結論

副業を休むときに失敗する人の多くは、「少し落ち着いたら、また再開すればいい」と考えて、お客さまへの連絡や、続けている仕事の区切り、再開の準備をしないまま、副業から離れてしまう人です。本業の昇進や異動、家庭の事情などで、副業を休まなければならない時期は、誰にでも訪れます。けれど、何も伝えずに休むと、それまで積み上げてきた信頼まで、一緒に手放すことになります。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、副業を休むときに失敗しない方法を解説します。

1失敗ストーリー

何も言わずに休んだ半年で、5年分の取引先がいなくなった

市民プールのプールサイドのベンチで、Aさんから副業を休んだときの失敗談を聞くまなぶのイラスト

この話は、まなぶが週末に通っている市民プールで、よく顔を合わせるAさんから聞いたものです。泳ぎ終えて、プールサイドのベンチで休んでいたとき、まなぶが「Aさん、最近は副業のほうはどうですか」とたずねると、Aさんはタオルで髪をふきながら、「実は、一度ぜんぶなくしちゃったのよ」と話してくれました。

Aさんは、化粧品の会社で商品の企画をしている40代の女性です。5年前から、副業でWebライターの仕事をしていました。美容や暮らしの記事を書き、毎月決まって依頼をくれる取引先が3社ありました。コツコツ積み上げた評価も、サービスの中では上位のほうでした。ところが、今年の春、Aさんは本業で課長に昇進しました。慣れない部下の育成や会議に追われ、平日の夜も週末も、副業に向き合う時間がなくなっていきました。「今は本業が大事な時期だから」と、副業のことは、頭の片すみに追いやるようになっていました。

「落ち着いたら返事をしよう」。そう思っているうちに、取引先からのメッセージは、未読のままたまっていきました。Aさんは、休むことを誰にも伝えないまま、2か月近く、副業の連絡を止めてしまったのです。その間に、ある取引先の記事の締め切りも過ぎていました。通知が届くたびに気にはなっていましたが、開くと返事をしなければならない気がして、つい後回しにしてしまったのです。

夏の終わり、ようやく少し落ち着いたAさんがメッセージを開くと、そこには取引先からの心配と、催促と、最後の連絡が並んでいました。「ご連絡がないため、ほかのライターさんにお願いすることにしました」。3社のうち2社は、すでに別のライターに仕事を移していました。残りの1社からも、締め切りを過ぎた記事について、厳しい言葉が届いていました。仕事を受けていたサービスでも、返事の遅れが続いたため、プロフィールの評価が下がっていました。

秋になって、Aさんは副業を再開しようとしましたが、新しい依頼はなかなか届きませんでした。下がった評価は、すぐには元に戻らなかったのです。5年かけて積み上げてきた取引先と評価を、何も伝えずに休んだ数か月で、ほとんど失ってしまったのです。「休んだこと自体じゃなくて、何も言わずに休んだことが、いけなかったのよね」。Aさんは、プールの水面を見つめながら、そう言いました。

2解決策

副業を休むときに失敗しない方法

1

休むと決めたら、すぐにお客さまへ伝える

副業を休むとき、いちばん大切なのは、お客さまへの連絡です。「いつから、どのくらいの期間、どの仕事を休むのか」を、休むと決めた時点で、すぐに伝えましょう。理由をくわしく話す必要はありません。「本業の事情で、しばらくお休みをいただきます」と一言伝えるだけで、お客さまは次の手を考えることができます。何も言わずに連絡が途切れることが、いちばん信頼を損ねます。

2

続けている仕事に、区切りをつける

休む前に、受けている仕事の締め切りと進み具合を確かめましょう。終わらせられる仕事は終わらせ、間に合わない仕事は、早めに相談して納期を調整するか、お断りすることが大切です。継続の取引先には、信頼できるほかの人を紹介できると、関係を保ったまま休むことができます。紹介する場合は、紹介する相手の了承も先にもらっておきましょう。

3

サービスの休みの設定を使う

仕事を受けているサービスによっては、受付を止めたり、お休み中であることを表示したりする設定があります。休みの設定を使って、新しい依頼が届かないようにしておくと、返事の遅れで評価が下がるのを防げます。自動で返事を送る設定があれば、お休みの期間と再開の目安を書いておきましょう。設定を使えば、自分が返事をできない間も、お客さまを待たせずにすみます。

