結論

書類選考や面接で落ち続ける人の多くは、一社ごとの選考を「点」で見ていて、落ちた理由を振り返らないまま次の応募に進んでいる人です。オンライン面接の準備不足、逆質問の失敗、Webテストの時間切れ、最終面接での油断。原因はそれぞれ違って見えても、振り返りをしないかぎり、同じ種類の失敗は形を変えて繰り返されます。この記事では、まなぶが転職活動で経験した選考の失敗を振り返りながら、落ち続ける流れを断ち切るための考え方と方法を解説します。

1失敗ストーリー

20社分の応募書類を床に並べた夜

自宅のリビングの床に20社分の応募書類を並べて見比べ、伝えていた内容のずれに気づくまなぶのイラスト

以前の転職活動で、まなぶは3か月で20社に応募しました。書類選考を通過したのは5社。そのうち1社はWebテストで時間切れになり、面接に進めませんでした。オンライン面接では回線が切れて背景に洗濯物が映り、別の会社では逆質問で「特にありません」と答え、手ごたえのあった会社でも最終面接で5年後のことを聞かれて言葉に詰まりました。結果は、すべてお見送りです。

「今回は運が悪かったんです。もっと応募数を増やそうと思います」。転職エージェントの担当者との面談で、まなぶはそう話しました。担当者は少し考えてから、こう聞きました。「まなぶさん、これまでの応募書類と、面接で話したことを並べて見比べたことはありますか?」。まなぶは首を横に振りました。

その夜、まなぶはリビングの床に、20社分の職務経歴書と志望動機、面接の前に書いたメモを一枚ずつ並べていきました。見比べていくうちに、まなぶの手が止まります。ある会社には「チームで成果を出すことにやりがいを感じる」と書き、別の会社には「裁量を持って一人で進める仕事がしたい」と書いていました。職務経歴書で強みとして書いた実績と、面接で話した強みも、会社ごとにばらばらです。面接で何を聞かれ、どう答えたのかの記録は、どこにも残っていませんでした。

「運が悪かったんじゃない。自分が何を伝えたいのか、自分でも分かっていなかったんだ」。床一面に広がった書類を見下ろしながら、まなぶはようやく気づきました。一社ごとに、その場しのぎで書類を作り、面接を受け、落ちたら次へ進む。そのくり返しの中で、同じ失敗が形を変えて何度も起きていたのです。

2原因分析

書類選考・面接で落ち続ける5つの原因

1

選考を一社ごとの「点」で見ている

転職活動では、応募する会社ごとに書類を作り、面接を受けます。そのため、一つひとつの選考を別々の出来事として捉えがちです。でも、どの会社に応募しても、伝えるのは同じ「自分の経験と強み」です。選考を点ではなく、一本の線として見ることで、自分の伝え方の癖や弱点が見えてきます。まなぶの場合も、オンライン面接の準備不足、逆質問の準備不足、Webテストの後回し、最終面接での油断は、すべて「その会社の選考を、その場その場でこなしていた」という同じ根っこから生まれていました。

2

不採用の理由を振り返らない

お見送りの連絡が来ると、落ち込んで、すぐに次の応募に気持ちを切り替えたくなります。しかし、振り返らずに次へ進むと、同じ準備不足をくり返すことになります。不採用の理由は会社から詳しく教えてもらえないことも多いですが、自分で「どの質問で詰まったか」「どこで手ごたえがなかったか」を書き出すだけでも、次に直すべき点ははっきりします。転職エージェント経由で応募している場合は、企業からの評価を担当者に聞いてみるのも一つの方法です。

3

書類と面接で話す内容がずれている

面接官は、職務経歴書や志望動機を読んだうえで面接に臨みます。書類に書いた強みと、面接で話す強みが違うと、「どちらが本当なのか」と疑問を持たれます。会社ごとに伝えたいことを変えすぎると、自分の軸そのものが見えにくくなります。書類と面接は別々のものではなく、一つの話の前半と後半だと考えることが大切です。職務経歴書の作り方は職務経歴書で失敗しない方法で、志望動機の考え方は志望動機の使い回しで失敗する人の特徴5選で紹介しています。

