定年後の再就職で失敗する人の特徴5選
定年後の再就職で失敗する人の多くは、現役のころと同じ肩書きや働き方を前提に仕事を探し、「何のために、どれくらい働きたいのか」を決めないまま動き出してしまう人です。定年後の働き方には、今の会社での再雇用、別の会社への再就職、短い時間の仕事など、いくつもの選び方があります。収入、時間、役割、体力のどれを大切にするかを決めないまま選ぶと、せっかく見つけた仕事が長続きしません。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、定年後の再就職で失敗する人の特徴5つと、後悔しない選び方を解説します。
「まだまだ現役」のはずが、3か月で辞めていた
ある休日の午後、まなぶは前の会社で部長だったAさん(60代男性)と、久しぶりに喫茶店で会いました。Aさんは去年、60歳で定年を迎えたばかりです。「辞めたあとの仕事選びで、すっかりつまずいてしまってね」。Aさんは、コーヒーカップを置いて話し始めました。
会社には、定年後も働き続けられる再雇用の制度がありました。けれどAさんは、給料が大きく下がり、元の部下の下で働くことになると聞いて、「それなら外で勝負したい」と再雇用を断りました。部長として30年以上働いてきた自信もありました。「自分の経験なら、どこへ行っても通用する」。そう信じて疑いませんでした。人材紹介の会社に登録すると、ほどなく中小企業の「管理部門の責任者」の求人を紹介され、内定をもらいました。
ところが、入社してみると、思っていた仕事とはまったく違いました。部下はおらず、経理の入力から備品の発注まで、すべて自分で手を動かす仕事でした。社内のシステムも初めて使うものばかりで、年下の社員に何度も操作を聞かなければなりません。毎日の通勤も片道1時間半かかり、帰宅するころには、何もする気が起きないほど疲れていました。
結局、Aさんは3か月でその会社を辞めました。「年収や肩書きばかり気にして、自分が何をしたいのか、どれくらいの時間なら無理なく働けるのかを、一度も考えていなかったんだよ」。今は、知り合いの紹介で、週3日だけ若手の育成を手伝う仕事をしているそうです。定年後の仕事選びは、現役のころとは「ものさし」から変えなければいけなかった。まなぶは、自分の数十年先の姿を重ねながら、Aさんの話に聞き入っていました。
定年後の再就職で失敗する人の特徴5選
働く目的を決めていない
定年後に働く理由は、人によってさまざまです。生活費を補うため、社会とのつながりを保つため、これまでの経験を生かすため、体を動かすため。目的があいまいなままだと、求人の条件だけで選ぶことになり、働き始めてから「思っていたのと違う」と感じやすくなります。まずは「何のために働くのか」を一つか二つに絞り、それに合う働き方を探すことが大切です。目的によっては、フルタイムの再就職よりも、短い時間の仕事や地域の活動のほうが合っている場合もあります。家族とも話し合い、収入がどのくらい必要なのかを一緒に確かめておくと、選ぶ基準がよりはっきりします。
現役のころの肩書きと年収にこだわっている
定年後の再就職では、現役のころと同じ肩書きや年収を求めると、選べる仕事が大きく限られます。また、肩書きが同じでも、会社の規模や体制が違えば、仕事の中身はまったく別物になることがあります。大切なのは、肩書きではなく、実際に毎日どんな仕事をするのかです。面接では、仕事の範囲、部下や手伝ってくれる人の有無、使う道具やシステムまで、具体的に確かめておきましょう。可能であれば、職場を見学させてもらい、一緒に働く人の雰囲気を確かめておくと安心です。
再雇用と再就職を比べていない
今の会社の再雇用は、給料が下がることが多い一方で、慣れた職場で、知っている人たちと働ける安心感があります。別の会社への再就職は、新しい挑戦ができる一方で、職場の仕組みや人間関係を一から作り直すことになります。どちらが良い・悪いではなく、自分の目的に合うのはどちらかを、同じものさしで比べることが大切です。再雇用の条件は、定年の数年前から人事に確かめておくと、落ち着いて比べられます。再雇用で働きながら、次の働き方をゆっくり探すという順番を選ぶ人もいます。
体力と時間の配分を考えていない
60代になると、現役のころと同じペースで働き続けるのは簡単ではありません。通勤時間、勤務日数、仕事の負担を考えずに選ぶと、体がついていかなくなることがあります。週に何日、1日に何時間なら無理なく続けられるのかを、先に決めておくことが大切です。家族との時間や趣味、地域の活動など、仕事以外にやりたいこととのバランスも考えておきましょう。最初は少なめの日数で始めて、慣れてきたら増やすという進め方も、無理を防ぐ一つの方法です。
年金や給付との関係を確かめていない
60代で働きながら年金を受け取る場合、収入によっては年金の一部が止まる仕組みがあります。また、雇用保険から受け取れる給付の条件も、働き方によって変わります。手取りの収入は、給料だけでなく、年金や給付との組み合わせで決まるため、働き方を決める前に確かめておくことが大切です。制度の基準は見直されることがあるので、年金事務所やハローワークで最新の内容を確認しましょう。
定年後の再就職で失敗する人と、長く続けられる人の違い
定年後の働き方を決める前のチェックリスト
定年後の働き方は、定年の数年前から準備を始めると、選べる道がぐっと広がります。50代のうちから、社外の人とのつながりを持っておくことも、選択肢を増やす助けになります。次の項目を確認してみてください。
- 定年後に働く目的を、一つか二つに絞った
- 週に何日、1日に何時間なら無理なく働けるかを決めた
- 今の会社の再雇用の条件(仕事・給料・期間)を人事に確かめた
- 再就職先の候補では、肩書きではなく毎日の仕事の中身を確かめた
- 通勤時間と体力の負担を考えて、働く場所を選んだ
- 年金や雇用保険の給付との関係を、窓口で確認した
Aさんは、今の働き方にとても満足しているそうです。「週3日、若い人たちに自分の失敗談も含めて話していると、ああ、この経験は無駄じゃなかったなと思えるんだ」。まなぶは、定年後の仕事選びで大切なのは、何を手に入れるかよりも、どう働き続けたいかを先に決めることなのだと感じました。
定年後のキャリアを落ち着いて考えるために
定年後の働き方は、自分の経験がどこで生かせるのかを知り、第三者と一緒に整理することで、選択肢が見えてきます。
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マネジメント経験や専門性を評価してくれる求人を紹介してくれるタイプです。年齢層に合った市場感を教えてもらえるのも利点です。肩書きではなく、自分の経験をどんな仕事に生かせるのかを、一緒に考えられます。
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これまでの経験や実績を、第三者と一緒に言語化していけるタイプです。自分では気づきにくい強みを引き出してもらえることがあります。定年後にどんな働き方をしたいのかを整理する段階から相談できるサービスもあります。
まなぶ
みらい
まなぶ定年後の再就職で失敗する原因は、現役のころと同じ肩書きや働き方を前提に、目的を決めないまま仕事を選んでしまうことです。働く目的と、無理なく働ける時間を決め、再雇用と再就職を比べ、仕事の中身と年金との関係を確かめる。それだけで、定年後の仕事は長く続けられる、自分らしい働き方になります。年齢を重ねてからの転職の考え方は、50代シニア転職の失敗から学ぶでまとめています。
年代やライフステージの変化と転職については、親の介護を理由に転職を急いで後悔する理由や周りと比べて転職を考えたときに失敗しない方法もあわせて読んでみてください。

