結論

オンライン会議で失敗する人の多くは、「画面越しでも、対面と同じように話せば伝わるはず」と考えて、事前の準備も、相手の反応の確かめ方も変えないまま、会議に臨んでしまう人です。オンライン会議では、表情やうなずきが見えにくく、音声や画面の共有のちょっとした不具合で、話が途切れることもあります。気づかないまま一方的に話し続けると、肝心なことが相手に届きません。オンライン会議は「対面の会議を画面に移したもの」ではなく、「伝わったかを、こまめに確かめる会議」です。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、オンライン会議で失敗した原因と、画面越しでも伝わる進め方を解説します。

1失敗ストーリー

途中から、自分の声が届いていなかった話

オンライン会議のあと、真っ暗なパソコンの画面の前で、声が届いていなかったことに肩を落とすまなぶのイラスト

今年の7月、まなぶは、遠くの県にある取引先と、初めてオンライン会議で新しい販促の提案をすることになりました。相手は、取引先の部長と担当者の2人。いつもなら直接会いに行くところですが、今回は移動の時間を省くために、画面越しでの提案になりました。まなぶは、「資料はいつもと同じだし、話す内容も練習してある。場所が変わるだけだ」と気楽に考えていました。

会議が始まると、まなぶは資料の画面を共有しようとして、つまずきました。開いていたファイルがたくさんあり、どの画面を共有すればよいのか分からず、相手を2分ほど待たせてしまったのです。ようやく資料を映すと、まなぶは安心して、30分ほど一気に説明を続けました。相手のカメラは小さく映っているだけで、うなずいているのかどうかもよく分かりません。それでも、「何も言われないから、伝わっているのだろう」と思っていました。

説明を終えて「いかがでしょうか」と聞くと、少し間があってから、部長が言いました。「すみません、途中から声が途切れていて、費用のところがほとんど聞こえませんでした」。まなぶの家の通信が、説明の後半で不安定になっていたのです。チャットの欄を見ると、担当者から「音声が途切れています」という書きこみが、10分も前に届いていました。まなぶは、資料を読むのに夢中で、相手の反応も、チャットも、まったく見ていなかったのです。

残りの時間で費用の部分を説明し直しましたが、会議の時間は足りなくなり、部長は次の予定のために途中で抜けてしまいました。提案の結論は、また後日ということになりました。会議が終わったあと、まなぶは、真っ暗になったパソコンの画面に映る自分の顔を見つめて、ため息をつきました。「画面の向こうに人がいることを、ちゃんと考えていなかったんだな」。

2原因分析

オンライン会議で失敗した5つの原因

1

接続や画面の共有を、事前に試していなかった

オンライン会議では、通信や音声、画面の共有など、対面にはない準備が必要です。まなぶは、資料の中身は準備していましたが、共有のしかたや通信の具合は試していませんでした。会議の前に、使うツールで音声とカメラ、画面の共有を一度試し、共有する資料だけを開いておくことが大切です。通信が不安定になりそうな場所なら、会社の会議室を使う、有線でつなぐなど、早めに手を打っておきましょう。

2

相手の反応を、確かめずに話し続けた

対面なら、相手の表情やうなずきから、伝わっているかどうかを感じ取れます。けれども、画面越しではそれが分かりにくくなります。5分から10分ごとに、「ここまでで分かりにくいところはありますか」と区切って聞くようにしましょう。区切って聞くことで、通信の不具合や、相手の疑問にも早く気づけます。相手も、途中で質問しやすくなります。

3

チャットの欄を、見ていなかった

オンライン会議では、声に出して言いにくいことや、音声の不具合の知らせが、チャットに書きこまれることがよくあります。まなぶは、説明に夢中で、10分前に届いた書きこみに気づきませんでした。話す人とは別に、チャットや相手の様子を見る役を、同僚にお願いしておくと安心です。一人で進めるときは、区切りのたびにチャットの欄を見るように、資料のページの中に小さな目印を入れておくのも一つの方法です。

