結論

未経験からのキャリアチェンジの失敗には、共通する根っこがあります。それは、「やりたい気持ちがあれば、なんとかなる」と、仕事の中身を確かめること、これまでの経験とつなげること、お金と時間の備えをすることを、省いたまま動いてしまうことです。「未経験OK」の言葉だけで求人を選ぶ、焦って手当たりしだいに応募する、やる気だけを伝える、年収が下がったあとの暮らしを考えない。どれも、少し立ち止まって準備していれば防げた失敗です。キャリアチェンジは「ゼロからのやり直し」ではなく、「これまでの自分と新しい仕事をつなげる準備」です。この記事では、まなぶの振り返りをもとに、つまずきやすい場面を4つに分けて、それぞれ読んでほしい記事を紹介します。

1失敗ストーリー

書店の棚の前で思い出した、2年前の4つのつまずき

11月の夜、駅前の書店のキャリアチェンジの本の棚の前で、2年前の転職活動を振り返るまなぶのイラスト

11月の初めの夜、まなぶは、会社の帰りに駅前の大きな書店に立ち寄りました。仕事の本の棚の前を歩いていると、「未経験からのキャリアチェンジ」と書かれた特集のコーナーが目に入りました。並んだ本の背表紙を眺めているうちに、まなぶは、2年前の転職活動のことを思い出していました。

2年前、まなぶは、未経験のマーケティング職を目指していました。「未経験OK」の言葉に安心して応募した会社は、仕事の中身が電話の営業で、選考を辞退するまでに2週間を使ってしまいました。自己PRには「学ぶ意欲は誰にも負けません」としか書けず、前の会社で取引先の声を聞いてきた経験を、自分で「関係ない」と切り捨てていました。最後に、その経験を企画に生かせる営業企画の仕事に出会えたことで、今の会社に入ることができたのです。

まわりの人の話も思い出しました。寮の先輩のAさんは、34歳で「今しかない」と焦り、半年で40社に応募しても書類がほとんど通らなかったそうです。図書館で知り合ったAさんは、念願のWebデザインの仕事に就いたのに、年収が下がったあとの家計を考えておらず、1年で貯金が半分になったと話していました。まなぶは、手に取った本をそっと棚に戻しながら、それぞれの失敗が、「やりたい気持ち」だけで、確かめることやつなげること、備えることを省いたことでつながっていると気づきました。未経験からのキャリアチェンジのつまずきは、仕事を選ぶとき・年齢や立場から挑戦するとき・経験を伝えるとき・年収や暮らしが変わるときの、4つの場面に集まっていたのです。

2場面別の案内

未経験からのキャリアチェンジでつまずきやすい4つの場面

1

未経験の職種や業界を、選ぶとき

よくある失敗は、「未経験OK」「歓迎」といった言葉や、職種の名前のイメージだけで、仕事の中身を確かめずに選んでしまうことです。入ってから「思っていた仕事と違う」と気づくことになります。なぜ未経験でもよいのか、1日の仕事の流れと最初の1年の担当は何かを確かめるのが基本です。まず今日できるのは、気になる求人を一つ選び、仕事内容の欄から「1年目にやること」を書き出してみることです。この場面でよくあるサインは、「職種の名前は分かるけれど、毎日何をするのかは説明できない」ことです。

2

30代など、年齢や今の立場から挑戦するとき

よくある失敗は、「年齢的に今しかない」と焦って、学ぶ準備をしないまま、手当たりしだいに応募してしまうことです。応募の数は増えても、一つひとつの準備が浅くなり、書類が通らなくなります。2〜3か月の準備の期間をとり、新しい仕事を学んで小さく試してから動くことが大切です。まず今日できるのは、新しい仕事について、基本を学べる本を一冊選ぶことです。この場面でよくあるサインは、「応募した数は多いのに、面接で『何を勉強していますか』に答えられない」ことです。

3

これまでの経験を、伝えるとき

よくある失敗は、「未経験だから伝えられるのはやる気だけ」と考えて、前の仕事の経験を「関係ない」と切り捨ててしまうことです。熱意の言葉だけでは、ほかの応募者との違いが伝わりません。前の仕事を「何を・誰のために・どう工夫したか」で書き出し、新しい仕事の場面とつなげて話すのがコツです。まず今日できるのは、前の仕事で工夫したことを3つ書き出してみることです。この場面でよくあるサインは、「自己PRが、どの会社にも同じ言葉になっている」ことです。

