資格選びの失敗から学ぶ
資格選びの失敗には、共通する根っこがあります。それは、「取れば何かの役に立つ」と、資格そのものに期待をあずけて、自分の目的・合格までの道のり・取ったあとの使い道を、選ぶ前に確かめないことです。ランキングの上位だからと選ぶ、取りやすい資格を次々に集める、価値の高さだけで難しい資格に挑む。どれも、選ぶ前に少し立ち止まっていれば防げた失敗です。資格選びは「何を取るか」から始めるのではなく、「取って何をしたいか」から始めるものです。この記事では、まなぶの振り返りをもとに、資格選びでつまずきやすい場面を3つに分けて、それぞれ読んでほしい記事を紹介します。
本棚の奥から出てきた、2冊のテキスト
11月の休日、まなぶは、部屋の本棚を整理していました。奥のほうから出てきたのは、ほとんど開いていない2冊のテキストでした。1冊は、3年前に「今年取るべき資格ランキング」の1位を見て買った、不動産の国家資格のテキスト。もう1冊は、今年の1月に申し込んだ、簿記2級の通信講座のテキストです。どちらも、途中で勉強をやめてしまったものでした。ページの端には、最初の数週間だけ引いた蛍光ペンの線が残っていて、そこから先は、ほとんど真っ白のままでした。払った受講料やテキスト代のことを考えると、まなぶは少し胸が痛みました。
まなぶは、床に座りこんで、2冊を並べてみました。3年前は、これからの働き方に迷っていて、「人気の資格を取れば道が開ける」と思っていました。今年は、「数字に強くなれば評価される」と思い、資格の中身もよく確かめないまま講座に申し込みました。どちらも、「取って何をしたいのか」を一度も考えていなかったことに気づきました。選ぶきっかけはランキングや評価への期待で、選んだあとも、合格までにどれくらいかかるのか、取ったあとに仕事でどう使うのかを、きちんと確かめたことはありませんでした。
まわりの人の話も思い出しました。同じビルで働くAさんは、3年で4つの資格を取ったのに、どれも仕事で使えていないと話していました。打ちっぱなしで会うAさんは、3年かけて難関の資格に挑み、職場がすぐに必要としていた資格を見落としていたそうです。まなぶは、2冊のテキストをそっと重ねながら、気づきました。資格選びのつまずきは、何を取るか迷うとき・難しさや時間を見積もるとき・取ったあとの使い道を考えるときの、3つの場面に集まっていたのです。
資格選びでつまずきやすい3つの場面
何の資格を取るか、迷っているとき
よくある失敗は、ランキングや「人気の資格」の言葉を、自分への答えだと思って選んでしまうことです。人気の資格が、自分に必要な資格とは限りません。上位の資格を、「自分の仕事や目的に、どうつながるか」で一つずつ確かめるのが基本です。まず今日できるのは、気になる資格を一つ選び、「この資格で何をしたいか」を手帳に一行書いてみることです。この場面でよくあるサインは、「その資格を選んだ理由を聞かれると、『人気だから』としか答えられない」ことです。迷いが大きいときは、資格を探す前に、自分の強みやこれからやりたい仕事を整理してみると、選ぶ軸が見えてきます。
この場面で読んでほしい記事
- ランキングをきっかけとして上手に使う:人気ランキングで資格を選んで失敗した話
- 資格の前に、自分の強みを整理する:キャリアの棚卸しで失敗する人の特徴5選
資格の難しさや、かかる時間を見積もるとき
よくある失敗は、「どうせ取るなら価値の高い資格を」と、合格までの道のりや、職場で必要とされている資格を確かめずに、大きな目標に挑んでしまうことです。目的・必要とされる場面・合格までの道のり・取ったあとの使い道の4つを比べて選ぶことが大切です。まず今日できるのは、上司や人事担当に「今の職場で必要とされている資格はありますか」と聞いてみることです。この場面でよくあるサインは、「合格までに何年かかるかを、調べないまま勉強を始めている」ことです。家族の予定や仕事の忙しい時期も、何年か先まで見通しておきましょう。いきなり大きな目標に挑むより、目的に近い分野の取りやすい資格から積み上げるほうが、途中でも学びを仕事に生かせます。
