面接で希望年収を聞かれて失敗した話
面接で希望年収を聞かれて失敗する人の多くは、自分の市場での相場も、今の年収の正確な内訳も確かめないまま、その場の気持ちで金額を答えてしまう人です。高すぎる金額は選考に響き、低すぎる金額は内定後の条件をそのまま縛ってしまいます。面接で口にした希望年収は、思っている以上にあとまで残ります。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、面接で希望年収を聞かれて失敗した原因と、答える前に準備しておきたいことと答え方の例を解説します。
「いくらでも大丈夫です」と言ってしまった
以前の転職活動で、まなぶはある会社の二次面接に進みました。仕事の内容も、チームの雰囲気も、これまで受けた中でいちばん魅力的に感じていた会社です。面接は順調に進み、終わりが近づいたころ、人事の担当者がこう聞きました。「ちなみに、希望される年収はどのくらいでしょうか」。
まなぶは一瞬迷いました。高い金額を言って印象が悪くなるのは避けたい。でも、低く言いすぎるのもどうなのか。考えがまとまらないまま、口から出たのはこんな言葉でした。「いえ、御社で働けるなら、年収はいくらでも大丈夫です。今と同じくらいいただければ十分です」。担当者は「そうですか」とうなずき、手元の用紙に何かを書き込みました。面接はそのまま和やかに終わり、まなぶは「謙虚な人だと思ってもらえたかな」と、むしろ手ごたえを感じていました。
数週間後、内定の連絡とともに届いた条件を見て、まなぶは目を疑いました。提示された年収は、今の会社の年収とほぼ同じ。しかもよく見ると、まなぶが「今の年収」として思い浮かべていたのは残業代を含まない金額で、実際に受け取っていた額より低かったのです。残業がほとんどないという転職先の働き方では、手取りは今より減ることになります。
「やっぱり、もう少し上げていただけないでしょうか」。まなぶは担当者に相談しましたが、返ってきたのは「面接で、今と同じくらいで十分とおっしゃっていたので、その前提で社内の承認を取っています」という言葉でした。自分で言った一言が、そのまま条件の上限になっていたのです。電話を切ったあと、まなぶはしばらく動けませんでした。
結局、まなぶはその条件で入社しました。仕事には満足していましたが、最初の1年は家計が苦しく、ボーナスの時期まで節約が続きました。希望年収は、面接の雰囲気で答える質問ではなかった。まなぶは、根拠を準備せずに答えたことを、今でも悔やんでいます。
面接で希望年収を聞かれて失敗した原因
今の年収の正確な金額を把握していない
希望年収を考える出発点は、今の年収です。ところが、基本給だけを思い浮かべていたり、残業代や賞与、各種の手当を入れ忘れていたりして、実際より低く覚えている人は少なくありません。源泉徴収票の「支払金額」を見て、1年間に受け取った総額を確認しておくことが大切です。転職先では残業や手当の有無が変わるため、内訳まで分かっていると、比べるときにも役立ちます。特に、今の会社で残業が多い人ほど、基本給だけで比べると、転職後に手取りが大きく減ってしまうことがあります。
自分の市場での相場を調べていない
同じ職種、同じ経験年数でも、業界や会社の規模によって年収の相場は大きく変わります。相場を知らないまま答えると、高すぎて選考に響いたり、低すぎて損をしたりします。求人票の年収の幅や、転職サービスの年収診断などで、自分の経験に近い相場をつかんでおくと、根拠のある金額を言いやすくなります。応募先の求人票に書かれている年収の幅も、その会社がどのくらいの金額を想定しているかを知る大切な手がかりです。
「いくらでも」とあいまいに答えてしまう
「いくらでも大丈夫です」「お任せします」といった答えは、謙虚に見えるかもしれませんが、会社にとっては「低い条件でも受け入れてくれる」というサインになります。面接で言ったことは記録され、内定の条件を決めるときの前提になります。あとから「やっぱり上げてほしい」と言っても、まなぶのように聞き入れてもらえないことがあります。
