結論

AIで週報を書いて失敗する人の多くは、予定表ややることリストをAIに渡して「それらしい週報」を作らせ、自分が今何に困っていて、上司に何を相談したいのかを書かないまま提出してしまう人です。AIを使えば、毎週の週報を数分で整った文章にまとめられます。けれど、週報で上司が知りたいのは、きれいな文章ではなく、仕事の本当の状況と、手助けが必要なところです。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、AIで週報を書いて失敗する人の特徴と、AIを上手に使った週報の書き方を解説します。

1失敗ストーリー

「順調に進んでいます」の週報が、4週間続いた

金曜日の夕方、AIで作った週報をほっとした顔で送信するまなぶと、画面の端に貼られた「?」の付箋のイラスト

去年の秋、まなぶの部署では、毎週金曜日に上司へ週報を出す決まりがありました。その週にしたこと、困っていること、来週の予定を書く、A4一枚ほどの報告です。忙しい金曜日の夕方に週報を書くのが負担だったまなぶは、ある週から、予定表とやることリストをAIに渡して、週報の下書きを作らせるようにしました。

AIが作る週報は、とても読みやすいものでした。「今週は○○の資料を作成し、順調に進捗しています」「来週も引き続き、計画どおりに進めてまいります」。まなぶは、ほとんど手を加えずに提出するようになり、週報にかかる時間は30分から3分に減りました。ところが、そのころ、まなぶは大きな案件の資料作りで行き詰まっていました。必要なデータが他の部署から届かず、締め切りに間に合わないかもしれない状況だったのです。けれど、その困りごとは、予定表にもやることリストにも書かれていなかったため、AIの週報には一言も出てこなかったのです。

4週間がたったある日、上司から呼ばれました。上司の手元には、まなぶの4週分の週報が並んでいました。「最近の週報、きれいにまとまってるんだけど、毎週ほとんど同じ文章だよね。それに、例の案件、本当に順調なの?」。まなぶは、データが届いていないことを、そこで初めて打ち明けました。上司はすぐに他の部署に連絡してくれましたが、締め切りは1週間延ばしてもらうことになりました。「もっと早く分かっていれば、手の打ちようがあったのに」という上司の言葉が、胸に刺さりました。

あとから振り返ると、まなぶはAIに週報を「書かせて」いたのではなく、週報を書くために一週間を振り返る時間そのものを、AIに渡してしまっていました。週報が整うほど、本当の状況が見えなくなっていた。まなぶは、週報が誰のための、何のための報告なのかを考え直しました。

その日の夜、まなぶは4週分の週報と、自分の手帳を並べて読み比べてみました。手帳には「データまだ」「催促2回目」「間に合う?」といった走り書きが、毎週のように残っていました。本当に書くべきことは、AIに渡していなかった手帳のほうにあったのです。週報を短い時間で書けるようになったこと自体は悪くありません。問題は、短くした時間の中から、いちばん大事な部分まで抜け落ちていたことでした。

2原因分析

AIで週報を書いて失敗する人の特徴5選

1

予定表の書き写しを、週報だと思っている

予定表ややることリストには、「何をしたか」は書かれていても、「どうだったか」「何に困っているか」は書かれていません。それらをAIに渡すだけでは、出てくる週報も「何をしたか」の一覧になってしまいます。週報で大切なのは、予定どおりに進んだかどうか、進まなかったならなぜか、という中身です。AIに渡す前に、自分の言葉で一週間の状況を一行ずつでもメモしておきましょう。

2

困っていることや、相談したいことを書かない

AIは、渡された情報をもとに、前向きで整った文章を作るのが得意です。そのため、困りごとを伝えなければ、「順調に進んでいます」という文章になりやすいのです。上司が週報で一番知りたいのは、手助けが必要なところです。「困っていること」「判断してほしいこと」の欄は、AIに頼らず、自分の言葉で書くと決めておきましょう。

3

毎週同じような言い回しになっている

AIに同じ形の情報を渡していると、週報の言い回しも毎週似通ってきます。読む側は、同じような文章が続くと、内容を読み飛ばしてしまいがちです。先週と比べて何が変わったのか、何が進んで何が止まっているのかを一言でも入れると、週報は読まれるものになります。先週の週報を見返してから書くのもおすすめです。AIに渡すときも、「先週の週報と比べて変わった点を目立たせて」と一言添えるだけで、仕上がりは大きく変わります。

