結論

入社までの準備期間で失敗する人の多くは、退職してから入社するまでの時間を「ただの休み」として過ごし、生活のリズムや入社前に頼まれたこと、お金の準備を後回しにしてしまう人です。休むこと自体は悪くありません。けれども、何も決めずに過ごすと、入社直前に慌て、新しい職場のスタートでつまずきやすくなります。入社までの期間は「休む」と「整える」を分けて計画するのがコツです。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、入社までの準備期間で失敗しない方法を解説します。

1失敗ストーリー

2か月の「夏休み」のつけを、入社前の1週間で払った話

昼前の薄暗い部屋で、入社前の健康診断の案内メールに気づいてベッドから飛び起きるまなぶのイラスト

2年前の転職のとき、まなぶは9月末で前の会社を辞め、12月1日に新しい会社へ入社することになりました。あいだには、2か月の準備期間があります。「社会人になって初めての長い休みだ」。まなぶは、この2か月を思いきり楽しむことに決めました。

10月は旅行に出かけ、帰ってきてからは、昼近くまで寝て、夜中まで動画やゲームを楽しむ毎日でした。入社前に人事から送られてきた「業界の基礎資料」のPDFは、「まだ時間があるし」と開かないまま。入社前の健康診断の案内も、メールの受信箱に埋もれていました。

11月に入ると、引っ越しの準備が始まりました。荷造りと手続きに追われているうちに、気づけば入社まで残り1週間。人事から「健康診断の結果のご提出は、入社日までにお願いします」というメールが届いて、まなぶは飛び起きました。慌てて病院を探しましたが、予約がとれたのは入社の3日前。結果は入社日に間に合わず、人事に頭を下げることになりました。

業界の基礎資料も、入社前の数日で一気に読もうとしましたが、頭に入りません。さらに、夜型の生活がすっかり体にしみついていて、入社初日の朝は、目覚ましを3回止めてやっと起きる始末でした。研修の最中にあくびをかみ殺し、業界の言葉が分からないまま、メモを取るのがやっとでした。

お金の面でも、見通しが甘かったことに気づきました。2か月のあいだ給料はなく、旅行や引っ越しの費用に加えて、前の会社の分の住民税の納付書も届きました。祖母が助けてくれたお金がなければ、もっと苦しかったはずです。「休みは楽しかった。でも、休むことしか決めていなかった」。まなぶは、入社最初の週末、ようやく資料を最初から読み直しました。

2原因分析

入社までの準備期間で失敗する5つの原因

1

「休む」と「整える」を、分けて考えなかった

退職から入社までの期間は、心と体を休めるための大切な時間です。けれども、その期間を丸ごと「休み」にすると、入社前にやるべきことが後ろへずれこみ、最後の数日に押し寄せます。前半は休む、後半は整える、と期間を分けておくだけで、慌てることはぐっと減ります。まなぶも、11月の前半から準備を始めていれば、引っ越しと重なっても落ち着いて進められたはずです。

2

入社前に頼まれたことを、一覧にしていなかった

入社前には、健康診断の受診、入社書類の準備、事前の資料や研修動画の確認など、転職先から頼まれることがいくつもあります。メールや郵送でばらばらに届くため、ひとつひとつ覚えておくのは大変です。内定承諾のあとに届いた案内は、期限と一緒に1枚のリストにまとめるようにしましょう。分からないことは、早めに人事に問い合わせておけば、入社直前に慌てずに済みます。リストは、スマートフォンのメモやカレンダーに入れておくと、通知で思い出せて便利です。

3

生活のリズムを、入社に合わせて戻さなかった

長い休みのあいだに夜型の生活になると、入社してすぐに朝型へ戻すのは簡単ではありません。新しい職場では、覚えることや会う人が多く、ただでさえ疲れやすいものです。入社の2週間ほど前から、出勤する時間に合わせて起きる練習をすると、初日を落ち着いて迎えられます。通勤経路を一度実際にたどっておくのもおすすめです。朝の電車の混み具合や、駅から会社までの時間が分かるだけでも、初日の不安は小さくなります。

4

収入のない期間のお金を、見込んでいなかった

退職から入社までのあいだは、給料が入りません。それなのに、旅行や引っ越し、住民税や健康保険・年金の支払いなど、出ていくお金は意外と多いものです。新しい会社の最初の給料が入るのは、入社の翌月になることもあります。準備期間の生活費と支払いを書き出し、最初の給料日までの分を確保しておくことが大切です。退職した年の住民税で慌てた話は、退職した年の住民税で失敗した話で紹介しています。

