結論

退職届の出し方で失敗する人の多くは、「辞める意思さえ伝われば、書類の形や出し方は何でもいい」と考え、退職願と退職届の違いや、会社の決まった手順を確かめないまま提出している人です。退職の書類は、出す順番や書き方を間違えると、上司との関係をこじらせたり、あとで取り消せなくなったりします。最後の手続きだからこそ、丁寧に進めることが円満な退職につながります。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、退職届の出し方で失敗する人の特徴5つと、提出までの正しい流れを解説します。

1失敗ストーリー

上司の机に、いきなり封筒を置いた朝

相談なしに机に置いた退職届を手に上司が席にやってきて、椅子から半分立ち上がって青ざめるまなぶのイラスト

以前、会社を辞めることを決めたとき、まなぶは上司に面と向かって切り出す勇気がなかなか出ませんでした。何度か上司の席の近くまで行っては、声をかけられずに戻ってくる日が続きました。「書類を先に出してしまえば、話は早いはず」。そう考えたまなぶは、ネットで見つけた見本をもとに「退職届」を書き、ある朝、まだ誰も来ていないフロアで、上司の机の上にそっと封筒を置きました。

1時間後、出社した上司が封筒を手に、まなぶの席にやってきました。「これは、どういうことかな。何の相談もなく、いきなり書類だけ置かれても困るよ」。声は静かでしたが、明らかに怒っていました。会議室に呼ばれ、まなぶはようやく、転職先が決まっていること、退職を考えていることを、しどろもどろに説明しました。

話をするうちに、上司から引き止めの言葉もありました。まなぶの心は少し揺れましたが、上司はこう続けました。「でも、もう『退職届』を出しているんだよね。これは辞めるという決定の通知だから、会社としてはこのまま手続きを進めることになるよ」。まなぶは、退職願と退職届に違いがあることすら知らなかったのです。

さらに、人事の担当者からは「うちの会社では、決まった様式の退職届を総務に出してもらうことになっています。日付も空欄になっていますね」と言われ、書き直しが必要になりました。勇気が出ないからと書類に頼ったことが、かえって手続きを遠回りにしていた。まなぶは、最初の一歩の踏み出し方を間違えたことを後悔しました。

その後の引き継ぎの期間も、上司との間にはどこかぎこちない空気が残りました。「最初に一言、相談してくれればよかったのに」。最終出社日にそう言われたことが、まなぶの心に長く残りました。たった一言の相談を避けたことが、何年も一緒に働いた上司との最後を、さびしいものにしてしまったのです。

2原因分析

退職届の出し方で失敗する人の特徴5選

1

上司に話す前に、書類だけを出してしまう

退職の意思は、まず直属の上司に口頭で伝え、話し合ったうえで書類を出すのが一般的な流れです。いきなり書類を机に置いたり、メールで送りつけたりすると、上司は「相談もなく決められた」と感じ、関係がこじれやすくなります。書類は、話し合いのあとに手続きを進めるためのものと考えましょう。退職日や引き継ぎの進め方は、話し合いの中で決まっていくものです。先に書類を出すと、その日付が話し合いの前提になってしまい、お互いに調整しにくくなります。退職の切り出し方や、引き止めへの備えは、退職交渉で後悔する理由で紹介しています。

2

退職願と退職届の違いを知らない

一般的に、「退職願」は会社に退職をお願いする書類で、会社が受け入れる前であれば取り下げの相談ができる場合があります。一方、「退職届」は退職するという決定を通知する書類で、出したあとに撤回するのは難しいとされています。まだ迷いがある段階で退職届を出すと、気持ちが変わっても引き返せなくなります。どちらを出すのか、会社の決まりもあわせて確かめておきましょう。転職先が決まっていて気持ちが固まっている場合でも、話し合いの段階では退職願を出し、退職日が決まってから退職届を出す、という流れをとる会社もあります。引き止めに応じるかどうかで迷った話は、引き止めに応じて残留し後悔する理由で紹介しています。

3

会社の決まった様式や提出先を確認していない

会社によっては、退職届の様式が決まっていたり、提出先が上司ではなく人事や総務だったりします。社内のシステムで手続きをする会社もあります。自分で作った書類が使えないこともあるため、提出の前に、様式と提出先を確認することが大切です。就業規則に、退職の手続きについての記載があることも多いです。様式がない場合でも、上司や人事の担当者に「どのような形で提出すればよいですか」と一言確認しておくと、二度手間を防げます。

