結論

リモートワークで失敗する人の多くは、「家で働けるなら、会社と同じように働けるはず」と考えて、仕事の始まりと終わり、連絡の取り方、働く場所の整え方を、自分で決めないまま始めてしまう人です。リモートワークでは、上司や同僚の目がなく、通勤で気持ちが切り替わることもありません。そのぶん、仕事がだらだらと長くなったり、逆に周りから「何をしているか分からない人」と思われたりしやすくなります。リモートワークは「場所が変わる働き方」ではなく「働き方を自分で組み立てる働き方」です。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、リモートワークで失敗する人の特徴と、うまく続けるためのコツを解説します。

1失敗ストーリー

在宅の日ほど、仕事が終わらなかった話

在宅勤務の昼すぎ、上司からの電話でチャットを見落としていたことに気づき青ざめるまなぶのイラスト

今の会社に入ってしばらくして、まなぶのチームでは、週に2日まで在宅で働けるようになりました。「通勤がない分、朝はゆっくりできるし、集中もできる」。まなぶは、火曜日と木曜日を在宅の日にして、ワンルームの部屋のローテーブルで仕事を始めました。最初の週は、通勤の1時間がなくなっただけで、ずいぶん時間に余裕ができた気がしました。

ところが、在宅の日は、思ったより仕事がはかどりませんでした。朝は始業ぎりぎりに起きて、パジャマのままパソコンを開く。洗濯物やスマートフォンが目に入り、つい手が止まる。昼ごはんのあとは眠くなり、気づけば夕方。「取り返さないと」と、夜の9時、10時まで仕事を続ける日が増えていきました。会社にいる日なら、隣の席の先輩が帰るのを見て自分も切り上げるのに、家ではその区切りがなかったのです。

チャットの返事も、遅れがちでした。集中しようと通知を切ったまま、何時間も気づかないことがありました。ある日、上司からの電話で、まなぶはハッとしました。「午前中に送ったチャット、見てくれた? 取引先への返事が止まっていて、先方から連絡が来たんだ」。まなぶは、自分が家で何をしているのかを、誰にも伝えていなかったのです。

さらに、在宅の日が続いた月の終わり、まなぶはローテーブルで長く座り続けたせいで、肩も腰もすっかり重くなっていました。「家で働けば楽になると思っていたのに、会社にいるときより疲れている」。まなぶは、散らかったローテーブルの上のパソコンを見つめながら、ため息をつきました。

2原因分析

リモートワークで失敗する人の特徴5選

1

仕事の始まりと終わりを、決めていない

会社に行く日は、通勤が仕事のスイッチになります。けれども在宅では、その切り替えがありません。始業ぎりぎりまで寝ていたり、終業の時間を決めずに夜まで続けたりすると、生活と仕事の境目がなくなってしまいます。始業の前に5分歩く、終業の時間になったらパソコンを閉じてかばんにしまう、など「始まりと終わりの合図」を自分で決めると、在宅でもメリハリがつきます。服を着替えることも、気持ちを切り替える小さな合図になります。

2

自分が何をしているかを、周りに伝えていない

オフィスでは、席にいるだけで「今は資料を作っているんだな」と周りに伝わります。リモートワークでは、伝えなければ何も見えません。朝に「今日やること」、終わりに「今日やったこと」を、チャットで一言ずつ共有するだけで、上司や同僚は安心して仕事を任せられます。集中のために通知を切るときも、「11時まで資料に集中します。急ぎは電話でお願いします」と伝えておけば、連絡が止まることはありません。

3

働く場所を、整えていない

ソファやローテーブル、ベッドの上など、くつろぐための場所で仕事をすると、集中しにくく、体にも負担がかかります。まなぶも、長時間ローテーブルで前かがみになって働いていました。机と椅子の高さ、パソコンの画面の位置、照明など、最低限の作業環境を整えることも、リモートワークの大事な準備です。会社によっては、在宅勤務のための機器や手当が用意されていることもあるので、確認してみましょう。

4

取り返そうとして、働きすぎてしまう

「はかどらなかった分を取り返さなきゃ」と夜まで働くと、次の日の朝がつらくなり、さらにはかどらない、という悪循環に入ります。在宅だと、残業していることも周りに見えにくくなります。周りが気づかないまま働きすぎが続くと、ある日突然、疲れが一気に出てしまうこともあります。働いた時間を、自分でも記録しておくと、働きすぎに早く気づけます。遅くまでかかりそうなときは、早めに上司に相談して、仕事の量や締め切りを調整してもらいましょう。在宅の日の働いた時間を1週間分並べてみるだけでも、自分の働き方のくせが見えてきます。

