リファレンスチェックで失敗した話
リファレンスチェックで失敗する人の多くは、推薦者(リファレンス先)にお願いの連絡を入れないまま、企業に名前と連絡先だけを伝えてしまう人です。リファレンスチェックは、企業が本人の同意を得たうえで、前の職場の上司や同僚に働きぶりを聞く仕組みです。推薦者が何も知らないまま突然連絡を受けると、答えに困ったり、書類の内容と食い違ったりして、評価を下げることがあります。リファレンスチェックは「推薦者と一緒に準備する選考」だと考えましょう。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、リファレンスチェックで失敗した原因と、事前にやっておきたいことを解説します。
前の上司に何も伝えないまま、名前を書いたAさんの話
大学のOB会の立食パーティーで、まなぶは会場の隅で、10年ほど先輩のAさん(40代男性)と話していました。Aさんは食品メーカーで15年働き、今年、外資系の消費財メーカーの営業マネージャーとして転職したばかりです。グラスを片手に、Aさんは「最終面接のあとのリファレンスチェックで、冷や汗をかいたんだよ」と話し始めました。(登場する人物は、よくある失敗をもとに編集部が再現したものです)
最終面接の数日後、転職先の人事から連絡がありました。「最終選考の一環として、リファレンスチェックをお願いしています。以前の職場の上司の方と同僚の方、2名をご紹介ください」。Aさんは同意書にサインをして、3年前まで直属の上司だった部長と、長く一緒に働いた同僚の名前と連絡先を書いて送りました。
ところが、Aさんは2人に何も連絡していませんでした。「昔からよく知っている人たちだから、大丈夫だろう」と思っていたのです。数日後、部長からAさんに電話がかかってきました。「知らない会社から、急に君のことを聞きたいと連絡が来たんだけど、どういうこと?」。部長は、Aさんが転職活動をしていることすら知らなかったのです。
さらに、転職先の人事からも確認の連絡がありました。「職務経歴書では、マネージャーとして10名のチームを率いたとありましたが、同僚の方のお話では、正式な役職はリーダーで、チームは6名だったようです。もう少し詳しく教えていただけますか」。Aさんは、プロジェクトのときに一時的に10名をまとめていた経験を、そのまま書いていたのでした。
Aさんは、事情を正直に説明し、職務経歴書の書き方が不正確だったことをわびました。さいわい内定は出ましたが、入社後の最初の評価面談まで、どこか緊張が抜けなかったそうです。「推薦をお願いするのに、相手への連絡も、自分の書類の見直しもしていなかった。いちばん失礼なことをしていたよね」。Aさんは、グラスの氷を見つめながら言いました。
まなぶは、その話を聞きながら、自分ならどうしていただろうと考えました。推薦者に頼むのは、名前と連絡先を書くだけの手続きだと思っていたかもしれません。けれども、推薦者にとっては、自分の名前で誰かの働きぶりを保証する、責任のある役目なのです。
リファレンスチェックで失敗した5つの原因
推薦者に、事前にお願いしていなかった
リファレンスチェックでは、企業や調査会社から推薦者に、電話やメール、オンラインのアンケートなどで連絡が入ります。推薦者が何も知らされていなければ、突然の連絡に戸惑い、協力を断ったり、慎重すぎる答え方になったりすることがあります。名前を伝える前に、必ず本人に連絡して、協力してもらえるかを確かめるのが基本です。
推薦者に、転職先や選考の内容を伝えていなかった
推薦をお願いするときは、どんな会社のどんな仕事に応募しているのか、どんなことを聞かれそうかを伝えておくと、推薦者も答えやすくなります。いつごろ連絡が来るのか、連絡の方法は何かも伝えておきましょう。推薦者は、あなたのために時間を使ってくれる協力者です。相手の都合を優先し、終わったら結果を待たずにお礼を伝えることも忘れないようにしましょう。
職務経歴書の内容が、事実と食い違っていた
