結論

40代からの資格選びで後悔する人の多くは、「今までと違う道に進むには、新しい分野の資格が必要」と考えて、これまでの仕事で積み上げてきた経験を生かせるかを考えないまま、未経験の分野の人気資格をゼロから目指してしまう人です。40代は、20年ほどの仕事の経験がある年代です。その経験とつながる資格を選べば、資格と経験の両方を強みにできます。一方で、経験とつながらない資格は、取っても「未経験の人」として見られやすく、生かす場を見つけにくいことがあります。40代からの資格は「ゼロから始めるもの」ではなく、「これまでの経験に足すもの」として選ぶのがコツです。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、40代からの資格選びで後悔する理由と、経験を生かす選び方を解説します。

1失敗ストーリー

20年の経験を置いて、ゼロから始めたAさんの話

区の図書館の読み聞かせボランティアのあと、絵本を片づけながらAさんから40代からの資格選びの失敗談を聞くまなぶのイラスト

土曜日の午後、まなぶは、区の図書館の読み聞かせボランティアの打ち合わせに参加していました。絵本を片づけているとき、隣で手伝っていたのが、同じボランティアの仲間のAさん(40代女性)でした。Aさんは、保険会社で20年近く、契約の手続きを担当する事務の仕事をしています。まなぶが資格の話をすると、Aさんは「40代で資格を取ったけど、選び方を間違えたなって思ってるの」と話し始めました。(登場する人物は、よくある失敗をもとに編集部が再現したものです)

3年前、Aさんは、会社の事務の仕事が、システムに置きかわっていくのを感じていました。「このままでいいのかな。40代のうちに、新しい道を作っておかないと」。そう考えたAさんは、まったく経験のなかったWebデザインの資格を目指すことにしました。「これからの時代に必要」「在宅でも働ける」という言葉に引かれたのです。仕事と家のことの合間に1年半かけて勉強し、資格を取ることができました。

ところが、Webデザインの仕事を探してみると、求人の多くは、作品や実務の経験を重く見ていました。資格を持っていても、Aさんは「未経験の40代」として見られ、なかなか声がかかりませんでした。一方で、同じころ、保険の仕事の経験を生かして、お金や保険の相談に関わる資格を取った同僚は、社内の相談の窓口の仕事に移っていました。20年の経験を生かせるかを考えずに、ゼロから始める資格を選んでいたのです。

「資格の勉強はがんばったんだけど、私の20年を、どこにもつなげていなかったのよね」。Aさんは、絵本を本棚に戻しながら、少しさみしそうにそう話してくれました。資格の証書は、今も家の引き出しの中にあるそうです。

2原因分析

40代からの資格選びで後悔する理由

1

これまでの経験を、書き出していなかった

20年ほど仕事を続けていると、自分では当たり前に思っている知識やスキルが、たくさん身についています。けれども、それを書き出したことがないと、自分の強みに気づけず、「新しいことを始めないと」と考えてしまいがちです。資格を選ぶ前に、これまでの仕事で扱ってきたこと、得意なこと、人から頼まれることを書き出すことが大切です。Aさんなら、保険の契約の知識、お客さんへの説明、細かい書類の確認など、強みがいくつも見つかったはずです。

2

経験とつながらない資格を、選んでいた

40代で新しい仕事に移るとき、まわりは資格だけでなく、それまでの経験もあわせて見ます。経験とつながる資格なら、「経験に裏づけられた資格」として評価されやすくなります。資格の候補を挙げたら、「これまでの経験と、どうつながるか」を一つずつ書いてみるようにしましょう。つながりが書けない資格は、取ったあとに生かす場を見つけるのに時間がかかるかもしれません。経験に足す資格から選ぶことで、40代ならではの強みが生まれます。

3

資格を取ったあとの働き方を、調べていなかった

資格を取ったあと、どんな職場で、どんな人が、どんな形で働いているのかを知らないまま選ぶと、取ったあとに思っていた働き方と違うことに気づくことがあります。求人の情報や、その資格で働いている人の話から、40代で資格を生かしている人の働き方を調べておくようにしましょう。求人で、資格のほかにどんな経験が求められているかも確かめておくと、資格だけで足りるかどうかが分かります。

4

「これからの時代に必要」という言葉で、選んでいた

「これからの時代に必要」「どこでも働ける」といった言葉は、多くの人の目を引きます。けれども、その言葉は、誰にとっても当てはまるわけではありません。広告や記事の言葉を見たら、「自分の経験と生活に照らして、本当に合うか」を一度立ち止まって考えるようにしましょう。世の中で必要とされていることと、自分が力を発揮できることが重なるところを探すのが、40代からの資格選びのコツです。

