スクールの説明会でその場で契約して失敗した話
スクールの説明会でその場で契約して失敗する人の多くは、「今日申し込めば安くなる」「残りの席はわずか」という言葉に押されて、家に帰って考える時間をとらないまま、続けられるか、本当に必要かを確かめずに、高い契約を結んでしまう人です。説明会の場は、学ぶ気持ちがいちばん高まっているときです。その気持ちのまま決めると、あとで生活に当てはめたときに無理が見えてきます。スクールの契約は「その場で決めるもの」ではなく、「一度持ち帰って、生活と目的に照らしてから決めるもの」です。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、説明会でその場で契約して失敗する理由と、契約の前に確かめたいことを解説します。
「今日だけ」の言葉で、1年分の契約をしたAさんの話
日曜日の朝、まなぶは、近所の商店街の朝市で、野菜を選んでいました。とれたてのトマトを袋に詰めてくれたのが、実家の畑を手伝いに来ているというAさん(40代男性)でした。平日は、機械の部品を扱う商社で、海外の取引先とのやりとりを担当しているそうです。まなぶが英語の勉強の話をすると、Aさんは「英語のスクールには、苦い思い出があってね」と話し始めました。(登場する人物は、よくある失敗をもとに編集部が再現したものです)
去年の春、Aさんは、海外の取引先とのやりとりが増えたのをきっかけに、ビジネス英語のスクールの説明会に行きました。最初は、話を聞くだけのつもりでした。ところが、説明のあとの面談で、担当の人から「今日申し込めば、入会金がなくなり、受講料も割り引きになります」「この割り引きの枠は、残りわずかです」と言われました。示された1年分のコースは、数十万円でした。Aさんは一瞬迷いましたが、「せっかく来たし、安くなるなら今だ」と思い、その場で申込書に名前を書きました。
ところが、通い始めて2か月がたつと、仕事の繁忙期に入りました。夜のレッスンの予約をとっても、急な打ち合わせで行けない日が続きました。予約をとり直すのも面倒になり、だんだんとスクールから足が遠のいていきました。説明会の場の勢いで決めて、自分の仕事の波に合うかを、家で確かめていなかったのです。家に帰ってから契約書を読み直すと、途中でやめるときの決まりや、レッスンの予約のルールが細かく書かれていましたが、契約のときにはほとんど読んでいませんでした。
「割り引きの言葉より、自分が1年間通えるかどうかを先に考えるべきだった」。Aさんは、トマトの袋をまなぶに手渡しながら、そう話してくれました。結局、Aさんは、残りの期間のことを家族と話し合い、スクールに相談して途中で解約する手続きをとったそうです。戻ってきたお金は、思っていたより少なかったといいます。
説明会でその場で契約して失敗する理由
「今日だけ」の言葉に、決める時間を奪われた
「今日申し込めば安くなる」「残りの枠はわずか」という言葉は、すぐに決めなければ損をする、という気持ちにさせます。けれども、割り引きで安くなる金額より、続けられずに無駄になる金額のほうが大きくなることもあります。説明会の前に、「その日は申し込まずに、一度持ち帰る」と決めておくことが大切です。本当に自分に合う講座なら、数日考えてから申し込んでも、遅すぎることはほとんどありません。
自分の生活に、当てはめていなかった
説明会では、学んだあとの明るい姿を思い浮かべやすくなります。けれども、実際に通うのは、仕事や家の用事がある、いつもの生活の中です。家に帰ってから、1年分の仕事の忙しい時期や家の予定を書き出し、授業の予約がとれるかを当てはめてみると、無理がないかが見えてきます。Aさんのように、仕事に波がある人は、忙しい時期にどう通うかを、特によく考えておきましょう。
契約書を、読まずに名前を書いていた
契約書には、受講できる期間、予約のルール、途中でやめるときの決まり、返金の計算のしかたなど、大切なことが書かれています。その場で読むと、緊張や時間のなさから、大事なところを見落としがちです。契約書や規約は、持ち帰って家で落ち着いて読み、分からないところは質問してから申し込むようにしましょう。とくに、途中でやめるときにいくら戻ってくるのかは、必ず確かめておきたいところです。
