チームでAI活用の差が広がって失敗する人の特徴5選
チームでAI活用の差が広がって失敗する人の多くは、自分がAIを使いこなせることに夢中になり、使っていない仲間の理由を聞かないまま、自分のやり方をチームに広めようとしてしまう人です。AIをうまく使える人がチームにいると、仕事は速く進むように見えます。けれど、使える人と使えない人の差が広がると、チームの仕事はかえってばらばらになり、一部の人に負担が集まってしまいます。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、チームでAI活用の差が広がって失敗する人の特徴と、みんなで使えるようになる進め方を解説します。
「AIでやれば一瞬ですよ」が、チームを分けてしまった
今年の4月ごろから、まなぶの所属する営業企画のチームでは、AIを使う人が少しずつ増えていました。チームは8人。仕事でも副業でもAIを使い慣れていたまなぶは、チームのチャットに、毎日のようにAIの使い方のコツを投稿していました。「この資料、AIでやれば一瞬ですよ」。後輩2人はすぐにまなぶのやり方をまねし、3人の仕事は目に見えて速くなりました。
ところが、夏が近づくころ、チームの様子が少しずつ変わってきました。50代のベテランの先輩は、まなぶの投稿に反応しなくなり、AIを使わずに、これまでどおり時間をかけて資料を作っていました。チームの資料は、AIを使った人のものと使っていない人のもので、書き方も見た目もばらばらになっていきました。さらに、「まなぶくんたちは速いから」と、急ぎの仕事がまなぶたち3人に次々と回ってくるようになりました。
7月の課の会議で、課長がこう言いました。「AIを使える人だけが速くなって、チームとしてはむしろ回っていない。資料の質もばらばらで、お客さまにどれを出せばいいか迷う」。会議のあと、まなぶは先輩に声をかけました。先輩は、少し言いにくそうに答えました。「まなぶくんの投稿、正直ついていけなかったんだ。今さら初歩的なことを聞くのも恥ずかしくてね」。
まなぶは、しばらく言葉を失いました。自分ではチームのためにコツを共有しているつもりでした。けれど、先輩にとっては、分からないことが毎日積み重なる場所になっていたのです。しかも、急ぎの仕事が集まったせいで、まなぶ自身も残業が増え、疲れがたまっていました。「自分が速くなることと、チームが速くなることは、まったく別のことだった」。まなぶは、その違いに、ようやく気づきました。
まなぶは課長に相談し、チームでAIの使い方を話し合う時間をつくってもらうことにしました。最初にしたのは、コツを教えることではなく、一人ひとりに「AIを使っていない理由」や「困っていること」を聞くことでした。すると、「間違えたら怖い」「どこまで任せていいのか分からない」といった、まなぶが想像もしていなかった声がいくつも出てきました。
チームでAI活用の差が広がって失敗する人の特徴5選
自分のやり方を、一方的に広めようとする
AIを使いこなしている人ほど、自分のやり方の良さを伝えたくなります。けれど、毎日のようにコツを投稿されても、慣れていない人には追いつけません。自分のやり方を広めるより先に、仲間が今どこで困っているのかを聞くことが大切です。伝えるときも、一度にたくさんではなく、チームの仕事に合わせて一つずつにしましょう。「今週の資料づくりで使えるコツ」のように、すぐに試せる形で伝えると、受け取る側も動きやすくなります。
使っていない人の理由を、聞いていない
AIを使わない人には、それぞれ理由があります。使い方が分からない、間違いが怖い、今のやり方のほうが確かだと感じている。理由を聞かないまま「使ったほうがいい」と言っても、相手の心は動きません。理由が分かれば、その人に合った始め方を一緒に考えられます。ベテランの経験とAIを組み合わせると、チームにとって大きな力になります。使わないという選択にも、その人なりの確かな判断があることを覚えておきましょう。
チームの共通のやり方を、決めていない
一人ひとりが自己流でAIを使うと、資料の書き方や質がばらばらになります。「この資料はこの型で作る」「AIを使ったら、ここは必ず確かめる」といった、チームの共通のやり方を決めることが大切です。共通のやり方があると、AIを使う人も使わない人も、同じ品質で仕事を仕上げられます。型は使いこなしている人だけで決めず、チーム全員の意見を聞いて決めましょう。
速い人に、仕事が集まるのを放っておく
AIで速く仕事ができる人がいると、急ぎの仕事がその人に集まりがちです。一部の人に仕事が集まると、その人は疲れ、ほかの人はAIを覚える機会を失います。速い人が仕事を抱え込むのではなく、一緒に作業しながらやり方を伝える時間をつくりましょう。チーム全体の力を上げることが、結局は一番の近道になります。仕事の割り振りを決める上司にも、偏りが出ていないかを一緒に見てもらいましょう。
分からないことを聞きにくい雰囲気になっている
AIの話題が「できて当たり前」の雰囲気になると、苦手な人は質問しにくくなります。初歩的な質問ほど歓迎する、質問のための時間を決めておくなど、聞きやすい雰囲気をつくることが大切です。使いこなしている人が、自分の失敗談を正直に話すのも効果的です。「あの人も最初はつまずいたんだ」と分かると、聞くハードルがぐっと下がります。
チームでAI活用の差が広がって失敗する人と、みんなで使えるようにする人の違い
チームでAIの活用を広げる前のチェックリスト
チームでAIを活用するには、使える人が増えるだけでなく、チームとして使えるようになることが大切です。次の項目を確かめてみてください。
- メンバー一人ひとりに、困っていることと使っていない理由を聞いた
- コツは一度にたくさんではなく、仕事に合わせて一つずつ伝えている
- 資料の型と、AIを使ったときに確かめる手順をチームで決めた
- 速い人に仕事が集まりすぎていないか、確かめた
- 初歩的な質問ができる時間や場をつくった
- 会社で認められたAIツールと、使ってよい情報の範囲を共有した
まなぶのチームでは今、週に一度、15分だけ「AIのつまずき共有の時間」を設けています。まなぶは、自分が数字を間違えた話や、AIの答えをうのみにして失敗した話もするようにしました。ベテランの先輩は、取引先ごとの気をつけたい点をAIへの頼み方に加えてくれるようになり、チームの資料の型は、先輩の経験が入ったことで、ぐっと良くなりました。自分が速くなるより、チームが一緒に速くなる。まなぶの残業も、少しずつ減っていきました。
チームでのAI活用を進めるなら
チームでAIを使えるようになるには、使い方の基本をそろえることから始めるのが近道です。
AIスキルを学習してキャリアアップを目指す「AI CONNECT」
基本的な操作方法や、代表的な活用シーンを一通り学べるタイプ。AIに慣れていないメンバーが、自分のペースで基本を身につけたいときに向いています。
DMM 生成AI CAMP 学び放題
いろいろな職種やツールに合わせた講座を、月額制で学べるタイプ。チームのメンバーそれぞれが、自分の仕事に合った使い方を学びたいときに役立ちます。
まなぶ
みらい
まなぶチームでAI活用の差が広がって失敗する原因は、自分のやり方を一方的に広め、使っていない人の理由を聞かず、共通のやり方も決めないまま、速い人に仕事を集めてしまうことです。一人ひとりの困りごとを聞き、共通のやり方を決め、聞きやすい雰囲気をつくる。それだけで、AIはチーム全体の力になります。組織やチームでAIを導入するときに失敗しないための考え方は、組織でのAI導入の失敗から学ぶでまとめています。
組織・チームのAI導入については、AI活用を数値目標にして後悔する理由や取引先とAIの使い方を決めずに失敗した話もあわせて読んでみてください。