5

人と話す機会が、減っていることに気づかない

リモートワークでは、ちょっとした雑談や相談の機会が少なくなります。小さな疑問をその場で聞けず、一人で抱えこんでしまうこともあります。週に一度は、上司や同僚と画面越しに顔を合わせて話す時間をつくる、出社の日に相談ごとをまとめておくなど、人と話す機会を意識して残しておきましょう。顔を合わせる時間は、仕事を進めるためだけでなく、安心して働き続けるためにも大切です。まなぶも、出社の日に先輩と5分話すだけで、在宅の日に一人で悩んでいたことがあっさり解決した経験がありました。

3図解

なんとなく在宅で働く人と、在宅の働き方を組み立てる人の違い

⚠ リモートワークで失敗する人のパターン
始業ぎりぎりに起き、ローテーブルで仕事を始める
↓
通知を切ったまま、何をしているかを誰にも伝えない
↓
はかどらなかった分を、夜遅くまで取り返そうとする
↓
連絡が止まり、疲れもたまって、会社にいるより苦しくなる
◎ リモートワークを上手に続ける人のパターン
始まりと終わりの合図を決め、作業する場所を整える
↓
朝と夕方に、やることとやったことをチャットで共有する
↓
働いた時間を記録し、遅くなりそうなら早めに相談する
↓
家でも集中して働けて、周りからも安心して仕事を任される
4解決策

リモートワークで失敗しないためのチェックリスト

リモートワークは、少しの準備と習慣で、ぐっと働きやすくなります。次の項目を、在宅の日の前に確かめてみてください。

  • 始業と終業の時間、その合図になる行動を決めている
  • 朝に「今日やること」、終わりに「今日やったこと」を共有している
  • 集中するために通知を切るときは、その時間と連絡方法を伝えている
  • 机と椅子、画面の高さなど、作業する場所を整えている
  • 在宅の日に働いた時間を、自分でも記録している
  • 遅くまでかかりそうなときは、早めに上司に相談している
  • 上司や同僚と顔を合わせて話す時間を、週に一度はつくっている

まなぶは今、在宅の日も会社に行く日と同じ時間に起き、近所を5分だけ歩いてから仕事を始めるようにしています。ローテーブルはやめて、折りたたみの机と椅子を窓ぎわに置きました。朝と夕方には、チームのチャットに「今日やること」と「今日やったこと」を3行ずつ書いています。上司からは「在宅の日でも、何を進めているかがよく分かる」と言われ、夜遅くまで働くこともほとんどなくなりました。「家で働くのも、結局は段取りと伝え方なんだな」。まなぶは、夕方6時にパソコンを閉じて、そう思いました。

※リモートワークのルールや、使える機器・手当は、会社によって異なります。在宅で働くときの決まりは、就業規則や社内のルールを確認してください。
5おすすめサービス

仕事の失敗を減らすために

リモートワークを続けやすくするには、やることと働いた時間を見える化し、チームでの共有のしかたを整えることが役立ちます。

A
時間管理を効率化したい人向け

タイムマネジメント・スケジュール管理ツール【todoist】

在宅の日にやることを、期限つきで一覧にできるタイプです。朝に今日のやることを書き出し、終わりにチェックをつければ、そのまま「今日やったこと」の共有にも使えます。仕事の量を見える化することで、働きすぎにも気づきやすくなります。

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B
業務プロセスから見直したい人向け

業務プロセス整理・DX相談サービス【Chatwork DX相談窓口】

チームでの情報共有や、仕事の流れを整理することから支援してくれるタイプです。在宅と出社がまざったチームで、連絡のルールや進み具合の共有のしかたを見直すきっかけになります。

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まなぶまなぶ
家で働けば楽になると思っていたのに、仕事は終わらないし、連絡は止まるし、会社にいるより疲れていました…。
みらいみらい
リモートワークは、働き方を自分で組み立てる働き方です。始まりと終わりの合図を決めて、やることとやったことを共有し、作業する場所も整えましょう。働いた時間を記録しておくと、働きすぎにも気づけますよ。
まなぶまなぶ
家で働くのも、結局は段取りと伝え方なんですね。

リモートワークで失敗する原因は、仕事の始まりと終わり、周りへの伝え方、働く場所を自分で決めないまま始め、取り返そうとして働きすぎてしまうことです。合図を決め、やることとやったことを共有し、場所を整え、働いた時間を記録する。それだけで、在宅でも集中して、安心して働き続けられます。働き方で失敗しないための考え方は、働き方の失敗から学ぶでまとめています。

働き方については、時短勤務で後悔する理由や残業を断れずに失敗した話もあわせて読んでみてください。

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