配偶者の転勤に合わせて転職して失敗した話
配偶者の転勤に合わせた転職で失敗する人の多くは、「ついていくなら、今の仕事は辞めるしかない」と思い込み、今の会社で続ける方法も、転勤先の仕事の状況も確かめないまま退職してしまう人です。最近は、リモートでの勤務や、別の拠点への異動、配偶者の転勤に合わせて休める制度を用意している会社もあります。辞める前に選択肢を確かめ、夫婦でこれからの働き方を話し合っておくことが、後悔しない転職につながります。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、配偶者の転勤に合わせて転職して失敗した原因と、決める前に確かめたいことを解説します。
2年後、また同じことをくり返すことになった
大学のゼミのOB会の夜、まなぶは久しぶりに、ゼミの先輩のAさん(30代女性)と話しました。Aさんは、東京のIT企業で経理として8年働いていましたが、3年前に会社を辞めて、夫の転勤先の地方都市に引っ越していました。「実は、あの転職は失敗だったと思ってるんだ」。Aさんは、グラスを手に、少し苦笑いしながら話し始めました。
夫に転勤の内示が出たのは、引っ越しのわずか1か月前でした。「ついていくなら、辞めるしかないよね」。Aさんは、上司にほとんど相談しないまま退職を伝えました。引き継ぎと引っ越しの準備に追われ、転勤先でどんな仕事があるのかを調べる余裕もありませんでした。引っ越してから仕事を探し始めると、経理の正社員の求人は東京よりずっと少なく、しかも年収は大きく下がるものばかりでした。半年近く探して、ようやく決まったのは、経理の経験をあまり生かせない事務の仕事でした。
さらにあとになって、前の会社の同僚から思いがけない話を聞きました。「Aさんが辞めたあとで、配偶者の転勤についていく人向けの休職の制度ができたんだよ。それに、経理は今、ほとんどリモートでできるようになってるし」。辞める前に上司にきちんと相談していれば、働き続ける方法を一緒に考えてもらえたかもしれませんでした。
そして今年、夫にまた転勤の内示が出ました。今度は別の地方です。「また一から仕事を探すことになると思うと、正直、本当に気が重くて」。転勤のたびに、自分のキャリアを白紙に戻していた。まなぶは、にぎやかな立食の会場の隅で、Aさんの話にじっと聞き入っていました。
配偶者の転勤に合わせた転職で失敗した5つの原因
今の会社で続ける方法を確かめなかった
配偶者の転勤があっても、今の会社で働き続けられる場合があります。リモートでの勤務、転勤先の近くにある拠点への異動、配偶者の転勤に合わせて一定の期間休める制度など、会社によって用意されているものはさまざまです。「辞めるしかない」と決める前に、就業規則を確かめ、上司や人事に相談することが大切です。制度がなくても、相談することで、個別に働き方を考えてもらえることもあります。長く働いてきた人ほど、会社にとっても手放したくない人材であることを忘れないでおきましょう。
引っ越してから仕事を探し始めた
転勤先の地域では、職種によって求人の数や年収の水準が大きく違います。引っ越してから探し始めると、収入のない期間が長くなり、焦って条件を下げることになりがちです。内示が出たら、引っ越す前から転勤先の求人の状況を調べ、できれば在職中に活動を始めることが大切です。オンラインの面接に対応している企業も多いので、引っ越し前に内定を得ることも不可能ではありません。転勤先の地域に詳しい転職エージェントに相談すると、求人の状況を早くつかめます。
転勤の期間と、次の異動の可能性を話し合わなかった
転勤は一度で終わるとは限りません。数年ごとに異動がある仕事なら、転職先を選ぶときも、「次の転勤でも続けられる働き方か」を考える必要があります。夫婦で、転勤の期間の見込みや、これからの異動の可能性を話し合っておくと、どんな仕事を選ぶべきかが見えてきます。リモートで続けられる仕事や、全国に拠点のある会社など、移動に強い働き方を選ぶという考え方もあります。資格や専門性のある仕事は、地域が変わっても続けやすい傾向があります。