1年分を、一度に契約していた
長い期間の契約は、1か月あたりの料金が安く見えることがあります。けれども、続けられなかったときに、使わなかった分が大きくなりやすいのも、長い契約です。まずは短い期間のコースや、1か月ごとに続けられる形で始めて、続けられると分かってから長い契約にするのも一つの方法です。体験レッスンを何回か受けてから決めるだけでも、失敗はぐっと減らせます。
困ったときの決まりを、知らなかった
語学の教室など、長く続けて通うタイプのサービスの一部では、決まった条件のもとで、契約の書面を受け取ってから一定の日数のうちならクーリング・オフができたり、その期間を過ぎても途中で解約できたりする決まりがあります。ただし、すべての講座が対象になるわけではなく、期間や金額、契約のしかたによって扱いが変わります。困ったときは、一人で悩まずに、消費者ホットライン(188)に相談してみましょう。契約の書面は、すぐに取り出せる場所にしまっておくことも大切です。申し込む前に、「やめたくなったら、どうなるのか」をスクールに聞いておくだけでも、あとで慌てずにすみます。
その場で決める人と、持ち帰って決める人の違い
説明会でその場で契約しないためのチェックリスト
スクールの説明会に行く前と、申し込む前に、次の項目を確かめてみてください。数日考える時間をとることが、大きな失敗を防ぐいちばんの方法です。
- 説明会の日は申し込まず、一度持ち帰ると決めている
- 「今日だけ」の割り引きより、続けられるかを先に考えた
- 1年分の仕事の忙しい時期と家の予定に、授業を当てはめた
- 契約書や規約を、家で落ち着いて読んだ
- 途中でやめるときの決まりと、戻ってくるお金を確かめた
- 短い期間のコースや体験から始められるかを確かめた
- 困ったときの相談先(消費者ホットライン188)を知っている
クーリング・オフや中途解約ができるかどうかは、講座の種類、契約の期間や金額、契約のしかたによって異なります。くわしくは、契約書の記載をよく確かめ、分からないときは消費者ホットライン(188)などに相談してください。
Aさんは今、もう一度、英語を学び直しているそうです。今回は、いくつかのスクールの体験レッスンを受け、資料を持ち帰って、家族と一緒に契約書を読みました。仕事の忙しい時期でも続けられるように、好きな時間に受けられるオンラインのレッスンを、まず3か月だけ申し込みました。「続けられると分かったから、次は半年にしようと思っているんだ」。Aさんは、朝市の売り台に新しいトマトを並べながら、そう言って笑っていました。
資格と学び直しで後悔しないために
スクールや講座を選ぶときは、いくつかを比べて、無料の相談や資料で中身を確かめてから決めることが大切です。その場で決めず、持ち帰って考えましょう。
資格取得・キャリアアップの【ヒューマンアカデミー】
幅広い分野の講座から、目的に合うものを比べて選べるタイプです。資料を取り寄せたり、無料の相談で受講の期間や途中でやめるときの決まりを聞いたりして、家で落ち着いて比べてから決めると安心です。
法律資格・公務員試験のスクール【伊藤塾】
法律系の資格や公務員試験のほか、社会保険労務士や宅建士などの講座も扱うスクールです。無料のガイダンスや資料で、講座の中身や受講の期間を確かめ、自分の生活に合うかを考えてから申し込めます。
まなぶ
みらい
まなぶ説明会でその場で契約して失敗する原因は、「今日だけ」の言葉に押されて、生活に当てはめず、契約書も読まないまま、長い期間の契約を結んでしまうことです。その日は持ち帰り、予定に当てはめ、契約書を読み、短い期間から始め、困ったときの相談先を知っておく。それだけで、後悔しない契約ができます。スクールや通信講座で失敗しないための考え方は、スクール・通信講座の失敗から学ぶでまとめています。
スクール・通信講座については、スクール選びで失敗する人の特徴5選や学び放題のオンライン講座で失敗しない方法もあわせて読んでみてください。

