結論

周りと比べて転職を考えたときに失敗しないためには、焦りの正体を書き出し、他人の「見えている部分」ではなく、自分の基準で今の仕事を見直すことが大切です。30歳前後は、同級生の昇進や年収、結婚や住まいの話が一気に耳に入ってくる時期です。比べて焦る気持ちは自然なものですが、焦りのまま転職活動を始めると、自分に合わない会社を選んだり、疲れ果てて何も決められなくなったりします。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、周りと比べて転職を考えたときに失敗しないための考え方と手順を解説します。

1失敗ストーリー

同窓会の翌朝、5つの転職サイトに登録した

同窓会の帰りのタクシーの中で、同級生たちのSNSの投稿を見つめ、焦りとさびしさが混じった顔をするまなぶのイラスト

去年の夏、まなぶが31歳のとき、大学の同窓会がありました。2年前に転職した今の会社では、期待していた企画の仕事がなかなか回ってこず、もやもやしていた時期でした。久しぶりに会った同級生たちの話は、まなぶの耳にずっと残りました。外資系の会社に移って年収が倍になった友人。会社を立ち上げた友人。結婚して家を買ったという友人。「まなぶは今、何してるの?」と聞かれて、「転職はしたけど、やっぱり資料作りとか…」と答えた自分の声が、やけに小さく聞こえました。

帰りのタクシーの中で、まなぶはSNSを開き、同級生たちの投稿を次々に眺めました。そして翌朝、5つの転職サイトに登録し、1週間で、名前の通った会社や年収の高い求人ばかり10社に応募しました。どんな仕事がしたいのかは、ほとんど考えていませんでした。「このままでは、自分だけ置いていかれる」。その気持ちだけで動いていたのです。

結果は、10社すべてが書類で不採用でした。職務経歴書には、応募先の仕事とつながる経験がほとんど書けていなかったのです。毎日届くスカウトのメールと不採用の通知に、まなぶはすっかり疲れてしまいました。そして、転職したい気持ちだけが残ったまま、何をすればいいのか分からなくなり、その後、高い料金の有料のキャリア相談に申し込むことにもなりました。

あとから振り返ると、同窓会の夜に比べていたのは、同級生の年収や肩書き、住まいといった「見えている部分」だけでした。自分が本当はどんな仕事をしたいのかは、比べる前に一度も考えていなかった。まなぶは、焦りに背中を押されて走り出したことが、その後の遠回りの始まりだったと気づきました。

2原因分析

周りと比べて転職を考えたときに失敗しないための5つのポイント

1

比べている中身を書き出す

焦りを感じたら、まず「誰の、何と比べて焦っているのか」を紙に書き出してみましょう。年収、肩書き、仕事の面白さ、結婚、住まい。書き出すと、転職で解決できるものと、できないものが混ざっていることに気づきます。結婚や住まいの焦りは、転職をしても消えるとは限りません。仕事に関係する焦りだけを取り出してから、転職を考えるかどうかを決めましょう。書き出したものの横に「これは仕事で変えられるか」と一言ずつ書き添えるだけでも、頭の中はかなり整理されます。

2

見えているのは「一部」だと知る

同窓会やSNSで聞こえてくるのは、多くの場合、うまくいっている話です。年収が上がった友人も、そのぶん長い時間働いているかもしれませんし、悩みを口にしていないだけかもしれません。他人の人生の「見えている部分」と、自分の人生の「すべて」を比べていると、焦りはいつまでも消えません。比べている相手の情報は、ほんの一部だと意識するだけで、気持ちは少し落ち着きます。気になる相手がいるなら、うらやむだけでなく、どんな働き方をしているのかを直接聞いてみるのも一つの方法です。思っていたのとは違う苦労が見えてくることもあります。

3

自分のものさしで、今の仕事を見直す

転職の判断に使うべきなのは、他人の年収や肩書きではなく、自分が仕事に求めるものです。仕事の内容、身につけたい力、働く時間、一緒に働く人。自分のものさしで今の仕事に点数をつけてみると、本当に変えたいところが見えてきます。今の会社で変えられるものなら、転職しなくても解決できる場合もあります。点数の低い項目こそが、次に動くときの本当の理由になります。自分の強みの見つけ方は、キャリアの棚卸しで失敗する人の特徴5選で紹介しています。