最低ラインと希望ラインを分けて考えていない
希望年収には、「これ以下だと生活が苦しい」という最低ラインと、「これくらいもらえると理想」という希望ラインがあります。この2つを分けて考えていないと、その場で一つの数字に決めきれず、あいまいな答えになってしまいます。生活費から逆算した最低ラインと、相場から考えた希望ラインを、面接の前に決めておくことが大切です。2つの数字が決まっていれば、面接で聞かれたときは希望ラインを伝え、内定後の交渉では最低ラインを下回らないように判断できます。
年収以外の条件と合わせて考えていない
希望年収を考えるときは、年収の数字だけでなく、働き方の変化もあわせて考える必要があります。同じ年収でも、残業代の有無、賞与の回数、住宅手当や退職金の制度によって、実際に受け取るお金や働き方は大きく変わります。年収の数字だけで判断すると、入社してから「思っていたのと違う」となりがちです。内定後に条件を確かめるときの注意点は、内定後の条件確認不足で失敗する人の特徴5選で、内定後の交渉でつまずいた話はオファー面談での年収交渉に失敗した話で紹介しています。
希望年収で失敗する人と、納得できる条件を得る人の違い
面接で希望年収を聞かれる前のチェックリスト
希望年収は、面接の終盤や一次面接の段階で、突然聞かれることも少なくありません。どの段階で聞かれても落ち着いて答えられるよう、次の項目を準備しておきましょう。
- 源泉徴収票で、今の年収の総額(残業代・賞与・手当を含む)を確認した
- 求人票や転職サービスで、自分の経験に近い年収の相場を調べた
- 生活費から逆算した「最低ライン」を決めた
- 相場と経験から考えた「希望ライン」を決めた
- 希望年収の答え方を、根拠と一緒に一文で言えるように練習した
- 年収以外に確かめたい条件(残業代・賞与・手当)を書き出した
答え方の例としては、「現在の年収は残業代と賞与を含めて〇〇万円です。これまでの経験を活かして貢献したいと考えており、〇〇万円以上を希望しています。ただ、御社の評価制度に沿ってご検討いただければと思います」のように、今の年収・希望額・柔軟さの3つを短く伝えるのが基本です。具体的な金額を伝えつつ、相手の制度に合わせる姿勢も見せられます。
転職エージェントを利用している場合は、希望年収の伝え方や交渉を担当者に任せることもできます。まなぶも次の転職では、事前に担当者と相場を確認し、最低ラインと希望ラインを伝えたうえで面接に臨みました。面接の場面ごとの準備を全体から見直したいときは、書類選考・面接の失敗から学ぶでまとめています。
希望年収に根拠を持って答えるために
希望年収は、自分の市場価値を知ることと、交渉を手伝ってくれる人がいることで、ぐっと答えやすくなります。
コンサル特化の転職エージェント【MyVision】
条件面の交渉や、企業ごとの評価制度の違いをプロの視点で整理してもらえるタイプ。希望年収の伝え方や、内定後の条件のすり合わせを任せられるため、面接の場で一人で金額を決めずに済みます。年収以外の条件面もあわせて相談できます。
市場価値から本当のキャリアパスを見出すサービス【ミイダス】
第三者視点で自分の強みや適性、これまでのキャリアの棚卸しを手伝ってもらえるタイプです。自分の経験がどのくらいの年収で評価されそうかを知る手がかりになり、希望年収に根拠を持たせやすくなります。自分では気づきにくい強みを言語化してもらえることも、こうしたサービスの価値の一つです。
まなぶ
みらい
まなぶ面接で希望年収を聞かれて失敗する原因は、準備不足のまま、その場の気持ちで答えてしまうことです。今の年収を正確に知り、相場を調べ、最低ラインと希望ラインを決めておく。それだけで、選考にも響かず、入社後も納得できる条件に近づけます。書類選考や面接の失敗を全体から見直したいときは、書類選考・面接の失敗から学ぶも参考にしてください。
転職そのもので後悔しないためのポイントは、転職して後悔した人の特徴7選もあわせて読んでみてください。

