結論

副業で月額制のサービスを始めて後悔する人の多くは、「毎月決まった収入が入れば、副業が安定する」と考えて、月額に含まれる作業の範囲や、値段の根拠、解約や休みのルールを決めないまま、お客さまを増やしてしまう人です。月額制は、収入の見通しが立てやすく、副業を続けるうえで心強い仕組みです。けれど、月額制は「毎月、決まった約束を守り続ける」仕組みでもあります。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、副業で月額制のサービスを始めて後悔する理由と、始める前に決めておきたいことを解説します。

1失敗ストーリー

月5,000円の「なんでも更新サポート」で、休めなくなった

大学のゼミの同期と集まった居酒屋で、Aさんから月額制の副業の失敗談を聞くまなぶのイラスト

この話は、まなぶが大学のゼミの同期と久しぶりに集まった夜、居酒屋で隣に座ったAさんから聞いたものです。お互いの近況を話していたとき、まなぶが「今も副業を続けているの?」と聞くと、Aさんはジョッキを置いて、「それがさ、月額制にしたら、大変なことになってね」と苦笑いしました。

Aさんは、システム開発の会社でエンジニアとして働く30代の男性です。副業では、小さなお店や事務所のホームページを作る仕事をしていました。作って納品すると、そこで仕事は終わり。毎月の収入は、依頼があるかどうかで大きく変わっていました。そこでAさんは、2年前、「ホームページの更新サポート 月5,000円」という月額制のサービスを始めることにしました。「10件のお客さまがいれば、毎月5万円が入ってくる。副業が安定するはずだ」と考えたのです。

月額制のサービスは、思った以上に好評でした。1年ほどで、お客さまは15件に増えました。ところが、Aさんはサービスの案内に「ホームページの更新、なんでもご相談ください」としか書いていませんでした。お客さまからは、お知らせの更新だけでなく、「新しいページを作ってほしい」「写真を全部入れ替えてほしい」「メールが届かないので見てほしい」と、さまざまな頼みごとが毎日のように届きました。すべて月5,000円の中に含まれていると、お客さまは思っていたのです。

Aさんは、平日の夜も週末も、15件のお客さまの対応に追われるようになりました。本業で大きな案件の締め切りが近づいたときも、月額制のお客さまからの連絡は止まりません。「今月は少しお休みしたい」と思っても、休むときのルールを何も決めていなかったため、言い出すことができませんでした。解約の方法も決めていなかったため、ほとんど連絡のないお客さまとも、ずるずると契約が続いていました。

ある月、Aさんは計算してみて愕然としました。15件で月7万5,000円の収入に対して、使っている時間は月に60時間を超えていました。「安定させるために始めた月額制で、自分の時間が、少しも安定しなくなっていたんだ」。居酒屋のざわめきの中で、Aさんはそう言って、ジョッキの残りを飲みほしました。

2原因分析

副業で月額制のサービスを始めて後悔する理由

1

月額に含まれる範囲を、決めていない

月額制のサービスでは、お客さまは「月額を払えば、ある程度のことはしてもらえる」と考えがちです。含まれる作業の種類と量を決めていないと、頼みごとは際限なく増えていきます。「お知らせの更新は月4回まで」「新しいページの作成は別料金」など、含まれるものと含まれないものを、案内にはっきり書いておきましょう。範囲が決まっていれば、お客さまも安心して頼めます。迷ったときに相談できる窓口として、含まれない作業の見積もりの出し方も決めておくと、話が早く進みます。

2

値段の根拠を、計算していない

「毎月入ってくる」ことに安心して、月額の値段を低く決めてしまう人は少なくありません。1件あたり、毎月どのくらいの時間がかかるのかを計算してから、値段を決めることが大切です。始めてから数か月は、お客さまごとにかかった時間を記録して、値段が見合っているかを確かめましょう。思ったより時間がかかっていると分かったら、早めに見直すほうが、お客さまとの関係もこじれにくくなります。

3

休むときのルールを、決めていない

月額制では、毎月の約束を守り続けることが前提になります。本業の繁忙期や体調、家庭の事情で、対応できない時期は必ず来ます。「本業の繁忙期は、返事が2〜3日遅れることがあります」「年末年始はお休みします」など、休むときのルールを先に伝えておくと、無理をせずに続けられます。返事の目安の時間を決めておくだけでも、気持ちはずいぶん楽になります。

4

解約や見直しの方法を、決めていない

月額制は、始めるときよりも、終わるときのほうが話しにくいものです。解約の申し出の時期や、値段や内容を見直すときのルールを、最初の約束に入れておくことが大切です。年に一度、内容を見直す時期を決めておくと、お客さまとも話し合いやすくなります。始めるときに終わり方を決めておくことは、お客さまにとっても安心材料になります。

