結論

「未経験OK」の求人で後悔する人の多くは、「未経験でも歓迎してくれる会社なら、安心して挑戦できる」と考えて、なぜ未経験でもよいのか、入ってから何をする仕事なのかを確かめないまま応募してしまう人です。「未経験OK」の言葉の裏には、育てる仕組みが整っている会社もあれば、人の出入りが多く、すぐに人を集めたい会社もあります。仕事の中身が、思っていたものとまったく違うこともあります。「未経験OK」は「安心の印」ではなく、「なぜ未経験でもよいのかを確かめるべき合図」です。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、「未経験OK」の求人で後悔する理由と、求人の見極め方を解説します。

1失敗ストーリー

「マーケティング職」の中身が、電話の営業だった話

夏の夕方の帰りの電車で、「未経験OK」の言葉だけで求人を選んだことを悔やみ、窓に映る自分を見つめるまなぶのイラスト

2年前の夏、まなぶは、未経験のマーケティング職への転職を目指して、転職活動を続けていました。応募しても不採用が続き、少しあせり始めていたころ、ある求人が目にとまりました。「未経験OK!マーケティングスタッフ募集。研修制度充実、20代・30代が活躍中」。明るい写真と前向きな言葉が並び、まなぶは「ここなら、未経験の自分でも挑戦させてもらえる」と、すぐに応募しました。

書類はすぐに通り、一次面接もとんとん拍子に進みました。二次面接の前の日、まなぶは「ついにマーケティングの仕事ができるかもしれない」と、うきうきしていました。ところが、二次面接で仕事の内容をくわしく聞くと、話が少しずつ変わっていきました。「最初の1年は、新規のお客様への電話でのご案内が中心です。1日に100件ほどお電話していただきます。成果が出れば、企画の仕事にも関われますよ」。

まなぶは、言葉に詰まりました。「マーケティングスタッフ」と書かれていた仕事の中身は、実際には、広告の枠を売る電話営業だったのです。さらに聞くと、同じ職種の人の多くが1年以内に入れかわっていることも分かりました。「未経験OK」の言葉に安心して、なぜ未経験でもよいのか、入ってから何をするのかを、一度も確かめていなかったのです。

まなぶは、その日のうちに選考を辞退しました。けれども、その会社の面接の準備に使った2週間のあいだに、本当に行きたかった別の会社の応募の締め切りを逃していました。帰りの電車の窓に映る自分の顔を見ながら、まなぶは「言葉だけで選んで、大事な時間を使ってしまった」と、ため息をつきました。

2原因分析

「未経験OK」の求人で後悔する理由

1

なぜ未経験でもよいのかを、考えていなかった

会社が「未経験OK」とする理由は、さまざまです。研修や教える仕組みが整っていて、育てる前提で採用している会社もあります。一方で、人がすぐに辞めてしまい、とにかく人数を集めたい会社もあります。求人を見たら、「この会社は、なぜ未経験の人を採用するのか」を考え、面接でも確かめることが大切です。「未経験で入った人は、入社後どんな流れで仕事を覚えていますか」と聞けば、育てる仕組みがあるかどうかが見えてきます。

2

職種の名前だけで、仕事の中身を判断した

求人の職種の名前は、会社によって使い方がちがいます。「マーケティング」「企画」「コンサルタント」といった名前でも、実際の仕事の中心は営業やサポートのこともあります。職種の名前ではなく、「1日の仕事の流れ」と「最初の1年で担当すること」を確かめるようにしましょう。求人票の仕事内容の欄を読み、分からないところは面接で具体的に聞くことが大切です。名前と中身のずれに早く気づければ、時間を無駄にせずにすみます。

3

人が入れかわる理由を、確かめていなかった

「20代・30代が活躍中」「急成長中」という言葉は、魅力的に見えます。けれども、若い人が多いのは、人の入れかわりが激しいからという場合もあります。同じ職種で働く人が、どのくらいの期間働いているのか、どんなキャリアに進んでいるのかを確かめると、その仕事の実態が見えてきます。会社の口コミや、実際に働いている人の声も参考になります。いつも同じ求人が出続けていないかを見るのも、一つの手がかりです。

4

求人の言葉の明るさに、安心してしまった

未経験の転職では、不採用が続くとあせりが生まれ、「歓迎します」という言葉に気持ちが引き寄せられやすくなります。明るい言葉が並んでいる求人ほど、仕事内容・給与の内訳・研修の中身を、ほかの求人と同じ目線で冷静に見ることが大切です。給与に、成果によって変わる部分がどのくらい含まれているかも確かめておきましょう。安心できる言葉よりも、具体的に書かれている情報を頼りにすることが、後悔しない求人選びにつながります。

