結論

留学から帰国したあとの転職で後悔する人の多くは、「語学ができれば、帰国後の仕事はすぐ見つかる」と考え、留学の経験を仕事にどうつなげるかを決めないまま出発し、帰ってから仕事を探し始めてしまう人です。留学は、視野を広げる貴重な経験です。けれど、採用する側が見ているのは、語学の点数よりも、その経験で仕事に何を生かせるのかです。出発する前から帰国後の働き方を考え、帰国前から動き出すことが、留学を後悔に変えないためのポイントです。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、留学から帰国後の転職で後悔する理由と、事前に準備したいことを解説します。

1失敗ストーリー

帰国して4か月、貯金がほとんどなくなった

会社近くのラーメン屋のカウンターで、留学から帰国後の転職に苦労した後輩のAさんの話を、箸を止めて聞くまなぶのイラスト

ある平日の夜、まなぶは今の会社の後輩のAさん(20代後半男性)と、会社近くのラーメン屋のカウンターに並んでいました。Aさんは、半年前に中途で入社したばかりです。「実は僕、ここに入る前に1年、海外に語学留学してたんですよ」。Aさんは、少し照れくさそうに、ゆっくりと話し始めました。

Aさんは、新卒で入ったメーカーで3年間営業をしたあと、「英語を使う仕事がしたい」と会社を辞めて留学しました。帰国後の仕事のことは、「英語ができれば何とかなる」と、ほとんど考えていませんでした。留学中は、語学学校の授業と、現地でできた友人との旅行に夢中で、帰国後の準備は「帰ってから考えればいい」と後回しにしていました。1年の留学を終えて帰国し、さっそく英語を使う求人に応募しましたが、結果は思うようにいきませんでした。求人の多くは、英語で仕事をした経験や、その分野の専門性を求めていたのです。

面接では、「留学で何を得ましたか」と聞かれても、「現地の友人がたくさんできました」「英語に自信がつきました」としか答えられませんでした。1年の空白について、仕事につながる説明ができなかったのです。活動は4か月におよび、留学前に貯めたお金は、生活費と家賃でほとんどなくなっていました。

「最後は、英語をほとんど使わないこの会社に入ることにしました。今の仕事は楽しいんですけど、留学したことを、もう少し仕事に生かせたんじゃないかって思うんです」。Aさんは、どんぶりを見つめながらそう言いました。留学そのものではなく、留学と仕事をつなげる準備が足りなかった。まなぶは、箸を止めて、Aさんの話に聞き入っていました。

2原因分析

留学から帰国後の転職で後悔する5つの理由

1

帰国後の働き方を決めずに出発した

「行けば何か見つかる」と出発すると、帰国してから、何を軸に仕事を探せばいいのかが分からなくなります。出発する前に、帰国後にどんな仕事をしたいのか、そのために留学で何を身につけるのかを決めておくことが大切です。目標がはっきりしていれば、留学中の過ごし方も変わり、帰国後に伝えられる経験も増えます。決めた目標は、留学中に見直してかまいません。大切なのは、「何のために行くのか」を自分の言葉で言える状態で出発することです。

2

語学力だけで仕事が見つかると思い込んだ

英語を使う仕事の多くは、語学力に加えて、営業、経理、エンジニアなど、何かの仕事の専門性を求めています。語学は仕事の「武器」であって、仕事そのものではないと考えましょう。これまでの仕事の経験と語学を組み合わせることで、応募できる仕事の幅が広がります。たとえば「営業の経験×英語」なら、海外の取引先を持つ会社の営業職が候補になります。語学の点数を上げることだけに集中するより、「どの仕事で使うのか」から考えるほうが、帰国後の選択肢は広がります。

3

留学の経験を、仕事につながる言葉で説明できなかった

採用する側は、留学の期間を、仕事の空白としてではなく、どんな経験を積んだ期間なのかとして見ようとします。「友人ができた」「自信がついた」だけでは、仕事で何ができるのかが伝わりません。現地でどんな課題にぶつかり、どう乗り越えたのか、それが仕事のどんな場面で生かせるのかを、具体的に話せるように準備しておきましょう。留学中に日記やメモを残しておくと、あとで経験を振り返るときの材料になります。空白期間の伝え方は、ブランクありの転職で後悔する理由でも紹介しています。

4

帰国後の活動資金と期間を考えていなかった

留学の費用は計算していても、帰国してから仕事が決まるまでの生活費を考えていない人は少なくありません。活動が長引くほど、お金の不安から焦って決めることになります。帰国後に数か月仕事が決まらなくても暮らせるお金を、留学の費用とは別に残しておくことが大切です。家賃や保険料、税金など、帰国後すぐにかかるお金も見込んでおきましょう。帰国したら、住所の届け出や健康保険・年金の手続きも必要になるため、その分の時間とお金も考えておきましょう。