4

日付や宛名など、基本の書き方を間違えている

退職届には、提出日、退職日、宛名、自分の所属と名前などを書きます。宛名は、一般的には直属の上司ではなく、会社の代表者にします。退職の理由は、自己都合の場合「一身上の都合により」とするのが一般的で、詳しい理由を書く必要はありません。日付の空欄や宛名の誤りは、書き直しの手間を増やすだけでなく、最後の印象を悪くします。手書きで出す場合は、白い無地の便せんと封筒を使い、提出前に会社の正式な名称や代表者の名前を確かめておきましょう。

5

勇気が出ないことを、書類や代行で埋めようとする

退職を切り出すのは、誰にとっても緊張するものです。しかし、その気持ちを避けるために書類だけで済ませようとすると、まなぶのように、かえって話がこじれることがあります。話す内容をメモにまとめ、上司の都合を聞いて時間をとってもらうだけでも、切り出す負担はぐっと軽くなります。どうしても直接話すのが難しい事情がある場合には、退職代行という方法もありますが、その使い方で後悔した話は退職代行を使って後悔した話から学ぶで紹介しています。

3図解

退職届で失敗する人と、円満に手続きを進める人の違い

⚠ 退職届の出し方で失敗する人のパターン
切り出す勇気が出ず、上司の机に退職届だけを置く
↓
退職願と退職届の違いを知らず、迷いがあるまま提出する
↓
様式も日付も確認せず、書き直しを求められる
↓
上司との関係がこじれ、最後まで気まずさが残る
◎ 退職の手続きを円満に進める人のパターン
上司に時間をとってもらい、まず口頭で退職の意思を伝える
↓
退職日などを話し合い、会社の様式と提出先を確認する
↓
日付・宛名・理由を正しく書いた書類を、決められた先に出す
↓
手続きが滞りなく進み、良い関係のまま最終日を迎えられる
4解決策

退職届を出す前のチェックリスト

退職の書類は、出す順番と書き方さえ押さえれば、難しいものではありません。提出の前に、次の項目を確認しておきましょう。

  • 書類を出す前に、直属の上司に口頭で退職の意思を伝えた
  • 退職願と退職届のどちらを出すのか、迷いがないかを確かめた
  • 就業規則で、退職の申し出期限と手続きの方法を確認した
  • 会社の決まった様式と、提出先(上司・人事・総務)を確認した
  • 提出日・退職日・宛名・所属と名前を正しく書いた
  • 退職の理由は「一身上の都合により」と簡潔に書いた

上司に切り出すときは、「ご相談したいことがあるので、15分ほどお時間をいただけますか」と、先に時間をとってもらうのがおすすめです。周りに人がいない場所で、落ち着いて話せる状況を自分でつくることが、最初の一歩を軽くします。まなぶは次の転職では、話す内容をメモにまとめてから上司に時間をもらい、話し合いのあとに会社の様式で退職届を出しました。上司からは「きちんと話してくれてありがとう」と言われ、最後まで良い関係のまま退職することができました。

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退職の切り出し方や書類の出し方に不安があるときは、経験のある人のアドバイスを借りると心強くなります。

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まなぶまなぶ
切り出す勇気がなくて、退職届だけ机に置いたら、上司との関係がこじれちゃいました…。
みらいみらい
退職の書類は、話し合いのあとに出すものです。まず上司に時間をもらって口頭で伝え、会社の様式と提出先を確かめてから出しましょう。
まなぶまなぶ
次は話す内容をメモにまとめて、最初にきちんと相談します!

退職届の出し方で失敗する原因は、書類の書き方そのものよりも、出す順番と確認の不足にあります。まず上司に話し、退職願と退職届の違いを理解し、会社の様式と提出先を確かめてから出す。その丁寧さが、最後まで良い関係を保ったまま次へ進むための土台になります。内定から退職までの流れ全体で失敗しないための考え方は、内定から退職までの失敗から学ぶでまとめています。

転職そのもので後悔しないためのポイントは、転職して後悔した人の特徴7選もあわせて読んでみてください。

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