リファレンスチェックでは、応募書類や面接で話した内容が、推薦者の話と一致しているかどうかも確かめられます。役職、チームの人数、在籍期間、担当した仕事の範囲などが少しでも違っていると、面接官は「ほかの部分も大きく書いているのでは」と感じます。実績を大きく見せてしまう失敗は、職務経歴書の実績を盛って後悔する理由でも紹介しています。推薦者に頼む前に、自分の書類を推薦者の目線で読み直すことが大切です。
推薦者を選ぶ基準を、考えていなかった
推薦者は、2〜3名の上司や同僚にお願いすることが多いとされています。今の職場の人に頼めない場合は、前の職場の上司や同僚、取引先の担当者などにお願いすることもあります。大切なのは、仲がよいかどうかより、応募する仕事に関わるあなたの働きぶりを、具体的に話せる人を選ぶことです。今の職場に転職活動を知られたくない場合は、そのことを企業に正直に伝えて相談しましょう。
仕組みを知らないまま、同意書にサインした
リファレンスチェックは、本人の同意を得て行うのが一般的で、企業は目的や確認する内容、方法を本人に知らせます。Aさんは、同意書にサインしたものの、何をどこまで聞かれるのかを確かめていませんでした。分からないことは、同意する前に企業に質問してかまいません。たとえば「どなたに、どんな方法で、どんな内容を聞かれますか」と確かめておくだけでも、準備のしかたが大きく変わります。聞かれる内容が分かれば、推薦者への説明も、自分の書類の見直しも、的確に進められます。
名前だけ伝える人と、推薦者と準備する人の違い
リファレンスチェックで失敗しないためのチェックリスト
リファレンスチェックは、外資系企業だけでなく、日本の企業でも行うところが増えています。最終面接が近づいたら、次の項目を確かめておきましょう。
- リファレンスチェックの目的・聞かれる内容・連絡の方法を、企業に確かめた
- 推薦をお願いする人を、働きぶりを具体的に話せるかどうかで選んだ
- 名前を伝える前に、推薦者に連絡して協力をお願いした
- 応募先の会社と仕事の内容、連絡が来る時期を推薦者に伝えた
- 職務経歴書の役職・人数・在籍期間・担当範囲が、事実どおりか読み直した
- 今の職場に知られたくない場合は、そのことを企業に相談した
- チェックが終わったら、結果を待たずに推薦者へお礼を伝えることにした
Aさんは入社したあと、あらためて前の部長と同僚に連絡し、お礼とおわびを伝えました。部長からは「次に頼むときは、先にひとこと言ってくれよ」と笑って言われたそうです。今では、部下が転職するときにリファレンスを頼まれたら、喜んで協力するつもりだといいます。最終面接そのものの準備は、最終面接で失敗しない方法もあわせて確認してみてください。
書類と面接で後悔しないために
管理職などの選考では、リファレンスチェックを含めた最終段階の進め方を、経験のある相談相手と確かめておくと安心です。
年収以外にもこだわるハイクラス転職【LHH転職エージェント】
30代以降の転職に強く、マネジメント経験や専門性を評価してくれる求人を紹介してくれるタイプです。外資系企業などで行われることの多いリファレンスチェックについても、進め方や準備のしかたを相談できます。
年収1000万円以上の転職なら【プロフェッショナル転職サービス/ランスタッド】
これまでの経験や実績を、第三者と一緒に言語化していけるタイプです。役職やチームの規模など、職務経歴書に正確に書くべきことを整理し、推薦者の話とかみ合う書類に整えられます。
まなぶ
みらい
まなぶリファレンスチェックで失敗する原因は、推薦者にお願いの連絡も説明もしないまま名前を伝え、自分の書類も事実どおりか確かめていないことです。仕組みを確かめ、推薦者に事前にお願いし、書類の内容をそろえ、終わったらお礼を伝える。それだけで、推薦者が安心して話せ、あなたの働きぶりが正しく伝わります。書類選考や面接で失敗しないための考え方は、書類選考・面接の失敗から学ぶでまとめています。
書類・面接については、職務経歴書の実績を盛って後悔する理由や「服装自由」の面接で失敗する人の特徴5選もあわせて読んでみてください。

