結論

賃貸の火災保険で失敗する人の多くは、入居のときに不動産会社に言われるまま加入し、何が補償されるのか、いつまで有効なのかを一度も確かめていない人です。賃貸の火災保険は、火事のためだけのものではありません。水漏れで下の部屋に迷惑をかけたときや、自分の家財が壊れたときにも関わってきます。いざというときに「切れていた」「補償に入っていなかった」では、思わぬ出費を自分で負うことになります。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、賃貸の火災保険で失敗する人の特徴5つと、契約を確かめるポイントを解説します。

1失敗ストーリー

下の部屋に水が漏れた日、保険は切れていた

賃貸マンションの共用廊下で、水漏れの被害を受けた下の部屋の住人に、保険の証券を手にしたまま頭を下げて謝るまなぶのイラスト

ある冬の土曜日の朝、まなぶは洗濯機を回したまま、近所のコンビニに出かけました。帰ってくると、洗面所の床が水びたしになっていました。洗濯機の排水ホースが外れ、水があふれていたのです。あわてて止めたものの、しばらくすると玄関のチャイムが鳴りました。下の部屋の住人が、「天井から水が落ちてきたんですが」と困った顔で立っていました。

管理会社に連絡すると、担当者から「入居のときに入っていただいた火災保険で、下の部屋の補償ができるかもしれません。保険の証券を確認してください」と言われました。まなぶは引き出しの奥から、入居したときの書類を探し出しました。ところが、そこに書かれた保険の期間を見て、血の気が引きました。保険は2年契約で、半年前に満期を迎えていたのです。

賃貸の契約を更新したとき、不動産会社から更新の書類と一緒に保険の案内も届いていました。しかし、家賃の更新料の手続きだけを済ませ、保険の書類は「あとで見よう」と置いたままでした。賃貸の契約が続いているのだから、保険も自動で続いているものだと思い込んでいたのです。

結局、下の部屋の天井と壁紙の張り替え、ぬれてしまった家具の弁償は、まなぶが自分で払うことになりました。合わせて十数万円。しかも、そもそも入居のときの保険に何が含まれていたのかも、まなぶはよく分かっていませんでした。「入っているから大丈夫」と思っていた保険は、中身も期限も、一度も確かめたことがなかった。まなぶは、自分の契約をまったく把握していなかったことを思い知りました。

2原因分析

賃貸の火災保険で失敗する人の特徴5選

1

不動産会社に言われるまま加入し、中身を知らない

賃貸の部屋を借りるとき、多くの場合、火災保険への加入を求められます。不動産会社が用意した保険にそのまま入る人が多いですが、自分で保険を選んで加入できる場合もあります。大切なのは、どこで入るかよりも、何が補償されるのかを自分で理解していることです。少なくとも、「自分の家財の補償」「大家さんへの補償(借家人賠償責任)」「他人への補償(個人賠償責任)」の三つが入っているかどうかは確かめておきましょう。

2

満期と更新を管理していない

賃貸の火災保険は、2年ごとなど、期間の決まった契約が多くあります。賃貸の契約を更新しても、保険が自動で更新されるとは限りません。更新の案内を見落とすと、気づかないうちに保険が切れてしまいます。保険の満期日をカレンダーやスマホに登録し、賃貸の更新と合わせて必ず確認する習慣をつけましょう。賃貸の契約書に「火災保険への加入」が条件として書かれている場合、保険が切れたままだと、契約の約束を守れていないことにもなります。更新の書類が届いたら、家賃の手続きと保険の手続きを、同じ日にまとめて済ませるのがおすすめです。

3

「他人への補償」を理解していない

水漏れで下の部屋の天井や家具を傷めてしまった場合、関わってくるのが「個人賠償責任」の補償です。賃貸の火災保険に特約として付いていることが多い一方で、付いていない契約もあります。自動車保険やクレジットカードなど、ほかの契約に同じ補償が付いていて、重なっている場合もあります。補償の範囲は契約によって異なるため、家族の分も含めて、どの契約でカバーされているのかを整理しておくと安心です。

