苦手分野の克服で失敗しない方法
苦手分野の克服で失敗する人の多くは、「苦手なところは、得意なところを固めてから」と考えて、解ける分野ばかりをくり返し、苦手な分野を試験の直前まで後回しにしてしまう人です。得意な分野を解くのは気持ちがよく、勉強が進んでいるように感じます。けれども、苦手な分野が手つかずのままだと、試験ではそこで大きく点数を落とし、合格の基準に届かなくなります。苦手分野は「最後に回すもの」ではなく、「小さく分けて、毎日少しずつ触れるもの」です。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、苦手分野の克服で失敗しない方法を解説します。
得意な分野ばかり解いていたAさんの話
平日の夜、まなぶは、会社の近くのヨガ教室のレッスンを終えて、更衣室の前のベンチで水を飲んでいました。隣に座ったのが、同じ時間のクラスに通っているAさん(30代女性)でした。Aさんは、駅前の内科のクリニックで、受付と医療事務の仕事をしています。まなぶが勉強の話をすると、Aさんは「苦手なところから逃げて、試験に落ちたことがあるの」と話し始めました。(登場する人物は、よくある失敗をもとに編集部が再現したものです)
Aさんは、仕事の役に立つ医療事務の検定を目指していました。試験には、医療の制度や言葉の知識を問う問題と、診療の内容から費用の点数を計算する問題がありました。受付の仕事で毎日使っている知識の問題は、解いていて楽しく、すらすら進みました。一方で、点数を計算する問題は、細かい決まりが多く、解くたびにまちがえてしまいます。計算の問題を開くたびに、Aさんは、ついページを閉じてしまったそうです。Aさんは、「知識の問題を完ぺきにしてから、計算に取りかかろう」と考えました。
気がつくと、Aさんは、知識の問題集を3周していました。計算の問題に本格的に取りかかったのは、試験の3週間前でした。細かい決まりを覚える時間は足りず、本番では、計算の問題でほとんど点数を取れませんでした。知識の問題はほぼ満点だったのに、合計の点数は、合格の基準にわずかに届きませんでした。得意な分野をくり返すことで安心し、苦手な分野から目をそらしていたのです。
「得意なところを3周するより、苦手なところを1周するほうが大事だったのよね」。Aさんは、ヨガマットを丸めながら、苦笑いしてそう話してくれました。あと数点のところで届かなかった悔しさは、今でもよく覚えているそうです。
苦手分野の克服で失敗しない方法
苦手な分野を、はっきりさせる
「なんとなく苦手」と感じているだけでは、どこから手をつければよいかが分かりません。苦手な分野の中にも、少し練習すれば解けるところと、根本から分かっていないところがあります。過去問や練習問題を一度解き、分野ごとの正解の割合を書き出して、苦手な分野をはっきりさせることが大切です。さらに、苦手な分野の中で、どの種類の問題をまちがえているのかまで見ると、取り組む順番が決めやすくなります。
苦手な分野を、小さく分けて取り組む
苦手な分野を丸ごと克服しようとすると、量の多さに気が重くなり、手をつけるのが遅れてしまいます。苦手な分野を、10分ほどで終わる小さなまとまりに分けて、一つずつ取り組むようにしましょう。Aさんなら、「初診のときの点数」「薬の点数」のように分ければ、一つひとつは短い時間で練習できます。小さなまとまりを一つ終えるたびに、苦手意識が少しずつ小さくなっていきます。終えたまとまりに印をつけていけば、苦手な分野の残りがどれだけかも目に見えるようになります。
毎日、最初に苦手な分野に触れる
苦手な分野は、勉強の最後に回すと、疲れや時間切れで後回しになりがちです。毎日の勉強の最初の10分を、苦手な分野にあてると決めておきましょう。頭が元気なうちに取り組めば、理解も進みやすくなります。苦手な分野を先に終わらせると、そのあとの得意な分野の勉強も、気持ちよく進められます。毎日少しずつ触れることで、苦手な内容にも慣れていき、本番でも落ち着いて取り組めるようになります。
