英語の資格選びで失敗する人の特徴5選
英語の資格選びで失敗する人の多くは、「英語の資格といえば、まずは点数」と考えて、仕事でどんな英語の力が求められているかを確かめないまま、よく知られている試験の点数を上げることだけを目標にしてしまう人です。英語の資格や試験には、読む・聞く力を測るもの、話す・書く力を測るもの、仕事の場面に近い力を測るものなど、さまざまな種類があります。目指す試験が仕事で必要な力とずれていると、点数が上がっても、仕事の英語は変わりません。英語の資格は「有名な試験の点数」で選ぶのではなく、「仕事で使う英語の場面」から選ぶものです。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、英語の資格選びで失敗する人の特徴と、自分に合う試験の選び方を解説します。
点数は上がったのに、話せなかったAさんの話
日曜日の午後、まなぶは、住んでいるマンションの管理組合の集まりに出ていました。会議が終わったあと、片づけを手伝っていたのが、同じ役員を務めているAさん(30代女性)でした。Aさんは、駅前のホテルで、フロントの仕事をしています。まなぶが英語の勉強の話をすると、Aさんは「英語の資格では、遠回りしちゃったんだよね」と、椅子を重ねながら話し始めました。(登場する人物は、よくある失敗をもとに編集部が再現したものです)
数年前から、Aさんのホテルには、海外からのお客さんが増えていました。「英語ができるようにならなきゃ」と思ったAさんは、まず、よく知られている英語の試験で高い点数を取ることを目標にしました。読む・聞く力を測る試験で、点数が分かりやすく、まわりにも受けている人が多かったからです。職場で英語を使っている人に、どんな力が必要かを聞くことはありませんでした。仕事のあとに問題集を解き、1年半かけて、目標にしていた点数を取ることができました。
ところが、フロントに立つと、海外のお客さんの質問に、なかなか言葉が出てきませんでした。聞き取ることはできても、自分から話すとなると、文が組み立てられないのです。頭の中で日本語から訳しているうちに、お客さんを待たせてしまいました。チェックインの説明や、近くのお店の案内を、短い言葉で伝えることさえ、うまくできませんでした。仕事で必要なのは話す力だったのに、読む・聞く力を測る試験の点数だけを目標にしていたのです。
「点数は上がったのに、フロントでは前と同じように固まっていたの」。Aさんは、重ねた椅子を壁ぎわに運びながら、苦笑いしてそう話してくれました。上司からは、「点数はすごいけど、まずはお客さんとの会話に慣れてほしい」と言われたそうです。結局、そのときは、英語の得意な同僚にお客さんの対応を代わってもらうことが多かったといいます。1年半の勉強が、フロントではほとんど生かせなかったのです。
英語の資格選びで失敗する人の特徴5選
仕事で使う英語の場面を、書き出していない
英語の力と一口にいっても、仕事で使う場面はさまざまです。メールを読んで返す仕事なら読む・書く力、電話や接客なら聞く・話す力、会議なら話を聞いて意見を言う力が求められます。資格を選ぶ前に、「仕事で、どんな場面で、どんな英語を使うか」を3つほど書き出すことが大切です。Aさんなら、「チェックインの説明」「周辺の案内」「困りごとへの対応」と書き出せば、話す力が中心だと気づけたはずです。
有名な試験だから、という理由で選んでいる
よく知られている試験は、受けている人が多く、教材も手に入りやすいため、つい選びたくなります。けれども、有名かどうかと、自分の仕事に合うかどうかは別のことです。英語の試験は、測る力の種類(読む・聞く・話す・書く)を確かめ、仕事の場面に合うものを選ぶようにしましょう。話す力を測る試験や、4つの力をまとめて測る試験もあります。試験の公式の案内で、どんな問題が出るのかを先に見ておくと、選びやすくなります。
点数を上げることが、目的になっている
