結論

人材業界への転職で後悔する人の多くは、「人の人生を支える仕事」「未経験でも歓迎」という言葉にひかれ、その会社がどうやって売上を上げ、社員をどう評価しているのかを知らないまま選考に進んでしまう人です。人材業界には、転職したい人と企業をつなぐ仕事や、働く人を企業に送り出す仕事など、人と仕事に深く関わる仕事がたくさんあります。けれど、仕事のイメージとビジネスの仕組みのずれに気づかないまま進むと、内定のあとや入社のあとに「こんなはずじゃなかった」と感じることになります。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、人材業界への転職で後悔する理由と、目指す前に確かめたいことを解説します。

1失敗ストーリー

「人を支える仕事」のはずが、目標の数字の話から始まった

人材紹介会社の内定のあとの面談で目標の数字の話を聞き、夜のビルのロビーで承諾するかどうか迷うまなぶのイラスト

2年前の夏、まなぶは企画やマーケティングの仕事を目指して転職活動をしていましたが、応募した会社から不採用の連絡が続いていました。そんなとき、転職エージェントの担当者から、人材紹介会社のキャリアアドバイザーの求人をすすめられました。「営業の経験が生きますし、未経験でも歓迎です。転職したい人の人生を支える、やりがいのある仕事ですよ」。落ち込んでいたまなぶには、その言葉がとても魅力的に聞こえました。仕事の中身を調べる前に、「ここなら自分にもできそうだ」と応募を決めていました。

選考はとんとん拍子に進み、応募から3週間ほどで内定が出ました。まなぶは、相談に来た人の話にじっくり耳を傾け、一緒にこれからの道を考える。そんな、落ち着いた相談員のような仕事を思い描いていました。ところが、内定のあとの面談で、配属先の上司から最初に説明されたのは、毎月の目標の数字でした。評価の中心は、担当した人が何人転職を決めたか。転職したい人との面談に加えて、求人を出してくれる企業への営業も担当することを、まなぶはそこで初めて知りました。

「人の人生を支える仕事」と「毎月の目標の数字」。その二つが、まなぶの中でうまく結びつきませんでした。悩んだ末に内定は辞退しましたが、選考と迷っていた時間で、夏の1か月以上が過ぎていました。焦ったまなぶは、その後に内定が出た会社を、仕事の中身も会社のこともよく確かめないまま選んでしまいます。そのときの失敗は、IT企業のビジネス職への転職で失敗しない方法で紹介しています。

あとから調べてみると、人材紹介の会社の多くは、紹介した人が企業に入社したときに、その企業から紹介料を受け取る仕組みで売上を上げていました。人を支える仕事であると同時に、決まった数で評価される営業の仕事でもある。そのことは、少し調べれば分かることでした。まなぶは、仕事のイメージだけを見て、会社がどうやって成り立っているのかを考えていなかったことに気づきました。

2原因分析

人材業界への転職で後悔する5つの理由

1

「人を支える仕事」というイメージだけで見た

人材業界の仕事は、確かに人の人生の大きな決断に関わる仕事です。けれど、相談に乗るだけの仕事ではなく、企業への営業や、求人と人を結びつける調整、目標の数字の管理なども含まれます。やりがいの言葉だけで選ぶと、仕事の大部分を占める地道な作業とのずれに戸惑います。実際に働く人の1日の流れを聞き、相談の時間と、それ以外の仕事の時間の割合を確かめておきましょう。

2

会社がどうやって売上を上げているのかを知らなかった

人材業界には、転職したい人を企業に紹介する仕事、働く人を企業に送り出す派遣の仕事、求人の広告を扱う仕事など、さまざまなビジネスがあります。誰からお金を受け取っているのかによって、仕事で大切にされることも、評価のされ方も変わります。応募する会社が、どのビジネスで売上を上げているのかを確かめておくと、入社後の仕事が想像しやすくなります。仕組みを知ったうえで「それでもやりたい」と思えるかが、大切な判断材料です。

3

数字で評価される働き方を確かめなかった

人材業界の多くの仕事では、担当した人の転職が決まった数や、売上の金額で評価されます。給料の一部が成果によって決まる会社もあります。評価の基準を知らないまま入ると、「人に寄り添いたい」という気持ちと、数字を追う毎日との間で苦しくなることがあります。選考の段階で、目標の決まり方や、評価と給料の関係を確かめておきましょう。数字を追うことが自分に合うかどうかも、正直に考えておくことが大切です。

4

「未経験歓迎」「すぐ内定」に安心した

人材業界には、未経験から入れる求人が多く、選考が早く進む会社もあります。入りやすいのはよいことですが、入りやすさと、自分に合っているかどうかは別のことです。不採用が続いて落ち込んでいるときほど、早く内定が出る会社に気持ちが傾きがちです。内定が出たときこそ、仕事の中身を一つずつ確かめる時間を取りましょう。早く決まったことに安心して、確かめることを省いてしまうのがいちばん危険です。