5

入社後の自分を、具体的に思い描かなかった

「入社したら何とかなる」と考えていると、準備の優先順位がつけられません。最初の1か月で何を覚えたいか、誰とどんな関係をつくりたいか、少しでも思い描いておくと、事前に読むべき資料や学んでおきたいことが見えてきます。入社直後に困りやすいことは、中途入社で放置されて失敗する人の特徴5選でも紹介しています。準備期間は、新しい職場での「最初の一歩」を決める時間でもあるのです。前の会社でうまくいったことと、うまくいかなかったことを書き出しておくだけでも、新しい職場での動き方が見えてきます。

3図解

休むだけの人と、休みながら整える人の違い

⚠ 入社までの準備期間で失敗する人のパターン
準備期間を丸ごと「休み」にする
↓
入社前の案内や資料を、開かずに後回しにする
↓
夜型の生活のまま、入社直前を迎える
↓
最後の1週間に、手続きと準備が押し寄せる
↓
寝不足と準備不足のまま、新しい職場のスタートでつまずく
◎ 入社までの期間を上手に使う人のパターン
前半は休む、後半は整える、と期間を分ける
↓
入社前に頼まれたことを、期限と一緒にリストにする
↓
入社2週間前から、出勤時間に合わせて生活を戻す
↓
最初の給料日までのお金を、書き出して確保する
↓
心と体を休めたうえで、落ち着いて初日を迎えられる
4解決策

入社までの準備期間で失敗しないためのチェックリスト

入社までの期間は、人によって数日から数か月とさまざまです。期間の長さに合わせて、次の項目を計画に入れてみてください。

  • 準備期間を「休む期間」と「整える期間」に分けた
  • 転職先から届いた案内(健康診断・入社書類・事前の資料など)を、期限つきのリストにした
  • 入社前の健康診断を、早めに予約した
  • 事前に読むように言われた資料を、少しずつ読み進める計画を立てた
  • 入社2週間前から、出勤時間に合わせて起きる練習を始めた
  • 通勤経路を、一度実際にたどってみた
  • 最初の給料日までの生活費と、住民税・保険料などの支払いを書き出した
  • 入社後の最初の1か月で、覚えたいことや会いたい人を書き出した

まなぶは今、転職の相談を受けると、「休みは前半に。後半は、入社の練習期間にしたほうがいい」と伝えています。2年前の自分に言うなら、「健康診断の予約と、資料の最初の10ページだけは、休みに入る前に済ませておけ」だそうです。休みの計画も、行きたい場所や会いたい人をあらかじめ書き出しておくと、何となく過ぎていく日が減って、休みそのものの満足度も上がるといいます。入社日の決め方そのものは、入社日の調整で失敗する人の特徴5選で、前の会社の書類のことで慌てた話は、退職後の手続きを後回しにして失敗した話で紹介しています。

※入社前の健康診断や提出書類、事前の研修の有無は、会社によって異なります。分からないことは、内定承諾のあとに転職先の人事担当に確認してください。
5おすすめサービス

転職を最後まで丁寧に進めるために

入社までの準備は、やることを見える化して、お金の見通しを立てておくと、ぐっと進めやすくなります。

A
時間管理を効率化したい人向け

タイムマネジメント・スケジュール管理ツール【todoist】

入社前にやることを期限つきで一覧にして、少しずつ片づけられるタイプです。健康診断の予約や資料の確認、引っ越しの手続きなど、ばらばらに届く用事をまとめて管理できるので、入社直前に慌てずに済みます。

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B
ライフプラン全体を相談したい人向け

ライフプランニング相談・FP相談サービス【マネードクター】

収入のない期間を含めた、転職の前後のお金の計画を相談できるタイプです。準備期間の生活費や支払い、最初の給料日までのやりくりを整理しておくと、休みも入社も安心して迎えられます。

相談してみる

まなぶまなぶ
2か月の休みを楽しみすぎて、健康診断も資料の予習も間に合わず、入社初日は寝不足のまま研修を受けることになりました…。
みらいみらい
入社までの期間は、前半は休む、後半は整える、と分けるのがコツです。頼まれたことをリストにして、生活のリズムとお金の見通しも、入社に合わせて準備しておきましょう。
まなぶまなぶ
休むことも、整えることも、どちらも計画しておけばよかったんですね。

入社までの準備期間で失敗する原因は、期間を丸ごと休みにして、入社前に頼まれたことや生活のリズム、お金の準備を後回しにすることです。休む期間と整える期間を分け、頼まれたことをリストにして、入社の2週間前から生活を戻す。それだけで、心と体を休めたうえで、新しい職場のスタートを気持ちよく切れます。内定から退職までの流れで失敗しないための考え方は、内定から退職までの失敗から学ぶでまとめています。

内定・退職手続きについては、退職するときに転職先を話して後悔する理由や繁忙期に退職を伝えて後悔する理由もあわせて読んでみてください。

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