結論

副業の取引先が1社に偏って失敗する人の多くは、「この会社から安定して仕事がもらえるから大丈夫」と考えて、収入のほとんどを1社に頼ったまま、ほかのお客さまとの関係を育てず、その会社の事情が変わったときの備えもしていない人です。決まった取引先から続けて仕事をもらえるのは、副業を続けるうえで心強いことです。けれど、1社の都合ひとつで、副業の収入がまるごと止まってしまうこともあります。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、副業の取引先が1社に偏って失敗する人の特徴と、収入を安定させるための考え方を解説します。

1失敗ストーリー

副業の収入の8割が、ある月から突然なくなった

大きな取引先からの仕事がなくなる知らせを受け、予定の空いた翌月のカレンダーを見つめてぼう然とするまなぶのイラスト

副業を始めて2年目のころ、まなぶの副業は順調に見えていました。クラウドソーシングで知り合った人材紹介の会社から、求人の説明資料や、企業向けの提案資料の仕事を、毎月のようにまとめて頼まれるようになっていたのです。気づけば、副業の収入のおよそ8割が、その1社からの仕事でした。毎月の入金はいつも同じ時期で、金額もほとんど変わりません。「この会社さえあれば、ほかの営業はしなくていい」。まなぶは、ほかのお客さまからの小さな依頼を、少しずつ断るようになっていました。

担当者とは気が合い、急ぎの依頼にも、まなぶはできる限り応えてきました。仕事の進め方も、その会社のやり方にすっかり慣れていました。それが心地よくもありました。出品ページも、しばらく更新していませんでした。新しいお客さまを探す必要を、まったく感じていなかったのです。毎月決まった額が入ってくることに安心して、副業の収入を前提にした習いごとの予定まで立てていました。

ところが、ある月の初め、担当者から一通のメッセージが届きました。「実は、来月から資料づくりを社内でまとめて行うことになりました。これまで本当にありがとうございました」。副業の収入の8割が、翌月から突然なくなることになったのです。会社の方針が変わったことが理由で、まなぶの仕事に不満があったわけではありませんでした。それでも、まなぶにはどうすることもできません。担当者からの丁寧なお礼の言葉を読みながら、まなぶは、自分が相手の会社の都合ひとつで左右される立場にいたことに、初めて気づきました。

その夜、まなぶは慌てて出品ページを見直し、新しいお客さまを、一から探し始めました。けれど、しばらく更新していなかった出品ページには、最近の実績がほとんど載っていません。1社の仕事ばかりしていたため、ほかのお客さまに見せられる資料も、守秘の約束があって使えないものばかりでした。収入が元の水準に戻るまでに、半年以上かかりました。その間、副業の収入をあてにしていた予定は、いくつも見送ることになりました。

「仕事をくれる会社があるうちに、ほかの入口もつくっておくべきだった」。まなぶは、空白になった翌月の予定表を見ながら、そう思いました。安定していると思っていた副業は、1本の細い糸でぶら下がっていただけだったのです。

2原因分析

副業の取引先が1社に偏って失敗する人の特徴5選

1

収入のうち、1社が占める割合を見ていない

仕事が順調なときほど、収入がどこから来ているのかを気にしなくなります。けれど、1社の割合が大きくなるほど、その会社の都合で収入が大きく揺れてしまいます。毎月、取引先ごとの収入の割合を確かめ、1社に偏りすぎていないかを見ておくことが大切です。「1社で半分を超えたら、新しいお客さまを探す」など、自分なりの目安を決めておきましょう。割合を数字で見るだけで、「そろそろ動かないと」と気づくきっかけになります。

2

ほかのお客さまの依頼を、断ってしまう

大きな取引先の仕事を優先するあまり、小さな依頼を断り続けていると、ほかのお客さまとの関係が切れていきます。小さな依頼でも、続けて受けておくことが、いざというときの支えになります。すべてを受ける必要はありませんが、関係を保てる量は続けておきましょう。小さなお客さまが、あとから大きな仕事を紹介してくれることもあります。

3

出品ページや実績を、更新していない

仕事が途切れない時期は、出品ページを見直す必要を感じにくいものです。けれど、いざ新しいお客さまを探そうとしたとき、古い情報のままでは選んでもらえません。月に一度は、実績や出品ページを見直し、いつでも新しいお客さまを迎えられる状態にしておくようにしましょう。最近の仕事の内容やお客さまの声を加えるだけでも、出品ページの印象は大きく変わります。

