結論

複数のサイトで同時に販売して後悔する人の多くは、「出品する場所を増やせば、そのぶん売れる」と考えて、在庫をどう管理するか、値段の差をどう説明するか、増える手間をどうこなすかを決めないまま、いくつものサイトに同じ商品を並べてしまう人です。販売の場所を増やすことは、お客さまとの出会いを増やす方法の一つです。けれど、売る場所が増えるほど、管理しなければならないことも増えていきます。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、複数のサイトで同時に販売して後悔する理由と、販売の場所を増やす前に決めておきたいことを解説します。

1失敗ストーリー

一点もののピアスが、1時間のうちに2つのサイトで売れた

昼休みの定食屋で、会社の先輩のAさんから複数のサイトでの販売の失敗談を聞くまなぶのイラスト

この話は、まなぶの会社の総務部の先輩、Aさんから聞いたものです。お昼休みに、会社の近くの定食屋でたまたま相席になったとき、まなぶが「Aさんのつけているピアス、すてきですね」と言うと、Aさんは「これ、自分で作ったの。副業で売っているんだけど、ちょっと大変なことがあってね」と話してくれました。

Aさんは30代の女性です。3年前から、天然石を使ったピアスやイヤリングを手作りし、ハンドメイドの販売サイトで売っていました。どれも石の形や色が違う、一点ものです。売れ行きが少しずつ伸びてきた去年の春、Aさんは「もっと多くの人に見てもらいたい」と考え、別のハンドメイドの販売サイトと、自分のネットショップにも、同じ作品を並べることにしました。「3か所に出せば、売れる数も3倍になるはず」と思ったのです。

最初のうちは、たしかに注文が増えました。そのぶん、在庫を直す手間も増えましたが、Aさんは、ある場所で売れるたびに、ほかの2か所の出品を手で取り下げて対応していました。ところが、ある日曜日の夜、Aさんのスマートフォンに、2つのサイトから続けて注文の知らせが届きました。どちらも、同じ一点もののピアスでした。1時間のうちに、同じ作品が、2人のお客さまに売れてしまったのです。家族と出かけていたAさんは、最初の注文のあと、ほかのサイトの出品を取り下げるのが間に合いませんでした。Aさんは、あとから注文してくれたお客さまに事情を説明し、注文を取り消してもらうしかありませんでした。

そのお客さまからは、「楽しみにしていたのに残念です」という評価がつきました。販売サイトからも、出品者の都合での取り消しについて、注意のメッセージが届きました。さらに、サイトごとに手数料が違うため、Aさんは、サイトによって少しずつ値段を変えていました。それに気づいたお客さまから、「ほかのサイトのほうが安いのはなぜですか」と問い合わせが届いたこともありました。

毎晩、3か所の在庫を手で直し、3か所のメッセージに返事をする。作品を作る時間は、どんどん減っていきました。「売る場所を増やしたら、作る時間がなくなっちゃったの」。Aさんは、売る場所を増やすことばかり考えて、増えた場所をどう管理するのかを、まったく考えていなかったと気づいたそうです。定食屋の窓の外を見ながら、Aさんは小さくため息をつきました。

2原因分析

複数のサイトで同時に販売して後悔する理由

1

在庫を、まとめて管理していない

複数のサイトで同じ商品を売ると、ある場所で売れたとき、ほかの場所の在庫もすぐに減らさなければなりません。手作業で在庫を直していると、どうしても間に合わない時間が生まれ、同じ商品が二重に売れてしまいます。在庫をまとめて管理できる方法を用意するか、それが難しいうちは、販売の場所を増やさないほうが安全です。在庫の数を一か所にまとめて記録し、売れたらすぐに直す流れを決めておくだけでも、二重に売れる危険は減らせます。

2

一点ものを、すべての場所に並べている

ハンドメイドの一点ものは、在庫が1つしかありません。一点ものをいくつものサイトに同時に並べると、二重に売れる危険がとても高くなります。一点ものは場所を分けて出品し、同じ作品をいくつも作れるものだけを、複数のサイトに並べるようにしましょう。「この作品はこのサイトだけ」と決めておくと、管理もぐっと楽になります。

3

値段の違いを、説明できない

サイトごとに手数料が違うと、同じ商品でも値段を変えたくなることがあります。けれど、お客さまから見ると、「同じ物なのに、どうして値段が違うのか」と不信感につながります。値段をそろえるのか、変えるのか、変えるならその理由をどう伝えるのかを、最初に決めておきましょう。手数料の差を値段に入れるよりも、どの場所でも同じ値段にして、利益が少ない場所は割り切って考える、という方法もあります。