点数は、進み具合が分かりやすく、目標にしやすいものです。けれども、点数を上げることが目的になると、試験に出やすい問題の解き方ばかりを練習し、仕事で使う力が後回しになりがちです。点数は「仕事で使う英語」に近づいているかを確かめる目安として使うようにしましょう。点数と一緒に、「先月より、仕事で英語を使えた場面が増えたか」も振り返ると、目的からずれにくくなります。
職場で求められている資格を、確かめていない
会社や業界によっては、昇進や配属の目安として、特定の試験の点数を求めていることがあります。一方で、点数よりも、実際に英語で仕事ができるかを重く見る職場もあります。上司や人事の担当に、「この仕事で、どんな英語の力や資格が求められているか」を一度聞いておくと、遠回りを防げます。同じ職場で英語を使っている先輩に、どの試験を受けたか、何が役に立ったかを聞くのもよい方法です。
資格の勉強と、英語を使う練習を分けていない
試験の勉強だけをしていると、英語を「解くもの」として身につけてしまい、「使うもの」としての練習が足りなくなります。仕事で使う英語は、実際に口に出したり、書いたりするなかで身についていきます。毎日の仕事の中で使う決まった言い回しを、5つほど書き出して声に出して練習するだけでも、話す力は少しずつ変わっていきます。資格の勉強は、使う練習と組み合わせることで、はじめて仕事の力になります。試験の勉強の時間の中に、使う練習の時間を少しだけ入れておきましょう。
点数で選ぶ人と、仕事の場面から選ぶ人の違い
英語の資格選びで失敗しないためのチェックリスト
英語の資格や試験を選ぶ前に、次の項目を確かめてみてください。目指す試験を少し見直すだけで、同じ勉強の時間が、仕事に生きる時間に変わります。すでに勉強を始めている人も、仕事の場面を書き出すところから見直してみましょう。
- 仕事で英語を使う場面を、3つほど書き出した
- その場面で必要な力(読む・聞く・話す・書く)を確かめた
- 試験の公式の案内で、どんな力を測る試験かを確かめた
- 上司や人事に、職場で求められている英語の力を聞いた
- 点数と一緒に、仕事で英語を使えた場面も振り返っている
- 仕事でよく使う言い回しを、声に出して練習している
Aさんは今、話す力を測る試験を次の目標にしています。フロントでよく使う言い回しを20個書き出し、出勤前に声に出して練習するようにしました。同じホテルで英語が得意な先輩に、休憩時間に会話の練習につきあってもらうこともあるそうです。「最初から仕事の場面で考えていれば、もっと早く話せるようになっていたのにね」。Aさんは、片づけの終わった集会室の電気を消しながら、そう言って笑っていました。最近は、海外のお客さんに、近くのお店を案内できるようになったそうです。
資格と学び直しで後悔しないために
英語の資格を選ぶときは、仕事で使う場面と、自分の強みやこれからの方向をあわせて考えると、目指す試験をしぼりやすくなります。
資格取得・キャリアアップの【ヒューマンアカデミー】
幅広い分野の講座から、目的に合うものを比べて選べるタイプです。無料の相談で、仕事で使う場面を伝えて、どんな資格や学び方が合うかを、ほかの分野の講座とも比べながら考えられます。
市場価値から本当のキャリアパスを見出すサービス【ミイダス】
自分の経験や強みをもとに、市場での価値や向いている方向を確かめられる診断のサービスです。英語の力をどんな仕事で生かしたいかを考える前に、自分の強みを知っておくと、目指す資格を選びやすくなります。
まなぶ
みらい
まなぶ英語の資格選びで失敗する原因は、有名な試験の点数を上げることだけを目標にして、仕事でどんな英語の力が求められているかを確かめないことです。仕事の場面を書き出し、測る力を確かめ、職場に聞き、点数と使えた場面の両方を振り返り、使う練習を組み合わせる。それだけで、英語の資格は仕事の力につながります。資格選びで失敗しないための考え方は、資格選びの失敗から学ぶでまとめています。
資格選びについては、資格手当を目当てに資格を選んで後悔する理由や民間資格を取って失敗した話もあわせて読んでみてください。