4

ほかの人に見せられる実績が、残っていない

1社の仕事ばかりしていると、守秘の約束などで、ほかのお客さまに見せられる実績が残らないことがあります。実績として紹介してよいかを最初に確かめておく、見本用の資料を別に作っておくなど、自分の実績を見せられる形で残しておきましょう。会社名を伏せて紹介してよいかを聞いておくだけでも、使える実績は増えます。

5

取引先の事情が変わることを、考えていない

取引先の会社にも、方針の変更や担当者の異動、予算の見直しがあります。どれだけ関係が良くても、仕事が続くとは限らないと考えておくことが大切です。取引先の事情が変わったときに、どのくらいの期間なら収入が減っても困らないかを考え、そのための備えを少しずつしておきましょう。取引先の担当者が異動したときは、新しい担当者とも早めに関係をつくっておくと安心です。

3図解

取引先が1社に偏って失敗する人と、収入を安定させられる人の違い

⚠ 副業の取引先が1社に偏って失敗する人のパターン
1社からの仕事が増え、ほかの依頼を断るようになる
↓
出品ページも実績も、更新しないまま過ごす
↓
取引先の方針が変わり、仕事が突然止まる
↓
新しいお客さまを探すのに時間がかかり、収入が大きく減る
◎ 副業の収入を安定させられる人のパターン
取引先ごとの収入の割合を、毎月確かめる
↓
小さな依頼も続け、ほかのお客さまとの関係を保つ
↓
実績と出品ページを、定期的に見直す
↓
どこかの仕事が止まっても、副業の収入を支えられる
4解決策

取引先の偏りを確かめるチェックリスト

取引先の偏りは、気づかないうちに大きくなっていきます。今の副業の状態を、次の項目で確かめてみてください。

  • 取引先ごとの収入の割合を書き出した
  • 1社に偏りすぎたときの目安を決めた
  • ほかのお客さまとの関係を保てているか確かめた
  • 出品ページと実績を、最近見直した
  • 実績として紹介してよい仕事を確かめた
  • 収入が減ったときに困らない期間を考えた

まなぶは今、取引先ごとの収入の割合を、毎月の終わりに表にまとめています。どの1社も、副業の収入の4割を超えないようにするのが目安です。出品ページは月に一度見直し、見本用の資料も、架空の会社を題材にして新しく作りました。「仕事をくれる会社を大切にすることと、1社に頼りきることは、違うことだったんだ」。まなぶは、取引先が何社も並んだ表を見ながら、少しだけほっとしています。忙しい月でも、新しいお客さまからの小さな依頼は、1件は受けるようにしています。

※取引先の収入の割合や、目安となる数字は、副業の内容や働き方によって異なります。この記事の数字は、一つの例として参考にしてください。また、副業の収入によっては確定申告が必要になる場合があるため、取引先ごとの収入は日頃から記録しておきましょう。
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取引先の偏りを減らすには、新しいお客さまに出会える場を持っておくことと、自分の仕事の受け方を相談できる先を知っておくことが大切です。

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まなぶまなぶ
副業の収入の8割を1社に頼っていたら、その会社が資料づくりを社内でやることになって、翌月から仕事がなくなってしまいました…。
みらいみらい
どれだけ関係の良い取引先でも、事情が変わることはあります。収入の割合を毎月確かめて、ほかの入口も育てておきましょう。
まなぶまなぶ
取引先を大切にすることと、1社に頼りきることは、違うことなんですね。

副業の取引先が1社に偏って失敗する人の特徴は、収入の割合を見ずに1社に頼りきり、ほかのお客さまとの関係も、出品ページや実績も、育てないまま過ごしてしまうことです。収入の割合を確かめ、小さな依頼も続け、実績を見せられる形で残しておく。それだけで、どこかの仕事が止まっても、副業の収入を支えられるようになります。副業を続けて伸ばしていくときに失敗しないための考え方は、副業を続けて伸ばす失敗から学ぶでまとめています。

副業の続け方・稼ぎ方については、副業で月額制のサービスを始めて後悔する理由や副業のスキルを学び直さずに失敗した話もあわせて読んでみてください。

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