4

年収や暮らしが、変わるとき

よくある失敗は、「やりたい仕事なら、年収が下がっても大丈夫」と考えて、手取りや家計の見通し、収入を戻すまでの道筋を確かめないまま飛びこんでしまうことです。年収ではなく手取りで比べ、転職の前に家計を見直し、生活費の備えを分けておくと、新しい仕事に集中できます。まず今日できるのは、毎月決まって出ていくお金を書き出してみることです。この場面でよくあるサインは、「新しい仕事の年収は知っているけれど、毎月の手取りは計算していない」ことです。昇給の仕組みも、内定の段階で確かめておきましょう。

3図解

気持ちだけで動く人と、準備してつなげる人の違い

⚠ 未経験からのキャリアチェンジで失敗する人のパターン
求人の言葉や職種の名前だけで、仕事を選ぶ
↓
焦って手当たりしだいに応募し、やる気だけを伝える
↓
年収が下がったあとの暮らしを、考えないまま飛びこむ
↓
選考が通らないか、入社してから仕事やお金のことで後悔する
◎ 未経験からのキャリアチェンジを成功させる人のパターン
仕事の中身と、未経験の人を採用する理由を確かめる
↓
準備の期間をとって学び、これまでの経験を新しい仕事につなげる
↓
手取りと家計の見通しを立て、収入を戻す道筋を描く
↓
納得できる仕事を選び、新しい職種で着実に経験を積める
4解決策

今の自分がどの場面にいるかを確かめるチェックリスト

当てはまる項目が多い場面ほど、少し立ち止まって準備する効果が大きい場面です。いくつ当てはまっても、落ち込む必要はありません。気になる場面の記事から読んでみてください。

  • 「未経験OK」の言葉に、安心して応募しようとしている(場面1)
  • 新しい仕事で毎日何をするのか、説明できない(場面1)
  • 「年齢的に今しかない」と、焦って応募を始めている(場面2)
  • 新しい仕事について、まだ何も学んでいない(場面2)
  • 前の仕事の経験は、新しい仕事には関係ないと思っている(場面3)
  • 自己PRが、どの会社にも同じ言葉になっている(場面3)
  • 新しい仕事の手取りや、昇給の仕組みを確かめていない(場面4)

4つの場面は、どれも「やりたい気持ちに、準備を足す」ことでつながっています。キャリアチェンジは、勇気だけでするものではありません。仕事の中身を確かめ、これまでの自分とつなげ、お金と時間の備えをすることで、挑戦はぐっと現実的になります。まなぶも、書店を出る前に、手帳に「確かめる・つなげる・備える」と3行書きこみました。今の仕事の次の一歩を考えるときにも、この3つを忘れないようにしたいと思ったのです。

5おすすめサービス

キャリアチェンジで後悔しないために

未経験からのキャリアチェンジでは、自分が仕事に求める価値観を知ることと、これまでの経験を客観的に整理することが、最初の一歩になります。

A
仕事選びの価値観を重視したい人向け

転職・求人情報ならリクルートの転職サイト【リクナビNEXT】

かんたんな質問に答えるだけで、仕事探しに役立つ自分の価値観のヒントが分かるタイプです。未経験の職種を選ぶ前に、自分が仕事に何を求めているかを確かめると、言葉やイメージだけで選ぶ失敗を防ぎやすくなります。

適職診断してみる

C
自分の市場価値やキャリアの方向性を客観視したい人向け

市場価値から本当のキャリアパスを見出すサービス【ミイダス】

第三者視点で、自分の強みや適性、これまでのキャリアの棚卸しを手伝ってもらえるタイプです。前の仕事の経験のうち、新しい職種で生かせる力を見つけるきっかけになります。

診断してみる

まなぶまなぶ
やりたい気持ちだけで、仕事の中身も、自分の経験も、お金のことも確かめずに動いていました…。
みらいみらい
キャリアチェンジは、ゼロからのやり直しではなく、これまでの自分と新しい仕事をつなげる準備です。仕事を選ぶとき、年齢や立場から挑戦するとき、経験を伝えるとき、年収や暮らしが変わるとき。場面ごとに、確かめる・つなげる・備えるを足していきましょう。
まなぶまなぶ
やりたい気持ちに、準備を足せばいいんですね。

未経験からのキャリアチェンジの失敗の根っこは、やりたい気持ちだけで、仕事の中身を確かめること、経験とつなげること、お金と時間の備えをすることを省いてしまうことです。仕事を選ぶときは中身と採用の理由を、挑戦するときは準備の期間を、経験を伝えるときは新しい仕事との橋を、年収が変わるときは家計の設計を。未経験・キャリアチェンジの記事は、未経験・キャリアチェンジの記事一覧からすべて読むことができます。

転職を考え始めたときの判断から入社後まで、転職のほかの場面の失敗もあわせて知りたいときは、転職して後悔した人の特徴7選も読んでみてください。

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