4

再開の時期の目安を、伝えておく

「いつ戻ってくるのか」が分かっていると、お客さまも待つかどうかを判断しやすくなります。はっきり決められなくても、「秋ごろに再開する予定です」と目安を伝えておくようにしましょう。再開が近づいたら、改めて連絡すると、仕事を再び頼んでもらえることもあります。予定より休みが長くなりそうなときも、そのたびに一言伝えるようにしましょう。

5

休む間も、再開の準備をしておく

休んでいる間は、副業から完全に離れたくなるものです。けれど、何もしないまま時間がたつと、再開するときの負担が大きくなります。月に一度だけでも、出品ページや実績を見直したり、業界の変化を調べたりしておくと、再開がぐっと楽になります。無理のない範囲で、つながりを保っておきましょう。季節のあいさつを送るだけでも、お客さまに覚えていてもらえます。

3図解

副業を休むときに失敗する流れと、信頼を守って休める流れの違い

⚠ 副業を休むときに失敗するパターン
本業が忙しくなり、何も伝えずに連絡を止める
↓
締め切りが過ぎ、取引先からのメッセージがたまる
↓
取引先がほかの人に仕事を移し、評価も下がる
↓
再開しようとしても、取引先も評価も残っていない
◎ 信頼を守って副業を休めるパターン
休むと決めたら、期間と内容をすぐに伝える
↓
続けている仕事に区切りをつけ、休みの設定を使う
↓
再開の目安を伝え、休む間も小さく準備を続ける
↓
信頼を保ったまま休み、スムーズに再開できる
4チェックリスト

副業を休む前のチェックリスト

副業を休むことは、悪いことではありません。休み方しだいで、再開のしやすさが大きく変わります。休む前に、次の項目を確かめてみてください。

  • 休む期間と内容を、すべてのお客さまに伝えた
  • 受けている仕事の締め切りと進み具合を確かめた
  • 間に合わない仕事は、納期の相談かお断りをした
  • サービスの休みの設定や、自動の返事を設定した
  • 再開の時期の目安を伝えた
  • 休む間に続ける、小さな準備を決めた

Aさんは今、過去の取引先に一社ずつ、連絡が途切れたことへのおわびの手紙を送ったそうです。そのうちの1社からは、「落ち着いたら、また短い記事からお願いしたい」と返事がありました。今は、本業の繁忙期の前には必ず取引先へ連絡し、サービスの休みの設定も使うようにしています。新しい仕事は、少しずつ、無理のない量だけ受けているそうです。「休むことを伝えるのは、勇気がいる。でも、伝えないほうが、ずっと大きなものを失うのよね」。そう言って、Aさんは「さて、もうひと泳ぎ」と、プールのほうへ歩いていきました。

※仕事を受けているサービスによって、休みの設定や、返事の遅れの扱い、評価の仕組みは異なります。休む前に、各サービスの規約や設定を確認しましょう。また、継続の取引先との約束の中に、休むときや契約を終えるときの決まりがないかも確かめておきましょう。
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まなぶまなぶ
Aさんは、本業で昇進して忙しくなり、何も言わずに副業の連絡を止めていたら、5年分の取引先がほとんどいなくなってしまったそうです…。
みらいみらい
副業を休むことは悪いことではありません。休むと決めたら、すぐにお客さまへ伝え、続けている仕事に区切りをつけましょう。
まなぶまなぶ
休むことより、何も言わずに休むことが信頼を損ねるんですね。

副業を休むときに失敗する原因は、お客さまへの連絡や、続けている仕事の区切り、再開の準備をしないまま、副業から離れてしまうことです。休むと決めたらすぐに伝え、仕事に区切りをつけ、休みの設定と再開の目安を用意する。それだけで、信頼を守ったまま休み、またスムーズに副業を再開できます。副業を続けて伸ばしていくときに失敗しないための考え方は、副業を続けて伸ばす失敗から学ぶでまとめています。

副業の続け方・稼ぎ方については、副業で月額制のサービスを始めて後悔する理由や副業仲間と組んで仕事を始めて後悔する理由もあわせて読んでみてください。

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