結論

ワーケーションで失敗する人の多くは、「旅先で働けば、仕事も休みも両方楽しめる」と考えて、仕事の量を減らさず、働く場所の通信や会社のルールも確かめないまま、旅に出てしまう人です。いつもと違う場所では、通信が不安定だったり、集中できる場所が見つからなかったりと、思わぬところで仕事が止まります。結局、観光もできず、仕事もはかどらないまま終わってしまうこともあります。ワーケーションは「旅行のついでに働くこと」ではなく、「働く日と休む日の区切りを決めて、準備してから出かけるもの」です。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、ワーケーションで失敗した原因と、上手に楽しむための準備を解説します。

1失敗ストーリー

海の見える宿で、海を一度も見に行けなかった話

ワーケーション先の海辺のカフェで、人目を気にしながらパソコンの画面を隠すように仕事をするまなぶのイラスト

今年の9月、まなぶは、会社で認められている在宅勤務の日を使って、3日間のワーケーションに出かけました。行き先は、電車で3時間ほどの海辺の町。海の見える宿を予約し、「朝は海を見ながら仕事をして、夕方は浜辺を散歩しよう」と、楽しみにしていました。仕事は、ふだんの在宅の日と同じだけ予定していました。宿のインターネットの環境も、「どこでもつながるだろう」と思って調べていませんでした。

ところが、宿に着いて仕事を始めると、すぐに困りごとが起きました。部屋のインターネットがとても遅く、資料の大きなファイルを開くのに何分もかかるのです。午後のオンラインの打ち合わせでは、映像が何度も止まり、途中から音声だけで参加することになりました。仕方なく、近くのカフェに移って仕事を続けましたが、まわりのお客さんの話し声で集中できず、取引先の名前が書かれた資料を開くのも気が引けました。

2日目も、ファイルの読みこみを待つうちに時間が過ぎ、気づけば夕方。仕事が終わらず、夜の9時まで部屋でパソコンに向かっていました。3日目の朝、上司からチャットで連絡が来ました。「ワーケーションの申請、出ていなかったみたいだけど、会社のルールは確かめた? 社外で取引先の資料を開くときの決まりもあるから、気をつけてね」。まなぶは、ワーケーションに会社の申請やルールがあることさえ、確かめていなかったのです。

結局、3日間で海を見たのは、宿の窓からだけでした。帰りの電車の中で、まなぶは、終わらなかった仕事のリストを見ながら、ため息をつきました。「仕事も休みも、両方楽しむつもりだったのに、どちらも中途半端だった」。窓の外に遠ざかっていく海が、いつもよりきれいに見えました。

2原因分析

ワーケーションで失敗した5つの原因

1

会社のルールと申請を、確かめていなかった

ワーケーションや、自宅以外の場所で働くことについて、会社がルールを決めていることがあります。働いてよい場所、事前の申請、情報の扱い方などです。出かける前に、就業規則や社内のルールを確かめ、必要な申請を済ませておくことが、いちばん最初の準備です。ルールが分からないときは、上司や人事担当に聞いておきましょう。ルールを守っていれば、旅先でも安心して仕事に集中できます。

2

働く場所の通信や環境を、調べていなかった

旅先の宿やカフェは、仕事をするための場所とは限りません。インターネットが遅かったり、机や椅子が仕事に向いていなかったりすることがあります。宿を選ぶときに、通信の速さや仕事のできるスペースの有無を確かめ、念のため持ち運べる通信の機器も用意しておくと安心です。打ち合わせのある日は、静かに話せる場所が確保できるかも、事前に調べておきましょう。

3

仕事の量を、ふだんと同じにしていた

いつもと違う場所では、移動や慣れない環境で、思った以上に時間がかかります。ふだんと同じ量の仕事を予定していると、終わらないぶんが夜にずれこみ、休む時間がなくなります。ワーケーションの日は、急ぎの仕事や大事な打ち合わせを入れず、旅先でもできる仕事だけを、少なめに予定するようにしましょう。大事な打ち合わせは、出かける前か、帰ってきてからに動かしておくと安心です。

4

働く時間と休む時間の区切りを、決めていなかった

「朝は仕事、夕方は散歩」と思っていても、仕事が終わらなければ、休む時間は削られていきます。「この日は9時から17時まで働く」「この日は休みの日にする」と、働く日と休む日、働く時間をはっきり決めておくと、旅先でもメリハリがつきます。休む日には、仕事の連絡を見ないと決めておくことも大切です。区切りがあってこそ、仕事も休みも楽しめます。在宅で働くときの区切りのつけ方は、リモートワークで失敗する人の特徴5選でも紹介しています。

