結論

資格試験の当日に失敗する人の多くは、「勉強さえしておけば、当日はなんとかなる」と考えて、会場までの道のりや持ちこめるもの、試験の時間の使い方を、前もって確かめないまま試験の日を迎えてしまう人です。何か月も勉強してきた力も、当日の小さなつまずきで出しきれなくなることがあります。会場に着くまでの慌ただしさや、思いがけないルールに気持ちを乱されると、問題に集中できません。試験の当日は「勉強の成果を出す日」であると同時に、「準備の成果が問われる日」です。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、資格試験の当日に失敗した原因と、当日までに確かめておきたいことを解説します。

1失敗ストーリー

最後の10問を、一つも解けなかった話

10月の資格試験のあと、会場のビルの前の植えこみに座り、電卓をにぎって肩を落とすまなぶのイラスト

今年の10月の土曜日、まなぶは、夏から勉強してきたデータ分析の資格の試験の日を迎えました。試験は、テストセンターと呼ばれる会場で、パソコンを使って受ける方式です。勉強は、最後の1か月で一つのテキストをやりきり、手ごたえを感じていました。「あとは、当日に力を出すだけだ」。まなぶは、前の晩、遅くまで問題を解き直していました。

朝、少し寝坊したまなぶは、地図アプリを見ながら会場に向かいました。ところが、会場の入ったビルの入口が分からず、まわりを一周してしまいました。受付に着いたのは、案内の時間ぎりぎり。息を切らしながら手続きをすると、係の人から言われました。「その電卓は、この試験では持ちこめない種類です。ロッカーに預けてください」。まなぶは、試験で使える電卓の決まりを、きちんと確かめていなかったのです。画面に出る電卓を使うことになりましたが、慣れない操作に手間取りました。

試験が始まると、まなぶは1問目から順番に解いていきました。途中で計算に時間のかかる問題に引っかかり、「ここで落とすわけにはいかない」と10分以上も考えこんでしまいました。気づいたときには、残り時間はわずか。最後の10問は、問題文を読むこともできないまま、時間切れになりました。解けたはずの問題を、時間の使い方をまちがえて、目にすることさえできなかったのです。

結果は、合格の基準にわずかに届きませんでした。会場を出たまなぶは、ビルの前の植えこみに腰を下ろし、しばらく動けませんでした。「勉強はしてきたのに、試験の受け方を準備していなかったんだ」。秋の青空の下で、まなぶは、受付で預けた電卓をにぎりしめていました。

2原因分析

資格試験の当日に失敗した5つの原因

1

持ちこめるものの決まりを、確かめていなかった

電卓や筆記用具、時計など、試験会場に持ちこめるものは、試験ごとに細かく決まっています。いつも使っている道具が使えないと、それだけで焦ってしまいます。試験の1週間前までに、公式の案内で持ちこめるものと持ちこめないものを確かめ、当日の持ち物を一覧にしておくことが大切です。受験票や本人確認の書類など、忘れると受けられないものも、一覧の最初に書いておきましょう。持ちこめない道具しか持っていない場合は、使えるものを早めに用意して、本番と同じ道具で練習しておくと安心です。

2

会場までの道のりを、下見していなかった

初めて行く会場は、地図で見るより分かりにくいことがよくあります。ビルの入口や、会場の階、受付の場所が分からず、時間を取られることもあります。試験の前に、一度会場まで行ってみるか、少なくとも前日に入口や行き方を写真つきの案内で確かめておくようにしましょう。当日は、案内の時間より30分は早く着くつもりで家を出ると、思わぬことがあっても落ち着いて対応できます。余裕を持って着けば、受付の前に気持ちを整える時間もとれます。

3

時間の使い方を、決めていなかった

問題を1問目から順番に解き、難しい問題に時間をかけすぎると、あとの問題に手が回らなくなります。試験の前に、1問あたりにかけられる時間の目安を計算し、時間がかかりそうな問題は印をつけて飛ばすと決めておくことが大切です。全部の問題に一度目を通してから、残りの時間で難しい問題に戻るほうが、取れる点数は多くなります。パソコンで受ける試験では、問題に印をつけて後で見直せる機能があることも多いので、事前に使い方を確かめておきましょう。

