SNSの投資情報を信じて失敗した話
SNSの投資情報で失敗する人は、「今買わないと損」「この銘柄は必ず上がる」といった強い言葉を、発信者の立場や根拠を確かめないまま信じてしまうことが少なくありません。SNSには役に立つ情報もありますが、短い言葉には、リスクや発信者の事情までは書かれていません。投資の判断は、誰かの言葉ではなく、自分で確かめた根拠と自分のルールで行う。発信者の立場を知り、元の情報を自分の目で見て、損失が出たときの決まりを先に作っておく。それが、情報に振り回されないための基本です。
「今買わないと損」の投稿を信じて、30万円が半分近くになった話
投資を始めて1年ほどたったころ、まなぶはSNSで投資について発信している人の投稿をよく見るようになりました。中でも、フォロワーの多いある発信者の投稿は、いつも自信に満ちていました。「この銘柄は来月までに2倍になる」「今買わない人は一生後悔する」。過去に当たったという画面の写真も、たくさん載っていました。
ある日の朝、その発信者が一つの銘柄を強くすすめる投稿をしました。コメント欄には「買いました!」「もう上がってる!」という声があふれています。「今乗らないと、置いていかれる」。焦ったまなぶは、会社の性格もよく調べないまま、通勤電車の中でその株を30万円分買いました。まなぶにとっては、それまでで一番大きな買い物でした。
その日の仕事中も、まなぶは何度もスマートフォンを取り出しては値動きを確かめました。会議の内容は、ほとんど頭に入ってきませんでした。どんな会社なのか、なぜ上がると言われているのか。その理由を、まなぶは自分の言葉で説明することができませんでした。それでも、「みんなが買っているのだから大丈夫だろう」と自分に言い聞かせていました。
最初の数日は、株価は少しずつ上がりました。まなぶは何度も画面を開いては、増えていく数字にうれしくなっていました。ところが1週間後、その会社のよくないニュースが出て、株価は一気に下がり始めました。発信者は「一時的な下げ。むしろ買い増しのチャンス」と投稿し、まなぶは不安を感じながらも、売る決断ができませんでした。
1か月後、株価は買ったときの半分近くになっていました。昼休みに自分の席でスマートフォンを開いたまなぶは、下がり続けるグラフを前に、しばらく動けませんでした。後で調べてみると、その発信者は投稿の最後に、高額な有料グループへの入会を案内していました。すすめた銘柄が下がっても、発信者の側には損がない仕組みだったのです。
まなぶは気づきました。自分は、知らない人の強い言葉を、自分で何も確かめずに信じていたのです。
SNSの投資情報を信じて失敗した理由
発信者の立場や、発信する目的を確かめなかった
SNSで投資の情報を発信している人の中には、有料サービスへの勧誘や、自分が持っている銘柄の値上がりを期待して発信している人もいます。まなぶがフォローしていた発信者も、最後には有料グループへの入会を案内していました。その情報で発信者が何を得るのかを考えることで、情報の受け取り方は大きく変わります。発信者の立場が分からない情報は、慎重に扱うことが大切です。
「必ず上がる」「今だけ」という言葉を信じてしまった
投資の世界に「必ず上がる」ものはありません。それでも、強い言葉や「今買わないと損」という焦らせる言葉には、冷静な判断を奪う力があります。断定的な言葉や、急がせる言葉を見たときこそ、一度立ち止まるサインだと考えましょう。本当に価値のある情報は、一日考えたくらいで失われるものではありません。
元の情報を、自分の目で確かめなかった
まなぶは、その会社がどんな事業をしていて、どんなリスクを抱えているのかを調べないまま株を買いました。会社の決算資料や公式の発表など、元になる情報を確かめていれば、悪いニュースが出たときにも落ち着いて判断できたかもしれません。SNSの投稿は、あくまで誰かの意見です。投資するなら、元の情報を自分の目で確かめ、自分の言葉で理由を説明できるかを一度考えてみることが大切です。
自分の目的や、投資できる金額に合っていなかった
まなぶは、短い期間で大きく値動きする株に、それまでで一番大きな金額を一度に投じていました。けれど、まなぶの本来の目的は、長い時間をかけて少しずつお金を増やすことでした。その投資が、自分の目的や期間、失っても生活に困らない金額に合っているかを考えずに、人の話に乗ってしまったことが、大きな損失につながりました。
損失が出たときのルールを決めていなかった
株価が下がり始めたとき、まなぶは売るべきか持ち続けるべきか判断できず、発信者の「買い増しのチャンス」という言葉にすがってしまいました。投資を始める前に、どこまで下がったら見直すのか、どんなときに売るのかを自分で決めておけば、他人の言葉に判断を預けずにすみます。損失が出たときの決まりは、冷静なときにしか作れません。「買ったときより何割下がったら一度立ち止まって見直す」など、簡単なものでかまいません。書き出しておくことで、焦ったときにも自分の決めたことに立ち返れます。
SNSの情報に振り回される人と、自分で判断できる人の違い
2つの流れの違いは、投資の経験の長さではありません。SNSの情報を「答え」として受け取るか、「自分で確かめるためのきっかけ」として受け取るかの違いです。
SNSには、勉強のきっかけになる情報もたくさんあります。大切なのは、情報を鵜呑みにせず、自分で確かめ、自分のルールで判断することです。誰かの言葉で買った投資は、下がったときにも誰かの言葉を探すことになります。自分で選んだ理由があれば、迷ったときにも立ち返る場所があります。
SNSの投資情報に振り回されないためのチェックリスト
- 発信者の立場と、その情報で発信者が何を得るのかを確かめる
- 「必ず」「今だけ」「一生後悔」などの言葉を見たら、一日おいて考える
- 会社の公式発表や決算資料など、元の情報を自分の目で確かめる
- その投資が、自分の目的・期間・投資できる金額に合っているかを考える
- 一つの銘柄に、大きな金額を一度に入れない
- 買う前に、損失が出たときにどうするかのルールを書いておく
まずは「気になった投資情報は、その日のうちに買わない」と決めてみてください。一晩おくだけで、焦りは落ち着き、発信者の立場や元の情報を確かめる余裕が生まれます。それだけでも、多くの失敗は防ぐことができます。
投資は、自分のお金と人生を守りながら、少しずつ育てていくものです。誰かの強い言葉に乗るのではなく、自分で確かめ、自分の目的に合った方法を選ぶ。その積み重ねが、情報があふれる中でも、自分のペースで投資を続けていく力になります。
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まなぶ
みらいSNSの投資情報で失敗する人は、強い言葉や焦らせる投稿に背中を押され、発信者の立場や元の情報を確かめないまま判断してしまいがちです。発信者が何を得るのかを考え、元の情報を自分の目で確かめ、自分の目的と金額に合っているかを考え、損失が出たときのルールを先に決めておく。その習慣が、情報に振り回されずに投資を続けるための土台になります。
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