結論

外資系企業から日系企業への転職で後悔する人の多くは、「日系企業なら安定していて、長く働ける」と考え、給料の決まり方や評価のされ方、仕事の役割の範囲といった、会社の仕組みの違いを確かめないまま転職してしまう人です。日系企業には、長く働ける環境や、チームで支え合う文化など、たくさんの良さがあります。けれど、外資系企業で当たり前だった働き方や評価の基準をそのまま持ち込むと、入社後に戸惑いが重なり、「前のほうが合っていた」と感じることになります。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、外資系から日系企業への転職で後悔する理由と、転職の前に確かめたいことを解説します。

1失敗ストーリー

「安定」を選んだはずが、評価のされ方に戸惑った

展示会場のロビーのベンチで、外資系企業から日系メーカーへ転職した前の会社の取引先の担当者Aさんの話を聞くまなぶのイラスト

10月の平日、まなぶは仕事で訪れた展示会の会場で、前の会社の取引先の担当者だったAさん(40代男性)と、偶然再会しました。休憩のために会場のロビーのベンチに並んで座ると、Aさんは名刺を差し出しました。会社の名前が変わっています。「外資系のIT企業に12年いたんだけど、去年、日系のメーカーに移ったんだ。ただ、正直まだ慣れなくてね」。Aさんは、展示会のパンフレットを手にしたまま話し始めました。

外資系企業で営業をしていたAさんは、毎年の成績で給料が大きく変わる働き方を続けてきました。成績がよい年は年収が大きく上がる一方、目標に届かない年は不安でいっぱいでした。子どもが小学校に上がったのをきっかけに、「これからは安定した会社で、長く働きたい」と考えるようになりました。英語を使う海外営業の求人を見つけ、日系の大手メーカーへの転職を決めました。年収はほぼ同じで、条件には満足していたそうです。給料や評価の仕組みについて、面接で質問することはありませんでした。

ところが、入社してみると、戸惑うことの連続でした。給料は年齢や勤続年数で決まる部分が大きく、どれだけ成果を出しても、すぐには給料に反映されない仕組みでした。評価でも、売上の数字だけでなく、ほかの部署への協力や、仕事の進め方が重視されます。さらに、自分の役割の範囲がはっきり決まっておらず、会議の準備から後輩の指導、社内行事の手伝いまで、さまざまな仕事が回ってきました。楽しみにしていた英語を使う場面も、思っていたより少なかったのです。

「日系企業が悪いわけじゃない。でも、『安定』という言葉だけで選んで、給料や評価の仕組みがどう違うのかを、何も確かめていなかった」。今は、周りの人と協力して成果を出す進め方を少しずつ覚え、海外のお客さまとのやり取りも任されるようになってきたそうです。会社が変われば、働き方のルールそのものが変わる。まなぶは、Aさんの話を聞きながら、その違いを入社前に知る大切さを感じていました。

2原因分析

外資系から日系企業への転職で後悔する5つの理由

1

「安定」という言葉だけで選んだ

日系企業を選ぶ理由として、「安定」を挙げる人は少なくありません。けれど、安定の中身は会社によってさまざまで、自分にとって何が安定していれば安心できるのかを考えないまま選ぶと、別のところで不満が生まれます。収入の安定なのか、雇用の安定なのか、働く時間の安定なのか。自分が求める安定の中身を書き出し、それが応募する会社で手に入るのかを確かめましょう。

2

給料の決まり方の違いを確かめなかった

外資系企業では、成果によって給料が大きく変わる会社が多い一方、日系企業では、年齢や勤続年数に応じて少しずつ上がっていく仕組みの会社もまだ多くあります。入社時の年収が同じでも、その後の上がり方はまったく違うことがあります。給料が上がる仕組みや、賞与の決まり方、5年後・10年後の年収の目安を、内定を受ける前に確かめておきましょう。

3

評価のされ方の違いを想定していなかった

外資系企業では、数字で表せる成果が評価の中心になることがよくあります。日系企業では、成果に加えて、周りへの協力や仕事の進め方など、数字だけでは表せない部分も評価されることがあります。どちらが正しいということではなく、評価の物差しそのものが違うのです。選考の段階で、評価の基準や、評価がどのように決まるのかを確かめておきましょう。

4

役割の範囲があいまいなことに戸惑った

外資系企業では、一人ひとりの役割や仕事の範囲が、はっきり決められていることが多くあります。一方、日系企業では、役割の範囲が広くとらえられ、チームの状況に応じてさまざまな仕事を担うこともあります。決められた仕事に集中してきた人ほど、「これは自分の仕事なのか」と戸惑いやすいのです。入社後に担当する仕事の範囲を、面接で具体的に聞いておきましょう。