4

読み手が知りたいことを考えていない

週報は、上司が部署全体の状況をつかみ、必要な手を打つための材料です。読み手が何を知りたいのかを考えずに書くと、どれだけ文章が整っていても役に立たない報告になります。上司に一度、「週報で特に知りたいことは何ですか」と聞いてみましょう。答えが分かれば、AIへの頼み方も、自分で書くべき部分もはっきりします。たとえば「数字の進み具合」を知りたい上司なら数字を、「遅れの兆し」を知りたい上司なら気になっていることを、先頭に置くようにしましょう。

5

振り返りの時間ごと、AIに任せている

週報を書く時間は、一週間の仕事を振り返り、来週の動き方を考える時間でもあります。その時間をすべてAIに任せると、自分でも状況を整理しないまま、次の週に進むことになります。AIに任せるのは文章を整えるところまでにして、振り返りは自分ですることが大切です。5分だけでも、メモを見ながら一週間を思い返す時間を取りましょう。振り返っているうちに、「この件は来週の早いうちに相談しておこう」と、次の一手が見えてくることも少なくありません。

3図解

AIで週報を書いて失敗する人と、上手に使える人の違い

⚠ AIで週報を書いて失敗する人のパターン
予定表とやることリストを、そのままAIに渡す
↓
整った週報を、ほとんど直さずに提出する
↓
困りごとが書かれないまま、毎週似た文章が続く
↓
問題が表に出るのが遅れ、手を打つ時間がなくなる
◎ AIを使って伝わる週報を書ける人のパターン
一週間を振り返り、状況と困りごとを自分の言葉でメモする
↓
メモをもとに、AIに文章を整えてもらう
↓
困りごとと相談したいことは、自分の言葉で書き足す
↓
短い時間で、上司が動ける週報を出せる
4解決策

AIで週報を書く前のチェックリスト

AIは、週報を書く時間を減らしてくれる心強い道具です。上手に使うために、次の項目を確かめてみてください。

  • AIに渡す前に、一週間の状況を自分の言葉でメモした
  • 予定どおり進まなかったことと、その理由を書いた
  • 困っていることと、判断してほしいことを自分の言葉で書いた
  • 先週と比べて、何が変わったかを一言入れた
  • 上司が週報で何を知りたいのかを確かめた
  • 会社で認められたAIツールと、入力してよい情報の範囲を確認した
  • 提出する前に、自分で一度読み返した

まなぶは今、金曜日の夕方に5分だけ、手帳を見ながら一週間を振り返り、「進んだこと」「止まっていること」「相談したいこと」を箇条書きにしています。AIには、そのメモを読みやすく整えてもらうだけです。AIに任せるのは文章、自分で書くのは状況。そう決めてから、上司から週報について声をかけられることが増え、困りごとも早いうちに相談できるようになりました。

※週報や報告書にAIを使ってよいか、どんな情報を入力してよいかは、会社のルールによって異なります。使う前に、会社で認められているツールと使い方を確認しましょう。
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まなぶまなぶ
AIに週報を任せていたら、困っていることが一言も書かれないまま、4週間たってしまいました…。
みらいみらい
週報で上司が知りたいのは、本当の状況と、手助けが必要なところです。振り返りは自分でして、AIには文章を整えてもらうだけにしましょう。
まなぶまなぶ
AIに任せるのは文章で、自分で書くのは状況なんですね。

AIで週報を書いて失敗する原因は、予定表の書き写しを週報だと思い、困りごとや相談したいことを書かないまま、振り返りの時間ごとAIに任せてしまうことです。一週間を自分の言葉で振り返り、困りごとは自分で書き、AIには文章を整えてもらう。それだけで、週報は上司が動ける報告になります。仕事でAIを使うときに失敗しないための考え方は、業務でのAI活用の失敗から学ぶでまとめています。

仕事でのAI活用については、AIにExcelの関数を作らせて後悔する理由やAIでアンケートの自由回答を分析して失敗した話もあわせて読んでみてください。

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