結論

副業のアカウントを本名で作って失敗する人の多くは、「本名のほうが信頼されそう」と考えて、名前や顔写真、勤め先が分かる経歴を、どこまで公開するかを決めないままプロフィールに載せてしまう人です。本名で活動すること自体は、悪いことではありません。けれど、副業のプロフィールは、お客さまだけでなく、職場の人も、知らない誰かも見ることができる場所です。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、副業のアカウントを本名で作って失敗した原因と、公開する情報の決め方を解説します。

1失敗ストーリー

プロフィールに書いた「勤め先」が、思わぬところから見つかった

昼休みの自席で、副業のプロフィールを見つけた同僚に声をかけられ、驚いて振り返るまなぶのイラスト

副業を始めたばかりのころ、まなぶは、スキルを売れるサービスで資料の手直しの仕事を受けるため、アカウントを作りました。会社には副業の申請を出し、許可ももらっていました。プロフィールを作るとき、まなぶは「本名と顔写真を出したほうが、信頼してもらえるはず」と考えました。名前は本名、写真はスーツ姿の自撮り。経歴には、「IT企業の営業企画として、毎日提案資料を作っています」と書き、取引先の業界や、担当している仕事の内容まで、くわしく載せました。実績のない自分を選んでもらうには、経歴をくわしく書くしかないと思っていたのです。

最初の数か月は、何の問題もありませんでした。ところが、ある日の昼休み、同じフロアの同僚に声をかけられました。「まなぶさん、副業してるんですね。たまたま検索したら、写真つきで出てきましたよ」。同僚に悪気はなく、むしろ興味を持ってくれていました。けれど、その話は少しずつフロアに広がり、数日後、まなぶは上司に呼ばれました。

上司は、副業そのものを責めたわけではありませんでした。問題は、プロフィールの中身でした。「この経歴の書き方だと、うちの取引先の業界や、まなぶが担当している仕事まで分かってしまう。副業のプロフィールから、会社の情報が読み取れてしまうのは困るんだ」。まなぶは、自分の経歴を書いたつもりで、会社の情報まで公開していたことに、そのとき初めて気づきました。

さらに、同じころ、もう一つの出来事が起きました。納品した資料に不満を持ったお客さまが、プロフィールの本名から、まなぶの個人のSNSを見つけ出し、そこに長いメッセージを送ってきたのです。サービスの中で解決するはずのやりとりが、私生活の場所にまで入り込んできました。本名と顔写真は、思っていたよりもずっと簡単に、ほかの情報とつながってしまうことを、まなぶは身をもって知りました。

その夜、まなぶはプロフィールを開いたまま、しばらく画面を見つめていました。信頼されるために載せたはずの情報が、職場にも、私生活にも、思わぬ形で届いてしまった。まなぶは、どの情報を、誰に向けて公開しているのかを、一度も考えていなかったのです。副業を始めるときは、仕事の中身ばかりに気を取られ、プロフィールは「とりあえず全部埋めればいい」と、深く考えずに作っていました。

2原因分析

副業のアカウントを本名で作って失敗した原因

1

「本名=信頼」と思い込んでいた

本名や顔写真を出すと、信頼されやすいと考える人は多いものです。けれど、お客さまが仕事を頼むときに見ているのは、名前よりも、実績やレビュー、サービスの説明の分かりやすさです。活動名でも、仕事の中身が伝われば、信頼は十分に得られます。本名を出すかどうかは、メリットとリスクを比べてから決めましょう。まなぶの場合も、活動名に変えたあとで依頼が減ることはありませんでした。

2

経歴から、勤め先の情報が読み取れてしまう

自分の経歴を書いたつもりでも、会社名や業界、担当している仕事の内容を組み合わせると、勤め先や取引先が分かってしまうことがあります。副業が認められていても、会社の情報を公開してよいわけではありません。経歴は「営業資料の作成歴〇年」のように、スキルが伝わる書き方にとどめましょう。迷ったときは、会社の副業の担当者に確認すると安心です。

3

ほかのSNSと、名前や写真がつながる

副業のアカウントと個人のSNSで、同じ名前や写真を使っていると、検索ですぐにつながってしまいます。仕事のやりとりが、私生活の場所にまで入り込んでくるおそれがあります。副業用と個人用で、名前や写真を分けておくことが大切です。個人のSNSで公開している範囲も、あわせて見直しておくと安心です。とくに、勤め先や住んでいる地域が分かる投稿は、副業を始める前に確かめておきましょう。