5

自分の強みが生きる場面を確かめなかった

外資系企業で身につけた語学力や、成果にこだわる姿勢は、日系企業でも大きな強みになります。けれど、その強みを使う場面が、思っていたより少ないこともあります。「英語を使う仕事」と書かれていても、実際にどれくらい使うのかを確かめておくことが大切です。今の強みが、入社後のどの仕事で、どれくらい生きるのかを、具体的に聞いておきましょう。強みが生きる場面が分かれば、入社後の目標も立てやすくなります。

3図解

外資系から日系企業への転職で後悔する人と、納得して働ける人の違い

⚠ 外資系から日系企業への転職で後悔する人のパターン
「日系企業なら安定している」と考えて転職を決める
↓
給料や評価の仕組み、役割の範囲を確かめずに入社する
↓
成果がすぐに給料に反映されず、役割のあいまいさにも戸惑う
↓
「前の働き方のほうが合っていた」と感じてしまう
◎ 外資系から日系企業で納得して働ける人のパターン
自分が求める「安定」の中身を書き出す
↓
給料の上がり方と、評価の物差しの違いを確かめる
↓
役割の範囲と、強みが生きる場面を具体的に聞く
↓
違いを理解したうえで、自分の強みを生かして働ける
4解決策

外資系から日系企業への転職を決める前のチェックリスト

外資系で積んだ経験は、日系企業でも頼りになる強みです。転職を決める前に、次の項目を確かめてみてください。

  • 自分が求める「安定」の中身を、収入・雇用・働く時間などに分けて書き出した
  • 給料が上がる仕組みと、5年後・10年後の年収の目安を確かめた
  • 賞与の決まり方を確かめた
  • 評価の基準と、評価が決まる流れを確かめた
  • 入社後に担当する仕事の範囲を、具体的に聞いた
  • 語学力など自分の強みが、どの仕事でどれくらい生きるかを確かめた

ロビーを離れるとき、Aさんは「外資で鍛えた数字へのこだわりと、ここで学んでいるチームでの進め方、両方を持てたら強いと思うんだ」と笑いました。まなぶは、会社のタイプが変わる転職では、前の会社の物差しをいったん置いて、新しい会社の仕組みを知ることが大切なのだと感じました。

※給料や評価の仕組み、役割の決め方は、外資系・日系を問わず、会社によって大きく異なります。最近は日系企業でも成果を重視する仕組みを取り入れる会社が増えているため、応募する会社ごとに確かめましょう。
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会社の仕組みの違いを、入社の前に確かめるために

外資系から日系企業への転職では、給料や評価の仕組みの違いを知り、自分の経験を生かせる会社を選ぶことが大切です。

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30代以降の転職に強く、マネジメント経験や専門性を評価してくれる求人を紹介してくれるタイプです。外資系で積んだ経験や語学力を、日系企業のどんな仕事で生かせるのかを、市場の目線で教えてもらえます。給料の上がり方など、年収以外の条件も含めて相談できるのも利点です。

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実際に働いた人の声から、求人票だけでは分からない社風や雰囲気を確認できるタイプです。評価のされ方や役割の決まり方など、会社の仕組みの違いを事前に知る手がかりになります。良い評判だけでなく、気になる指摘がどのくらいの件数・時期にあるかも合わせて見ると、より実態に近い判断ができます。

口コミを見てみる

まなぶまなぶ
前の会社の取引先だったAさん、安定を求めて外資系から日系企業に移ったら、給料や評価の仕組みの違いに戸惑ったそうです…。
みらいみらい
外資系と日系企業では、給料の決まり方も評価の物差しも違うことがあります。「安定」の中身を考えて、会社の仕組みを入社前に確かめましょう。
まなぶまなぶ
前の会社の物差しをいったん置いて、新しい会社の仕組みを知るんですね。

外資系から日系企業への転職で後悔する原因は、「安定」という言葉だけで選び、給料の決まり方や評価のされ方、役割の範囲といった会社の仕組みの違いを確かめないまま転職してしまうことです。求める安定の中身を書き出し、給料と評価の仕組みを確かめ、役割の範囲と強みが生きる場面を聞く。それだけで、日系企業での働き方は納得できるものになります。会社のタイプが変わる転職で失敗しないための考え方は、ベンチャー転職の失敗から学ぶでまとめています。

企業タイプが変わる転職については、フルリモートの会社へ転職して失敗した話や有名企業への転職で失敗しない方法もあわせて読んでみてください。

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