5

内定を比べる軸を持っていなかった

内定が出たときに、承諾するか辞退するかを決める基準がなければ、迷う時間が長くなり、その後の判断も焦りに引っぱられてしまいます。仕事の中身、評価のされ方、働き方、給料など、自分にとって大切な条件を、応募の前に書き出しておくことが大切です。比べる軸があれば、内定が出てもすぐに判断でき、次の選考にも落ち着いて臨めます。軸を決めることは、焦りから自分を守ることにもつながります。

3図解

人材業界への転職で後悔する人と、納得して選べる人の違い

⚠ 人材業界への転職で後悔する人のパターン
不採用が続く中で、「人を支える仕事」という言葉にひかれる
↓
ビジネスの仕組みや評価の基準を知らないまま選考に進む
↓
内定のあとに目標の数字を知り、迷っているうちに時間が過ぎる
↓
辞退しても、入社しても、焦りの中で次の判断を誤る
◎ 人材業界を納得して選べる人のパターン
応募する会社が、どのビジネスで売上を上げているかを確かめる
↓
相談以外の仕事と、数字での評価のされ方を確かめる
↓
内定を比べる軸を、応募の前に書き出しておく
↓
仕事のやりがいと現実の両方に納得して、落ち着いて決められる
4解決策

人材業界を目指す前のチェックリスト

人材業界の仕事は、仕組みを理解したうえで選べば、大きなやりがいのある仕事です。目指す前に、次の項目を確かめてみてください。

  • 応募する会社が、どのビジネスで売上を上げているかを調べた
  • 転職したい人との面談と、企業への営業の割合を確かめた
  • 目標の決まり方と、評価・給料との関係を確かめた
  • 「未経験歓迎」「すぐ内定」だけで安心していないかを振り返った
  • 仕事の中身・評価・働き方・給料など、内定を比べる軸を書き出した
  • 実際に働く人に、1日の流れを聞いた

まなぶは今、求人を見るときに、まず「この会社は、誰からお金を受け取っているのか」を考えるようにしています。仕事のやりがいの言葉の裏にある、会社の仕組みまで見て選ぶ。2年前の夏の遠回りは、まなぶにとって、仕事を選ぶ目を養うきっかけになりました。

※人材業界の会社の売上の仕組みや、評価・給料の決まり方は、会社や仕事の種類によって大きく異なります。応募する会社ごとに、面接や転職エージェントを通して確かめましょう。
5おすすめサービス

焦らずに内定を判断するために

人材業界に限らず、内定が出たときに落ち着いて判断するためには、自分にとって大切な条件を、あらかじめ第三者と一緒に整理しておくのがおすすめです。

B
内定比較の軸を整理したい人向け

完全無料で転職のプロをパーソナルマッチング【転職AGENT Navi】

複数の内定をどう比較すればいいか、第三者と一緒に整理できるタイプです。承諾前に軸を固めておくことで、後から辞退することになる事態を防ぎやすくなります。業界ごとの仕事の仕組みや評価のされ方についても、具体的な情報を聞ける場合があります。

相談してみる

C
自分の市場価値やキャリアの方向性を客観視したい人向け

市場価値から本当のキャリアパスを見出すサービス【ミイダス】

第三者視点で自分の強みや適性、これまでのキャリアの棚卸しを手伝ってもらえるタイプです。自分に合う仕事の条件を客観的に知ることで、「入りやすさ」ではなく「合うかどうか」で仕事を選ぶ手がかりになります。

診断してみる

まなぶまなぶ
「人の人生を支える仕事」だと思っていたら、内定のあとの面談で、最初に目標の数字の話をされて…。
みらいみらい
人材業界の仕事は、人を支える仕事であると同時に、数字で評価される仕事でもあります。会社のビジネスの仕組みと評価の基準を、応募する前に確かめましょう。
まなぶまなぶ
やりがいの言葉だけじゃなく、会社の仕組みまで見るんですね。

人材業界への転職で後悔する原因は、「人を支える仕事」「未経験歓迎」という言葉にひかれ、会社のビジネスの仕組みや評価の基準を知らないまま選考に進み、内定を比べる軸も持っていないことです。売上の仕組みを調べ、仕事の割合と評価の基準を確かめ、比べる軸を先に書き出しておく。それだけで、人材業界への挑戦は納得できるものになります。業界や職種を変える転職で失敗しないための考え方は、公務員から民間転職の失敗から学ぶでまとめています。

業界・職種を変える転職については、成長業界への転職で失敗しない方法や異業種から介護職へ転職して失敗した話もあわせて読んでみてください。

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