ボーナスをもらってから辞めようとして失敗した話
ボーナスをもらってから辞めようとして失敗する人の多くは、「支給日に在籍していれば満額もらえる」と思い込み、会社の賞与のルールを確かめないまま退職を切り出している人です。ボーナスの支給条件や金額の決め方は会社ごとに違い、退職の意思を伝えた時点で評価や金額に影響する場合もあります。ボーナスを気にするなら、まず就業規則と賃金規程を読むことが出発点です。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、ボーナスと退職のタイミングで失敗した原因と、確認しておきたいポイントを解説します。
支給日の明細を開いて、言葉を失った
2年前の転職活動で、まなぶは6月の終わりに第一志望の会社から内定をもらいました。入社日は相談に応じてもらえることになり、まなぶの頭に浮かんだのは、7月に支給される夏のボーナスのことでした。「支給日に会社にいれば、ボーナスはもらえるはず。それなら早めに伝えても大丈夫だろう」。
まなぶは内定の翌週、上司に退職の意思を伝えました。9月末で退職し、引き継ぎをしっかり進めたいと話すと、上司は驚きながらも了承してくれました。これで、ボーナスも受け取って、円満に辞められる。まなぶはそう信じていました。
7月の支給日。総務の受付前の廊下で受け取った賞与の明細を開いて、まなぶは言葉を失いました。金額が、前の年の夏より大きく減っていたのです。人事の担当者に聞くと、「賃金規程で、支給日より前に退職の申し出があった人は、賞与の一部を減額する決まりになっています」と説明されました。賞与には、これまでの働きへの評価だけでなく、これからの働きへの期待も含まれている、という考え方だそうです。
規程の内容が適切かどうかを争うことも頭をよぎりましたが、会社の就業規則にきちんと書かれていたうえ、残り3か月を気まずい関係で過ごしたくはありませんでした。規程を一度でも読んでいれば、伝えるタイミングを考えられたのに。規程集は、入社したときから社内のポータルに置かれていたのです。まなぶは、自分の思い込みだけで動いたことを悔やみました。
しかも、まなぶは同僚に「ボーナスもらったら辞めるんだ」と話してしまっていました。その話がどこかから伝わったのか、送別の空気はどこかよそよそしいものになりました。お金の失敗に加えて、職場での最後の時間まで気まずくしてしまったのです。夕方、談笑する同僚たちの輪に入れず、まなぶは紙コップを手に自席の横に立ち尽くしていました。
ボーナスと退職のタイミングで失敗した原因
賞与のルールを確認していない
ボーナスの支給条件や金額の決め方は、法律で一律に決まっているわけではなく、会社の就業規則や賃金規程によって違います。よくあるのは「支給日に在籍していること」を条件にするルールですが、それだけとは限りません。退職を考え始めたら、まず賞与に関する規程を読むことが大切です。規程が見つからない場合は、社内のポータルや総務部門で確認できることが多いです。退職を考えていることを知られたくない場合でも、就業規則は社員がいつでも見られる場所に置かれているのが一般的なので、まずは自分で探してみましょう。
「支給日にいれば満額」と思い込んでいる
支給日に在籍していることは、ボーナスをもらうための条件の一つにすぎません。金額は、決められた査定期間の評価で決まるのが一般的で、会社によっては、退職の予定がある人の金額を調整するルールを設けていることもあります。「もらえるかどうか」だけでなく「いくらになるか」がどう決まるのかを確認しておかないと、思わぬ減額に驚くことになります。査定期間の途中で大きなミスをしたり、評価面談を受けなかったりした場合も、金額に影響することがあります。
退職を伝えるタイミングを、ボーナスとの関係で考えていない
退職の申し出のタイミングによって、賞与の扱いが変わる場合があります。規程を確認したうえで、支給日のあとに伝えるのか、引き継ぎのために早めに伝えるのかを考える必要があります。ただし、就業規則の申し出期限や、転職先の入社日との兼ね合いも大切です。ボーナスだけを優先して申し出を遅らせると、引き継ぎの時間が足りなくなったり、転職先を待たせたりすることになります。退職の切り出し方の基本は、退職交渉で後悔する理由で、入社日の決め方は入社日の調整で失敗する人の特徴5選で紹介しています。
ボーナスの話を職場で口にしてしまう
「ボーナスをもらってから辞める」という考えは、珍しいものではありません。しかし、それを職場で口にすると、残る人たちに良い印象は与えません。退職の理由やタイミングについては、必要な相手に、必要なことだけを伝えるのが基本です。最後の数か月の過ごし方は、前の職場との関係を左右します。その考え方は、最終出社日までの過ごし方で失敗しない方法でも紹介しています。
ボーナスの額だけで転職の時期を決めている
ボーナスは大切な収入ですが、それだけで転職の時期を決めると、本当に行きたい会社の選考の時期を逃したり、内定先との入社日の調整がうまくいかなかったりします。ボーナスの金額と、転職先の条件や入社の時期を比べて、トータルで判断することが大切です。転職先によっては、入社のタイミングで前職の賞与分を考慮してくれる場合もあるため、内定後の条件のすり合わせで相談してみる価値はあります。
ボーナスと退職で失敗する人と、納得して辞められる人の違い
ボーナスと退職のタイミングで失敗しないためのチェックリスト
ボーナスと退職のタイミングは、規程さえ確認すれば、落ち着いて判断できます。退職を考え始めた段階で、次の項目を確かめておきましょう。
- 就業規則や賃金規程で、賞与の支給条件(支給日の在籍など)を確認した
- 賞与の査定期間と、金額の決まり方を確認した
- 退職の予定がある人の賞与の扱いについて、規程に記載がないか確かめた
- 就業規則の退職の申し出期限と、引き継ぎに必要な期間を確認した
- 転職先の入社日の希望と、ボーナスの支給日の関係を整理した
- ボーナスや退職のタイミングの話を、職場で口にしないと決めている
規程を確認した結果、支給日のあとに退職を伝えるほうがよいと分かったとしても、引き継ぎや転職先への影響を考えて、無理のないスケジュールにすることが大切です。まなぶは次に転職を考えるときのために、賃金規程の賞与の項目をメモに残し、ボーナスの支給日と転職活動の時期を一緒にカレンダーに書き込むようにしました。
ボーナスと入社時期を一緒に考えるなら
ボーナスと退職のタイミングは、転職先の入社日とあわせて考える必要があります。間に入って調整してくれる人がいると、判断しやすくなります。
転職成功実績1万【リクルートエージェント】
求人数が多く、業界を横断して幅広い選択肢を比較できるタイプ。内定後の入社日の調整を担当者が間に入って進めてくれる場合があり、ボーナスの支給日も踏まえた無理のないスケジュールを相談しやすくなります。まず全体像を把握したい人に向いています。
転職エージェント【ワークポート】
退職の伝え方や引き止めへの対応まで、事前にアドバイスをもらえるタイプです。転職先が決まっている場合、入社日との調整も含めて相談できます。過去の事例をもとに、伝え方のコツやタイミングを教えてもらえることもあります。
まなぶ
みらい
まなぶボーナスをもらってから辞めようとして失敗する原因は、会社のルールを確かめずに、思い込みで動いてしまうことです。賞与の規程を読み、申し出の期限や転職先の入社日とあわせて判断する。それだけで、お金の面でも、職場との関係の面でも、納得して次へ進めます。内定から退職までの流れ全体で失敗しないための考え方は、内定から退職までの失敗から学ぶでまとめています。
転職そのもので後悔しないためのポイントは、転職して後悔した人の特徴7選もあわせて読んでみてください。

