結論

IT資格の選び方で失敗する人の多くは、「IT業界にいるなら、エンジニアと同じ資格を取るべき」と考えて、自分の仕事でどんなITの知識が必要かを確かめないまま、まわりのエンジニアが持っている専門的な資格を目指してしまう人です。IT資格には、誰もが知っておきたい基礎の知識を問うものから、システムを作る人向けの専門的なもの、特定の製品やサービスの使い方を問うものまで、さまざまな種類があります。自分の仕事と合わない資格を選ぶと、勉強の中身が仕事とつながらず、途中で止まりやすくなります。IT資格は「業界で有名な資格」で選ぶのではなく、「自分の仕事で使うITの知識」から選ぶものです。この記事では、まなぶの失敗ストーリーをもとに、IT資格の選び方で失敗しない方法を解説します。

1失敗ストーリー

エンジニア向けの資格で、手が止まった話

春の昼休み、オフィスの休憩スペースでエンジニアの先輩から、営業企画に合うIT資格の選び方を教わるまなぶのイラスト

2年前の12月、まなぶは、IT企業の営業企画の部署に転職しました。入社してすぐのころ、会議では、システムやネットワークの言葉が次々に飛び交いました。まなぶは、話についていけないことに焦りを感じていました。「IT企業にいるのに、ITのことが分からないのはまずい」。そう思ったまなぶは、同じ時期に入社したエンジニアの同僚が持っていると話していた、システムを作る人向けの国家試験を目指すことにしました。

年明けからテキストを開くと、プログラムの書き方や、計算のしくみ、システムの設計の方法など、まなぶにはなじみのない内容がずらりと並んでいました。仕事のあとに少しずつ読み進めましたが、プログラムの問題になると、何が書いてあるのかも分かりません。会議で飛び交う言葉は、テキストのどこに出てくるのかも分からないままでした。春になるころには、テキストを開く日は、ほとんどなくなっていました。

自分の仕事でどんなITの知識が必要かを考えずに、エンジニアと同じ資格を目指していたのです。営業企画の仕事で必要だったのは、システムを作る方法ではなく、取引先にサービスを説明したり、エンジニアと話したりするための、ITの基礎の知識でした。

そのことに気づいたのは、入社して半年ほどたったころ、エンジニアの先輩に相談したときでした。先輩は「営業企画なら、まずはITの基礎を広く問う試験のほうが合っていると思うよ。言葉の意味が分かれば、会議の話はずっと分かるようになる」と教えてくれました。まなぶは、半年かけて読んだテキストの最初の数章を思い出しながら、遠回りしたことに気づきました。先輩の言葉で、半年分の焦りが、少しだけ軽くなった気がしました。

2原因分析

IT資格の選び方で失敗しない方法

1

自分の仕事で使うITの場面を、書き出す

同じIT企業で働いていても、職種によって必要なITの知識は大きく違います。システムを作る人には専門的な技術が、営業や企画の人には、サービスの説明や提案に必要な基礎の知識が求められます。資格を選ぶ前に、「仕事で、ITの知識が必要になる場面」を3つほど書き出すことが大切です。まなぶなら、「会議でエンジニアの話を理解する」「取引先にサービスのしくみを説明する」「提案書にシステムの説明を書く」と書き出せば、基礎の知識が中心だと分かったはずです。

2

IT資格の種類と、レベルを知っておく

IT資格には、大きく分けて、ITを使う人みんなが知っておきたい基礎の知識を問うもの、システムを作る人向けの専門的なもの、特定の会社の製品やサービスの使い方を問うものがあります。国家試験の中にも、レベルが段階的に分かれているものがあります。資格の公式の案内で、「どんな人に向けた試験か」と「どんな問題が出るか」を確かめてから選ぶようにしましょう。対象となる人の説明を読むだけでも、自分に合うかどうかの見当がつきます。

3

まわりの人の資格を、そのまま目指さない

同僚が持っている資格は、身近で分かりやすい目標に見えます。けれども、それはその人の仕事に合っていた資格です。自分の仕事に合うとは限りません。まわりの人の資格を目指す前に、「その人の仕事と、自分の仕事は同じか」を考えるようにしましょう。同じ職種の先輩が持っている資格や、役に立った勉強を聞くほうが、自分に合う資格を見つけやすくなります。違う職種の人には、「自分の仕事なら、何から学ぶとよいか」を聞いてみると、よい助言をもらえることがあります。

4

基礎から順番に、積み上げる

いきなり専門的な資格を目指すと、前提となる知識がないため、テキストの内容が理解できず、勉強が止まってしまいます。まずは基礎の資格で全体の言葉としくみを知り、仕事でもっと必要になったら、次の段階を考えるようにしましょう。基礎の知識があれば、専門的な内容も理解しやすくなります。順番に積み上げることで、一つひとつの合格が自信になり、次の勉強を続ける力にもなります。最初の一歩は、小さすぎるくらいでちょうどよいのです。