この場面で読んでほしい記事
- 4つの視点で、自分に合う資格を比べる:資格の選び方で失敗しない方法
取ったあとの使い道を、考えるとき
よくある失敗は、「持っていて損はない」と考えて、使い道を確かめないまま、取りやすい資格を次々に集めてしまうことです。合格の証書は増えても、仕事や評価は変わりません。会社の資格手当や評価の決まり、求人で求められていることを確かめ、使う場面から逆に資格を選ぶのがコツです。まず今日できるのは、これまでに取った資格と、それを使った場面を書き出してみることです。この場面でよくあるサインは、「資格の数は多いのに、仕事で使った場面を一つも思い出せない」ことです。上司に「この資格を、今の仕事で生かせますか」と聞いてみるだけでも、使い道が見えてくることがあります。仕事を変えるために資格を取るなら、求人で資格と経験のどちらが重く見られているかも確かめておきましょう。
この場面で読んでほしい記事
- 使う場面から資格を選ぶ:役に立たない資格を取って後悔する理由
資格に期待をあずける人と、目的から選ぶ人の違い
今の自分がどの場面にいるかを確かめるチェックリスト
当てはまる項目が多い場面ほど、資格を選ぶ前に立ち止まる効果が大きい場面です。いくつ当てはまっても、落ち込む必要はありません。気になる場面の記事から読んでみてください。
- ランキングの上位の資格が、気になっている(場面1)
- その資格を選んだ理由を、「人気だから」としか言えない(場面1)
- 合格までに何年かかるかを、まだ調べていない(場面2)
- 職場で必要とされている資格を、聞いたことがない(場面2)
- 取りやすい資格を、次々に取っている(場面3)
- 取った資格を、仕事で使った場面を思い出せない(場面3)
3つの場面は、どれも「取って何をしたいかを、選ぶ前に決める」ことでつながっています。資格は、それだけで人生を変えてくれる魔法ではなく、目的に近づくための道具です。道具を選ぶ前に、行き先を決めておくことが大切です。まなぶは、2冊のテキストを本棚に戻す前に、手帳に「取引先の数字を読み解いて、企画の根拠を示せるようになる」と書きこみました。次に資格を選ぶときは、この一行から考えると決めたのです。行き先が決まれば、必要な資格も、勉強のしかたも、自然と見えてきます。資格を選んだあとの勉強の進め方や、講座の選び方でつまずかないためのヒントは、このカテゴリのほかのテーマでも紹介していきます。
資格と学び直しで後悔しないために
資格選びの最初の一歩は、自分の強みを知ることです。目的がはっきりしたら、その目的に合う資格と講座を比べて選びましょう。
市場価値から本当のキャリアパスを見出すサービス【ミイダス】
第三者視点で、自分の強みや適性、これまでのキャリアの棚卸しを手伝ってもらえるタイプです。自分の強みが分かると、その強みを伸ばすための資格はどれかを考えやすくなります。
資格取得・キャリアアップの【ヒューマンアカデミー】
幅広い分野の資格講座がそろっていて、目的に合うものを比べて選べるタイプです。「取って何をしたいか」が決まったら、その目的に合う資格と講座を、無料の相談で確かめてから選ぶと安心です。
まなぶ
みらい
まなぶ資格選びの失敗の根っこは、取れば何かの役に立つと資格に期待をあずけて、目的・合格までの道のり・取ったあとの使い道を、選ぶ前に確かめないことです。迷ったときは目的とのつながりを、見積もるときは4つの視点を、使い道を考えるときは使う場面から逆に。資格選びの記事は、資格選びの記事一覧からすべて読むことができます。
勉強のしかたや講座の選び方など、資格と学び直しのほかの場面の失敗もあわせて知りたいときは、資格取得で失敗する人の特徴7選も読んでみてください。

