結論

面接の深掘り質問で失敗しないためには、用意した答えを覚えるだけでなく、「なぜ」「具体的には」「あなた自身は何をしたのか」と3回聞かれても答えられるように、経験の中身を整理しておくことが大切です。面接官は、最初の答えそのものよりも、その奥にある考え方や行動を知るために質問を重ねます。中途採用の面接では、特にこの傾向が強くなります。深掘りに答えられないと、準備した話そのものが「作った話」に見えてしまいます。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、深掘り質問で失敗する原因と、答えられるようになるための準備の方法を解説します。

1失敗ストーリー

2回目の「なぜですか?」で言葉が止まった

面接で「なぜ」と重ねて聞かれて言葉に詰まり、面接官のメモを取る手が止まる中で視線が泳ぐまなぶのイラスト

以前の転職活動で、まなぶは「前職でいちばん成果を出した仕事」の話を、何度も練習していました。営業資料の作り方を見直して、チームの提案の通過率を上げたという話です。最初の答えは、練習どおりすらすらと言えました。

面接官は小さくうなずき、こう続けました。「なぜ、資料の作り方を見直そうと思ったのですか?」。まなぶは「通過率が低かったので…」と答えました。すると、さらに質問が重なります。「通過率が低い原因が、資料にあると判断したのはなぜですか?」「見直しの中で、まなぶさんご自身が具体的にしたことは何ですか?」「反対した人はいませんでしたか? どう説得しましたか?」。

まなぶは言葉に詰まりました。実際には、資料の見直しは先輩が言い出したもので、まなぶは新しい型に合わせて資料を作り直す役でした。チームの成果を、自分の話として大きく語っていたため、細かく聞かれるほど、答えがあいまいになっていきます。「えっと、チームで話し合って…」。同じ言葉を繰り返すうちに、面接官のメモを取る手が止まりました。

面接のあと、まなぶは駅までの道を歩きながら、自分の答えを思い返しました。練習していたのは、最初の答えの言い回しだけ。鏡の前で何十回も繰り返した文章は、2つ目の質問からはまったく役に立ちませんでした。その奥にある「なぜ」も「自分が何をしたか」も、整理していなかったのです。深掘りされて困るのは、話を盛ったからではなく、自分の経験を自分の言葉で分解していなかったからでした。

結果は不合格。まなぶは次の面接までに、話す内容を一から見直すことにしました。「盛った話」をやめて、自分が本当にしたことだけで話を組み立て直そうと決めたのです。

2原因分析

面接の深掘り質問で失敗する原因

1

最初の答えの「言い回し」だけを練習している

面接の練習というと、答えを文章にして覚えることに力を入れがちです。しかし、面接官が知りたいのは、覚えた文章ではなく、その人の考え方や行動の中身です。言い回しだけを覚えていると、少し角度を変えて聞かれただけで答えられなくなります。練習するなら、答えの文章よりも、話の骨組み(状況・課題・自分の行動・結果)を整理することが大切です。骨組みさえ頭に入っていれば、言葉は多少違っても、どんな角度の質問にも同じ中身で答えられます。

2

チームの成果と自分の役割を分けていない

仕事の成果は、チームで出したものがほとんどです。それ自体は問題ありません。問題になるのは、チームの成果を自分一人の成果のように話してしまうことです。面接官は「あなた自身は何をしたのか」を必ず確かめにきます。チームの中で自分が担った役割を、小さくても正直に話せるほうが、ずっと信頼されます。「先輩の提案を受けて、自分はこの部分を担当した」と言えるだけで、話の信頼性は大きく変わります。

3

「なぜそうしたのか」を説明できない

深掘り質問で最もよく聞かれるのが「なぜ」です。なぜその課題に気づいたのか、なぜその方法を選んだのか、なぜほかの方法ではなかったのか。行動の理由を説明できると、その人がどう考えて仕事をするのかが伝わります。逆に、理由が出てこないと、たまたまうまくいった話に聞こえてしまいます。理由は立派なものである必要はなく、「数字を見て、ここが原因だと考えた」といった、そのときの判断の流れが伝われば十分です。

4

うまくいかなかったことを隠そうとする

「反対はありませんでしたか」「うまくいかなかったことは」といった質問に、「特にありませんでした」と答えると、話が表面的に聞こえます。困ったことや失敗したこと、それをどう乗り越えたかを話せると、話に厚みが出ます。失敗から学んだことを話せる人は、入社後も困難に向き合える人だと受け取られます。うまくいった話の中に、つまずいた場面を一つ入れておくだけで、話は一気に本物らしくなります。面接で失敗しやすい振る舞い全体については、面接で失敗する人の特徴5選でも紹介しています。