5

学んだ言葉を、仕事ですぐに使う

IT資格の勉強は、テキストの中だけで終わらせると、すぐに忘れてしまいます。会議で出てきた言葉をテキストで調べたり、学んだ言葉を使って提案書を書いてみたりすると、知識が仕事と結びついていきます。勉強した日には、その日の仕事で聞いたITの言葉を一つ、テキストで確かめる習慣をつけてみましょう。仕事と勉強が行き来するようになると、資格の勉強が、そのまま仕事の力になっていきます。分からない言葉をエンジニアに聞くきっかけにもなり、職場の人との会話も増えていきます。

3図解

有名な資格を目指す人と、仕事から選ぶ人の違い

⚠ IT資格の選び方で失敗する人のパターン
IT業界だからと、エンジニア向けの資格を目指す
↓
前提の知識がなく、テキストの内容が理解できない
↓
勉強が仕事とつながらず、途中で止まる
↓
時間をかけたのに、会議の話は分からないまま
◎ IT資格を上手に選ぶ人のパターン
仕事でITの知識が必要になる場面を書き出す
↓
試験の対象となる人と問題を確かめ、基礎から選ぶ
↓
学んだ言葉を、会議や提案書ですぐに使う
↓
資格の勉強が、そのまま仕事の力になっていく
4解決策

IT資格の選び方で失敗しないためのチェックリスト

IT資格を目指す前に、次の項目を確かめてみてください。仕事に合う資格から始めれば、勉強はずっと続けやすくなります。

  • 仕事でITの知識が必要になる場面を、3つほど書き出した
  • 資格の公式の案内で、どんな人に向けた試験かを確かめた
  • 出題される内容が、書き出した場面とつながっているか確かめた
  • 同じ職種の先輩に、役に立った資格や勉強を聞いた
  • まずは基礎の資格から始めると決めた
  • 仕事で聞いたITの言葉を、テキストで確かめる習慣をつけた

先輩に相談したあと、まなぶは、ITの基礎を広く問う国家試験に目標を切りかえました。会議で出てきた言葉を手帳に書き、昼休みにテキストで調べるようにすると、勉強がぐんと進みました。去年の秋、まなぶはその試験に合格しました。今では、会議でエンジニアの話を聞いても、ほとんどの言葉の意味が分かります。取引先にサービスのしくみを説明するときも、前より自信を持って話せるようになりました。「最初から、自分の仕事で考えればよかったんだな」。まなぶは、エンジニア向けのテキストを本棚に戻しながら、そう思いました。

5おすすめサービス

資格と学び直しで後悔しないために

IT資格を目指すときは、自分の仕事に合う基礎から学べる講座を選び、分からないところを相談できる環境を整えておくと、勉強が止まりにくくなります。

A
基礎から学びたい人向け

資格と仕事に強い!個人レッスンのプログラミングスクール【Winスクール】

パソコンやITの講座を、個人レッスンの形で学べるスクールです。自分の仕事や目指す資格を伝えて、基礎のどこから学ぶとよいかを相談しながら進められます。

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幅広い資格から比べて選びたい人向け

資格取得・キャリアアップの【ヒューマンアカデミー】

ITやプログラミング、パソコンの資格など、幅広い分野の講座から、目的に合うものを比べて選べるタイプです。無料の相談で、自分の仕事に合うIT資格のレベルを確かめてから選べます。

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まなぶまなぶ
エンジニアと同じ資格を目指したら、テキストの中身が分からず、半年で止まってしまいました…。
みらいみらい
IT資格は、業界で有名な資格で選ぶのではなく、自分の仕事で使うITの知識から選ぶものです。仕事でITの知識が必要になる場面を書き出して、試験の対象となる人を確かめましょう。基礎から順番に積み上げることも大切です。
まなぶまなぶ
まわりの人の資格より、自分の仕事が出発点なんですね。

IT資格の選び方で失敗する原因は、IT業界だからとエンジニアと同じ資格を目指し、自分の仕事でどんなITの知識が必要かを確かめないことです。仕事の場面を書き出し、資格の種類とレベルを知り、まわりの資格をそのまま目指さず、基礎から積み上げ、学んだ言葉を仕事で使う。それだけで、IT資格の勉強は仕事の力になります。資格選びで失敗しないための考え方は、資格選びの失敗から学ぶでまとめています。

資格選びについては、資格手当を目当てに資格を選んで後悔する理由や40代からの資格選びで後悔する理由もあわせて読んでみてください。

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