自分のキャリアの軸を夫婦で共有しなかった
配偶者の転勤は、家族の大きな出来事です。どちらか一方の仕事だけを優先して決めると、もう一方のキャリアが途切れ、あとで不満が残ることがあります。自分がどんな仕事を続けたいのか、どこまでなら譲れるのかを、夫婦で言葉にして共有しておくことが大切です。単身赴任という選択肢も含め、家族にとって無理のない形を、時間をかけて一緒に考えましょう。結論を急がないことも大切です。家族と転職のタイミングで気をつけたいことは、既婚者の転職タイミングで失敗する人の特徴5選で紹介しています。
「とりあえず」で次の仕事を決めた
慣れない土地で収入のない期間が続くと、「とりあえず、決まるところに」と考えてしまいがちです。しかし、経験を生かせない仕事を選ぶと、次の転職のときに、伝えられる経験が少なくなります。転勤先での仕事も、これからのキャリアの一部として選ぶことが大切です。短い期間だけ働く場合でも、これまでの経験を生かせるか、次につながる経験を積めるかを確かめましょう。面接では、転勤の可能性があることを正直に伝えたうえで、続けられる働き方を相談しておくと、入社後の行き違いも防げます。
配偶者の転勤で失敗する人と、キャリアをつなげられる人の違い
配偶者の転勤が決まったときのチェックリスト
配偶者の転勤は、準備の期間が短いことも多いものです。内示が出たら、次の項目を順番に確かめてみてください。
- 今の会社に、リモート勤務・拠点異動・配偶者の転勤に伴う休職などの制度があるか確かめた
- 退職を伝える前に、上司や人事に働き続ける方法を相談した
- 夫婦で、転勤の期間の見込みと、次の異動の可能性を話し合った
- お互いのキャリアで大切にしたいことを、言葉にして共有した
- 引っ越す前から、転勤先の求人の数と年収の水準を調べた
- 次の仕事は、これまでの経験を生かせるか、次につながるかで選んだ
Aさんは今回、同じ失敗をしないように、内示が出たその週に、今の職場の上司に相談しました。すると、本社の経理の仕事を、週に数日リモートで手伝ってもらえないかという話が出てきたそうです。「3年前に、ここまで考えてから決めればよかった」。Aさんはそう言いながらも、どこかほっとした表情を浮かべていました。
まなぶは、家族の転勤は、仕事を辞めるきっかけではなく、働き方を見直すきっかけにできるのだと感じました。そして、自分にもいつか家族ができたら、お互いの仕事のことを、こうした出来事が起きる前から話し合っておきたいと思いました。
転勤先でもキャリアをつなげるために
配偶者の転勤に合わせて転職するときは、転勤先の求人の状況を早めに知り、自分の経験を生かせる仕事を落ち着いて探すことが大切です。
転職成功実績1万【リクルートエージェント】
求人数が多く、業界を横断して幅広い選択肢を比較できるタイプ。転勤先の地域の求人の数や年収の水準を、引っ越す前から確かめられます。まず全体像を把握したい人に向いています。
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特定の業界・職種に精通し、専門性の高い求人や業界特有の情報を持っているタイプ。リモートで働ける求人など、移動に強い働き方の相談にも向いています。総合型と併用することで視点を補い合えます。
まなぶ
みらい
まなぶ配偶者の転勤に合わせた転職で失敗する原因は、「辞めるしかない」と思い込み、今の会社で続ける方法も、転勤先の仕事の状況も確かめないまま動いてしまうことです。会社の制度を確かめて相談し、夫婦でキャリアの軸を共有し、引っ越す前から次の仕事を探す。それだけで、家族の転勤があっても、キャリアをつなげていけます。ライフステージが変わるときの転職の考え方は、50代シニア転職の失敗から学ぶでまとめています。
家族の事情と転職については、親の介護を理由に転職を急いで後悔する理由や留学から帰国後の転職で後悔する理由もあわせて読んでみてください。

