入社後の配属が希望と違って後悔する理由
入社後の配属が希望と違って後悔する人の多くは、「応募した仕事に就けるはず」と思い込み、内定のときの書類に書かれた業務の内容や、配属を決める仕組みを確かめないまま入社してしまう人です。会社によっては、中途入社でも「配属は入社後に決める」としていることがあります。応募した職種と、実際に配属される部署が同じとは限らないことを知っておくだけで、入社前に確かめるべきことが見えてきます。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、入社後の配属が希望と違って後悔する理由と、入社前に確かめたいことを解説します。
「商品企画」で応募したのに、配属は店舗の担当だった
秋のある土曜日、大学のゼミのOB会のあと、まなぶはゼミの後輩のAさん(20代後半の女性)と、大学の近くの古い喫茶店に入りました。学生のころによく通った店です。Aさんは、小売の会社の本部で働いたあと、半年前に化粧品メーカーに転職していました。「先輩、聞いてくださいよ。私、転職先で思ってもみない部署に配属されたんです」。Aさんは、クリームソーダのストローを回しながら話し始めました。
Aさんが応募したのは、化粧品メーカーの「商品企画」の求人でした。子どものころから化粧品が好きで、いつか新しい商品を生み出す仕事がしたいと思っていたのです。面接では、本部で売れ筋の商品を分析してきた経験が評価され、内定をもらいました。内定のときに届いた書類には、「職種:総合職」「配属先:入社後に決定」と書かれていましたが、Aさんは「商品企画の求人で受かったのだから、当然そこに配属される」と思い込み、くわしく確かめませんでした。面接でも、配属先について質問したことは一度もなかったそうです。
ところが、入社して告げられた配属先は、百貨店の売り場を担当する店舗の営業部でした。「まずは現場を知ってほしい」というのが会社の説明でした。いつ商品企画の部署に移れるのか、そもそも移れるのかは、誰にも分からなかったのです。売り場の担当者との打ち合わせや、売上の管理に追われる毎日の中で、Aさんは「何のために転職したんだろう」と考えるようになりました。休日に化粧品売り場を歩くたびに、商品を作る側にいない自分がもどかしく感じられたといいます。
今は、上司と面談の機会を作ってもらい、商品企画の部署に移りたいという希望と、そのために今の部署で何を身につければいいのかを話し合ったそうです。「現場を知ることが大事なのは分かるんです。でも、それなら入社前に教えてほしかったし、私も聞くべきでした」。応募した職種の名前と、実際に働く部署は、別のものだった。まなぶは、Aさんのくやしそうな顔を見ながら、内定のときの書類の大切さを改めて感じていました。
入社後の配属が希望と違って後悔する5つの理由
応募した職種に配属されると思い込んだ
中途入社の採用は、特定の部署の仕事のために行われることが多い一方で、会社によっては、総合職として採用し、配属は入社後に決めるところもあります。求人の職種名と、入社後の配属が同じだとは限らないのです。「この求人で入社した場合、どの部署に配属されますか」と、選考の中で一度はっきり確かめておきましょう。答えがあいまいなら、それ自体が大切な判断材料になります。聞きにくい場合は、転職エージェントを通して確かめてもらう方法もあります。
内定のときの書類をよく読まなかった
内定が出ると、働く条件をまとめた書類が渡されます。そこには、仕事の内容や働く場所、配属先などが書かれています。「入社後に決定」「会社の定める業務」といった書き方なら、希望と違う配属になる可能性があるということです。書類を受け取ったら、仕事の内容の欄を必ず読み、分からないことは承諾する前に問い合わせましょう。転職エージェントを使っている場合は、担当者に確認を頼むこともできます。承諾したあとでは、条件を変えるのは難しくなります。
「いずれ希望の部署へ」の時期と条件を確かめなかった
「最初は現場から」「いずれは希望の部署へ」と説明される場合でも、それがいつなのか、どんな条件で移れるのかが決まっていないことがあります。「いずれ」は、何年後になるか分からないこともあるのです。面接や内定後の面談で、「希望の部署に移った人は、入社後どれくらいで移っていますか」と、具体的な例を聞いておきましょう。例が一つもない場合は、「いずれ」が来ない可能性も考えておく必要があります。
配属や異動が決まる仕組みを知らなかった
配属や異動が、上司との面談で決まるのか、会社全体の人事の計画で決まるのか、本人の希望を出す仕組みがあるのかは、会社によって違います。仕組みを知らないと、希望を伝える機会があっても逃してしまうことがあります。異動の希望を出す制度があるか、どのタイミングで出せるのかを確かめておけば、入社後に自分から動くこともできます。希望は一度伝えて終わりにせず、面談のたびに伝え続けることも大切です。
今の配属で得られることを考えなかった
希望と違う配属になると、どうしても不満ばかりに目が向いてしまいます。けれど、現場で身につける経験が、希望の仕事に役立つことも少なくありません。「この部署で何を学べば、希望の仕事に近づけるか」を上司と話し合っておくと、今の仕事に意味を見つけやすくなります。そのうえで、どうしても道が見えないときに、次の選択肢を考えても遅くはありません。不満だけで動くより、学んだことを持って動くほうが、次の転職もうまくいきやすくなります。
配属が希望と違って後悔する人と、納得して働ける人の違い
入社後の配属で後悔しないためのチェックリスト
配属の確認は、内定を承諾する前にしかできないことも多くあります。入社を決める前に、次の項目を確かめてみてください。
- この求人で入社した場合の配属先を、選考の中で確かめた
- 内定のときの書類で、仕事の内容と配属先の欄を読んだ
- 「入社後に決定」などの書き方があれば、承諾前に問い合わせた
- 希望の部署に移った人の、具体的な例と時期を聞いた
- 異動の希望を出す仕組みがあるかを確かめた
- 希望と違う配属になったときに、何を学べるかを考えた
喫茶店を出るとき、Aさんは「売り場で聞いたお客さまの声は、きっと商品企画で役に立つと思うんです」と笑いました。まなぶは、転職では、どの会社に入るかと同じくらい、入社後にどこで何をするのかを確かめることが大切なのだと感じました。
配属の実態を、入社前に確かめるために
配属の決まり方や、異動の実態は、求人票だけでは分かりにくいものです。転職エージェントや、実際に働いた人の声を活用して確かめるのがおすすめです。
転職成功実績1万【リクルートエージェント】
求人数が多く、業界を横断して幅広い選択肢を比較できるタイプ。応募する会社の配属の決まり方や、内定のときの書類の内容について、担当者を通して確かめてもらうこともできます。まず全体像を把握したい人に向いています。
企業口コミ・評判サービス【エン カイシャ】
実際に働いた人の声から、事業内容や社風、働き方の実態を確認できるタイプです。中途入社の人がどんな部署に配属されているのか、異動の希望が通りやすいのかなど、入社後の実態を確かめる材料になります。
まなぶ
みらい
まなぶ入社後の配属が希望と違って後悔する原因は、応募した職種に配属されると思い込み、内定のときの書類や、配属・異動の仕組みを確かめないまま入社してしまうことです。配属先をはっきり確かめ、書類の仕事の内容を読み、異動の仕組みと今の配属で学べることを知っておく。それだけで、入社後の配属は納得できるものになります。転職後の職場になじむための考え方は、転職後の人間関係トラブルの失敗から学ぶでまとめています。
入社後のミスマッチについては、中途入社で放置されて失敗する人の特徴5選や即戦力として期待されて失敗しない方法もあわせて読んでみてください。

