暗記に頼った勉強で後悔する理由
暗記に頼った勉強で後悔する人の多くは、「試験に出るところを覚えれば合格できる」と考えて、問題と答えの組み合わせや語呂合わせを覚えることばかりに時間を使い、なぜその答えになるのかを理解しないまま、本番を迎えてしまう人です。覚えることは、資格の勉強の大切な土台です。けれども、理由が分からないまま覚えた知識は、問題の聞き方が少し変わるだけで使えなくなり、試験が終わるとすぐに忘れてしまいます。資格の勉強は「答えを覚えるもの」ではなく、「理由と一緒に覚えて、使える知識にするもの」です。この記事では、まなぶが聞いたAさんの失敗ストーリーをもとに、暗記に頼った勉強で後悔する理由と、理解して覚える勉強のしかたを解説します。
覚えた答えが、本番で使えなかったAさんの話
日曜日の夜、まなぶは、近所のコインランドリーで、乾燥機が止まるのを待っていました。ベンチの隣に座っていたのが、ときどきここで顔を合わせるAさん(40代男性)でした。Aさんは、ビルの設備を管理する会社で、照明や空調の点検をしています。Aさんがひざの上で問題集を開いていたので、まなぶが声をかけると、「去年、この資格の試験で、覚えたことが全然使えなくてね」と話し始めました。(登場する人物は、よくある失敗をもとに編集部が再現したものです)
Aさんが目指していたのは、電気の工事に関わる国家資格でした。仕事の幅を広げるために、会社からも取ってほしいと言われていた資格です。筆記の試験に向けて、Aさんは、過去の問題と答えの組み合わせを、ひたすら覚えることにしました。計算の公式や、図の記号は、語呂合わせで覚えました。カードに問題と答えを書き、通勤の電車でめくり続けました。試験の直前には、問題を見ただけで、すぐに答えが浮かぶようになっていました。
ところが、本番の試験では、覚えていた問題と、数字や図の向きが少しずつ違う問題がたくさん出ました。答えの組み合わせで覚えていたAさんは、問題の形が変わると、どう考えればよいのかが分かりませんでした。語呂合わせで覚えた公式も、どの場面で使うのかが分からず、手が止まりました。答えを覚えることばかりで、なぜその答えになるのかを理解していなかったのです。結果は、合格の基準に届きませんでした。
「カードを何百枚もめくったのに、少し聞き方が変わっただけで、まったく使えなかったんだ」。Aさんは、回り続ける乾燥機を見つめながら、苦笑いしてそう話してくれました。あのときのカードの束は、今も家の引き出しにしまってあるそうです。
暗記に頼った勉強で後悔する理由
問題と答えの組み合わせで、覚えていた
過去の問題と答えをそのまま覚えると、同じ問題が出たときには解けますが、数字や聞き方が少し変わるだけで、解けなくなってしまいます。資格の試験では、同じ考え方を使って、形を変えた問題が出ることがよくあります。答えを覚えるのではなく、「なぜこの答えになるのか」を、一問ずつ自分の言葉で説明できるようにすることが大切です。説明できれば、形が変わった問題でも、同じ考え方で解けるようになります。
公式や決まりを、理由と切り離して覚えていた
語呂合わせは、覚えるきっかけとしては便利です。けれども、公式や決まりを、意味や使う場面と切り離して覚えると、本番で「どの公式を使えばいいのか」が分からなくなります。公式を覚えるときは、「何を求めるための式か」「どんな場面で使うか」をセットで書いておくようにしましょう。テキストの説明に戻って、その公式がどこから出てきたのかを一度確かめておくと、忘れにくくなります。語呂合わせは、理解したあとの思い出すための道具として使うのがおすすめです。
覚えた量で、進み具合を測っていた
カードを何枚覚えたか、問題集を何周したかは、進み具合が見えやすいため、つい目標にしがちです。けれども、覚えた量が増えても、理解が深まっているとは限りません。進み具合は、「初めて見る問題を、どれだけ解けるか」で確かめるようにしましょう。練習で、数字を変えた問題や、別の年の問題を解いてみると、本当に理解できているかが分かります。解けなかった問題は、覚え直すのではなく、考え方に戻って確かめます。
