AIにタスクの優先順位を決めさせて失敗した話
AIにタスクの優先順位を決めさせて失敗する人の多くは、やることリストをAIに渡して並べ替えてもらい、その順番を「正解」として、自分では考え直さずに一日を進めてしまう人です。AIに頼めば、締め切りやかかる時間をもとに、すっきりした順番を毎朝出してもらえます。けれど、AIは、その仕事が誰からの頼みで、相手にとってどれくらい大事なのかを知りません。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、AIにタスクの優先順位を決めさせて失敗した理由と、AIを上手に使った優先順位のつけ方を解説します。
「締め切りなし」の頼みごとが、4日間リストの一番下にあった
今年の7月、まなぶは、毎日のやることの多さに追われていました。資料作り、会議の準備、他部署とのやりとり。何から手をつければいいか、朝から迷う日が続いていました。そこでまなぶは、毎朝の通勤電車の中で、その日のやることリストをAIに渡し、「締め切りと作業時間をもとに、今日やる順番を決めて」と頼むことにしました。AIは、すぐに順番を並べてくれました。迷う時間がなくなり、朝の仕事の滑り出しが、ぐっと楽になりました。
ある月曜日、営業担当の先輩から、チャットでこんな頼みごとがありました。「取引先の担当の方から、うちの事例をまとめた簡単な資料がほしいって言われてて。急ぎじゃないけど、近いうちにお願いできる?」。まなぶは、そのままリストに「事例資料(先輩から)」と書き足しました。締め切りは書かれていませんでした。AIは、締め切りのないこの仕事を、毎朝リストの一番下に並べました。まなぶも「急ぎじゃないって言ってたし」と、その順番のまま一日を進めました。
金曜日の夕方、先輩がまなぶの席に来ました。「例の資料、どうなってる? 実は取引先の方、別の会社にも同じ相談をしていたみたいで、そっちから先に資料が届いたらしいんだ」。取引先が考えていた小さな追加の相談は、先に資料を出した別の会社に決まりそうだということでした。先輩は「急ぎじゃないって言った自分も悪かった」と言ってくれましたが、まなぶは何も言えませんでした。資料作り自体は、半日もあれば終わる作業だったのです。火曜日にも水曜日にも、手をつける時間はありました。それでも、AIが一番下に並べたという理由だけで、まなぶは一度もその仕事を開いていませんでした。
その夜、まなぶは一週間分のAIの並べ替えを見返しました。どの日の順番も、締め切りとかかる時間で見れば正しいものでした。けれど、取引先が待っているという事情も、先輩が言った「急ぎじゃない」の本当の意味も、AIには伝わっていなかったのです。そして、伝わっていないことに気づくはずだった自分も、毎朝の順番をそのまま受け取るだけになっていました。
翌週、上司にこの件を報告すると、上司はこう言いました。「締め切りがない仕事ほど、相手に聞いて締め切りを決めるのが、こっちの仕事なんだよ」。まなぶは、優先順位を決めることは、作業を並べることではなく、相手の事情を考えることなのだと気づきました。
AIにタスクの優先順位を決めさせて失敗した理由
誰からの頼みかを、AIに伝えていなかった
やることリストには、作業の名前は書かれていても、その仕事の向こうに誰がいるかまでは書かれていないことが多いものです。取引先が待っている仕事と、自分だけで完結する仕事では、同じ締め切りでも重みがまったく違います。AIに渡すときは、「誰からの頼みか」「その先に誰が待っているか」を一言添えましょう。それだけで、AIの並べ方も、自分の見え方も変わります。作業名の横に「取引先待ち」「先輩経由」などと短く書いておくだけでも十分です。
「締め切りなし」を「急がなくていい」と思い込んだ
締め切りが書かれていない仕事は、AIにとっても自分にとっても、後回しにしやすい仕事です。けれど、締め切りがないのではなく、まだ決まっていないだけということがよくあります。頼まれたときに「いつごろまでにあると助かりますか」と一言聞いて、締め切りを決めてからリストに書きましょう。相手も、いつ届くかが分かれば安心できます。「急ぎじゃない」と言われたときこそ、「では、来週の水曜日までにお送りしますね」と、こちらから日付を決めて伝えるのがおすすめです。
AIの順番を、毎朝そのまま受け取っていた
AIが出した順番は、渡された情報の範囲で考えた一つの案にすぎません。順番を見て「本当にこれでいいか」と考える時間がなくなると、AIが知らない事情はすべて抜け落ちます。AIの並べ替えを見たら、1分だけでも「この中で、人を待たせているものはないか」と見直す習慣をつけましょう。
下のほうに残り続ける仕事に、気づかなかった
毎日同じように後回しになる仕事は、気づかないうちに何日も残り続けます。何日もリストの下にある仕事は、それ自体が「見直しの合図」です。AIに「3日以上残っている仕事があれば、先頭に教えて」と頼んでおくと、残り続けている仕事に気づきやすくなります。週に一度、リスト全体を見直す時間を取るのもおすすめです。残っている理由が分かれば、相手に一言連絡を入れるなど、次の動きも決めやすくなります。
短く終わる仕事を、先に片づけていなかった
まなぶの事例資料は、半日で終わる作業でした。人を待たせている短い仕事は、先に片づけてしまえば、相手の仕事も前に進みます。かかる時間が短く、相手が待っている仕事は、締め切りがなくても早めに手をつけると決めておきましょう。AIにも、この決まりを最初に伝えておけば、並べ方に反映してもらえます。
AIに優先順位を決めさせて失敗する人と、上手に使える人の違い
AIに優先順位を相談するときのチェックリスト
AIは、やることの多い日に、順番を考える手間を減らしてくれる心強い道具です。上手に使うために、次の項目を確かめてみてください。
- 頼まれた仕事の締め切りを、相手に確かめた
- 「誰からの頼みか」「誰が待っているか」を添えて渡した
- 短く終わり、相手が待っている仕事を先にする決まりを伝えた
- AIの順番を、自分の目で1分見直した
- 何日も下に残っている仕事がないかを確かめた
- 社内の仕事の内容をAIに入力してよいか、会社のルールを確認した
まなぶは今も、毎朝の電車でAIにやることの順番を相談しています。ただ、リストには「誰が待っているか」を書き添え、AIの並べ替えを見たあとに、「人を待たせているものはないか」を自分で確かめてから一日を始めるようになりました。AIには並べてもらう、順番を決めるのは自分。頼みごとを受けたときも、「いつごろまでにあると助かりますか」と聞くのが口ぐせになりました。
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AIを仕事に上手に取り入れるには、AIに任せる部分と、自分で判断する部分を分けて使う方法を知っておくことが大切です。
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まなぶ
みらい
まなぶAIにタスクの優先順位を決めさせて失敗する原因は、誰からの頼みかを伝えず、締め切りのない仕事を後回しにし、AIの順番をそのまま受け取ってしまうことです。頼まれたときに締め切りを確かめ、待っている人を添えてAIに渡し、出てきた順番を自分で見直す。それだけで、AIは毎朝の頼れる相談相手になります。仕事でAIを使うときに失敗しないための考え方は、業務でのAI活用の失敗から学ぶでまとめています。
仕事でのAI活用については、AIで文章を校正して失敗する人の特徴5選やAIで仕事の資料を翻訳するときに失敗しない方法もあわせて読んでみてください。