5

受け入れるお客さまの数に、上限がない

月額制のお客さまは、増えるほど収入も増えますが、そのぶん毎月の対応も増えていきます。自分が副業に使える時間から、受け入れられるお客さまの数の上限を決めておくようにしましょう。上限に達したら、新しい申し込みは受け付けを待ってもらうのも、一つの方法です。数を絞ることで、一件ずつの対応もていねいになります。

3図解

月額制で後悔する人と、上手に続けられる人の違い

⚠ 副業で月額制のサービスを始めて後悔する人のパターン
「なんでもご相談ください」と、範囲を決めずに始める
↓
安い月額のまま、お客さまを増やし続ける
↓
頼みごとが増え、休むことも解約することも言い出せない
↓
収入は安定しても、時間がまったく足りなくなる
◎ 副業の月額制を上手に続けられる人のパターン
月額に含まれる作業の種類と量を決める
↓
かかる時間から値段と、お客さまの数の上限を決める
↓
休むときと解約・見直しのルールを、最初に伝える
↓
無理なく続けられ、収入も時間も安定する
4解決策

月額制のサービスを始める前のチェックリスト

月額制は、始める前の決めごとで、続けやすさが大きく変わります。サービスの案内を出す前に、次の項目を確かめてみてください。

  • 月額に含まれる作業の種類と量を決めた
  • 含まれない作業の料金を決めた
  • 1件あたりにかかる時間から、値段を計算した
  • 休むときのルールを決めた
  • 解約と見直しの方法を、約束に入れた
  • 受け入れるお客さまの数の上限を決めた

Aさんは、すべてのお客さまに、サービスの内容を見直すお知らせを送ったそうです。月額の中身は「お知らせの更新を月4回まで、簡単な修正を月1回まで」とし、それ以外は別料金にしました。値段も少し上げ、受け入れるお客さまは10件までと決めました。何件かのお客さまは解約しましたが、残ったお客さまとは、以前よりずっと良い関係が続いているそうです。「範囲を決めたら、お客さまのほうも頼みやすくなったって言ってくれたんだ」。Aさんは、少しほっとしたように笑いました。

※月額制のサービスを始めるときは、提供する内容や解約の条件を、お客さまに分かりやすく伝えることが大切です。具体的な契約の内容や、トラブルが起きたときの対応は、専門家や相談窓口に確認してください。また、勤め先の就業規則で副業が認められているかも確認しておきましょう。
5おすすめサービス

副業を続けて伸ばすなら

月額制のサービスを無理なく続けるには、お客さまごとにかかる時間を見える形にすることと、約束の内容に迷ったときの相談先を知っておくことが大切です。

A
時間の使い方を見える化したい人向け

タイムマネジメント・スケジュール管理ツール【todoist】

本業と副業の時間を見える形にして、区切りを意識しやすくするタイプです。お客さまごとにかかった時間を記録しておくと、月額の値段や受け入れる数を見直すときの手がかりになります。

詳細を見てみる

B
トラブルに巻き込まれた人向け

フリーランス向け弁護士相談サービス【中小企業法律支援センター|東京弁護士会】

すでにトラブルが起きている場合、専門的な視点から対応を相談できるタイプです。月額に含まれる範囲や解約をめぐって、お客さまとの話し合いがこじれたときに、一人で抱え込まず相談できます。

相談してみる

まなぶまなぶ
Aさんは、月5,000円の「なんでも更新サポート」を15件に増やしたら、毎月60時間以上も対応に追われるようになってしまったそうです…。
みらいみらい
月額制は、毎月の約束を守り続ける仕組みです。含まれる範囲と値段の根拠、休みや解約のルールを、始める前に決めましょう。
まなぶまなぶ
範囲を決めることが、お客さまにとっても頼みやすさになるんですね。

副業で月額制のサービスを始めて後悔する原因は、含まれる範囲や値段の根拠、休みや解約のルールを決めないまま、お客さまを増やしてしまうことです。範囲を決め、かかる時間から値段と上限を決め、休みと見直しのルールを最初に伝える。それだけで、月額制は、収入も時間も安定させる心強い仕組みになります。副業を続けて伸ばしていくときに失敗しないための考え方は、副業を続けて伸ばす失敗から学ぶでまとめています。

副業の続け方・稼ぎ方については、副業の取引先が1社に偏って失敗する人の特徴5選や副業を休むときに失敗しない方法もあわせて読んでみてください。

ABOUT ME
アバター
みらい
みんなの失敗談を共有して、たくさんの学びや共感をお届けするメディア「https://SHIPPAI.JP」を運営しています