておく
紹介予定派遣は、派遣の期間が終わったときに、会社と働く人の両方が合意すれば直接雇用になる仕組みです。会社が直接雇用を見送ることもあれば、働く人が断ることもできます。「必ず雇ってもらえる」と思い込まず、派遣の期間は、お互いを確かめ合うための期間だと考えておきましょう。そう考えておけば、もしものときにも落ち着いて次の行動を選べます。断ることは、決して悪いことではありません。
派遣の期間を「見極めの期間」として使う
紹介予定派遣で派遣される期間は、長くても6か月までと決められています。この期間は、会社があなたを見ているだけでなく、あなたが会社を確かめる期間でもあります。仕事の中身、職場の雰囲気、残業の多さ、直接雇用になった人の働き方などを、働きながら確かめておきましょう。気になる点はメモに残しておくと、直接雇用を決めるときの判断材料になります。実際に働いてみて分かることこそ、この仕組みのいちばんの価値です。
派遣会社の担当者と、こまめに話す
紹介予定派遣では、会社とのやり取りの多くを派遣会社の担当者が受け持ちます。担当者と話す機会が少ないと、会社の考えや自分への評価を知らないまま期間が過ぎてしまいます。月に1回は担当者と話し、仕事の様子や不安なこと、直接雇用についての会社の考えを確かめておきましょう。希望する条件があれば、早めに伝えておくことも大切です。担当者は、あなたと会社の間に立って調整してくれる心強い存在です。
うまくいかなかったときの次の手も考えておく
直接雇用に進めなかったとき、あるいは自分から断ったときに、次にどう動くかを考えておかないと、Aさんのように時間が振り出しに戻ってしまいます。派遣の期間の後半には、直接雇用に進まなかった場合の選択肢も、少しずつ調べておくと安心です。派遣の期間で身につけた経験は、次の転職活動でも十分に生かせます。どちらに転んでも前に進めるように準備しておくことが、心の余裕にもつながります。
紹介予定派遣で失敗する人と、上手に生かせる人の違い
紹介予定派遣で働き始める前のチェックリスト
紹介予定派遣は、働いてから入社を決められる、うまく使えばとても心強い仕組みです。働き始める前に、次の項目を確かめてみてください。
- 直接雇用になったあとの雇われ方(正社員・契約社員など)を確かめた
- 直接雇用になったあとの給料や休みの条件を確かめた
- 直接雇用は会社と自分の両方の合意で決まることを理解した
- 派遣の期間中に確かめたいことを書き出した
- 派遣会社の担当者と、定期的に話す約束をした
- 直接雇用に進まなかった場合の選択肢も考えた
ベンチを立つとき、Aさんは「次に紹介予定派遣を使うことがあったら、最初の日に条件の紙をもらうと思う」と笑いました。まなぶは、仕組みの良さを生かせるかどうかは、最初に何を確かめるかで決まるのだと感じました。
直接雇用の先の職場を、よく確かめるために
紹介予定派遣を考えるときは、派遣先の会社の働き方や評判を確かめるとともに、正社員の求人とも比べながら、自分に合う道を選ぶことが大切です。
企業口コミ・評判サービス【エン カイシャ】
実際に働いた人の声から、事業内容や社風、働き方の実態を確認できるタイプです。派遣先の会社で直接雇用された人がどんな働き方をしているのかなど、派遣の期間だけでは見えにくい情報を確かめる材料になります。
転職成功実績1万【リクルートエージェント】
求人数が多く、業界を横断して幅広い選択肢を比較できるタイプ。紹介予定派遣と並行して、正社員の求人も比べておくと、直接雇用に進むかどうかを落ち着いて判断できます。まず全体像を把握したい人に向いています。
まなぶ
みらい
まなぶ紹介予定派遣で失敗する原因は、「直接雇用=正社員」と思い込み、直接雇用になったあとの条件や派遣の期間の使い方を確かめないまま働き始めてしまうことです。直接雇用の条件を最初に確かめ、派遣の期間を見極めに使い、担当者とこまめに話し、次の手も考えておく。それだけで、紹介予定派遣は自分に合う職場を見つけるための心強い仕組みになります。転職サービスや転職の手段の選び方で失敗しないための考え方は、転職フェア・イベント参加の失敗から学ぶでまとめています。
転職サービス・転職手法については、出戻り転職で後悔する理由や口コミサイトの評判だけで判断して後悔する理由もあわせて読んでみてください。

