結論

副業仲間と組んで仕事を始めて後悔する人の多くは、「気が合う仲間だから、細かいことは決めなくても大丈夫」と考えて、役割の分け方や報酬の分け方、トラブルのときの責任、やめるときのルールを決めないまま、一緒に仕事を始めてしまう人です。得意なことが違う仲間と組めば、一人ではできない仕事も受けられるようになります。けれど、仲が良い相手ほど、お金や責任の話は、あとから切り出しにくくなるものです。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、副業仲間と組んで仕事を始めて後悔する理由と、組む前に決めておきたいことを解説します。

1失敗ストーリー

「半分ずつでいいよね」から始まった8か月

副業仲間から「もう一緒に続けるのは難しい」と伝えられ、二人で作った資料を前に肩を落とすまなぶのイラスト

去年の秋、まなぶは、副業の少人数の勉強会で知り合ったデザイナーの女性と、一緒に仕事をすることになりました。勉強会のあとに何度か話すうちに、意気投合したのです。まなぶは資料の中身の組み立てが得意で、彼女は見た目のデザインが得意です。「二人で組めば、中身もデザインもそろった資料が作れるね」。話はすぐにまとまり、二人で「資料の構成とデザインのセットメニュー」を作りました。報酬は、「半分ずつでいいよね」。決めたのは、それだけでした。

メニューは評判が良く、依頼は順調に増えていきました。最初の3か月は、二人とも「組んでよかった」と、何度も言い合っていました。ところが、仕事が増えるにつれて、少しずつずれが生まれていきました。お客さまとのやりとりや見積もり、請求書の作成は、出品者になっていたまなぶが、すべて引き受けていました。まなぶは、「自分のほうが作業が多いのに、報酬は半分ずつ」ということに、だんだん不満を感じるようになったのです。一方で、彼女のほうも、「デザインの修正が何回も来るのに、まなぶさんが断ってくれない」と感じていたことを、あとから知りました。

そして、ある仕事で、お客さまから厳しい指摘が届きました。「グラフの数字の並びが、元のデータと違っています」。中身を組み立てたまなぶの確認不足なのか、デザインの段階で入れ替わったのか、二人の言い分は食い違いました。どちらが責任を持つのかを決めていなかったため、お客さまへの返事も遅れてしまいました。

さらに、報酬はすべて、まなぶの口座に入ってから彼女に送っていたため、確定申告の時期には、どの収入をどう記録すればよいのか、二人とも分からなくなっていました。8か月がたったころ、彼女から「もう一緒に続けるのは難しいと思う」と伝えられました。二人で作ったメニューの名前や、資料のひな形をどちらが使ってよいのかも、決めていませんでした。話し合いは、気まずい空気のまま終わりました。

セットメニューは取り下げられ、勉強会で顔を合わせても、以前のようには話せなくなりました。「仲間だから、言わなくても分かり合えると思っていた。でも、仲間だからこそ、最初に言葉にしておくべきだったんだ」。まなぶは、二人で作ったメニューの下書きを見返しながら、そう思いました。

2原因分析

副業仲間と組んで仕事を始めて後悔する理由

1

役割の分け方を、くわしく決めていない

「中身はまなぶ、デザインは仲間」のように大まかに分けただけでは、お客さまとのやりとり、見積もり、請求、修正の対応など、細かい仕事が誰かに偏ってしまいます。作業だけでなく、仕事にまつわるすべての役割を書き出して、誰が受け持つのかを決めておくことが大切です。偏りが出たら、早めに話し合えるようにしておきましょう。月に一度、短い時間でも振り返りの場をつくっておくと、不満が小さいうちに話せます。

2

報酬の分け方を、なんとなく決めている

「半分ずつ」は分かりやすい分け方ですが、作業の量や役割に差があると、どちらかに不満がたまっていきます。役割ごとの作業の量を考えたうえで、報酬の分け方を決め、一定の期間ごとに見直すようにしましょう。お金の話は、仕事が始まる前のほうが、ずっと切り出しやすいものです。決めた内容は、メモでもよいので文章に残し、二人で同じものを持っておきましょう。

3

トラブルのときの責任を、決めていない

二人で作った成果物に問題があったとき、どちらが責任を持つのかが決まっていないと、お客さまへの対応が遅れます。「お客さまへの窓口は誰か」「確認の最後を担当するのは誰か」を決めておくと、トラブルのときも落ち着いて動けます。お客さまにとっては、二人のうちどちらのミスかは関係ありません。まずはお客さまへの対応を優先し、原因の話し合いはそのあとにする、と決めておくことも大切です。