5

一つの求人に、時間をかけすぎていた

まなぶは、一つの会社の選考に気持ちを集中させるあまり、ほかの会社の応募の締め切りを逃してしまいました。未経験の転職では、思わぬところで選考が止まることも少なくありません。いくつかの会社の選考を同じ時期に進め、それぞれの締め切りや面接の予定を一覧で管理しておきましょう。仕事の中身に疑問を感じた時点で、早めに見切りをつけることも、時間を守るための大切な判断です。違和感を覚えたら、その場でメモに残しておくと、冷静に振り返ることができます。迷ったときは、転職のプロや信頼できる人に意見を聞くのも一つの方法です。

3図解

言葉で選ぶ人と、中身を確かめて選ぶ人の違い

⚠ 「未経験OK」の求人で後悔する人のパターン
「未経験OK」の言葉に安心して、すぐに応募する
↓
職種の名前だけで、仕事の中身を思いこむ
↓
なぜ未経験でもよいのか、人の入れかわりを確かめない
↓
思っていた仕事と違うと分かり、大事な時間を失ってしまう
◎ 「未経験OK」の求人を上手に見極める人のパターン
なぜ未経験の人を採用するのかを考え、育てる仕組みを聞く
↓
1日の仕事の流れと、最初の1年の担当を確かめる
↓
働く人の期間や口コミを調べ、ほかの選考も並行して進める
↓
納得できる会社を選べて、未経験からの挑戦を続けられる
4解決策

「未経験OK」の求人で後悔しないためのチェックリスト

「未経験OK」の求人に応募する前と、面接のときに、次の項目を確かめてみてください。少し立ち止まって確かめるだけで、ミスマッチを防ぎやすくなります。

  • この会社がなぜ未経験の人を採用するのか、考えた
  • 未経験で入った人が、どのように仕事を覚えているかを聞いた
  • 職種の名前ではなく、1日の仕事の流れを確かめた
  • 最初の1年で担当する仕事を、具体的に確かめた
  • 給与のうち、成果によって変わる部分を確かめた
  • 同じ職種の人がどのくらい働いているか、口コミも調べた
  • ほかの会社の選考も、同じ時期に進めている

まなぶは、そのあとの転職活動で、求人を見るたびに「なぜ未経験でもよいのか」「1年目に何をするのか」をノートに書き出すようにしました。面接では、必ず1日の仕事の流れと、未経験で入った人のその後を聞きました。そうして選んだのが、今の会社の営業企画の仕事です。最初の求人には「未経験OK」とは書かれていませんでしたが、仕事の中身と、取引先の声を企画に生かしてほしいという期待がはっきり書かれていました。「明るい言葉よりも、具体的な言葉を信じればよかったんだな」。まなぶは、今の職場の窓から見える空を見ながら、そう思っています。

5おすすめサービス

キャリアチェンジで後悔しないために

「未経験OK」の求人を見極めるには、自分が仕事に求める価値観を整理することと、実際に働いた人の声を確かめることが役立ちます。

A
仕事選びの価値観を重視したい人向け

転職・求人情報ならリクルートの転職サイト【リクナビNEXT】

かんたんな質問に答えるだけで、仕事探しに役立つ自分の価値観のヒントが分かるタイプです。自分が仕事に何を求めるのかがはっきりすると、「未経験OK」の言葉だけに引き寄せられずに、求人を選びやすくなります。

適職診断してみる

B
社風や雰囲気まで調べたい人向け

企業口コミ・評判サービス【エン カイシャ】

実際に働いた人の声から、仕事内容や社風、働き方の実態を確認できるタイプです。人の入れかわりや、未経験で入った人の働き方など、求人票だけでは分からない情報を確かめる手がかりになります。

口コミを見てみる

まなぶまなぶ
「未経験OK」の言葉に安心して応募したら、仕事の中身はまったく違うものでした…。
みらいみらい
「未経験OK」は安心の印ではなく、なぜ未経験でもよいのかを確かめるべき合図です。職種の名前ではなく、1日の仕事の流れと最初の1年の担当を確かめましょう。働く人の期間や口コミも、大事な手がかりになります。
まなぶまなぶ
明るい言葉よりも、具体的な中身を確かめるのが大事なんですね。

「未経験OK」の求人で後悔する原因は、歓迎の言葉に安心して、なぜ未経験でもよいのか、入ってから何をする仕事なのかを確かめないまま応募してしまうことです。採用の理由を考え、仕事の流れと1年目の担当を聞き、人の入れかわりや口コミを調べ、ほかの選考も並行して進める。それだけで、未経験からでも納得できる会社を選べます。未経験からのキャリアチェンジで後悔しないための考え方は、未経験からのキャリアチェンジの失敗から学ぶでまとめています。

未経験・キャリアチェンジについては、30代の未経験転職で失敗する人の特徴5選や未経験転職の自己PRで失敗しない方法もあわせて読んでみてください。

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