5

職務経歴書に書いたことを掘り下げていない

深掘り質問の多くは、職務経歴書に書いた内容から出てきます。書類に書いた実績の一つひとつについて、数字の根拠や、自分の関わり方を説明できるようにしておく必要があります。書いたけれど話せない実績は、かえって信頼を下げてしまいます。書類に数字を書いたなら、その数字をどう測ったのか、比べる前の数字はいくつだったのかまで答えられるようにしておきましょう。職務経歴書の書き方で気をつけたいことは、職務経歴書で失敗しない方法で紹介しています。

3図解

深掘り質問で失敗する人と、答えられる人の違い

⚠ 深掘り質問で失敗する人のパターン
最初の答えの文章だけを覚えて面接に臨む
↓
チームの成果を、自分の成果のように話す
↓
「なぜ」「自分は何をしたか」を聞かれて言葉に詰まる
↓
準備した話そのものが「作った話」に見えてしまう
◎ 深掘り質問に答えられる人のパターン
話の骨組み(状況・課題・行動・結果)を整理する
↓
チームの成果の中で、自分の役割と理由を言葉にしておく
↓
うまくいかなかったことと、そこから学んだことも準備する
↓
質問が重なるほど、考え方や人柄が伝わっていく
4解決策

面接の深掘り質問で失敗しないための準備の方法

深掘り質問への準備は、話したいエピソードを一つずつ「分解」していく作業です。次の手順で、主なエピソードを2〜3個整理してみましょう。

  • 話したいエピソードを、状況・課題・自分の行動・結果の4つに分けて書き出した
  • チームの成果の中で、自分が担った役割を正直に書き出した
  • 「なぜそう判断したのか」の理由を、自分の言葉で説明できるようにした
  • うまくいかなかったこと、反対があったこと、どう乗り越えたかを準備した
  • 職務経歴書の実績ごとに、数字の根拠と自分の関わりを説明できるようにした
  • 家族や友人に「なぜ?」を3回聞いてもらい、答えられるか試した

特に効果があるのは、誰かに「なぜ?」「具体的には?」と何度も聞いてもらう練習です。自分一人では気づかなかった説明の穴が、質問されることで見えてきます。まなぶは次の面接までに、資料の見直しの話を「先輩の提案を受けて、自分は営業メンバー5人に聞き取りをし、通らなかった提案の共通点を3つにまとめた」と、自分の役割に絞って話せるように整理し直しました。すると、深掘りされるほど話が具体的になり、面接官の反応も変わっていきました。小さな役割でも、自分の言葉で語れることの強さを、まなぶは実感しました。

話す内容の軸がそろっていると、深掘りにも一貫した答えを返せます。書類と面接の話をそろえる考え方は、書類選考・面接の失敗から学ぶで紹介しています。

5おすすめサービス

深掘り質問に強くなるために

深掘り質問への準備は、第三者に質問してもらうことと、自分の経験を言葉にすることの両方で進めると効果的です。

A
模擬面接で練習したい人向け

コンサル特化の転職エージェント【MyVision】

実際の面接に近い形式で練習でき、客観的なフィードバックがもらえるタイプです。「なぜ」「具体的には」と重ねて聞かれる練習ができるため、答えの穴に本番前に気づけます。伝え方の癖は自分では気づきにくいため、第三者からの指摘が特に有効です。

対策してみる

B
キャリアを整理してから動きたい人向け

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これまでの経験や実績を、第三者と一緒に言語化していけるタイプです。チームの成果の中で自分が果たした役割や、判断の理由を引き出してもらえることがあります。経験を自分の言葉で分解できていると、深掘り質問にも落ち着いて答えられます。

相談してみる

まなぶまなぶ
最初の答えはすらすら言えたのに、「なぜ?」を2回聞かれたら何も出てこなくなりました…。
みらいみらい
深掘り質問は、覚えた言葉ではなく、経験の中身を確かめる質問です。自分の役割と判断の理由を、自分の言葉で分解しておきましょう。
まなぶまなぶ
エピソードを4つに分けて書き出して、「なぜ?」を3回聞いてもらう練習をします!

面接の深掘り質問で失敗しないために大切なのは、答えを覚えることではなく、経験を分解しておくことです。状況・課題・行動・結果を整理し、自分の役割と判断の理由、うまくいかなかったことまで言葉にしておけば、質問が重なるほど自分らしさが伝わります。書類選考や面接の失敗を全体から見直したいときは、書類選考・面接の失敗から学ぶも参考にしてください。

転職そのもので後悔しないためのポイントは、転職して後悔した人の特徴7選もあわせて読んでみてください。

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