4

サイトごとの決まりを、確かめていない

販売サイトには、それぞれ、注文の取り消しや、ほかの場所での販売についての決まりがあります。決まりを確かめずに出品していると、二重に売れて取り消したときに、思わぬ注意や制限を受けることがあります。出品する前に、各サイトの決まりを読んでおきましょう。評価が下がると、そのサイトでの売れ行きにも影響します。

5

増える手間を、計算に入れていない

販売の場所が増えると、出品や在庫の管理、お客さまとのやりとり、発送の手配など、すべての手間が増えます。作品を作る時間が減ってしまっては、売る物そのものがなくなってしまいます。場所を増やす前に、自分がこなせる手間の量を考え、まずは一つずつ増やして様子を見るようにしましょう。増やした場所で、本当に新しいお客さまに出会えているのかも、確かめることが大切です。

3図解

複数のサイトで販売して後悔する人と、上手に広げられる人の違い

⚠ 複数のサイトで同時に販売して後悔する人のパターン
「場所を増やせば売れる」と、一点ものをすべてに並べる
↓
在庫を手で直し、サイトごとに値段を変える
↓
同じ作品が二重に売れ、取り消しと問い合わせが続く
↓
評価を落とし、作品を作る時間もなくなる
◎ 複数のサイトで上手に販売を広げられる人のパターン
在庫の管理の方法と、値段の決め方を先に決める
↓
一点ものは場所を分け、量産できる物だけを並べる
↓
サイトの決まりを確かめ、一つずつ場所を増やす
↓
お客さまとの出会いを増やしながら、作る時間も守れる
4解決策

販売の場所を増やす前のチェックリスト

販売の場所を増やすことは、準備が整っていれば、副業を広げる大きな力になります。出品する前に、次の項目を確かめてみてください。

  • 在庫をまとめて管理する方法を決めた
  • 一点ものと、量産できる作品を分けた
  • サイトごとの値段の決め方を決めた
  • 各サイトの取り消しや出品の決まりを確かめた
  • 増えるやりとりと発送の手間を見積もった
  • 作品を作る時間を、先に確保した

Aさんは今、販売の場所を見直しているそうです。一点ものの作品は、自分のネットショップだけで販売し、同じ形で作れるシンプルなピアスだけを、ハンドメイドの販売サイトに並べています。値段は、どの場所でもそろえることにしました。在庫の数は、一冊のノートにまとめて記録しています。「売る場所を減らしたら、作品を作る時間が戻ってきて、新しい作品も増えたの」。Aさんは、耳もとのピアスにそっとふれて、うれしそうに笑いました。

※販売サイトごとに、注文の取り消しや、ほかの場所での販売、手数料についての決まりは異なります。出品する前に、各サイトの最新の規約を確認しましょう。また、勤め先の就業規則で副業が認められているか、物販の副業で利益が出た場合に確定申告が必要かどうかも確認しておきましょう。
5おすすめサービス

発信・物販の副業を始めるなら

販売の場所を上手に広げるには、自分の作品に合った場所を選ぶことと、値段や見せ方の考え方を学んでおくことが大切です。

A
販売の場を探したい人向け

ハンドメイド作品のオンラインマーケット【minne(ミンネ)】

作品を出品・販売できるタイプです。プラットフォームごとに手数料や客層が異なるため、場所を増やす前に、自分の作品に合った場所を選ぶことが大切です。

出品先を見てみる

B
価格設定やブランディングを学びたい人向け

【作品が売れる&個人情報を守る】ハンドメイド作家向け支援プログラム

原価計算の考え方やブランディングの基本を学べるタイプです。販売の場所ごとの値段の決め方や、作品の見せ方を整理したい人に向いています。

詳細を見てみる

まなぶまなぶ
Aさんは、一点もののピアスを3か所で売っていたら、同じ作品が1時間のうちに2つのサイトで売れてしまったそうです…。
みらいみらい
売る場所が増えるほど、管理することも増えます。在庫と値段の決め方を、場所を増やす前に決めておきましょう。
まなぶまなぶ
売る場所を増やす前に、管理する方法を決めるんですね。

複数のサイトで同時に販売して後悔する原因は、在庫の管理や値段の決め方、増える手間を考えないまま、一点ものまですべての場所に並べてしまうことです。在庫と値段の決め方を決め、一点ものは場所を分け、一つずつ場所を増やす。それだけで、販売の場所を増やすことが、お客さまとの出会いを広げる力になります。発信・物販の副業で失敗しないための考え方は、発信・物販の副業の失敗から学ぶでまとめています。

発信・物販の副業については、海外から仕入れて売る副業で失敗した話や副業のメルマガ配信で失敗しない方法もあわせて読んでみてください。

ABOUT ME
アバター
みらい
みんなの失敗談を共有して、たくさんの学びや共感をお届けするメディア「https://SHIPPAI.JP」を運営しています