投資信託の乗り換えで失敗する人の特徴5選
投資信託の乗り換えで失敗する人の多くは、「今いちばん成績の良い商品に替えれば、もっと増えるはず」と考えて、直近の値上がりだけを見て、中身や手数料、自分の目的を確かめないまま、商品を次々と替えてしまう人です。長く続けることが前提の積立投資では、商品を選ぶことよりも、選んだ商品を続けることのほうが大切な場面がたくさんあります。乗り換えるたびに、それまでの積み重ねを手放してしまうこともあります。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、投資信託の乗り換えで失敗する人の特徴と、乗り換える前に確かめたいことを解説します。
1年半で4回乗り換えて、残ったのは「疲れ」だけだった
まなぶは、数年前から、毎月少しずつ投資信託の積立を続けていました。最初に選んだのは、世界中の株に広く投資する、値動きのおだやかなタイプの商品です。ところが、1年半ほど前のある日、通勤電車の中で投資信託の人気ランキングを見ていたまなぶは、気になる商品を見つけました。「ある分野の成長企業に集中して投資する」という商品で、この1年で大きく値上がりしていたのです。「こっちに替えれば、自分の資産ももっと増えるはずだ」。まなぶは、その日のうちに、それまでの積立を売って、新しい商品に乗り換えました。
ところが、乗り換えてから数か月で、その分野の株は大きく値下がりしました。焦ったまなぶは、またランキングを開き、今度は別の分野で値上がりしている商品に乗り換えました。「前の商品は運が悪かっただけだ」と、自分に言い聞かせていました。けれど、そこでも同じことが起きました。値上がりした商品を見つけて乗り換えると、そのあとに値下がりする。その繰り返しで、1年半の間に4回も乗り換えていたのです。
4回目の乗り換えのあと、ある週末、まなぶは、これまでの取引をすべて書き出してみました。すると、最初の商品をそのまま持ち続けていた場合と比べて、資産はむしろ少なくなっていました。乗り換えた商品の多くは、手数料が最初の商品よりも高く、毎年の負担も増えていました。さらに、乗り換えたどの商品も、何に投資しているのかを、まなぶはくわしく説明できませんでした。選んだ理由は、どれも「ランキングで上位だったから」「最近よく値上がりしていたから」だけだったのです。
「値上がりしている商品を、ただ追いかけていただけだったんだ」。毎日のようにランキングと値動きを見比べていた1年半で、残ったのは、増えなかった資産と、疲れだけでした。まなぶは、書き出した取引の表を見ながら、自分が何のために投資をしていたのかを、もう一度考え直すことにしました。
投資信託の乗り換えで失敗する人の特徴5選
直近の成績だけで、商品を選ぶ
ランキングの上位には、この1年などの短い期間で大きく値上がりした商品が並びがちです。けれど、短い期間の成績が良かったからといって、これからも同じように値上がりするとは限りません。値上がりしたあとに買うと、そのあとの値下がりをまともに受けやすくなります。商品を選ぶときは、短い期間の成績だけでなく、中身や値動きの大きさもあわせて確かめましょう。ランキングは、あくまで「これまで」の結果を並べたものだと考えておくことが大切です。
手数料を、比べていない
投資信託には、持っている間ずっとかかる手数料があります。商品によって、その割合は大きく違います。年に一度の小さな差でも、長く続けるほど、手元に残るお金の差は大きくなります。乗り換えを考えるときは、今の商品と新しい商品の手数料を、必ず見比べましょう。売るときや買うときに費用がかかる商品があることも、知っておくと安心です。手数料は、値上がりと違って、必ずかかる費用です。
何に投資しているのかを、知らない
商品の名前やランキングの順位だけで選ぶと、その商品が何に投資しているのかを知らないまま、お金を預けることになります。中身を知らないと、値下がりしたときに、続けてよいのか、やめるべきなのかを判断できません。商品の説明の資料を読み、どんなものに、どのくらい分けて投資しているのかを、自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。説明できない商品には、お金を預けないと決めておくのも一つの方法です。
乗り換えのルールを、決めていない
値動きを見るたびに気持ちが揺れると、そのつど乗り換えたくなります。「目的が変わったときだけ見直す」「年に一度だけ見直す」など、乗り換えを考えるときのルールを先に決めておくことが大切です。ルールがあれば、その日の値動きやランキングに振り回されにくくなります。値動きを確かめる回数を減らすことも、気持ちを落ち着ける助けになります。
投資の目的と期間を、決めていない
何のために、いつまで投資をするのかが決まっていないと、どの商品が自分に合っているのかを判断できません。老後のためなのか、10年後の住み替えのためなのか、目的と期間を決めると、選ぶべき商品の値動きの大きさも見えてきます。目的に合った商品を選んでいれば、ほかの商品の値上がりを見ても、慌てずにすみます。目的と期間は、紙に書いて見える場所に置いておくと、迷ったときの道しるべになります。
投資信託の乗り換えで失敗する人と、長く続けられる人の違い
投資信託を乗り換える前のチェックリスト
乗り換えたくなったときこそ、一度立ち止まることが大切です。手続きをする前に、次の項目を確かめてみてください。
- 乗り換えたい理由を、言葉にして書き出した
- 投資の目的と期間が、変わっていないか確かめた
- 新しい商品が何に投資しているのかを説明できる
- 今の商品と新しい商品の手数料を見比べた
- 短い期間の成績だけで選んでいないか確かめた
- 売るときにかかる費用や税金を確かめた
まなぶは、最初に選んだ、世界中の株に広く投資する商品に戻すことにしました。投資の目的は「老後のための資産づくり」、期間は「少なくとも20年」とノートに書き、見直すのは毎年の誕生日だけと決めました。投資信託のランキングを見るアプリは、スマートフォンのホーム画面から外しました。積立の金額と日付は、そのまま変えずに続けています。「選び続けるより、続けることのほうが、ずっと難しくて、ずっと大切だったんだ」。まなぶは、静かになったスマートフォンの画面を見て、少しだけ笑いました。
投資を長く続けるために
乗り換えに振り回されないためには、自分の目的に合った投資の考え方を知ることと、中立的な立場の人に相談できる先を持っておくことが大切です。
役立つ投資がわかる3分投資診断【マネイロ】
長期・積立・分散といった考え方を、基本から学べるタイプです。値上がりした商品を追いかけるのではなく、自分の目的に合った投資の続け方を知りたい人に向いています。
独立系FP相談サービス【ガーデン】
特定の金融機関に属さない立場から、家計全体を踏まえた相談ができるタイプです。乗り換えを考えたときに、自分の目的に合っているかを、第三者の視点で確かめたい人に向いています。
まなぶ
みらい
まなぶ投資信託の乗り換えで失敗する人の特徴は、直近の成績だけを見て、中身や手数料、自分の目的を確かめないまま、値上がりした商品を追いかけて乗り換えを繰り返してしまうことです。目的と期間を決め、中身と手数料を確かめ、見直す時期を決めておく。それだけで、値動きに振り回されず、落ち着いて資産を育てられるようになります。投資と資産形成で失敗しないための考え方は、投資・資産形成の失敗から学ぶでまとめています。
投資・資産形成については、銀行の窓口で勧められた投資で後悔する理由や相場が下がったときに積立をやめて失敗した話もあわせて読んでみてください。