4

本番と同じ形で、練習していなかった

問題集で一問ずつ解く練習と、決められた時間の中で全部の問題を解く本番とでは、感覚がまったく違います。試験の前に一度は、本番と同じ時間と問題の数で、通しの練習をしておくようにしましょう。パソコンで受ける試験なら、画面で問題を解く練習ができるものを使うと、本番の操作にも慣れておけます。通しの練習をすると、自分がどの問題に時間をかけすぎるくせがあるのかにも気づけます。

5

前の晩に、無理をしていた

試験の前の晩に、遅くまで問題を解き直したくなる気持ちは自然です。けれども、睡眠が足りないと、当日の集中力が落ちてしまいます。まなぶも、前の晩の夜ふかしが寝坊につながり、朝からの慌ただしさを生んでいました。前の日は、新しいことを覚えるのではなく、まちがえやすい問題を軽く見直す程度にして、早めに眠りましょう。持ち物と会場までの道のりを、前の晩のうちに確かめておけば、当日の朝も落ち着いて家を出られます。試験の当日も、勉強と同じように、準備をした人が力を出しきれるのです。

3図解

勉強だけで当日を迎える人と、受け方まで準備する人の違い

⚠ 資格試験の当日に失敗する人のパターン
持ちこめるものも会場の場所も、確かめずに当日を迎える
↓
前の晩に夜ふかしをし、ぎりぎりに会場に着く
↓
1問目から順番に解き、難しい問題で時間を使いすぎる
↓
解けたはずの問題に手が回らず、実力を出しきれない
◎ 資格試験の当日に力を出しきる人のパターン
持ち物の決まりと会場までの道のりを、前もって確かめる
↓
本番と同じ時間と形で、通しの練習をしておく
↓
1問の時間の目安を決め、難しい問題は飛ばして後で戻る
↓
落ち着いて全部の問題に目を通し、勉強の成果を出しきれる
4解決策

資格試験の当日に失敗しないためのチェックリスト

試験の日が決まったら、当日までに次の項目を確かめてみてください。勉強の仕上げと同じくらい、受け方の準備も大切です。

  • 公式の案内で、持ちこめるものと持ちこめないものを確かめた
  • 受験票や本人確認の書類など、当日の持ち物を一覧にした
  • 会場の入口や行き方を、前もって確かめた
  • 案内の時間より30分早く着くつもりで、家を出る時間を決めた
  • 1問あたりにかけられる時間の目安を計算した
  • 本番と同じ時間と形で、通しの練習をした
  • 前の晩は軽い見直しだけにして、早めに眠ると決めた

まなぶは、12月の試験にもう一度申しこみました。今度は、試験の要項を最初から読み直し、使える電卓を用意して、その電卓で問題を解く練習をしています。土曜日の午前中には、本番と同じ時間で通しの練習をし、1問に2分以上かかりそうなら印をつけて飛ばす練習もしています。試験の1週間前には、会場まで一度行ってみるつもりです。「勉強と同じくらい、受け方も練習しておかないといけなかったんだな」。まなぶは、持ち物の一覧を手帳の最後のページに書きながら、そう思っています。

※持ちこめるもの、本人確認の方法、受付の時間、試験の進め方などは、資格や試験を行う団体、会場によって異なります。受験の前に、必ず最新の公式の案内で確認してください。
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試験の当日に力を出しきるには、本番に近い形で練習できる学び方を選ぶことと、試験の日までの準備を一覧にしておくことが役立ちます。

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まなぶまなぶ
勉強はしてきたのに、電卓は使えないし、最後の10問は時間切れで見ることもできませんでした…。
みらいみらい
試験の当日は、勉強の成果を出す日であると同時に、準備の成果が問われる日です。持ちこめるものと会場までの道のりを前もって確かめて、本番と同じ形で通しの練習をしておきましょう。1問の時間の目安を決めて、難しい問題は飛ばすことも大切です。
まなぶまなぶ
試験の受け方も、練習しておくものなんですね。

資格試験の当日に失敗する原因は、勉強さえしておけばなんとかなると考えて、会場までの道のりや持ちこめるもの、時間の使い方を確かめないまま当日を迎えてしまうことです。持ち物の決まりを確かめ、会場を下見し、時間の目安を決め、通しで練習し、前の晩は早めに眠る。それだけで、勉強の成果を当日にしっかり出しきれます。勉強法と試験対策で失敗しないための考え方は、勉強法・試験対策の失敗から学ぶでまとめています。

勉強法・試験対策については、勉強法を次々に変えて後悔する理由や働きながらの資格の勉強で失敗しない方法もあわせて読んでみてください。

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