4

応募数を増やせば解決すると思っている

選考に落ち続けると、「数を打てばどこかに当たる」と応募を増やしたくなります。もちろん、ある程度の応募数は必要です。しかし、準備の質が変わらないまま数だけを増やすと、一社あたりにかけられる時間が減り、かえって通過率が下がってしまいます。まずは振り返りで課題を一つ直してから、次の応募に進むほうが、結果的に内定への近道になることも少なくありません。

5

一人で抱え込み、第三者の目を入れない

自分の書類や話し方の癖は、自分ではなかなか気づけません。まなぶも、担当者に一言聞かれるまで、書類を並べて見比べるという発想すらありませんでした。家族や友人、転職エージェントの担当者など、第三者に一度見てもらうだけで、自分では見えなかったずれや弱点が見つかることがあります。落ち続けて自信をなくしているときほど、一人で抱え込まないことが大切です。模擬面接で話し方を見てもらうのも、効果的な方法の一つです。

3図解

落ち続ける人と、選考を重ねるほど強くなる人の違い

⚠ 書類選考・面接で落ち続ける人のパターン
一社ごとに、その場しのぎで書類を作る
↓
面接で聞かれたことや答えを記録しない
↓
落ちたら「運が悪かった」と、すぐ次の応募に進む
↓
同じ失敗が形を変えてくり返され、自信だけが減っていく
◎ 選考を重ねるほど強くなる人のパターン
自分の強みと転職の軸を一つに決め、書類と面接で一貫させる
↓
面接のあと、その日のうちに質問と自分の答えを書き出す
↓
不採用のたびに課題を一つ決め、直してから次に応募する
↓
選考を重ねるたびに伝え方が磨かれ、通過率が上がっていく
4解決策

選考の失敗を次に活かすためのチェックリスト

選考の失敗を次に活かすには、特別な才能はいりません。大切なのは、選考ごとに記録を残し、定期的に見返す仕組みを作ることです。まずは次の項目から始めてみてください。

  • 自分の強みと転職の軸を、一文で書き出した
  • 応募した会社ごとに、提出した書類のコピーを保存している
  • 面接のあと、その日のうちに「聞かれたこと・答えたこと・詰まったこと」を記録している
  • 不採用の連絡が来たら、記録を見返して課題を一つ決めている
  • 書類に書いた強みと、面接で話す強みが同じになっているか確かめた
  • 月に一度は、第三者に書類や話し方を見てもらっている

記録はノートでもスマホのメモでもかまいません。会社名、選考の段階、聞かれた質問、自分の答え、うまく話せなかったところ。この5つを書いておくだけで、数社分たまったころには、自分がつまずきやすいポイントが自然と見えてきます。選考の失敗は、記録して振り返った瞬間から、次の選考のための材料に変わります。

まなぶはその後、転職の軸を「チームで仕組みを改善し、成果を出せる仕事」と一つに決め、すべての書類と面接の話をそこにそろえました。面接のたびに記録をつけ、不採用のたびに課題を一つずつ直していった結果、2か月後には第一志望の会社から内定をもらうことができました。記録を見返すと、最初は詰まっていた「5年後の姿」の質問にも、回を重ねるごとに具体的に答えられるようになっていたことが分かりました。失敗の記録は、そのまま自分の成長の記録にもなっていたのです。

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選考の振り返りを一人で抱え込まないために

選考の振り返りは、自分の目だけでなく、第三者の目が入ることで精度が上がります。

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まなぶまなぶ
運が悪かったと思ってたけど、書類を並べてみたら、会社ごとに言ってることがばらばらでした…。
みらいみらい
そこに気づけたのが大きな一歩です。選考を記録して振り返れば、失敗は次の選考の材料に変わりますよ。
まなぶまなぶ
転職の軸を一つに決めて、面接のたびに記録をつけていきます!

書類選考や面接の失敗は、一つひとつは小さな準備不足でも、振り返らなければ何度でもくり返されます。転職の軸を決めて書類と面接をそろえ、選考ごとに記録を残し、課題を一つずつ直していく。そうすれば、選考を重ねるほど伝え方は磨かれていきます。書類選考や面接でつまずいたときには、場面ごとの失敗と対策を紹介した次の記事も参考にしてください。

面接全体での失敗のパターンは面接で失敗する人の特徴5選でも紹介しています。転職そのもので後悔しないためのポイントは、転職して後悔した人の特徴7選もあわせて読んでみてください。

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