結論

副業の収入が伸びない人は、始めたときと同じ仕事を、同じやり方で、同じ相手に続けていることが少なくありません。副業を続けること自体は大切ですが、ただ続けるだけでは、使える時間に限りのある会社員の収入はすぐに頭打ちになります。収入を伸ばす鍵は、「作業時間を増やす」ことではなく「仕事の中身を一段ずつ変えていく」こと。任される仕事の幅を広げ、実績を見える形にし、お客さまとの関係を育てる。その積み重ねが、収入の天井を少しずつ押し上げていきます。

1失敗ストーリー

2年続けた副業の収入が、ずっと月3万円だった話

昼休みのカフェで、後輩の副業の収入を聞いてコーヒーを持ったまま固まるまなぶのイラスト

まなぶが副業を始めて、もうすぐ2年になります。仕事は、クラウドソーシングで見つけた不動産会社からの依頼で、物件情報の入力と、周辺のお店や駅までの距離を調べるリサーチです。平日の夜と週末に、週10時間ほど作業しています。

最初の数か月は、少しずつ作業に慣れ、毎月の収入が入ってくることがうれしくてたまりませんでした。依頼主からも「いつも丁寧で助かります」と言われ、まなぶは「このまま続ければ、そのうち収入も増えていくはずだ」と考えていました。

ある年末の夜、まなぶは2年分の副業の収入を表計算ソフトにまとめてみました。グラフにしてみて、思わず手が止まりました。2年間、収入はほぼ毎月3万円のまま、横一直線だったのです。作業時間はむしろ少し増えていて、時給にすると始めたころより下がっていました。

翌週の昼休み、まなぶは同じ部署の後輩と話す機会がありました。後輩も1年ほど前に、同じようなリサーチの副業を始めていたはずです。「最近どう?」と聞くと、後輩は少し照れながら答えました。「先月は8万円くらいでした。最初は入力の仕事だったんですけど、調べた内容をまとめて提案資料にしたら、レポート作成ごと任せてもらえるようになって。その依頼主さんから、別の会社も紹介してもらったんです」。

まなぶは、手に持ったコーヒーのカップを口に運べないまま固まりました。後輩は、まなぶより1年遅く始めたのに、収入は2倍以上です。しかも、作業時間はまなぶとそれほど変わらないといいます。「同じ時間なのに、どうしてこんなに違うんだろう」。午後の仕事の間も、その言葉が頭から離れませんでした。

その夜、まなぶは2年間を振り返りました。依頼された作業を丁寧にこなすことだけを考え、仕事の中身を変えようとしたことは一度もありませんでした。プロフィールも、始めたときのままです。自分は「続けること」に満足して、「伸ばすこと」を考えていなかったのだと、ようやく気づきました。

2原因分析

副業の収入が伸びない人の特徴5選

1

作業時間に比例して報酬が決まる仕事だけを続けている

入力やリサーチのように、作業量に応じて報酬が決まる仕事は、始めやすい一方で、収入を増やすには作業時間を増やすしかありません。本業のある会社員にとって、使える時間には限りがあります。時間を増やさずに収入を伸ばすには、同じ時間でより価値の高い仕事を任されるようになる必要があります。今の仕事が「時間で売る仕事」かどうかを、一度見直してみることが大切です。時間で売る仕事は、副業の入り口としてはとても良い選択です。問題は、そこにずっととどまってしまうことなのです。

2

同じ作業の繰り返しで、できることが増えていない

まなぶは2年間、ほぼ同じ作業を続けてきました。作業には慣れて速くなりましたが、できることの幅は始めたころと変わっていません。後輩は、リサーチ結果を資料にまとめるという一歩先の仕事に挑戦したことで、任される範囲が広がりました。今の仕事の「一つ先の工程」に手を伸ばしてみることが、収入を伸ばすきっかけになります。調べる仕事なら、まとめる仕事へ。作る仕事なら、提案する仕事へ。小さな一歩でかまいません。

3

実績やできることを、見える形にしていない

まなぶのプロフィールは、始めたときのまま更新されていませんでした。2年間で積み上げた実績や、依頼主からの評価があっても、それが見える形になっていなければ、新しいお客さまには伝わりません。どんな仕事を、どれくらいの量、どんな品質でこなしてきたのか。具体的な実績をプロフィールや提案文にまとめておくことで、より条件のよい仕事に声をかけてもらえる可能性が広がります。「丁寧」「早い」といった言葉だけでなく、「2年間で物件情報を3,000件以上入力、修正依頼はほぼゼロ」のように、数字を交えて書くと伝わりやすくなります。