5

帰国してから活動を始めた

今は、オンラインで面談や面接を受けられる企業や転職エージェントが増えています。帰国してから動き出すと、それだけ収入のない期間が長くなります。帰国の数か月前から、オンラインで情報を集め、相談を始めておくと、帰国後すぐに選考を進められます。留学中に、現地で働く日本人や、帰国して転職した先輩に話を聞いておくのも役に立ちます。帰国の時期が決まったら、その2〜3か月前を目安に、職務経歴書の準備も始めておきましょう。

3図解

帰国後の転職で後悔する人と、留学を生かせる人の違い

⚠ 留学から帰国後の転職で後悔する人のパターン
「英語ができれば何とかなる」と、帰国後のことを考えずに出発する
↓
帰国してから仕事を探し始め、留学の経験をうまく説明できない
↓
活動が長引き、貯金が減って焦って決める
↓
留学の経験を、ほとんど仕事に生かせないままになる
◎ 留学を帰国後の仕事に生かせる人のパターン
出発前に、帰国後の仕事と、留学で身につけることを決める
↓
仕事の経験と語学を組み合わせて、応募できる仕事を考える
↓
帰国の数か月前から、オンラインで活動を始める
↓
留学の経験を強みとして伝え、納得できる仕事を選べる
4解決策

留学を考えている人のチェックリスト

留学を後悔しない経験にするためには、出発前と帰国前の準備が大切です。すでに帰国している人も、今からできることはたくさんあります。次の項目を確認してみてください。

  • 帰国後にどんな仕事をしたいのかを、出発前に書き出した
  • これまでの仕事の経験と語学を組み合わせた、応募先の候補を考えた
  • 留学中の経験を、仕事のどんな場面で生かせるか説明できるよう準備した
  • 帰国後に数か月暮らせるお金を、留学の費用とは別に残した
  • 帰国の数か月前から、オンラインで転職の相談を始める予定を立てた

Aさんは今、社内で海外の取引先とのやり取りが発生したときに、自分から手を挙げるようにしているそうです。「留学で身につけたことを、今の仕事の中で少しずつ形にしていきたいんです」。まなぶは、留学の価値は、行ったこと自体ではなく、帰ってきてから仕事にどうつなげるかで決まるのだと感じました。20代の転職で焦らないためのポイントは、20代で転職を焦って失敗した人の特徴5選で紹介しています。

5おすすめサービス

帰国後のキャリアを早めに考えるために

留学を考えている人や、帰国して仕事を探している人は、早めに転職の専門家に相談し、自分の経験の生かし方を整理しておくと安心です。

A
20代の転職を相談したい人向け

20代・第二新卒・既卒向け転職エージェント【マイナビジョブ20's】

20代の転職に特化し、経歴の背景を踏まえたうえで、面接での伝え方や求人選びをサポートしてくれるタイプです。留学などで空白期間がある場合も、その経験をどう伝えればよいかを相談できます。同じような経緯で転職に成功した事例を教えてもらえることもあります。

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C
自分の市場価値やキャリアの方向性を客観視したい人向け

市場価値から本当のキャリアパスを見出すサービス【ミイダス】

第三者視点で自分の強みや適性、これまでのキャリアの棚卸しを手伝ってもらえるタイプです。仕事の経験と語学を組み合わせたときに、どんな仕事で評価されやすいのかを知る手がかりになります。自分では気づきにくい強みを言語化してもらえることも、こうしたサービスの価値の一つです。

診断してみる

まなぶまなぶ
後輩のAさん、留学から帰って4か月仕事が決まらず、貯金がほとんどなくなったそうです…。
みらいみらい
語学は仕事の武器であって、仕事そのものではありません。出発前に帰国後の働き方を考えて、帰国前から動き出すことが大切ですよ。
まなぶまなぶ
留学と仕事をつなげる準備を、行く前から始めるんですね。

留学から帰国後の転職で後悔する原因は、語学ができれば仕事は見つかると考え、留学と仕事をつなげる準備をしないまま出発し、帰国してから動き出してしまうことです。出発前に帰国後の働き方を決め、仕事の経験と語学を組み合わせ、経験を具体的に語れるようにし、帰国前から活動を始める。それだけで、留学はキャリアの強みになります。年代やライフステージが変わるときの転職の考え方は、50代シニア転職の失敗から学ぶでまとめています。

年代やライフステージの変化と転職については、周りと比べて転職を考えたときに失敗しない方法や配偶者の転勤に合わせて転職して失敗した話もあわせて読んでみてください。

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