AIで仕事の資料を翻訳するときに失敗しない方法
AIで仕事の資料を翻訳するときに失敗しないためには、会社の名前や部署名などの決まった言い方を先に渡し、数字・単位・固有名詞は自分で確かめ、大事な資料は英語の分かる人に一度見てもらうことが大切です。AIに頼めば、何十枚もの資料も、短い時間で自然な英語にしてもらえます。けれど、AIは、社内でしか通じない言葉や、数字の単位の違いまでは、正しく直せないことがあります。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、AIで仕事の資料を翻訳するときに失敗しない方法を解説します。
「この数字、本当ですか?」と聞かれた打ち合わせ
今年の8月、まなぶの会社に、海外の協力会社から担当者が2人やってくることになりました。会社の取り組みを紹介する打ち合わせで、まなぶは会社紹介の資料を英語にする担当になりました。まなぶは英会話教室に通っていますが、30枚の資料を一から英語で書けるほどではありません。前日の夕方、まなぶは日本語の資料をAIに渡して、「この資料を、ビジネス向けの自然な英語に翻訳して」と頼みました。
AIの英語は、まなぶが読んでも分かりやすく、自然な文章に見えました。時間もなかったため、まなぶはざっと目を通しただけで、印刷して打ち合わせに持っていきました。ところが、打ち合わせが始まって10分ほどたったとき、相手の担当者が資料の一枚を指さして、首をかしげました。「この売上の数字、本当にこんなに大きいのですか?」。見てみると、日本語の「億」の位取りが英語の単位に直されるときにずれていて、売上が10倍の数字になっていたのです。
それだけではありませんでした。同じ部署の名前が、ページによって3通りの英語で書かれていて、相手は「これは別々の部署ですか?」と聞いてきました。社内でだけ使っている略語は、そのまま英字にされていて、意味が通じていませんでした。さらに、取引先の会社名の一部が、ふつうの英単語として訳されていました。まなぶは、その場で一つずつ説明しながら、冷や汗が止まりませんでした。本当は会社の取り組みを話す時間だったはずが、打ち合わせの半分近くを、資料の訂正に使うことになってしまいました。
打ち合わせのあと、同席していた上司から「英語の中身が正しいかは、AIが保証してくれるわけじゃないからね」と言われました。相手の担当者は笑顔で帰っていきましたが、会社の大事な数字を間違えた資料を渡してしまったことは、取り消せません。まなぶはその日のうちに、直した資料をメールで送り直しました。
あとから考えると、AIの英語そのものは、文章としては自然でした。問題は、まなぶが「自然な英語になっている=正しい」と思い込み、数字や名前のように、間違ってはいけないところを確かめなかったことでした。まなぶは、翻訳をAIに頼むときこそ、確かめる手順を決めておく必要があると感じました。
AIで仕事の資料を翻訳するときに失敗しない方法
決まった言い方の一覧を、先に渡す
会社名、部署名、商品名、サービス名など、会社には英語での決まった言い方があることが多いものです。AIはそれを知らないため、ページごとに違う訳し方をしてしまうことがあります。翻訳を頼む前に、「この言葉は必ずこの英語で」という一覧を渡しておきましょう。会社のホームページの英語版や、過去の英語の資料があれば、そこから一覧を作るのが近道です。一度作った一覧は、部署のみんなで使えるように共有しておくと、資料ごとに訳し方がばらつくのも防げます。
数字・単位・日付は、自分で照らし合わせる
日本語の「万」「億」と、英語の数の数え方は、位の区切り方が違います。日付の書き方や、通貨の表し方も国によって違います。数字の間違いは、資料全体の信頼を一度に失わせます。数字・単位・日付は、AIに任せず、元の日本語の資料と一つずつ照らし合わせましょう。とくに金額や人数など、大きさが大事な数字は、電卓で確かめると安心です。桁の多い数字は、声に出して読み上げてみるのも効果的です。
社内の略語や言い回しは、言いかえてから渡す
社内でだけ通じる略語や、日本の職場ならではの言い回しは、AIが訳しても相手には伝わりません。翻訳する前に、略語は正式な名前に、社内の言い回しは誰にでも分かる言葉に、日本語の段階で直しておくと、英語の仕上がりもぐっと分かりやすくなります。AIに「この資料の中で、海外の人に伝わりにくい言葉を挙げて」と先に聞くのも効果的です。
英語を日本語に戻して、意味を確かめる
英語に自信がないと、AIの英語が正しいかどうかを判断しにくいものです。そんなときは、できあがった英語を、もう一度AIに日本語に直してもらいましょう。元の日本語と意味がずれているところは、翻訳で何かが変わったところです。完全ではありませんが、大きな意味の取り違えに気づく手がかりになります。とくに、約束ごとや条件を書いたページは、この方法で一度確かめておくと安心です。
大事な資料は、英語の分かる人に見てもらう
社外の人に渡す資料や、会社の数字が入った資料は、間違えたときの影響が大きくなります。大事な資料ほど、社内の英語が得意な人に、少なくとも数字や要点のページだけでも見てもらう時間を取りましょう。そのためには、前日ではなく、数日前に翻訳を終えておくことが大切です。翻訳の締め切りを、渡す日より早めに決めておきましょう。見てもらう人にも、「このページの数字と言い回しだけ確認してほしい」と範囲を伝えておくと、短い時間で協力してもらえます。
AIで資料を翻訳して失敗する人と、上手に使える人の違い
AIで翻訳した資料を渡す前のチェックリスト
AIは、英語に自信がない人の心強い味方です。安心して資料を渡すために、次の項目を確かめてみてください。
- 会社名・部署名などの決まった言い方の一覧を渡した
- 社内の略語や言い回しを、日本語の段階で言いかえた
- 数字・単位・日付を、元の資料と一つずつ照らし合わせた
- 同じ言葉が、資料の中で同じ英語になっている
- 英語を日本語に戻して、意味がずれていないかを確かめた
- 数字や要点のページを、英語の分かる人に見てもらった
まなぶは今、英語の資料を作るときは、まず社内の英語版の資料から決まった言い方の一覧を作り、それを添えてAIに翻訳を頼んでいます。数字のページは自分で照らし合わせ、要点のページは英語が得意な同僚に見てもらっています。AIに任せるのは訳すところまで、正しいかを確かめるのは自分。次の来社のときには、資料について聞かれたのは中身の質問だけでした。
仕事でのAIの使い方を身につけるなら
AIを仕事に上手に取り入れるには、AIに任せる部分と、自分で確かめる部分を分けて使う方法を知っておくことが大切です。
ChatGPTなどの生成AIを学び仕事に活かす!「DMM 生成AI CAMP」
業務フローの見直し方や、指示の出し方(プロンプト)のコツまで含めて体系的に学べるタイプ。資料の翻訳のように、AIの結果を確かめてから外に出す仕事で、頼み方と確かめ方の型を身につけられます。
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まなぶ
みらい
まなぶAIで仕事の資料を翻訳するときに失敗しないためには、決まった言い方の一覧を渡し、社内の略語は先に言いかえ、数字・単位・名前は自分で照らし合わせることが大切です。日本語に戻して意味を確かめ、大事な資料は英語の分かる人にも見てもらう。それだけで、AIの翻訳は安心して渡せる資料になります。仕事でAIを使うときに失敗しないための考え方は、業務でのAI活用の失敗から学ぶでまとめています。
仕事でのAI活用については、AIにタスクの優先順位を決めさせて失敗した話やAIで自己評価シートを書いて後悔する理由もあわせて読んでみてください。