4

お金の流れと記録を、決めていない

報酬を一人の口座で受け取り、あとから分ける形にすると、収入の記録があいまいになりがちです。誰がいくら受け取ったのかを、毎月記録して二人で確かめるようにしましょう。確定申告などの扱いについては、早めに専門家に相談しておくと安心です。仕事に使った費用を、どちらがどれだけ負担したのかも、あわせて記録しておきましょう。

5

やめるときのルールを、決めていない

始めるときは、やめるときのことは考えたくないものです。けれど、どちらかの事情で続けられなくなる日は、いつか来るかもしれません。メニューの名前や、一緒に作ったひな形・資料を、やめたあとに誰が使ってよいのかを、最初に決めておきましょう。終わり方を決めておくことは、相手を信頼していないということではなく、関係を守るための準備です。

3図解

副業仲間と組んで後悔する人と、上手に組める人の違い

⚠ 副業仲間と組んで仕事を始めて後悔する人のパターン
「気が合うから」と、報酬を半分ずつと決めただけで始める
↓
やりとりや請求が一人に偏り、不満がたまっていく
↓
トラブルのときに、責任の押しつけ合いになる
↓
メニューも、仲間との関係も、続かなくなる
◎ 副業仲間と上手に組める人のパターン
すべての役割を書き出し、誰が受け持つかを決める
↓
報酬の分け方と、お金の流れ・記録の方法を決める
↓
トラブルのときの責任と、やめるときのルールを決める
↓
お互いに納得して、長く一緒に仕事を続けられる
4解決策

副業仲間と組む前のチェックリスト

得意なことの違う仲間と組むことは、副業を広げる大きな力になります。一緒に仕事を始める前に、次の項目を二人で確かめてみてください。

  • 作業だけでなく、すべての役割を書き出して分けた
  • 役割に合わせて、報酬の分け方を決めた
  • 報酬の分け方を見直す時期を決めた
  • お客さまへの窓口と、確認の最後の担当を決めた
  • お金の受け取り方と記録の方法を決めた
  • やめるときの、名前やひな形の扱いを決めた

まなぶは、それからしばらくして、思い切って彼女に連絡し、あのときのことをきちんと話し合いました。おたがいに不満を言葉にできなかったことを謝り合い、今では、また勉強会で気軽に話せる関係に戻っています。そして、もしまた誰かと組むときのために、役割や報酬、やめるときのルールを書いた「組むときの確認シート」を作りました。「仲間だからこそ、最初に言葉にしておく。それが、仲間との関係を守るんだ」。まなぶは、確認シートを副業用のファイルの一番前にとじました。

※仲間と組んで仕事をするときの報酬の分け方や、成果物の権利、確定申告の扱いは、組み方や契約の内容によって異なります。具体的な取り決めや、すでに起きているトラブルについては、専門家や相談窓口に確認してください。
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仲間と組んで副業を広げるには、取り決めの整った場で仕事を受けることと、困ったときの相談先を知っておくことが大切です。

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仕事の範囲や納期、料金を事前に決めて受けられるタイプです。お客さまとの取り決めが記録に残るため、仲間と役割を分けるときにも、何をどこまで受けたのかを確かめやすくなります。

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トラブルに巻き込まれた人向け

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すでにトラブルが起きている場合、専門的な視点から対応を相談できるタイプです。報酬の分け方や、一緒に作った成果物の扱いをめぐって話がこじれたときに、一人で抱え込まず相談できます。

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まなぶまなぶ
副業仲間と「報酬は半分ずつ」とだけ決めて組んだら、作業の偏りやトラブルの責任でぎくしゃくして、8か月で解散してしまいました…。
みらいみらい
仲が良い相手ほど、お金や責任の話はあとから切り出しにくくなります。役割、報酬、責任、やめるときのルールを、組む前に決めましょう。
まなぶまなぶ
仲間だからこそ、最初に言葉にしておくことが大事なんですね。

副業仲間と組んで仕事を始めて後悔する原因は、気が合うことに安心して、役割や報酬の分け方、トラブルのときの責任、やめるときのルールを決めないまま始めてしまうことです。役割をすべて書き出し、報酬とお金の流れを決め、責任と終わり方を最初に話し合う。それだけで、仲間と組むことは、副業を大きく広げる力になります。副業を続けて伸ばしていくときに失敗しないための考え方は、副業を続けて伸ばす失敗から学ぶでまとめています。

副業の続け方・稼ぎ方については、副業のスキルを学び直さずに失敗した話や副業を休むときに失敗しない方法もあわせて読んでみてください。

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