4

家財の補償額を実態に合わせていない

家財の補償額は、自分の持ち物を買い直すのにどのくらいかかるかを目安に決めます。一人暮らしでも、パソコンや家電、衣類を合わせると、思ったより大きな金額になることがあります。逆に、必要以上に大きな金額にすると、保険料を払いすぎることもあります。部屋にある物を、家電・家具・衣類・趣味の道具などに分けて、ざっくり書き出してみると目安がつかみやすくなります。引っ越しや大きな買い物をしたときに、補償額が今の暮らしに合っているかを見直すことが大切です。

5

事故のときの手順を知らない

水漏れなどの事故が起きたとき、まず何をすればいいのかを知らないと、あわてて対応が遅れます。被害の写真を撮る、管理会社に連絡する、保険会社に連絡して手続きを確かめる。保険の連絡先と証券の保管場所を決めておくだけでも、いざというときの動きは大きく変わります。相手との示談を自分だけで進める前に、保険会社に相談することも大切です。

3図解

火災保険で失敗する人と、いざというときに困らない人の違い

⚠ 賃貸の火災保険で失敗する人のパターン
入居のときに言われるまま加入し、証券をしまい込む
↓
賃貸を更新しても、保険の更新案内を見ないまま放っておく
↓
事故が起きてから、補償の中身と期限を初めて確かめる
↓
保険が切れていたり補償がなかったりして、自分で弁償する
◎ いざというときに困らない人のパターン
加入するときに、家財・大家さん・他人への補償を確かめる
↓
満期日を登録し、賃貸の更新と合わせて保険も更新する
↓
連絡先と証券の場所を決め、事故のときの手順を知っておく
↓
万一のときも落ち着いて対応でき、出費も最小限で済む
4解決策

賃貸の火災保険を確かめるチェックリスト

賃貸の火災保険は、一度確かめておけば、次の更新まで安心して過ごせます。引き出しにしまったままの証券を取り出して、次の項目を確認してみてください。

  • 今の火災保険の満期日を確認し、カレンダーに登録した
  • 自分の家財の補償が入っていて、金額が今の暮らしに合っている
  • 大家さんへの補償(借家人賠償責任)が入っている
  • 他人への補償(個人賠償責任)が、どの契約で付いているか分かっている
  • ほかの保険やクレジットカードと補償が重なっていないか確認した
  • 事故のときの連絡先と、証券の保管場所を決めている

まなぶはその後、保険の代理店で賃貸の火災保険に入り直しました。補償の内容を一つずつ説明してもらい、個人賠償責任の特約が付いていることも確かめました。満期日はスマホのカレンダーに登録し、賃貸の更新の時期と並べて書き込みました。ついでに、ほかの保険やクレジットカードに付いている補償も一覧にしてみると、同じような補償が重なっているものも見つかりました。

保険は、入った日ではなく、使う日に役に立つかどうかがすべてです。洗濯機の排水ホースも、しっかり差し込まれているかを月に一度確かめるようになりました。保険の見直しで気をつけたいことは、保険の見直しで失敗する人の特徴5選で紹介しています。急な出費に備えるお金の考え方は、生活防衛資金を用意せずに後悔する理由も参考になります。

※火災保険の補償の範囲、特約の内容、保険金が支払われる条件は、保険会社や契約によって異なります。賃貸の契約で保険の条件が決められている場合もあるため、加入や切り替えの前に、管理会社や保険会社に確認してください。
5おすすめサービス

保険の中身を確かめて、ムダなく備えるために

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まなぶまなぶ
下の部屋に水が漏れたのに、火災保険は半年前に切れてました。十数万円、自分で払うことに…。
みらいみらい
賃貸の火災保険は、賃貸の更新と一緒に自動で続くとは限りません。満期日と、他人への補償が入っているかを確かめておきましょう。
まなぶまなぶ
満期日をカレンダーに入れて、補償の中身も一覧にしておきます!

賃貸の火災保険で失敗しないために大切なのは、「入っているから大丈夫」と思い込まず、補償の中身と期限を自分で確かめておくことです。家財・大家さん・他人への補償を確かめ、満期日を管理し、事故のときの手順を知っておく。それだけで、いざというときの出費と不安は大きく減らせます。保険やローンで失敗しないための考え方は、保険・ローンの失敗から学ぶでまとめています。

お金の増やし方で失敗しないためのポイントは、NISAで失敗する人の特徴もあわせて読んでみてください。

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