5

今の職場で生かす道を、考えていなかった

40代からの資格は、転職や独立のためだけのものではありません。今の職場の中で、新しい役割を担うために生かすこともできます。社内で、資格を生かせる部署や仕事がないかを、上司や人事に聞いてみましょう。Aさんの同僚のように、今の職場での経験と資格を組み合わせて、新しい仕事に移れることもあります。今の職場で生かせる資格なら、学んだことをすぐに試せて、続ける力にもなります。働く場所を変えるかどうかは、今の職場で試してから考えても遅くありません。

3図解

ゼロから始める人と、経験に足す人の違い

⚠ 40代からの資格選びで後悔する人のパターン
「新しい道が必要」と、未経験の分野の人気資格を選ぶ
↓
これまでの経験との、つながりを考えない
↓
資格を取っても、「未経験の人」として見られる
↓
資格を生かす場が見つからず、経験も生かせないまま
◎ 40代からの資格を上手に選ぶ人のパターン
これまでの仕事で積み上げた経験と強みを書き出す
↓
経験とつながる資格を選び、取ったあとの働き方を調べる
↓
まずは今の職場で生かせる道がないかを確かめる
↓
経験と資格の両方が強みになり、新しい役割につながる
4解決策

40代からの資格選びで後悔しないためのチェックリスト

40代から資格を目指すときは、選ぶ前に次の項目を確かめてみてください。これまでの経験は、新しい資格を生かすためのいちばんの土台です。すでに資格を取った人も、経験とのつながりを書き出せば、生かし方が見えてきます。

  • これまでの仕事で扱ってきたことと、得意なことを書き出した
  • 資格の候補ごとに、経験とのつながりを書いた
  • 求人の情報で、資格のほかに求められている経験を調べた
  • 40代でその資格を生かしている人の働き方を調べた
  • 広告の言葉ではなく、自分の経験と生活に照らして考えた
  • 今の職場で、資格を生かせる部署や仕事を上司に聞いた

Aさんは今、保険の仕事の経験とつながる、お金の計画に関わる資格の勉強を始めています。今回は、選ぶ前に20年の仕事を書き出し、上司にも相談しました。社内の相談の窓口で、来年から一部の仕事を手伝えることになったそうです。Webデザインで学んだことも、窓口の案内の資料を見やすく作るのに役立っているといいます。「遠回りはしたけど、両方がつながってきたのは、ちょっとうれしいの」。Aさんは、次の読み聞かせで使う絵本を選びながら、そう言って笑っていました。

5おすすめサービス

資格と学び直しで後悔しないために

40代からの資格選びは、これまでの経験を整理するところから始まります。経験とつながる資格を見つけたら、合格までの道のりを確かめてから始めましょう。

A
キャリアを整理してから動きたい人向け

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これまでの経験と、これからのキャリアを、専門のコンサルタントと整理できるタイプです。資格を選ぶ前に、20年の経験の中にある強みを言葉にしておくと、経験とつながる資格を選びやすくなります。

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B
法律系の資格や公務員試験を目指す人向け

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法律系の資格や公務員試験のほか、社会保険労務士、宅建士、FPなどの講座も扱うスクールです。これまでの仕事の経験とつながる資格を目指すときは、無料のガイダンスで、合格までの道のりや勉強の進め方を確かめられます。

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まなぶまなぶ
1年半かけて資格を取ったのに、20年の経験をどこにもつなげていなかったなんて…。
みらいみらい
40代からの資格は、ゼロから始めるものではなく、これまでの経験に足すものとして選ぶのがコツです。仕事で積み上げてきたことを書き出し、経験とつながる資格を選びましょう。今の職場で生かす道を確かめることも大切です。
まなぶまなぶ
経験こそが、資格を生かす土台なんですね。

40代からの資格選びで後悔する原因は、新しい道には新しい分野の資格が必要と考えて、これまでの経験を生かせるかを考えないまま、ゼロから始める資格を選んでしまうことです。経験を書き出し、つながりを確かめ、取ったあとの働き方を調べ、広告の言葉に流されず、今の職場で生かす道を探す。それだけで、40代からの資格は大きな強みになります。資格選びで失敗しないための考え方は、資格選びの失敗から学ぶでまとめています。

資格選びについては、民間資格を取って失敗した話やIT資格の選び方で失敗しない方法もあわせて読んでみてください。

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