4

結論を、最後まで言わなかった

画面越しの会議では、相手の集中が途切れやすく、急な用事で途中から抜ける人もいます。まなぶの場合も、部長が途中で抜けたことで、提案の結論を伝えきれませんでした。最初に「今日お伝えしたいことは3つです」と結論を先に伝えておくと、途中で何かあっても、大事なことは相手に残ります。資料の最初のページに、結論と、相手に決めてほしいことをまとめておきましょう。会議のあとには、要点をメールで送って、伝わった内容を確かめることも大切です。

5

カメラや声の出し方に、気を配っていなかった

カメラの位置が低かったり、部屋が暗かったりすると、相手からは表情が見えにくくなります。声が小さいと、少しの雑音で聞き取りにくくなります。オンライン会議では、対面よりも少しはっきりと、ゆっくり話すことを意識しましょう。カメラは目の高さに合わせ、顔に明かりが当たる場所に座ると、相手に表情が伝わりやすくなります。表情が見えると、相手も安心して話を聞くことができます。小さな工夫ですが、画面越しの印象は大きく変わります。

3図解

対面と同じつもりで話す人と、伝わったかを確かめる人の違い

⚠ オンライン会議で失敗する人のパターン
接続や画面の共有を、試さないまま会議に入る
↓
相手の反応を確かめず、資料を一気に読み上げる
↓
チャットの欄を見ず、結論を最後まで言わない
↓
声や話が途中で届かず、肝心なことが伝わらない
◎ オンライン会議を上手に進める人のパターン
音声・カメラ・画面の共有を、事前に試しておく
↓
最初に結論を伝え、5〜10分ごとに区切って確かめる
↓
チャットや相手の様子を見ながら進め、あとで要点を送る
↓
画面越しでも話がきちんと伝わり、次の話し合いにつながる
4解決策

オンライン会議で失敗しないためのチェックリスト

オンライン会議の前と最中に、次の項目を確かめてみてください。準備の5分が、会議の30分を守ってくれます。

  • 使うツールで、音声・カメラ・画面の共有を事前に試した
  • 共有する資料だけを開き、ほかの画面は閉じておいた
  • 通信が安定した場所で、会議に入っている
  • 最初に、今日伝えたいことと決めてほしいことを伝えた
  • 5〜10分ごとに区切って、分かりにくいところがないか聞いた
  • チャットの欄を、区切りのたびに見ている
  • 会議のあとに、要点をメールで送った

まなぶは、後日の会議を、会社の会議室から開くことにしました。前の日に、同僚に相手役になってもらい、画面の共有と音声を試しておきました。会議の最初には、「今日は、費用と進め方の2つをお伝えして、来月から始めるかどうかをご相談したいです」と伝え、説明は3つに区切って、そのたびに質問がないかを聞きました。同僚にはチャットを見てもらい、会議のあとには要点をまとめたメールを送りました。部長からは「今回はとても分かりやすかった」と返事があり、提案は来月から始まることになりました。チャットやメールの伝え方については、チャットやメールの伝え方で失敗しない方法でも紹介しています。「画面越しだからこそ、伝わったかを確かめないといけないんだな」。まなぶは、そう思っています。

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オンライン会議を上手に進めるには、会議のツールやパソコンの使い方に慣れておくことと、チームで会議の進め方の決まりを整えることが役立ちます。

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まなぶまなぶ
30分も説明したのに、途中から声が届いていなかったなんて…。チャットも見ていませんでした。
みらいみらい
オンライン会議は、伝わったかをこまめに確かめる会議です。事前に接続と画面の共有を試して、最初に結論を伝えましょう。5〜10分ごとに区切って質問を聞き、チャットも見ながら進めると安心です。
まなぶまなぶ
画面の向こうの人の様子を、自分から確かめにいかないといけないんですね。

オンライン会議で失敗する原因は、対面と同じつもりで、事前の準備も相手の反応の確かめ方も変えないまま、一方的に話し続けてしまうことです。接続と共有を試し、結論を先に伝え、区切って確かめ、チャットを見て、あとで要点を送る。それだけで、画面越しでもしっかり伝わる会議になります。報連相とコミュニケーションで失敗しないための考え方は、報連相とコミュニケーションの失敗から学ぶでまとめています。

報連相・コミュニケーションについては、雑談が苦手で失敗する人の特徴5選や上司への反論で後悔する理由もあわせて読んでみてください。

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