4

焦りが落ち着くまで、大きな決断をしない

強い焦りを感じているときに、応募や退職といった大きな決断をすると、あとから後悔しやすくなります。「2週間は応募しない。その間に情報だけ集める」のように、気持ちを落ち着ける期間を決めておくのがおすすめです。その間に、気になる業界の話を聞いたり、自分の市場価値を調べたりすれば、焦りは判断の材料に変わっていきます。焦りから高いお金を払って相談に飛びついた話は有料のキャリア相談で後悔する理由で、迷いが長引いたときの手順は、転職するか迷ったときに失敗しない方法で紹介しています。

5

比べる相手を「過去の自分」にする

他人との比較は、相手が変わるたびに基準も変わり、終わりがありません。一方で、1年前、3年前の自分と比べれば、何ができるようになったのか、何が足りないのかがはっきりします。成長を測るものさしを、他人から過去の自分に持ち替えることで、焦りは次の一歩を考える力に変わります。年に一度、自分の仕事の変化を書き出す習慣をつけておくと、比べる軸がぶれにくくなります。小さな変化でも、書き残しておけば自信の材料になります。

3図解

焦りで転職に失敗する人と、自分の軸で判断できる人の違い

⚠ 周りと比べて転職に失敗する人のパターン
同級生の年収や肩書きを聞いて、強い焦りを感じる
↓
その勢いで、名前の通った会社や年収の高い求人に次々応募する
↓
やりたい仕事を決めないまま、不採用が続いて疲れてしまう
↓
転職したい気持ちだけが残り、遠回りをくり返す
◎ 自分の軸で転職を判断できる人のパターン
焦りを感じたら、比べている中身を書き出す
↓
しばらく応募はせず、自分のものさしで今の仕事を見直す
↓
過去の自分と比べて、次に伸ばしたい力を決める
↓
転職するにしても残るにしても、納得して次の一歩を選べる
4解決策

周りと比べて焦ったときのチェックリスト

周りと比べて焦りを感じたときは、勢いで動く前に、次の項目を一つずつ確かめてみてください。

  • 誰の、何と比べて焦っているのかを書き出した
  • その中から、転職で解決できることだけを取り出した
  • 自分が仕事に求めるものを3つ書き、今の仕事に点数をつけた
  • 今の会社で変えられることがないか考えた
  • 2週間ほど応募はせず、情報集めだけをする期間を決めた
  • 1年前・3年前の自分と比べて、できるようになったことを書き出した

まなぶは今、同窓会やSNSで焦りを感じたときは、まずこのチェックリストを開くようにしています。今年の夏の同窓会では、同級生の話を聞いても、前のように慌てることはありませんでした。「自分は、情報を整理して人が判断しやすい形にする仕事がしたい。そのために、今年は企画の会議に呼ばれるようになった」。そう、自分の言葉で言えるようになったからです。

焦りは、他人の人生を見て生まれる。でも、答えは自分の中にしかない。まなぶは、去年の夏からの遠回りで、そのことを学びました。20代で焦って転職したときの失敗は、20代で転職を焦って失敗した人の特徴5選でも紹介しています。

5おすすめサービス

自分のものさしを見つけるために

周りと比べてしまうときこそ、自分の価値観と、客観的な市場での評価を知ることが、焦りを落ち着かせる助けになります。

C
自分の市場価値やキャリアの方向性を客観視したい人向け

市場価値から本当のキャリアパスを見出すサービス【ミイダス】

第三者視点で自分の強みや適性、これまでのキャリアの棚卸しを手伝ってもらえるタイプです。他人と比べるのではなく、自分の経験が市場でどう評価されるのかを知ることで、落ち着いて判断できるようになります。自分では気づきにくい強みを言語化してもらえることも、こうしたサービスの価値の一つです。

診断してみる

A
仕事選びの価値観を重視したい人向け

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まなぶまなぶ
同窓会で同級生の話を聞いて、翌朝には10社に応募していました。やりたい仕事も決めないまま…。
みらいみらい
焦りを感じたら、まず何と比べているのかを書き出しましょう。他人の見えている部分ではなく、自分のものさしで今の仕事を見直すことが大切です。
まなぶまなぶ
比べる相手を、過去の自分にすればいいんですね。

周りと比べて転職を考えたときに失敗する原因は、焦りのまま、他人の見えている部分を基準にして動いてしまうことです。比べている中身を書き出し、自分のものさしで今の仕事を見直し、焦りが落ち着くまで大きな決断をせず、過去の自分と比べる。それだけで、転職するかどうかを自分の軸で判断できるようになります。年齢を重ねる中での転職の考え方は、50代シニア転職の失敗から学ぶでまとめています。

年代やライフステージの変化と転職については、留学から帰国後の転職で後悔する理由や定年後の再就職で失敗する人の特徴5選もあわせて読んでみてください。

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