5

人目のある場所で、取引先の資料を開いていた

カフェや電車の中など、人目のある場所で仕事をすると、画面をのぞかれたり、話し声を聞かれたりするおそれがあります。取引先の名前や数字が入った資料を、誰でも見られる場所で開くのは避けましょう。画面をのぞかれにくくするフィルターを使う、打ち合わせは個室でする、外で開く資料は決めておくなど、情報の扱いに気を配ることも、ワーケーションの大事な準備です。会社の情報を守ることは、自分と取引先の信頼を守ることにつながります。少しでも不安があるときは、その仕事は宿の部屋に戻ってからにすると決めておきましょう。

3図解

思いつきで出かける人と、準備して出かける人の違い

⚠ ワーケーションで失敗する人のパターン
会社のルールも申請も確かめずに、出かける
↓
ふだんと同じ量の仕事を、旅先に持っていく
↓
通信が遅く、人目のある場所で仕事をする
↓
仕事も休みも中途半端になり、情報の扱いでも注意を受ける
◎ ワーケーションを上手に楽しむ人のパターン
会社のルールを確かめ、必要な申請を済ませておく
↓
通信と働く場所を調べ、仕事の量を少なめに予定する
↓
働く日と休む日、働く時間の区切りを決めておく
↓
旅先でも集中して働けて、休む時間もしっかり楽しめる
4解決策

ワーケーションで失敗しないためのチェックリスト

ワーケーションに出かける前に、次の項目を確かめてみてください。準備をしておけば、旅先での時間を、仕事にも休みにも生かせます。

  • 会社のルールを確かめ、必要な申請を済ませた
  • 宿の通信の速さと、仕事のできるスペースを確かめた
  • 持ち運べる通信の機器など、通信の予備を用意した
  • 急ぎの仕事や大事な打ち合わせは、前後の日に動かした
  • 働く日と休む日、働く時間の区切りを決めた
  • 人目のある場所で開かない資料を、決めておいた

まなぶは、次の連休に合わせて、もう一度ワーケーションを計画しています。今回は、まず会社のルールを確かめて申請を出し、仕事用のスペースと速い通信がある宿を選びました。働くのは2日間だけにして、9時から17時までと決め、大事な打ち合わせは出発前に済ませるように予定を組みました。最終日は休みの日にして、仕事の連絡は見ないと上司にも伝えています。取引先の資料を開くのは宿の部屋だけ、と決めました。「ワーケーションも、結局は準備と区切りなんだな」。まなぶは、海辺の町の地図を広げながら、今度こそ浜辺を歩く時間を予定に書きこみました。

※ワーケーションや自宅以外での勤務のルール、申請の方法、情報の扱いの決まりは、会社によって異なります。出かける前に、必ず勤務先の就業規則や社内のルールを確認してください。
5おすすめサービス

仕事の失敗を減らすために

ワーケーションを上手に楽しむには、出かける前の準備と仕事の量を見える化することと、チームで場所を問わない働き方のルールを整えることが役立ちます。

A
時間管理を効率化したい人向け

タイムマネジメント・スケジュール管理ツール【todoist】

出かける前にやることと、旅先でやる仕事を、日ごとに期限つきで一覧にできるタイプです。申請や打ち合わせの調整を「やること」に入れておけば、準備のもれを防ぎ、旅先での仕事の量も少なめに整えやすくなります。

詳細を見てみる

B
業務プロセスから見直したい人向け

業務プロセス整理・DX相談サービス【Chatwork DX相談窓口】

チームの仕事の流れや、情報の共有・扱いのルールを整理することから支援してくれるタイプです。場所を問わずに働くときの決まりをチームで整えておけば、誰がどこで働いても、安心して仕事を進められます。

相談してみる

まなぶまなぶ
海の見える宿に泊まったのに、仕事が終わらなくて、海を一度も見に行けませんでした…。
みらいみらい
ワーケーションは、旅行のついでに働くことではなく、働く日と休む日の区切りを決めて、準備してから出かけるものです。会社のルールと申請、通信の環境を確かめて、仕事の量は少なめにしましょう。情報の扱いにも気をつけてくださいね。
まなぶまなぶ
旅先で働くのも、準備と区切りが大事なんですね。

ワーケーションで失敗する原因は、仕事の量を減らさず、通信や会社のルールも確かめないまま、旅先で働けば両方楽しめると考えて出かけてしまうことです。ルールと申請を確かめ、通信と働く場所を調べ、仕事を少なめにし、働く日と休む日の区切りを決め、情報の扱いに気を配る。それだけで、旅先での時間を仕事にも休みにも生かせます。働き方で失敗しないための考え方は、働き方の失敗から学ぶでまとめています。

働き方については、フレックスタイムで失敗する人の特徴5選や昼休みを取らずに後悔する理由もあわせて読んでみてください。

ABOUT ME
アバター
みらい
みんなの失敗談を共有して、たくさんの学びや共感をお届けするメディア「https://SHIPPAI.JP」を運営しています