仕事の経験と、結びつけていなかった
資格の内容が仕事に関わるものなら、毎日の仕事の経験と結びつけることで、理解がぐっと深まります。Aさんの場合、ビルの点検で目にしている設備が、試験の問題の中にたくさん出てきていました。テキストで学んだことを、「仕事のどの場面の話か」と思い浮かべながら読むようにしましょう。実物を思い出せると、記号や公式の意味がつかみやすくなり、本番でも考えて解けるようになります。職場の先輩に、実際の仕事ではどう使うのかを聞いてみるのも、理解を深めるよい方法です。
試験が終わったら、忘れてしまう勉強をしていた
暗記だけで合格を目指すと、試験が終わったあとに、学んだことがほとんど残りません。資格は、取ったあとに仕事で使ってこそ意味があります。理由と一緒に覚えた知識は、仕事の場面でも思い出しやすく、長く使い続けることができます。資格の勉強を、試験に受かるためだけでなく、仕事で使える知識を身につける時間だと考えてみましょう。そう考えると、遠回りに見える「理解する時間」が、合格にも、そのあとの仕事にもつながっていきます。覚えることと理解することは、どちらか一方ではなく、両方そろって力になるのです。
答えを覚える人と、理由と一緒に覚える人の違い
暗記に頼った勉強で後悔しないためのチェックリスト
勉強のしかたが暗記ばかりになっていないか、次の項目を確かめてみてください。理解する時間を少し足すだけで、覚えた知識が、使える知識に変わります。
- まちがえた問題の答えの理由を、自分の言葉で説明できる
- 公式を、何を求める式か、どこで使うかとセットで書いた
- 語呂合わせは、理解したあとの思い出す道具として使っている
- 数字を変えた問題や、別の年の問題で確かめている
- テキストの内容を、仕事の場面と結びつけて読んでいる
- 分からないところを、職場の先輩に聞いてみた
Aさんは今年、もう一度同じ試験に挑んでいます。今回は、問題を一問解くたびに、「なぜこの答えになるのか」をノートに一行で書くようにしました。公式は、点検で見ている設備の写真を思い浮かべながら、どの場面で使うのかと一緒に覚えています。分からないところは、職場の先輩に実物を見せてもらいながら教わったそうです。「答えを覚えるより、理由を覚えるほうが、結局は早かったんだよ」。Aさんは、乾燥機から取り出したタオルをたたみながら、そう言って笑っていました。
資格と学び直しで後悔しないために
理解して覚える勉強には、分からないところを質問できる講座や、考え方まで説明してくれる教材を選ぶことが役立ちます。
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幅広い分野の資格講座から、目的に合うものを比べて選べるタイプです。無料の相談で、目指す資格の勉強の進め方や、分からないところを質問できるかを確かめておくと、理解しながら進めやすくなります。
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法律系の資格や公務員試験のほか、社会保険労務士、宅建士、FPなどの講座も扱うスクールです。暗記だけでは太刀打ちしにくい難しい資格を目指すときは、無料のガイダンスで、理解を重ねる勉強の進め方を聞いておけます。
まなぶ
みらい
まなぶ暗記に頼った勉強で後悔する原因は、問題と答えの組み合わせや語呂合わせを覚えることばかりに時間を使い、なぜその答えになるのかを理解しないまま本番を迎えてしまうことです。理由を説明し、公式を使う場面とセットで覚え、初めての問題で確かめ、仕事と結びつけ、試験のあとも使える知識にする。それだけで、勉強の時間がしっかり力になります。勉強法と試験対策で失敗しないための考え方は、勉強法・試験対策の失敗から学ぶでまとめています。
勉強法・試験対策については、過去問の使い方で失敗する人の特徴5選や苦手分野の克服で失敗しない方法もあわせて読んでみてください。