4

今のお客さまとの関係を育てていない

後輩の収入が増えた大きな理由の一つは、依頼主からの紹介でした。今のお客さまに信頼されている人は、仕事の範囲を広げてもらえたり、別のお客さまを紹介してもらえたりすることがあります。依頼された作業をこなすだけでなく、「ほかにお手伝いできることはありますか」と一言添えることが、関係を育てる第一歩です。新しいお客さまを一から探すより、今のつながりを深めるほうが、ずっと近道になることもあります。

5

収入と作業時間を記録せず、振り返っていない

まなぶが収入の横ばいに気づいたのは、2年たってからでした。毎月の収入と作業時間を記録し、定期的に振り返っていれば、もっと早く手を打てたはずです。時給に換算すると下がっている、ある仕事だけ効率が悪い、といったことは、数字にしてみて初めて見えてきます。3か月に一度でも振り返る習慣があれば、「このままでいいのか」を考えるきっかけになります。記録は細かくなくてもかまいません。月ごとの収入と、おおよその作業時間を書き留めるだけで十分です。

3図解

収入が伸びない人と、伸びていく人の違い

⚠ 収入が伸びない人のパターン
始めたときと同じ作業を、同じやり方で続ける
↓
実績やできることを、外に見せないままにする
↓
収入と時間を振り返らず、なんとなく続ける
↓
時間だけが増え、収入は横ばいのまま
◎ 収入が伸びていく人のパターン
今の仕事の「一つ先の工程」に挑戦する
↓
実績をまとめ、今のお客さまとの関係を深める
↓
収入と時間を記録し、定期的に見直す
↓
同じ時間でも、任される仕事と収入が増えていく

2つのパターンの違いは、かけている時間の長さではありません。副業を「同じことを続けるもの」と考えるか、「少しずつ中身を変えていくもの」と考えるかの違いです。

副業で収入を伸ばしている人は、特別な才能があるわけではありません。今の仕事を丁寧にこなしながら、その一つ先を試し、できるようになったことを見える形にし、信頼してくれるお客さまを大切にしている。その地道な工夫が、時間を増やさずに収入を伸ばす力になっているのです。

4解決策

副業の収入を伸ばすためにチェックしたいこと

  • 毎月の収入と作業時間を記録し、時給に換算してみる
  • 今の仕事が、作業時間に比例して報酬が決まる仕事かどうかを確かめる
  • 今の仕事の「一つ先の工程」として、挑戦できることを書き出す
  • プロフィールや提案文に、これまでの実績と評価を具体的に書く
  • 今のお客さまに、ほかに手伝えることがないかを聞いてみる
  • 3か月に一度、収入・時間・仕事の中身を振り返る日を決める

まずは「この3か月の収入と作業時間を書き出し、時給を計算してみる」ことから始めてみてください。数字にしてみると、続けるべき仕事と、見直すべき仕事が見えてきます。時給が下がっていたら、それは仕事の中身を変えるタイミングだというサインです。

副業は、続けることで少しずつ力がついていくものです。けれど、続けるだけでは収入は伸びていきません。今の仕事を土台にしながら、任される範囲を一歩ずつ広げていく。その意識が、限られた時間の中で副業を育てていくための近道です。

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まなぶまなぶ
2年間まじめに続けてきたのに、収入はずっと月3万円のままでした…。1年後に始めた後輩に、あっという間に追い抜かれてしまって。
みらいみらい
2年間続けてきたことは、まなぶさんの大きな力ですよ。その経験を土台にして、今の仕事の「一つ先」に手を伸ばしてみましょう。丁寧な仕事ぶりは、きっと次のチャンスにつながります。

副業の収入が伸びない人は、始めたときと同じ仕事を同じやり方で続け、仕事の中身を変えるきっかけを持てずにいることが少なくありません。今の仕事の一つ先の工程に挑戦し、実績を見える形にし、お客さまとの関係を育て、収入と時間を定期的に振り返る。その工夫を重ねることで、限られた時間の中でも、副業の収入は少しずつ伸びていきます。

副業を始める前に知っておきたい、失敗する人に共通するポイントについては、副業で失敗する人の共通点でもまとめています。あわせて読んでみてください。

件数を詰め込むのではなく、余白を残しながら副業を続けて伸ばしていく考え方は、副業を続けて伸ばす失敗から学ぶでまとめています。

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