合格の基準から、目標の点数を決める
苦手な分野でも、満点を目指す必要はありません。多くの資格の試験は、合計の点数や、分野ごとの基準で合否が決まります。試験の公式の案内で合格の基準を確かめ、得意な分野と苦手な分野で、それぞれ何点を目標にするかを決めるようにしましょう。苦手な分野は「よく出る問題を確実に取る」と目標をしぼれば、取り組む範囲がはっきりします。分野ごとに最低限の点数が決められている試験もあるので、必ず確かめておきましょう。
分からないところは、人に聞く
苦手な分野は、一人でテキストを読み直しても、なかなか分からないことがあります。そんなときは、資格を持っている職場の先輩や、講座の質問の窓口に聞いてみましょう。説明の仕方が変わるだけで、急に分かることもあります。Aさんの場合も、クリニックの先輩に、実際の診療の例を使って点数の計算を教えてもらえば、ずっと早く理解できたかもしれません。仕事で毎日使っている場面と結びつけて教わると、細かい決まりも覚えやすくなります。苦手な分野ほど、人の力を借りることが近道です。
苦手を後回しにする人と、毎日少しずつ触れる人の違い
苦手分野の克服で失敗しないためのチェックリスト
苦手な分野があると感じたら、次の項目を確かめてみてください。苦手から目をそらさず、小さく向き合うことが、合格への近道です。すでに試験が近い人も、今日から最初の10分を苦手にあてるだけで、点数は変わっていきます。
- 分野ごとの正解の割合を書き出し、苦手な分野をはっきりさせた
- 苦手な分野を、10分ほどで終わる小さなまとまりに分けた
- 毎日の勉強の最初の10分を、苦手な分野にあてている
- 試験の公式の案内で、合格の基準を確かめた
- 得意な分野と苦手な分野で、それぞれの目標の点数を決めた
- 分からないところを、先輩や講座の窓口に聞いている
Aさんは、次の試験で、勉強のしかたを変えました。まず、練習問題を一通り解いて、分野ごとの正解の割合を書き出しました。点数の計算の問題は、診療の種類ごとに小さく分け、毎晩の勉強の最初の10分で一つずつ取り組みました。分からないところは、クリニックの先輩に、昼休みに5分だけ教えてもらったそうです。知識の問題は、週末にまとめて確かめるだけにしました。半年後、Aさんは、計算の問題でもしっかり点数を取り、合格することができました。「苦手なところは、毎日少しずつなら、意外と怖くなかったの」。Aさんは、更衣室のドアを開けながら、そう言って笑っていました。
資格と学び直しで後悔しないために
苦手な分野を克服するには、分からないところを質問できる講座を選ぶことと、毎日の苦手の練習を予定として決めておくことが役立ちます。
資格取得・キャリアアップの【ヒューマンアカデミー】
医療事務やビジネス、ITなど、幅広い分野の資格講座から、目的に合うものを比べて選べるタイプです。無料の相談で、苦手な分野を質問できるサポートがあるかを確かめておくと、つまずいたときに抜け出しやすくなります。
タイムマネジメント・スケジュール管理ツール【todoist】
毎日のやることを、くり返しの予定として登録できるタイプです。「最初の10分は苦手な分野」と予定に入れておけば、苦手を後回しにすることを防げます。
まなぶ
みらい
まなぶ苦手分野の克服で失敗する原因は、得意な分野を固めてからと考えて、解ける分野ばかりをくり返し、苦手な分野を試験の直前まで後回しにしてしまうことです。苦手をはっきりさせ、小さく分け、毎日最初に触れ、合格の基準から目標を決め、分からないところは人に聞く。それだけで、苦手な分野でも点数を取れるようになります。勉強法と試験対策で失敗しないための考え方は、勉強法・試験対策の失敗から学ぶでまとめています。
勉強法・試験対策については、暗記に頼った勉強で後悔する理由や不合格のあとの立て直しで後悔する理由もあわせて読んでみてください。