4

公開する情報を、最初に決めていなかった

プロフィールを作るとき、入力欄があるからと、すべてを埋めてしまう人は少なくありません。けれど、一度公開した情報は、あとから消しても、誰かの記憶や記録に残ることがあります。「何を公開して、何を公開しないか」を、アカウントを作る前に決めておくことが大切です。決めた内容はメモに残しておき、プロフィールを更新するたびに見返すようにしましょう。

5

トラブルのときの連絡先を決めていなかった

お客さまとのやりとりで行き違いが起きたとき、どこで話し合うのかを決めていないと、私的な連絡先に話が流れてしまいます。サービスの中のメッセージ機能でやりとりする、と決めておき、個人の連絡先には応じないルールを先に決めておきましょう。困ったときは、サービスの運営や専門の窓口に相談することもできます。一人で抱え込まないことが大切です。

3図解

本名で作って失敗する人と、安心して活動できる人の違い

⚠ 副業のアカウントを本名で作って失敗する人のパターン
「本名のほうが信頼される」と、本名と顔写真で登録する
↓
経歴に勤め先や担当業務をくわしく書く
↓
職場の人や、不満を持ったお客さまに見つかる
↓
会社の情報が伝わり、私生活にもトラブルが入り込む
◎ 安心して副業のアカウントを運用できる人のパターン
公開する情報と、公開しない情報を先に決める
↓
経歴はスキルが伝わる書き方にとどめる
↓
やりとりはサービスの中だけで行うと決める
↓
職場とも私生活とも線を引き、安心して活動を続けられる
4解決策

副業のアカウントを作る前のチェックリスト

アカウントを作るのは数分でも、公開した情報は長く残ります。登録する前に、次の項目を確かめてみてください。

  • 本名で活動するか、活動名にするかを決めた
  • 顔写真の代わりに使えるアイコンを考えた
  • 経歴から、会社名や取引先が読み取れないか確かめた
  • 個人のSNSと、名前や写真を分けた
  • やりとりはサービスの中だけで行うと決めた
  • 副業の申請内容と、公開する内容に食い違いがないか確かめた

まなぶは、上司と相談して、プロフィールを書き直しました。名前は活動名に変え、写真は資料のイラストのアイコンにしました。経歴は「提案資料の作成歴〇年。営業資料の構成と手直しが得意です」と、スキルだけが伝わる書き方にしました。お客さまへのお知らせには、「やりとりはサービスのメッセージ機能でのみ行います」と書き加えました。活動名にしてからも、依頼の数はほとんど変わりませんでした。お客さまが見ていたのは、名前ではなく、仕事の中身だったのです。

※副業を始めるときは、勤め先の就業規則で副業が認められているか、申請が必要かを確認しましょう。また、本業で知った情報を副業で使ったり公開したりすることは、秘密保持の約束に反するおそれがあります。判断に迷うときは、会社の担当部署に確認してください。
5おすすめサービス

副業の始め方に迷ったら

副業のアカウントを安心して運用するには、取り決めの整った場で仕事を受けることと、困ったときに相談できる先を知っておくことが大切です。

A
取り決めの整った場で仕事を受けたい人向け

日本最大級のクラウドソーシング【ランサーズ】

仕事の範囲や納期、料金を事前に決めて受けられるタイプです。やりとりをサービスの中で完結させやすいため、個人の連絡先を相手に伝えずに仕事を進めやすくなります。

案件を探してみる

B
トラブルに巻き込まれた人向け

フリーランス向け弁護士相談サービス【中小企業法律支援センター|東京弁護士会】

すでにトラブルが起きている場合、専門的な視点から対応を相談できるタイプです。お客さまとのやりとりが私生活にまで及んで困ったときに、一人で抱え込まず相談できます。

相談してみる

まなぶまなぶ
本名と経歴をくわしく載せたら、会社の情報まで伝わってしまって、お客さまから個人のSNSにも連絡が来てしまいました…。
みらいみらい
副業のプロフィールは、誰でも見られる場所です。公開する情報と公開しない情報を、アカウントを作る前に決めておきましょう。
まなぶまなぶ
お客さまが見ているのは名前じゃなくて、仕事の中身なんですね。

副業のアカウントを本名で作って失敗する原因は、「本名=信頼」と思い込み、公開する情報を決めないまま、名前や写真、勤め先が分かる経歴を載せてしまうことです。公開する情報を先に決め、経歴はスキルが伝わる書き方にとどめ、やりとりはサービスの中だけで行う。それだけで、職場とも私生活とも線を引いて、安心して副業を続けられます。副業を始めるときに失敗しないための考え方は、副業スタートの失敗から学ぶでまとめています。

副業の始め方については、実績づくりの格安案件で失敗する人の特徴5選や副業コミュニティに入って後悔する理由もあわせて読んでみてください。

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